以前、くらしごとでは、木古内町公式キャラクターのキーコにインタビューを行いました。
初めまして! 木古内町公式キャラクターのキーコです!!
そんなまちのキャラクターシリーズ第2弾!
今回の舞台は道南の北海道長万部町。くらしごとではまだ長万部町についての紹介をしたことがありませんでした。
長万部町といえば、笑顔がチャーミングでちょっと個性的なオーラを放つ、マスコットキャラクターの「まんべくん」
色々な過去を乗りこえ、長万部町の魅力を伝え続けるまんべくんに会いにいってみたいという取材陣の思いと、普段全国を飛び回って忙しいまんべくんが現在は町内の活動がメインとなっているタイミングが重なり、今回の取材が実現しました。
長万部町は、かの有名なかにめしをはじめ、ENRICH(エンリッチ) ミニトマト、自然、温泉など、さまざまな魅力があるまち。まんべくんと一緒に素敵な場所やものを探しながら、長万部町をまわってみたいと思います。
ぜひ、まんべくんのポージングや表情なども楽しみながらご覧ください!
まんべくんと長万部めぐり!
普段は観光協会にいることが多いというまんべくん。お話を聞くためにまず観光協会に伺いました。
観光協会はJR長万部駅に併設。まんべくんが手をふってくれています
同席してくれたのは、まんべくんに詳しい長万部町役場産業振興課の真壁さん。さっそく、まんべくんについてのお話を聞いてみたいと思います!温厚でのんびり屋のまんべくんは、自分のことをあまり語らない主義のよう。そこはすかさず真壁さんがフォローしてくれます。
こちらが真壁さん。ご出身は函館市で、長万部町には就職を機に来たのだそう
真壁さん、まずはまんべくんの誕生についてのお話を教えてください!
「まんべくんは、長万部町開礎130年・町制施行60年を記念して町のイメージキャラクターとして誕生しました!学生さんから公募で募集し、入選を果たしたデザインなんですよ。町花のあやめ、特産品のホタテ貝と毛ガニがあしらわれています。誕生日は7月31日で、例年7月の最終日曜日にお誕生会も開いています」
なんと!お誕生会まで開かれているとは、まんべくんは町民の皆さんに愛されているんですね。
まんべくんも表情がなんだか嬉しそうです。
では、まんべくんってどんな性格をしているのでしょうか?
「イタズラ好きな性格で、色々な方にイタズラしているみたいです。実は目立ちたがり屋だったり、ドジでおっちょこちょいだったりと、憎めない子ですね。温厚でのんびりしていますが、ものすごく怒ったときはカニばさみで攻撃することもあるみたいです。まだ誰もその姿を見たことはありませんが(笑)」
天真爛漫な性格なのですね!先ほど、取材陣がカニばさみでちょっと挟まれたのはそのせいだったのですね・・・。でもまんべくんが我々をリラックスさせようとしてくれていたことは伝わってきていました。
お茶目なまんべくん
それでは、まんべくんの好きなものはなんですか?
『好きなもの・・・・・・ラーメンまんべ』
まんべくん自ら口を開いてくれました!とってもラーメンが好きなんですね。長万部町には色々なラーメンがあるでしょうから、食べ歩きもきっと楽しいのでしょうね。
以前長万部町の「三八飯店さん(地域に愛され受け継がれる味「浜チャンポン」)」を取材しましたが、こんな素敵なラーメンも毎日食べられるなんてうらやましいです。
そして以前までは全国を飛び回って長万部町のPR活動を続けていたというまんべくんですが、今はどんな活動をしているのですか?
「現在はなかなか外に出ることが難しいので、町内でのPR活動がメインです。稀に北海道内のイベントや物産展に行く機会もあります。町内外のイベントに出て、町おこしや認知度アップのために活躍してくれています。お客様との記念撮影に応じてくれたり、イタズラを仕掛けたりと頑張ってくれているんですよ。でもまんべくんとしては、全国の仲良しのキャラクターに会うことができず、少しさみしいかもしれませんね」
『早く会いたいまんべ・・・』
そうですよね・・・。全国のお友達のゆるキャラも多いというまんべくん。笑顔が少しさみしげです。いつかまた再会できる日が待ち遠しいですね!
そして、一方でまんべくんは科学的な実験・開発をされていると噂で聞いたのですが、一体どういうことなのでしょう?もしかして、機械の体にされてしまうのですか?
「いえいえ。それはありませんのでご安心ください。実はまんべくん、AIで的確な観光案内や情報提供が出来るようになったんです」
AIまんべくんの部屋。回答すると、そのときの気分や好みに合わせたオススメの場所・商品などを紹介してくれます
AIとは最先端の技術ですね!どうしてそんなことができたのですか?
「長万部町には東京理科大学の長万部キャンパス(学生が1年次に全寮制で過ごす校舎)があり、その縁から町と大学とが連携して地方創生事業をしているんです。その一環として、大学の子会社の『東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社』が町や連携事業のブランディング・プロモーションを担当してくれています。『AIまんべくんの部屋』というWEBコンテンツを町のホームページに設置し、それぞれのユーザーが選択していく内容に合わせてピッタリの観光場所を案内をしたり、ふるさと納税のご紹介をしたりしているんですよ」
なるほど!東京理科大学との繋がりでの開発・まちおこし事業だったのですね。まんべくん、AIにも対応できちゃうなんて、すごいですね。
それでは、まんべくんのことを色々と知ることができたところで、少し外へ出てみましょう!
まず最初に、長万部といえば、海のまち!ということで、早速長万部海岸へ案内してもらうことに。
Beatlesさながらの存在感で横断歩道を渡ります
「長万部は噴火湾に面した漁業がさかんなまちです。太平洋の潮流が流れ込む噴火湾の最奥部に位置し、道南と道央を結ぶ拠点です。天気の良い日には駒ヶ岳や室蘭、羊蹄山などが望めるんですよ」と真壁さん。
晴れの日はとても気持ちいい光景が広がります
長万部は毛ガニだけでなく、ホタテやホッキ、カレイなど美味しい魚介の宝庫。有名な「かにめし」でも知られるように、毛ガニの水揚げ量が非常に多いですが、実はホタテも噴火湾一の水揚げ量を誇っているそうなのです。「耳吊り」で育てられた、甘くて身が厚いホタテ・・・なんとも魅力的ですね!
また、10年の歳月を経て、1994年に完成した国縫漁港は、全国初の「ワイングラス型漁港(人工島式漁港)」。波の移動や砂の移動が漁に影響を与えないように設計された画期的な漁港なのだそう。
観光協会から出るのは久しぶりだというまんべくん!『長万部の海は気持ち良くて最高まんべー』
歩いていると、そろそろお腹がすいてきたというまんべくん。次は、『かにめし本舗かなや』へ案内してもらいました。
『かにめし、大好きまんべ』と、とっても喜んでいる様子です。取締役総括本部長の松島徹さんとも記念撮影!
そして、真壁さんが長万部町の「かにめし」の歴史について教えてくれました。
「長万部町は函館本線と室蘭本線が交差する交通の要衝なので、鉄道の全盛期は大層賑わっていたようです。そんな中、金谷勝次郎さんという方が車内で茹でた毛ガニの販売をはじめ、大変好評を得ていたそうです。ただ、毛ガニの漁期は夏場なので、茹で毛ガニも夏しか販売できませんでした。そこで、1年を通して毛ガニのおいしさを味わってもらおうと考えて、1950年にかにめしが誕生したという歴史があるんです」
今では7店舗で味わえるという「かにめし」の元祖が、ここ「かにめし本舗かなや」。漁期が2週間ほどしかないという非常に貴重な毛ガニのおいしさを、1年中味わってもらうために先代が工夫をこらした渾身の味が、長万部町のかにめしなのです。
さて、次は長万部温泉の老舗旅館である「丸金(まるきん)旅館」に向かいました。
日帰り入浴もできますよ!
まんべくんも長万部温泉が大好きで、雪見露天にも入ったことがあるのだとか。
『ふ〜長万部温泉はやっぱり最高まんべー』
「長万部温泉は、昭和30年(1955年)、天然ガス試掘中に偶然天然ガスと一緒に温泉が噴出したのが始まりです。井戸周辺は温泉が湧き続け、たちまち野天風呂化してしまいました。そこで町営の仮施設を設置したところ、売店・食堂・酒場・旅館が次々に開業し、あっという間に温泉街ができあがったそうです」
と、教えてくれた真壁さん。長万部温泉にはそんな歴史があったのですね。現在は、7軒の宿泊施設が立ち並び、旅行客や仕事で訪れた方が疲れを癒やしています。
また、長万部町大峯地区にある二股らぢうむ温泉も、明治時代から湯治場として知られおり大変有名です。露天風呂からの泉質の炭酸カルシウムが長年沈殿してできた巨大な「石灰華ドーム」が見られ、北海道の天然記念物にもなっていて、その姿は圧巻です!
さて、長万部温泉をあとにすると、そろそろおやつが食べたくなったというまんべくん。
次は、GABAやリコピンを豊富に含み平均糖度8以上の高糖度トマトである『ENRICH(エンリッチ) ミニトマト』を栽培している「長万部アグリ株式会社」に行ってみることに。
『土と植物のいい匂いがするまんべ』
長万部アグリ株式会社は東京理科大学と長万部町が連携した地方創生事業の一環として誕生したのだそう。株式会社プラントライフシステムズ(本社神奈川県)が持っている先進的な農業システムや長万部町産の帆立の貝殻を利用して作られているのだとか。健康状態に合わせた最適な栄養素、水、二酸化炭素、光をバランスよく与え、ここまで高糖度のトマトを栽培しているのだそうです。
商品は長万部駅や町内のコンビニエンスストアで購入できるのだといいます。エンリッチトマトを使ったトマトジュースも大人気です。
さて、いよいよ次で最後のスポット、「町民センター(鉄道村・郷土資料館)」に行ってみます!
入り口に入るとすぐ、大きな鉄道の部品を発見しました!すごい迫力です。
まずは、「鉄道村」へと進んでみましょう。
鉄道村・・・ということは、長万部町は鉄道になにか縁があるのですか?
「はい。かつては国鉄の街として栄えていた歴史があります。鉄道村では、当時の長万部町を想起させる、元鉄道職員OBからの寄贈品である貴重な鉄道グッズを展示しています」
郷土資料館は、長万部の歴史に関する史料を一堂に集めた移設で、郷土史も学ぶことができます。寛文9年(1669年)のシャクシャインの戦いから現代までの、町の歩みをたどる多くの民俗文化財などが展示されているんですよ」と、真壁さんが教えてくれました。
貴重な史料がたくさんあるこの場所では、長万部の歴史に一気に詳しくなれそうですね!
それでは、最後にまんべくんの拠点である観光協会に戻りましょう。
観光協会にはまんべくんのオリジナルグッズがたくさん販売されています。
『ちょっと恥ずかしいまんべー』というまんべくんを横目に、色々な商品を見てまわってみます。
この風景からもわかるように、「長万部の顔」として、絶大な人気と存在感を誇るまんべくん。
真壁さんは、まんべくんについてどのように思っているのでしょうか?
「まんべくんをきっかけに、長万部のことを知ってくれた人も多いと思います。イベントに出るたびに多くの方に集まってもらい、本当に愛されているキャラクターだと実感します。これからもさらに多くのファンに慕われるキャラクターになってほしいです!」
愛嬌があり、サービス精神も欠かさないまんべくんは、一度会ったらすぐにファンになること間違いなしですね!
また、長万部町での今後の展望について、こんな風にも話してくださいました。
「長万部の隠れた地域資源や魅力を発見して、観光コンテンツに更に磨きをかけて、長万部のファンをもっと増やしていきたいです。特に力を入れていきたいのが、体験型観光コンテンツの開発ですね。また、2030年度末に当町の北海道新幹線の開通が予定されていて、札幌や函館との時間的な距離が劇的に縮まります。長万部から道南や札幌へ通勤・通学をすることも現実的になってきますので、将来は居住地として移住先の有力な選択肢となれるような町にしていきたいですね。北海道新幹線が札幌まで開業すれば本州ともっと近づくので、道外のイベントなどにも積極的に参加できたらいいなと思っています!」
そうですよね!長万部の新幹線の開業は、北海道にとっても大きな一歩ですよね。観光コンテンツもさらに充実させていきたいという熱い想いも、今後の長万部町がさらに楽しみになります。
こんな風にまんべくんがお出迎えしてくれる日が楽しみですね!
おいしい食があり、温泉があり、歴史もあり、のんびりと観光スポットを楽しめる長万部町。決して派手なものはないかもしれませんが、奥底からじんわり癒やしてくれるような、あたたかく味わい深い町なのだと思います。
最後に、まんべくんから皆さんに向けて貴重なメッセージをいただきました!
『おいしい海産物に温かい温泉、疲れを癒やしにみんな長万部にあつまんべー』
- 長万部町公式キャラクター まんべくん(長万部町役場 産業振興課、長万部観光協会)
- 住所
北海道長万部町字長万部453-1
- 電話
℡01377-2-2000
◎長万部町役場・・・http://www.town.oshamambe.lg.jp/index.php
◎長万部観光協会https://www.osyamanbe-kankou.jp