
共和町といえば、全国区の「らいでんスイカ」「らいでんメロン」の産地であり、道内有数の米どころ。豊かな農業の町という印象ですが、実は5,000人ほどのこの町には、スマホや車のパワーウインドウなど、私たちの日々の暮らしに欠かせないものに使われている電子部品製造を行っている工場があります。住友金属鉱山株式会社のグループ会社である住鉱国富電子株式会社です。エスコンフィールド約244個分という広大な敷地内にある合計7棟の工場で、環境にも配慮した最先端の電子部品製造に約250人の従業員が取り組んでいます。今回は同社に勤務し、仕事にやりがいを感じながら、共和町での暮らしもとことん楽しんでいる正社員の齊藤俊文さんに仕事のことや日々のことについて伺いました。
こちらが齊藤俊文さんです。
転職して良かったと思える会社。共和町の山あいにある「住鉱国富電子株式会社」
国道276号を少し入った静かな場所に建つ住鉱国富電子株式会社。広々とした敷地内にはいくつもの建物が並んでおり、工場というよりキャンパスのような雰囲気さえあります。
いつもは工場内で作業に集中している齊藤さんですが、今回は取材のために、社員が集う広くて居心地の良い社員食堂に来てくださいました。少しだけお仕事の手を止めて、リラックスした雰囲気のなかでお話を伺っていきます。
この春から新しい部署に異動したばかりという齊藤さん。それまで長く携わってきた製品とはまったく違うものを扱っており、「毎日が新しい発見の連続」と語ります。
「前の部署とは道具も工程も違うので、日々学ぶことが多いです。でも、新しいことに挑戦できるのはやっぱり楽しいですね」と、前向きな笑顔が印象的でした。
齊藤さんが所属する磁性材料部では、自動車用のモーターなどに使われる磁石材料を製造しています。
齊藤さんは入社して17年ほど。寿都町で高校まで過ごし、倶知安町の会社を経て、知り合いの紹介で住鉱国富電子株式会社へ。
「前職が製造業ではなかったこともあり、仕事のことは右も左も分からなかったのですが、先輩たちが丁寧に教えてくれました。職場の雰囲気はとてもよくて、和気あいあいとしていました。特に自分が入社したときは同年代が多かったこともあり、割とすんなり馴染めましたね。もちろん上の世代の従業員の方もいて、年齢層は幅広かったのですが、みんな壁がなくて、話しやすい人ばかり。働きやすい環境だなと思いました。それは今も変わらないですね」
入社を機に、会社のすぐそばにある寮に入った齊藤さん。「当時の寮は、風呂・トイレは共同でしたが、光熱費込みで当時は月額3,000円という家賃。驚きましたね」と振り返ります。現在は、2017年にできた寮が1Kの独立タイプで、家賃は値上がりしているそうですが、6,000円以下と十分安価。それを聞いて取材陣も大変驚きました。
「そのころの寮には、社長やセンター長も住んでいて、みんなで鍋パーティーをするなど、上下関係の垣根を超えてフランクに接していただきました。親会社から出張で来る方などもその寮に泊まるので、普通ならなかなか話す機会がないような方たちともいろいろな話をさせてもらいました。上層部の皆さんも気さくで、寮生活も楽しかったですね」
さらに、残業する場合もありますが、適切な時間内となっていて、休暇もしっかりととることができ、「本当に転職して良かったとすぐに思いました」と振り返ります。
趣味のサーフィンやスノボを満喫。キャンプへ行くなど家族との時間も確保
26歳のときに結婚した齊藤さん。奥さまとは職場の人の紹介で知り合い、結婚しました。現在は、2023年にできた会社のそばにある3LDKの新しい社宅に入り、奥さまと小学生のお子さん3人(小1、小3、小5)と暮らしています。賃貸マンションのような造りの新しい社宅の中も拝見させてもらいましたが、キレイなのはもちろん、屋根付きの大きな車庫や物置も完備。これで家賃はなんと1万6,000円!羨ましい限りです。
社宅がある場所は、会社から目と鼻の先の国道を渡ってすぐのところ。歩いてほんの数分で会社に着くため、都会では考えられない通勤時間の短さです。朝や夕方の時間を有効に使えるのは、魅力的に感じられます。実際、齊藤さんは出勤前に趣味のサーフィンを楽しんでいるそう。
夏はサーフィン、冬はスノーボードと、両方身近に楽しめる場所があるのは魅力的!
5年ほど前から、サーフィンを始めたという齊藤さん。「職場の人でサーフィンをする人がいて、楽しいよと聞いて、挑戦してみようかなと思ったのがきっかけです。タイミングよく、妻の姉夫婦もサーフィンをやっていて、余っているボードがあるから使っていいよと声をかけてもらって...」と話します。
車を15分ほど走らせれば隣の岩内町の海に着くので、シーズンになると出勤前に職場の友人と海へ行き、サーフィンを1時間半ほど楽しんでから出勤。「今朝も海へ行って、波乗りをしてきました」と笑います。少し足を伸ばして、泊のほうへ行くこともあるそうです。
また、高校生のときからスノーボードが趣味だったという齊藤さん。共和町の隣には、国内屈指のウインタースポーツのメッカ・倶知安町があり、冬場は休みになると職場の仲間たちと滑りに行きます。
「職場でスノーボードが趣味という人が結構多く、入社したときから、一緒に滑りに行こうと誘ってくれるので、ひらふや花園といったスキー場へよく行きます。今でも冬場は毎週末の土日のどちらかには、職場の人たちと滑りに行っています」
奥に見えているのが2026年10月完成予定の社宅です。
「土日のどちらか」というのは、どちらかの1日は家族と過ごす時間に充てているからだそう。子どもたちを連れて近場のスキー場へ滑りに行くこともあれば、社宅の裏に雪を積み上げ、そり滑りの台を作って遊ぶことも。「せっかくなら、子どもたちの友達も一緒に遊べるようにと思って」と話します。笑顔でその話をする様子から、齊藤さんの優しいパパぶりが伝わってきます。
また、初夏から秋にかけては、キャンプにもよく出かけ、最近は義姉夫婦が暮らす豊浦町のほうへ足を伸ばしているそうです。有休も取りやすいので、子どもたちの長期休みに合わせて家族でキャンプにも行くことも多いとか。
趣味の時間や家族との時間をしっかり取ることができるのは、福利厚生含め、職場の労働環境が整っているからこそ。プライベートが充実していると、仕事も「しっかり頑張ろう!」という気持ちになります。齊藤さんも「オンとオフのメリハリがあるのがいいですね」と話します。
こちらは齊藤さんの住まいと同じ間取りの社宅の様子です。
子育ての環境も整っている共和町。みんなで子育てしている感じがいい
「夏も冬も、自然の中で遊べるフィールドがすぐそばにあるのがいい」と共和町の魅力を話す齊藤さん。確かにアウトドア好きな人にとって、共和町の場所は最高の立地です。では、共和町での暮らし自体はどうでしょうか?
「共和町は、食べ物がおいしいですね。農業の町なので、農作物は新鮮でおいしいものがたくさん手に入りますし、海の幸も隣の岩内町や近隣でとれるおいしいものが揃うので、恵まれているなと思います。倶知安や岩内に行けば、大きなスーパーもあり、ひと通り必要なものは揃いますし、今は通販もありますから、食べるものや買い物で不自由を感じることはありませんね」
お子さんが3人いる齊藤さん、子育て環境について尋ねると、「子どもがのびのびできる環境が整っていると思います」と話します。奥さまも「共和町は子育てがしやすい」とよく話していて、お子さんたちが幼いときは町の子育て支援センター「どろんこ」を活用していたそう。子育て支援センターは、子連れで遊びに行くことができるほか、子育てに関する相談に乗ってくれるなど、不安や悩みが尽きず、孤独になりがちな子育て中のママにとって、とてもありがたい場所。齊藤さんの奥さまは、現在この子育て支援センターに就職し、ママたちのサポートや子どもたちのお世話などをしているそう。
また、令和10年度には、小中一貫の「きょうわ学園」(仮称)も完成する予定。町が子どもたちの教育に関しても力を入れているのが分かります。
「程よく田舎というのもあり、みんなで子育てをしているような感覚があります。また、社宅に子どもたちの同級生もいて、家族ぐるみで付き合いをしています。お互い子どもを預かったり、みんなで一緒に遊んだり、そういう繋がりがあるのもいいなと思っています」
ちなみに、社宅会というのがあり、社宅で暮らす家族が集まってバーベキューをするようなこともあるそう。
齊藤さんご家族のように子育てのし易さも魅力の共和町。
やりがいに繋がる職場の体制や手厚い待遇。人にも環境にも恵まれていると実感
さて、職場のことに少し話を戻しましょう。製造部門は大きく分けて2つ(結晶材料部と磁性材料部)と冒頭で説明しましたが、同じ部署であっても工程によって作業内容は細かく異なるそう。
「前の部署はそれこそ17年近くいたので、仕事に関してはひと通りできる状況でしたが、今は新しいところに移ったばかりなので、とにかく覚えることがいっぱいです。気持ちを新たに頑張っています」
1年に2回、会社の上司との面談があり、各自が掲げた目標が達成されているかどうかを話す機会もあるとのこと。また、自身の目標への達成度や、働き方に関する総合的な人事評価制度が実施されているそう。
「単調になりがちな仕事の中で、自分で目標を立て、それを達成するために頑張るというのはいいなと思っています。評価は給料にも反映されるので、頑張る理由やモチベーションにつながりますしね」
また、「自分が手がけた材料や製品がどんな風に何に使われているかを考えることがあります。それがたくさんの人の暮らしを支え、人の役に立っていると想像すると、あらためて頑張ろうという気持ちになります」とにこやかに話します。
寮・社宅の話や、やりがいにつながる評価制度のことなどを伺っていると、会社が社員の働く環境に関してとてもよく考えていて、待遇も手厚い印象を受けます。総務の方によると、東証プライム上場・総合非鉄素材メーカーである住友金属鉱山株式会社のグループ会社ということもあり、福利厚生や休暇なども親会社と同じ、もしくは近い制度があるそう。
社員のみなさんにも集まっていただきました!
「アウトドアが好きな自分にとっては、こんなに身近に遊ぶ場所がたくさんあって、さらに福利厚生も良くて、家族で不自由なく暮らせるのは本当にありがたいなと感じています。そして、会社の人たちもいい人ばかりで、人にも恵まれているなと思います」
齊藤さんの話を伺っていると、仕事もプライベートも充実しているのがよく分かります。家族との時間も大切にしながら、自分の趣味の時間も確保できる環境。都会で暮らすより、むしろずっと豊かで、本当の意味で「リア充」な印象を受けました。