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Vol.15〜現役ホタテ漁師のReal Voice/めずらしい「ホタテの赤玉」〜20230117

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あけましておめでとうございます。くらしごと編集部です。
今年も魚や海に関する情報や面白いお話をお届けして参りますので、お付き合いよろしくお願いいたします!

2023年初の記事を書いてくれたのは網走・能取湖でホタテ漁を営む現役漁師の山本さん。今回はちょっとめずらしい「ホタテの赤玉」について教えてくれました。他とはちょっと違う赤っぽいホタテの貝柱、「食べたことがあるよ」という方はラッキーかも。紅白でおめでたいだけでなく、ほかにも良い点がありそうです!


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Vol.15〜現役ホタテ漁師のReal Voice/めずらしい「ホタテの赤玉」〜

hotate_akadama.png▲これが「ホタテの赤玉」。通常は乳白色の貝柱が、赤く色づいています


北海道網走市、オホーツク海に通じる能取湖でホタテ漁師をしている山本です。
北海道の海の幸といえばやっぱりホタテ!北海道のお正月は必ずといっていい程、ホタテのお刺身が食卓に上がります。そんなホタテの豆知識を一つ。

ホタテ貝柱の中に、稀に赤褐色をした「赤玉」と呼ばれるものがあります。冷凍貝柱の商品を購入した際にたまに赤玉が混ざっている事がありますね。赤玉の確率はホタテ1000個に対して実に1、2個の確率です!デパートの福引みたいですね(笑)この「赤玉」を知らない方は「なぜ赤いのか?」「食べても大丈夫なのか?」と思われるかもしれません。

北海道道立総合研究機構 網走水産試験場の文献によると、ホタテの赤玉の色素の主成分はペクテノロンというカロチノイド(ニンジンの赤色もカロチノイドの一種)で、ホタテのメスの卵巣に含まれる赤色と同じ成分だそう。色素以外の成分は通常の白色の貝柱と違いがないことがわかっています。

hotate_mesu.png▲メスの卵巣の赤色と赤玉は同じ成分なんですね!

秋鮭も実は「シロザケ」という白身の魚。エビやカニ等の甲殻類を食べる事で身が赤くなります。ホタテのような二枚貝はカロチノイドを含む植物プランクトンを食べる事で貝柱が赤色になるということですね!
元々ホタテはタウリンや鉄分、亜鉛を多く含む健康食材ですが、赤玉に含まれるペクテノロンには生活習慣病や老化の防止に役立つ「抗酸化活性」やガン化細胞の増殖を抑制する「抗発がんプロモーション活性」があり、白玉よりさらに健康的。

お正月用の縁起物で「ホタテ貝柱の紅白玉」や、赤玉のみを使用した商品もあるようです。このように赤玉のホタテは幸運でもありなおかつ健康にも良いそうですので、ホタテを食べる時は気にしてみてくださいね!

hotate_kouhaku.png▲左が赤玉、右が白(普通)の紅白ホタテ!おめでたいですね〜

さて、オホーツク海の1月〜3月はホタテ漁のオフシーズン。なぜなら『流氷』が来るからです!流氷の下には大量のプランクトンが活動していて、海産物にとって多くの栄養をオホーツク海にもたらしてくれます。植物プランクトンを餌としているホタテには絶好の成長環境。流氷明けのホタテが美味しい秘訣がココにあります!
流氷が来る冬季間は僕達ホタテ漁師にとっても英気を養い、来季の操業の準備をする充電期間でもあります。

今年の網走のホタテ漁も大漁であることを願って、皆さんには健康食材であるホタテをたくさん食べて健康を維持してもらえたらと思います!

文・山本正樹(やまもと まさき)
北海道網走市、オホーツク海に面した能取湖のホタテ漁師。能取湖のホタテの魅力を伝えようと仲間の若手漁師達と共に即売会・PR・小中学校での食育などで活躍中。好きな魚介は能取湖のホタテ。

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Vol.15〜現役ホタテ漁師のReal Voice/めずらしい「ホタテの赤玉」〜

この記事は2023年1月17日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。