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札幌市

「看護師になりたい」を、僕が一緒に叶えたい!創研学園 看予備20250818

この記事は2025年8月18日に公開した情報です。

「看護師になりたい」を、僕が一緒に叶えたい!創研学園 看予備

北海道札幌市にある看護医療系専門予備校「看予備(※)」。ここは主に看護師などの医療系専門職を目指す受験生のための専門予備校であり、高校生や社会人など幅広い層を対象に、看護大学、専門学校への合格をサポートしています。
今回インタビューするのは、ここで受験アドバイザーを務める羽田 知浩さんです。羽田さんは、生徒の進路相談や面接練習の他に、道内の高校へ出向いて看護師志望の生徒へ進路に関する講義を行うなど、多岐にわたって活躍しています。そのエネルギーの源を聞くと、「生徒からの合格報告です」と笑う羽田さん。彼の笑顔の奥にある、生徒指導にかける熱い想いと、これからの看予備についてお話を伺いました。

※正式名称は、学校法人 創研学園 看予備

海外経験で知った「自分が変わる」ことの大切さ

現在、看予備の受験アドバイザーとして、看護師を目指す高校生の受験の悩み相談に応じている羽田さん。実は、羽田さん自身、就職氷河期と呼ばれた世代で、就職には悩み、苦労したと言います。
何社も不採用になり、卒業後は、水産会社に就職しました。配属されたのは魚卵の買い付け部門。入社早々、数の子を仕入れるため、突然アイルランドへの出張を命じられます。

kannyobi00040.jpgこちらが、お話をうかがった受験アドバイザーの羽田知浩さん

羽田さんは、海外経験もなく、英語もほとんど話せない状況。それでも、宿もレンタカーもすべて自分で手配しなければなりませんでした。さらに、商談も英語。誰にも頼れない環境の中、羽田さんは初めて、本当の孤独を味わったといいます。そんなある日、ふと、このままではダメだと気づいた羽田さんは、まず自分を変えようと決意しました。

「とにかくテレビをつけっぱなしにして、毎日英語を聞き続けました。すると、ある日突然、英語がスッと入ってくるようになったんです。少しずつ言葉が通じるようになると、周りも徐々に変化していきました」

そんな海外生活の中で、羽田さんは、価値観を揺さぶられるような出来事に何度も出合います。例えば、窓やドアが壊れたままの車が普通に走っている光景に驚いたとき、現地の人からこんな言葉をかけられました。

「日本ではショーケースに並んでいるような車が当たり前だが、車はただの交通手段。ピカピカにしすぎていると、いざ事故を起こしたとき、相手のケガより自分の車の傷を気にするようになる。そんな人間になったらダメだ」

また、職場の同僚が遅刻した際には、上司の対応にも衝撃を受けたそう。同僚は、家族の看病のために遅れましたが、上司は彼の遅刻を叱責するのではなく、具合の悪い家族を置いて仕事に来たことに激怒したのです。

「あのときは愕然としました。仕事はプライベートを豊かにするためのもの。プライベートを犠牲にしてまでやらなければならない仕事はない、ということだったんです。素晴らしい考え方だと思いました」

kannyobi00025.jpg職員室にて、スタッフの皆さんと

このような価値観に出合えたのは、自分から積極的に動いて周囲と関わるようになったからだと、羽田さんは語ります。多くを学んだ1年でしたが、やりたいこととは違う。そう気づいた羽田さんは、水産会社を退職し、次の道へと進む決意をします。

本当にやりたかったことに気づき、教育の現場へ

羽田さんは大学時代、社会科の教員課程を履修していました。ただ、最後まで単位を取得することはなく、教職への道は途中で断念しています。理由は、教員の役割に対する自身の希望とのギャップにありました。

学校の教員には、授業を行う「学習指導」と、生徒の進路相談や三者面談などを担う「生徒指導」という二つの役割があります。羽田さんが関心を持っていたのは後者。学びを教えるよりも、生徒一人ひとりと向き合い、進路や将来について話す仕事に魅力を感じていました。

「教員になったら、授業を持たずに担任だけをするのは無理なんですよね。だから、教員になるのはあきらめました。それでも、どこかで教育に対するしこりは残っていたんです」

教育に関わる仕事への思いを捨てきれなかった羽田さんが、水産会社を退職したタイミングで注目したのは予備校業界。予備校では、授業を担当する講師と進路指導を行う職員の役割が明確に分かれており、生徒指導に専念することが可能です。自分のやりたいことと一致していると感じた羽田さんは、公務員試験に特化した全国規模の予備校への転職を決めました。新しい職場では、希望通り進路相談に携われたものの、10年以上勤務して職位が上がるにつれて業務内容は変化していきます。

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「教材研究やカリキュラム作成などの仕事が中心となり、生徒と直接関われなくなるんです。自分がやりたかったことから離れてしまう。この先もずっとこれが続くのかと思ったら、ここで働き続けるのは難しいと感じるようになりました」

そんなとき、以前から知人だった看予備の前理事長と話す機会がありました。羽田さんがこれまでの経緯を伝えると、「生徒指導がしたいなら、うちでやってみないか」と声をかけてくれたのです。現場に立ち続けられる環境は、羽田さんにとって何よりの魅力。ようやく自分のやりたいことに集中できる場を見つけることができました。こうして羽田さんは、看予備に入社。受験アドバイザーとしての仕事に取り組み始めます。

受験アドバイザーとして進路に悩む高校生を支える

受験アドバイザーとは、生徒の進路や受験に関する悩みに耳を傾け、必要に応じて適切な助言を行う仕事です。志望校の選び方や学習へのモチベーション、さらには家庭の事情や金銭面、将来の就職まで、相談内容は多岐にわたります。生徒指導をしたいと考えていた羽田さんにとっては、まさにぴったりの仕事です。

現在、羽田さんは主に看護師を目指す現役の高校生を対象に、大学受験に向けた支援を行っています。予備校に通っている生徒の相談に乗るだけでなく、全道各地の高校に出向き、「出前講義」と呼ばれるガイダンスも行っているそう。その数は、年間およそ100回ほどになるといいます。

kannyobi00050.jpg講師陣とも密にコミュニケーションをとり、高校生からのどんな質問にも答えられるようにしています

「進路指導では、その人に合った学校を一緒に見つけていくことが大切です。本人が希望していても、学校のカラーや特色が合わないこともあります。常に学校や受験に関する情報をアップデートし、生徒に伝えるようにしています」

看予備の特徴は、生徒と講師の距離の近さだと羽田さんは話します。一般的な予備校では、講師は非常勤で職員室に常駐せず、生徒が自由に職員室に入ることもできません。一方、看予備では専任スタッフが常駐し、生徒も気軽に職員室に出入りできます。

「まるで高校の職員室のようなんですよ。卒業後もよく顔を出してくれるし、一緒に食事に行くこともあります。おそらく、一般的な予備校ではあまりないことですよね」

これまで数多くの高校生と接してきた羽田さん。中でも、特に印象に残っている生徒がいるといいます。「志望動機を聞いてほしい」と声をかけてきた彼女は、被災地で活躍する災害看護師を目指していたそう。高校生ながらに、災害現場での活用を見据えてドローンの操縦を学び始めており、関連する研究を行っている大学の教授の名前までスラスラと読み上げました。

「過去の体験をもとに志望理由を語る生徒が多い中で、あれほど明確な目的意識を持っていたことに驚かされました。話を聞いた後は、すごいという言葉しか出ませんでしたね」

他にも、どのような質問や相談があるのかも尋ねてみました。

kannyobi00051.jpgどんな質問にも、即答してくれる羽田さん。その記憶力と情熱に圧倒されます。隣は、今年から羽田さんとともに働く後輩の大地(おおち)優貴さん

「よくあるのは、受験校をどこにしたらよいかという相談です。中でも多いのが、一番いい学校はどこかという質問。でも、一番いい学校なんてないんですよね。一人ひとり何を大事にするかが違いますから、いろいろな切り口で決めていいと思っています」

通学のしやすさ・学費・就職実績・学びの内容など、選ぶ基準は人によって異なります。羽田さんは、そうした個々の価値観に向き合いながら、生徒自身が納得できる進路選びを支援しています。

人生が変わる瞬間に立ち会える

羽田さんがこの仕事にやりがいを感じるのは、大学合格の報告を受ける瞬間だといいます。たとえ第一志望の学校ではなくても、受験を乗り越えた生徒の声を聞くたびに、この仕事の意義を実感できるのだそうです。

「人生が変わる瞬間ですからね。ターニングポイントに間違いなく自分が関わっていたと思うと、どんなに忙しくても頑張ろうと思えます」

これまで看予備から大学に進学し、看護師になった生徒は数多くいます。そんな卒業生たちの姿を見るのはうれしい一方で、ちょっと複雑な気持ちもあると羽田さんは話します。

「あちこちの病院に卒業生がいるので、うっかり病気にもなれないんですよ(笑)。昨年、子どもが生まれたときも、両親学級を担当していたのが卒業生だったんです。講義が始まる前から『羽田さーん!』と声をかけられてしまって。周囲の方々は事情を知らないので、僕だけが、やたら厳しく指導されているように見えたと思います(笑)」

kannyobi00008.jpg実は、パソコン作業が苦手とのこと。

仕事での苦労として挙げるのは、移動の多さとパソコン作業です。全国各地の高校に出向く中で、片道4時間の日帰りも珍しくありません。札幌から旭川への移動なら「コンビニに行く感覚」と羽田さんは笑います。また、各校から集めた情報を可視化し、資料として整理する作業が苦手だともいいます。

「ゲームはすごく好きで何時間でもできるんですが、パソコンとなると集中できなくなるんです(笑)。それでも頑張ってやっていますよ」

これからやりたいことについて伺うと...まずは、看予備について答えてくれました。

「看予備では今後、看護以外の医療系進路にも力を入れていく予定です。理学療法士・作業療法士・臨床工学技士・放射線技師・臨床検査技師など、いわゆる『コメディカル』分野を目指す生徒の支援も行っていきたいと考えています。こうした職種はまだ高校生にあまり知られていない分野ですが、知る機会があれば興味を持ってもらえるはずです」

受験アドバイザーとしての展望を尋ねると、「本人の希望よりも一歩上の進路に進めるよう支援していきたい」と語ります。

「希望していた学校に合格するのは当たり前。せっかく看予備に来てくれたのだから、その先の可能性まで引き出してあげたいです。ただ、それは僕一人の力では難しい。授業を担当する先生方とも連携しながら取り組んでいく必要があると思っています」

kannyobi00017.jpg理事長室にて。今井理事長(左)とも1枚

こうした思いは、看予備に入社する前から変わらず持ち続けてきたと、羽田さんは振り返ります。

「前職では、警察官や消防士を目指す生徒を支援していました。職種は違っても、共通しているのは、『誰かのために働く仕事』ということ。そこに向かう人を応援したいという気持ちは、今も変わっていません」

人のために何かしたい。その気持ちが看護師への第一歩

たくさんの卒業生を見てきた羽田さん。看護師になる人に必要なスキルは「圧倒的なコミュニケーション力」だと話します。

病気やけがで入院すれば、どんな人でも普段とは違う状態になるもの。ふさぎ込んでしまう人も多く、だからこそ相手の気持ちに寄り添い、丁寧に話を聞く力が求められるのだといいます。

「医療の世界では個別性という言葉があります。たとえ同じ病気でも、10人いれば10通りの対応がある。マニュアル通りに進めるのではなく、その人に合ったケアをしていく必要があります。その第一歩が、相手の望むことを聞き出すこと。だから、コミュニケーション力が本当に大事なんです」

kanypbi_2.jpg学校内で発見。職員さんの生徒を応援する気持ちが伝わってきます

さまざまな患者さんや、その家族の人生に深く関わる仕事だからこそ、自分をリセットできる時間を持つことが大事だと話す羽田さん。卒業生には、一人でストレスを発散できる方法を持っておいたほうがいいと伝えているそうです。

ここで、現在羽田さんとともに働く後輩の大地(おおち)優貴さんにも話を聞きました。大地さんも、今年から単独で「出前講義」を担当するようになったそう。苫小牧・室蘭・函館などを中心に回っており、「進路指導の先生や生徒から、看護についての相談を受ける機会が増えている」と話します。

「羽田さんと一緒に学校を回らせてもらっていたときから、進路の先生との信頼関係の築き方や、生徒への伝え方など、学ぶことばかりでした。特に印象的なのは、どこの学校でも『羽田さん元気ですか?』と声をかけられること。道内のどこへ行っても、そういう存在になっているんですよね」

大地さんが特に驚いたのは、羽田さんが蓄えているデータ量です。どんな学校に行くときにも、看護師を志望する生徒の数や合格実績に関する独自の最新データを持っているのだそう。学校側との信頼関係があるからこそ、そうした情報を集められるのだと、大地さんは話します。

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「羽田さんには、学校との関わり方から、ガイダンスでの生徒の心のつかみ方まで、リスペクトしかありません。相手の受け取り方や温度感に合わせて、話し方を変えられるのは、本当にすごいと思います。気持ちに寄り添いつつ、甘い言葉だけではなくて看護師の厳しさもきちんと伝えているんです」

大地さんの今後の目標は、看予備を活気ある場所にしていくことです。そのためには、羽田さんと同じように、生徒と接するすべてのスタッフと歩調を合わせていく必要があると考えています。

最後に、看護師を目指したいけれど、自信が持てない高校生に向けて、羽田さんはこう語ってくれました。

「たとえ苦手な人でも、その人が苦しんでいるなら時には何かしてあげたいと思えるなら、それだけで看護師に十分向いています。その気持ちがあれば、きっと受験勉強も頑張れるはずです。ゴールは受験ではなく、患者さんに寄り添うことです。自信を持って、看護師の道を目指してほしいと思います」

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看予備の受験アドバイザーとして、多くの高校生の進路相談に対応してきた羽田さん。生徒の話に耳を傾け、可能性を引き出そうとする姿勢が印象的でした。「人生のターニングポイントに立ち会う」という言葉からは、進路指導の枠を超えた、人を支える仕事であることが伝わってきました。

学校法人 創研学園  看予備 受験アドバイザー 羽田 知浩さん
学校法人 創研学園 看予備 受験アドバイザー 羽田 知浩さん
住所

北海道札幌市北区北20条西4丁目1-30

電話

011-758-5959

URL

https://www.kanyobi.ac.jp/index.php

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「看護師になりたい」を、僕が一緒に叶えたい!創研学園 看予備

この記事は2025年6月30日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。