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学校と学生の取り組み
鹿部町

『レディ魚ー×くらしごと』番外編:鹿部町漁業研修所に潜入!20260108

『レディ魚ー×くらしごと』番外編:鹿部町漁業研修所に潜入!

皆さんこんにちは! 
「水産の未来を考える若者を増やす!」をモットーに活動する学生団体レディ魚―の中野伸哉です。

以前くらしごとでは「漁師の専門学校」とも言われる「北海道立漁業研修所」を取材しておりましたが、2025年10月上旬、私たちレディ魚ーも見学する機会をいただきました。漁業研修所(通称:漁研)はいったいどういう場所で、どのような雰囲気なのか、半日という短い時間ではありましたが垣間見ることが出来ました。漁業研修所の様子を、私たち学生目線で感じたことを交えながらご紹介させていただきます。

未来の水産業を担う漁師への登竜門!漁業研修所とは?

readygo_gyoken04.png青い空にそびえ立つ、白い外壁がよく映える北海道立漁業研修所。重厚な佇まいが訪れる者を圧倒します。

 道南は鹿部町、町の中心部から少し離れ、穏やかな噴火湾を望む丘の上に「北海道立漁業研修所」はあります。過去にレディ魚―で訪問した漁師さんにも漁研出身の方が多くいらっしゃったのですが、実際に何をどのように学んでいるのか、そしてどんな雰囲気なのかなど、その実態については全く知りませんでした。今回は特別に許可をいただき、漁村を繋ぎ水産業の発信に取り組まれている、とついようこさんとご一緒に訪問させていただきました。

※とついようこさんを取材したくらしごと記事はコチラ
喋りを通じて浜のことを伝えたい!北海道の浜を愛する「浜ばか」

まずは漁業研修所が一体どのような施設なのか、私たちと一緒に覗いてみましょう!

よく晴れ渡った午前10時、ついに念願の漁研に足を踏み入れると、北海道立漁業研修所総務研修課長の福田和也さんと、主査の山田真さんが笑顔で出迎えてくださいました。研修所内にはいたるところに漁業に関する貴重な資料や模型が盛りだくさんで、私たちのテンションも高まります!

readygo_gyoken05.jpg今回研修所をご案内してくださった福田和也さん(左)と山田真さん(右)、私たちに訪問のお声がけをしてくださった、とついようこさん(中央)。

漁業研修所とはどのような場所なのか、まずは福田さんと山田さんのお二人から漁業研修所の概要について教えていただきました。

漁業研修所とはざっくりいうと、将来漁師になることを目指し、半年間の寮生活を送りながら、船舶免許などの資格の取得や、様々な実習を通して、ロープワーク・沖作業・水産加工といった漁師として必要不可欠な技術を学ぶ場です。すなわち、漁師になるための専門学校のような場所なのです!

資格・技術の習得だけではなく、持続的な未来の水産業を担う漁師を育成するため、資源管理・魚類生態・水産行政についても幅広く学習する機会が設けられており、福田さんは「研修の中で正しい知識と技能を身につけて、これからの水産を担う存在となって次の世代に繋いでいってほしい」と、語ります。 実際にカリキュラムを見させてもらうと、ぎっしりと詰まっていながらも非常に洗練されたもので、その充実ぶりに驚かされました。私たちがふだん水産学部で学ぶような講義もあり、どこか親しみを感じます。

readygo_gyoken06.jpg福田さんと山田さんから漁業研修所の歴史や日々の生活についてもお話を聞かせていただきました。

研修プログラムは鹿部の海を借りておこなう漁業実習や、網会社の社長によるレクチャーなど驚くほど実践的です。福田さんが、「地域との共働、共生、協力があってこそ、研修所での教育が成り立っているんです」と、地域からの支えに対する感謝の想いを強調されていたことが、とても印象的でした。

現在は全道各地から集った総勢31名の研修生が、日々立派な漁師となるべく学んでいます。毎年個性豊かなメンバーが集う漁業研修所。この半年間の共同生活で築き上げられる友情は、仲間と共に苦楽を共にした研修を修了してからも時を、そして全道の浜を越えて続いていくのだそうです。

山田さんは、「『漁師の卵』たち一人一人の個性を大切にしながら親身になってサポートして、巣立ちの日を迎え、浜に送り出すことが何よりもやりがい。ただみんな元気すぎて疲れることもあるけどね...」と笑います。すると福田さんも穏やかに微笑みながら、「そうとはいっても、修了して浜へと飛び立ってしまうといつも寂しくなるけどね」と続けました。研修所の皆さんの温かさによって次世代の漁師が育まれていくのだと、研修の様子を見る前から私たちに伝わってきました。

readygo_gyoken07.jpg微笑みながら研修生との日々を振り返る福田さんと山田さん。

「それでは実習も始まっていることですし、これから一緒に見に行きましょう!」

ここからも、引き続きお二人にご案内していただき、実際の研修の様子を見学させていただきました!ぜひご覧ください! (本章執筆:船橋河輝)

加工実習を見学

実習室に近づくと魚の香ばしい匂いと共に、賑やかな声が聞こえてきます。

「こんにちは」と実習室に足を踏み入れると「こんにちは!!!」と私の何倍ものパワーのある返事が研修生から帰ってきました。その元気さと力強さに圧倒されます。
この日の実習はホッケのフレーク、タコの唐揚げ、ホッケの干物の作成。お邪魔した際、ちょうどホッケフレークが出来上がったところでした。

「食べますか?」そう言っていただき、図々しくも少し分けてもらいました。
「うま!」

フワッとした身質から溢れ出るホッケの旨み...
「実習でつかう魚は全て前浜の海で研修生たちが沖実習で獲ったもの。自分で獲ったものを加工できるように加工実習を行っている」と教官の木津谷さんが教えてくれました。

実習中生徒たちは談笑したり、ボケたり、ツッコミをいれたり本当に賑やかで高校時代の調理実習を思い出すような雰囲気でした。全道各地から集まり生まれも育ちも違う中、今まで約半年間の実習を共にすることで本当に仲良くなったと皆さん口をそろえて言います。

readygo_gyoken08.jpg実習中、終始本当に賑やかで、浜が持つ元気さを少し感じた気がしました。

動きも形も完璧に漁師の命綱、ロープワーク実習

調理実習室を後にして、ロープワーク実習の見学へ向かいました。

「こんにちは!」

実習室に入ると雰囲気の違いに驚かされます。加工実習とは打って変わって全員真剣そのもの。机の上に教科書を広げ黙々とロープワークに取り組んでいました。実習中、何度も研修生の皆さんは講師の先生に質問しては、ロープを組み替えます。

「この結び方あってますか?」
「ここのロープの入り方が違う。ここ見てみ...」

ロープワーク実習では鹿部町の元漁師さんや練習船の船長が講師として丁寧に教えてくれます。現場で使えるように、結びの形と手の動かし方を覚えてもらうそうです。何回も何回も繰り返して完璧になるまでおこなうとのこと。

研修生の皆さんにお話を伺うと「ロープワークは苦手でいつも教科書の図ではわからなくて、先生や友達に教えてもらってます」と教科書を見せてもらいました。

難しい...
この紐をここにいれて、そこに...?
私自身ロープワークは大の苦手、靴紐でさえいつも不格好です。

教科書の図の理解に苦戦していると「今通した紐でできた輪っこに通して...」と隣の席の生徒さんが教えてくれました。「私はちっちゃい時から父の船に乗っていて、ロープワークは大体覚えてます」とのこと。漁業研修所の生徒はほとんどが漁師の家庭出身で、小さいときから親のお手伝いをしている人も多いのだそう。ロープワークを教えあう様子からも、この数カ月間で培った関係性の深さがにじみ出ていました。

ロープワーク実習見学後、加工実習のグループがホッケの干物を干すということで見学させてもらうことに!

再び加工実習へ!次はホッケを干します!!

「お邪魔します」

再び実習室に入室すると、「お疲れ様です!!!」と再び元気な声が返ってきました。ホッケの干物を干すための準備中に少し研修生の皆さんと雑談。皆さんと私たちが同世代なこともあり、04世代(2004年度生まれ)トークなどで盛り上がりました。談笑していると干物を干す準備が完了。外に出て回転式魚天日干し機「ホスベー」に干物をつけていき、いざ回転!!

readygo_gyoken11.jpg朝、研修生が開いたホッケが回り始めます。

ホッケの形はバラバラで、回転と共に形が崩れてしまうホッケもありました。「漁師の家庭の生徒たちが多いけど、小さい時から魚を触ってきた子もいるし、逆にまったく魚を触ったことがない子もいる」研修所の山田さんは言います。ホッケを見ながら笑いあう、そんな生徒たちの雰囲気にすごく羨ましさを感じました。

海でつながる一生の友達になる 「海友寮」

最後に生徒が暮らす寮の見学をさせていただきました。

ちょうどお昼休みの時間、生徒たちが寮の食堂に一斉に戻ってきました。すると寮内は一気に様変わりします。笑い声や話し声(中には叫び声も!?)が響き、建物全体が揺れ始めます。「元気すぎて困ります(笑)」と山田さんがつぶやきます。寮を出るまで私はそのエネルギーに呑み込まれ終始呆然とするのみでした。

 「まだ数カ月しか経ってないけど、思い出はいっぱいあります。一生の友達になるかもしれない」ある生徒がそう話していました。実習中に垣間見えた生徒間の仲の良さは、このエネルギーのぶつかり合いがあってこそのものなのか。寮を出た直後にハッと気づかされました。

最後に

今回、漁業研修所の実習内容やその雰囲気を垣間見ることが出来ました。特に強く感じたことは生徒のエネルギーの強さです。同じ志を持った仲間が集まっていて、楽しむところは楽しむ。でも命掛けの漁師という仕事に就くために、学ぶところは真剣にする。どちらも本気でとことん全力で向き合う生徒の姿は浜の漁師さんを彷彿とさせられました。

私たちは生徒の皆さんと年齢もほとんど変わらないのにも関わらず、圧倒されてばかり...。
焦燥感を感じながらも「負けていられない」そう強く感じました。

「水産を学ぶ大学生」と「漁業を学ぶ研修生」

せっかく北海道にいて同世代なんだから情報交換や世間話を行える良い関係を今後生み出すことが出来たら楽しそうだなと想像を膨らませており、現場と大学のかけ橋の一つの形として築いてみたいと感じています。

10月末に卒業した生徒の皆さんに負けないよう、これからも水産を全力で学んでいきます。

今回の漁業研修所訪問にご協力いただきました福田さん、山田さんをはじめ漁業研修所の皆様、研修生の皆さん、同行していただいたとついようこさんに心よりお礼申し上げます。

次回の漁村訪問体験記もお楽しみに!

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北大水産サークルレディ魚ー×くらしごと
北大水産サークルレディ魚ー×くらしごと
住所

北海道札幌市北区北20条西5丁目2-50(レディ魚ー事務局)

URL

https://www.instagram.com/ready_5500/

北海道立漁業研修所

〒041-1404 北海道茅部郡鹿部町本別540-1

01372-7-5111

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『レディ魚ー×くらしごと』番外編:鹿部町漁業研修所に潜入!

この記事は2026年1月6日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。