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安平町

面白い人がどんどん集まってくるまち「安平町」20230315

面白い人がどんどん集まってくるまち「安平町」

北海道安平町。馬や菜の花で有名なこのまち。札幌からも車で1時間程度、新千歳空港からは車で20分程度とアクセスも良いこのまちは、移住者も少しずつ増えているのに加え、「子育て」が今とっても熱い...という噂!!

移住相談を受ける窓口には子育て世代から、学校や子ども園の情報提供を求めるメールが多くあると言います。

そう、最近このまちで話題となったのは「安平町立早来学園」。2023年4月に開校する新しい学校です。

まだ皆さんの記憶にも新しい、2018年9月。胆振東部地震が起きました。まさに震源地近くだった安平町は大きな被害に遭い、山の上にあった中学校は被災。

それに伴い、小学校と中学校を一緒にして「義務教育学校」というひとつの大きな学校を新設することになりました。小学校1年生から中学校3年生までの9年間過ごすことができる場所。中学1年生のことも「7年生」と呼ばれます。

太陽の光がたくさん降り注ぐ校舎内は、気持ちよく過ごせる空間に。安平町が目指すこれからの「教育」の未来がまさにこの学校に詰まっているようです。

小学校・中学校だけでなく、未就学児への教育にも力が入っています。
「はやきた子ども園」「おいわけ子ども園」とふたつの幼保連携型認定こども園もあり、そこは自然とともに、五感をフル回転させて遊べる環境。

こういった施設の充実を見ると、まちをあげて子育てにいかに注力しているのかが分かります。

abira_yakuba10.JPG伸び伸び過ごす子どもたち。

「安平町ALLで子育てのまちに!という強い気持ちを持っています。実際に、早来学園の入学に合わせて移住されてくるという方もいるんですよ」と教えてくれたのは安平町役場の橋本耕太さん。

「子育て×移住」
それがこのまちのひとつのキーワードなのかもしれません。

abira_yakuba2.JPGこちらが安平町役場政策推進課の橋本さん。

そんなこのまちでの暮らしについて教えてくれたのは、橋本さんをはじめとする、町内で移住をサポートする業務を担う4名。ひとりずつ、このまちについての魅力について聞いていきましょう!

自然の豊かさを肌で感じる

まずは、札幌や道外での暮らしを経験して、その後このまちへとやって来た河合香織さん。

現在は安平町にて、「移住コーディネーター」として移住希望の方のご案内をはじめ、地域の維持・活性化を図るべく日々活動しています。

もともとご実家は札幌で、一度北海道を離れ兵庫県や広島県などで生活を続けられていたそうですが「田舎暮らしがしたい!」と再び北海道へ戻ることを決意。「大体札幌から車で1時間圏内くらいで...」とお家を探していた時に安平町がヒットしてきたと言います。

abira_yakuba3.JPGこちらが河合さん。キラキラ輝く笑顔がとっても素敵です!

「都会で生活していた時は、忙しさに追われて四季の移ろいを感じない生活をしていたんですよね。そういったものを楽しむ余裕がなかったんです。だから安平町に来てビックリしました。あの、「もも太郎」の絵本に出てくるキジが、なんと家の近くにたくさんいたんですよ!!なんて自然豊かなんだろうって、本当に感動しました(笑)」

安平の自然について熱く語ってくれた河合さん。

忙しさに溺れた日々を送っていたのとは一変。このまちに来てからは、仕事が終わったあと散歩に行ってみようとか、自転車に乗ってそのあたりを走ってみようとか、そういったことを思うようになった、と自然を大満喫中の河合さんです。

abira_yakuba11.JPGアクティブ派なんですね!と言うと、「いえ、インドア派です」なんて即答され、一同爆笑。

さらにもうひとつ、自然の魅力だけではなく「人」の魅力についてもお聞きしました。

「安平町の人って、すれ違う人みんなに声をかけてくれるんですよね!!小学生、中学生でもきちんと挨拶してくれる。その癖で私も、札幌に帰った時にこんにちはーってすれ違った人に声かけちゃったんですけど、返事は返ってこなかったですね(笑)」

「まちの人が本当にいい人」なんて話はよく耳にしますが、具体的なエピソードを聞いてなんとなく安平町のイメージが湧きました。

雪が多く降り積もった日には、除雪を頼まなくとも「大丈夫か〜!」と近所の人が除雪機を持って来てくれる。そんな助け合いができる距離の近さがこのまちの魅力のひとつなのかもしれません。

子育てをするのはここだ、と決めた理由

河合さんと同じく、普段一緒に仕事をともにする齊藤麻子さん。齊藤さんは、東京からこのまちにやって来ました。移住の決め手は「子育て環境」。


「東京で住んでいたマンションの目の前が公園で、我が子は一日中公園にいるくらいずっと外遊びに夢中なタイプ。これからもっと大きくなっていくことを考え、子どもが伸び伸びできる環境はないだろうか...と移住先を探し始めました」

abira_yakuba4.JPGこちらが柔らかい雰囲気をまとう齊藤さん。

こうして齊藤さんが調べて行き着いた先が、はやきたこども園でした。移住前に、実際に見学しに足も運んだそう。

「園を案内してくれた園長先生も優しくて、園庭がユニークで畑があったり田んぼがあったり...」

見学で訪れた齊藤さんの心はぐっと捕まれました。

さらにはこうした園舎のほかにも「田舎なのに...」と言ったら失礼ですが、課外活動も充実しているのが安平町の魅力のひとつ!

「習い事も充実しているんですよ。町内にあるスポーツクラブでは、全般的な競技はカバーできるし、チアなども色々あります。勉強面でいえば、くもんや書道もあります。少しだけ足を伸ばせば、お隣の苫小牧市でスケートボードもあるので通われている親子もいるようです」

田舎に移住するとなると、子どものやりたいことをやらせてあげられないのでは?なんて考える方もいるかと思いますが、ここ安平町ではそういったことがない...というのが驚きです!

新卒で安平町地域おこし協力隊に!

さて、これまで安平町は「子育て」が熱いまちだと話してきましたが、続いては地域おこし協力隊として単身でこのまちにやってきた東條広大さんにお話を聞いていきましょう!


2022年4月に、神奈川県からこのまちに新卒で協力隊になった東條さん。現在は主に移住促進についての業務を担うほか、「ENTRANCE(エントランス)」という安平町コミュニティスペースの管理・運営なども担っています。

abira_yakuba5.JPGこちらが東條さんです。

「一昨年の秋にたまたま安平町に来るきっかけがあり、単純に『まちの人が良いな』と感じました。その時の繋がりなどもあり、紹介によってこの協力隊に応募するという流れになりました」と、このまちに来るきっかけを教えてくれました。

神奈川県から安平町へ。
いわゆる、都会から田舎へ...というわけではありますが、実際に住んでみてのギャップなどもあったのでは?なんて質問をぶつけてみるも「最初に来た時に抱いた印象と特に変わりはない」と東條さん。そして「とにかく人がいい、温かいんですよね」と言葉を続けます。

良くも悪くも、距離が近い。ハマらない人はハマらないかもしれなけれど、ハマる人にはハマるこのまちの良さ。

東條さんがこのまちに来た時は、まだまだ新型コロナウィルスの影響でさまざまなイベントが自粛されている状況。あまり思うように動けない中でも工夫をこらし、ミニ縁日や11月には、コミュニティスペースのENTRANCE3周年イベントを企画したり...今できることを、企画実行してきました。

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また最近では、このコミュニティスペースに関わってくれる高校生主催のイベントなんかも開催しているのだとか。高校生の頃から自分で企画・実行する経験ができる場がまちにあるっていうのも嬉しいですね!

実は安平町では、「あびら教育プラン」というものがあるんです、と言葉を継いでくれたのは役場の橋本さん。

これは、子どもから大人になるまでの間続く一つの大きな教育パッケージ。

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あびら教育プランが担うのは「子どもたちの挑戦の場」。
こうして、まちが一丸となって子どもから大人までが挑戦できる場づくりを行っているのです。

東條さんはこのまちでの暮らしに関して、特に不便はないと話します。

「客観的に見たら、コンビニとかスーパーが閉まるのが早いとかありますが...」札幌からも近い距離ということもあり、お休みの日には札幌に行って銭湯やサウナを巡るそう。

こうして北海道生活を満喫している東條さんは先程もお伝えした通り、新卒で地域おこし協力隊となりました。

実は東京都内の不動産会社からの内定も出ていたといいますが、その時にふと立ち止まり「果たしてこれが自分のやりたいことなのだろうか?」と考えました。自分の気持ちに嘘はつかず、内定を辞退し、生まれ育ったまちの近くでもなんでもない、むしろはるか海を越えた先にある北海道安平町を目指すこととなったのです。

「コミュニティをつくるとか、場づくりに興味があって。今携わっているENTRANCEもまさに場づくりの一つ。やりたいことができるなと思いました。今はほかに、移住ツアーの企画なども行っています。」

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移住を完全に決める前段階のための、現地移住ツアーなども東條さんが管轄して行うそう。子育てに熱いまちだからこそ、子連れで来られる親御さんがゆっくりと見ることができるよう、お子さんの一時保育なども設けるなど細かな気配りもされているのだとか。

移住を考えている人たちへ

続いてお話をお聞きしたのは役場橋本耕太さん。8歳、6歳、2歳のお子さんを持つ3児のパパです!だからこその「このまちの子育て」についても熱い闘志をお持ちの方。


「やはり自分も親だからこそ子ども中心で考えてしまいますよね。子育て世代で集まることもあり、地区のこどもたちのことが大体分かっています。だからこそ、どんどん子どもたちが外から安平町に入ってきてくれるのは嬉しい。遊び相手や仲間が増えますからね」

まさにまち単位での「大家族」。都会では味わえないひとつの魅力です。

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「私は移住を考えたことのない身なのであれですが...」と話す橋本さんは、生粋の安平人。

「地域に馴染めるかどうかって心配される方も多くいると思うのですが、安平に住んでいる側からしては、決して『よそ者が来た』とかはなく、むしろ来てくれて嬉しいって思っています」とその想いを語ります。

河合さんが言葉を続けます。

「このまちには、色んなスキルを持った人たちがたくさんいます。農産物のエキスパートだったり、馬の乗馬に詳しい人だったり...。最近の例でいうと、安平町にゲストハウスをつくったROYくんや、チャレンジショップの浅野さんとか!」

「今度の協力隊としてクラフトビールに挑戦したいという人も町外から来るよね」と、次から次へと4人の間で盛り上がります。

聞いているとこのまちは「新しいことにチャレンジがしたい人を受け入れ、応援してくれる土壌がある」ということが伝わってきました。

河合さんが言葉を続けます。

「移住は結婚みたいなもんだよってたまに聞くんですけど、それって本当名言だなと思っていて。ネットで情報を見るっていうのも大事だけど、実際にそのまちにいって空気を感じるとか、実際に訪れてみることって大事。まちの人と関わってみたり、それが重要。こうしてビビッとくる人もいれば、イマイチだなーと思う方もいる。だからこそ、ぜひ一度気になるのであれば空気感を味わいに来てほしいですね」

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まずは現地に行ってみる。
良い、悪い、そう感じる感覚は、人それぞれですもんね。

齊藤さんもこう話します。

「田舎だと、人との距離が心配って思われる方もいますよね。人との距離感って合う人と合わない人がいると思うんですけど、合う人は絶対います!私も人見知りですが、こども園の先生方と仲良くなったり、このまちで色々な繋がりができました」

さらに東條さんは...
「自分に合ったまちの正解って分からないですよね。移住って決め打ちするものではない。合わなかったらまた違う場所を探す。それくらいの気持ちでいたほうがいい」と、移住の後押しも。

実際に自分の目で見て、自分の耳で聞いて現地を訪れてみる、これが移住前の大事な一歩ですね。

安平町はそんな大事な一歩をサポートしてくれる人たちがたくさんいます。移住後も、伸び伸びと自分の挑戦がしやすい環境。だからこそ、面白い人たちが集まり始めている「安平町」。どうぞ動画も合わせてご覧ください!

関連動画

安平町役場
住所

北海道勇払郡安平町早来大町95番地(安平町役場)

電話

0145-22-2751

早来学園

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あびら起業家カレッジ


面白い人がどんどん集まってくるまち「安平町」

この記事は2023年1月17日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。