
シェアハウスが結んだ運命
北海道札幌市。観光地としても外せないこのまちに、ここ最近民泊や無人ホテルが出来てきたのをご存知でしょうか。こうした宿泊のスタイルを提案しているのは、株式会社MASSIVE SAPPORO。主な事業内容として挙げられるのは「不動産事業」。その内訳を見てみると、シェアハウスのプロデュースや、管理・運営、民泊プロデュース・管理、不動産売買、賃貸仲介など様々。
しかし、一環した幹となるのは「不動産×インバウンド」なんです。
MASSIVE SAPPOROの全てはシェアハウスの事業から始まったそう。今回お話を聞かせてくれたのは、以前くらしごとでもその生き様を語ってくれた清水聖子さん。こちらの会社で、人事・広報を務めているそんな彼女も、もともとはMASSIVE SAPPOROが運営するシェアハウスの住人のひとりでした。そして、代表の方に声をかけられ社員となったというわけです。
こちらが清水さん。取材では熱い想いをたくさんお話してくださいました。
まずは清水さんの運命をも変えた、シェアハウス事業についてからお話をお聞きしました。
コミュニティを求める人々が集う家
実は札幌で初のシェアハウスを開業したのがこのMASSIVE SAPPORO。シェアハウスに住む男女6人のテレビ番組が火付け役ともなり、シェアハウスの認知度は向上。入居者も一層増えたそうです。
「今までシェアハウスの入居者といえば、帰国子女組が利用するというパターンが多かったのですが、今は独身の若い方の選択肢の中にナチュラルに存在してます」。
実家を出ようと考え始める際に『一人暮らしをするか、シェアハウスに入るか』と選択肢のひとつとなっているのが現状なんだとか。シェアハウスに住むことによって、費用が抑えられるなどのメリットがあるのでしょうか?と尋ねてみると、そうでもない様子...。
「北海道の賃貸って、とっても安いんですよね。だから正直、シェアハウスに入居する方が高くつくこともあります。それでもシェアハウスには『コミュニティ』というプラスの価値が存在しているんです」
帰ってくる場所がある...しかもその家には誰かがいて、決してひとりではない。会社や外の世界だけのコミュニティだけではなく、家にもまた別の、ほっとするコミュニティがある...そんな場所を求める人が最近増えているようです。人と関わること、コミュニケーションを取ることが好きな方ばかりではない、多様な方々のさまざまな人生が交わる場所として入居者から愛されている様子。
個人個人に部屋が与えられていますから一人になりたい時はプライベートがしっかり守られます。
こちらがMASSIVE SAPPOROが運営するシェアハウスのひとつ。ここはリビングスペースとなっており、広々とした空間には夜な夜な入居者が集まってきます。
MASSIVE SAPPOROがシェアハウスをつくるにあたっても、みんなで交流ができるリビングスペースは絶対につくるなど、コミュニティを何よりも大事にしているからこそのこだわりも。
そんなこだわりを反映させたシェアハウス内では、入居者同士でのパーティーや、シェアハウス同士のイベントなども盛ん。
「新しい入居者の方が来たら、歓迎会もしているみたいですね。これはもはや文化となって根付いています。こういうところは、あえて運営側の私たちは介入しないようにしているんですけどね。住人たちが主体となってやっていてもらいたいので」と清水さんは話します。
その他、札幌に現在12棟あるシェアハウス同士のイベントもあり、家の垣根を越えたイベントとなっています。こうした全体イベントは季節ごとにお花見だったり、忘年会だったりと充実。シェアハウスを退室したOB・OGが集まっては交流が続いているなんて話も耳に届くそうです。
こちらはシェアハウスの垣根を越えて行われたイベントのお写真。みんなでお花見をしながらバーベキューを楽しみました。
各シェアハウスごとに入居者がなんでも記入できるノートも設置されており、それを開けば「○月○日にバーベキューするよ!」「みんなでダイエットしよう!ダイエット部発足!」なんて文字も。
こういった交流、人との関わりこそがあえてシェアハウスに住むという醍醐味なのではないでしょうか。
もちろん、清水さん方運営側も住む方が快適に暮らせるようにとそのサポートにも細心の注意を払っています。
「最初にご連絡をもらった時から、そしてシェアハウスの内覧の時など、常に『この方はどこのシェアハウスだったら楽しめるかな?』ということを考えてご提案することもあります。もちろん、本人の希望が第一ですが!」と清水さん。
MASSIVE SAPPOROが所有するシェアハウスは、外国人が多いところ、サラリーマンが多いところなど色分けがされているそう。どこが良いか、その察知力には、スタッフも相当長けていると清水さんも自信の笑み。
民泊、無人ホテル...「宿泊」の形が変わる
さて、そんなシェアハウスから始まり、今まさに力を入れているのが「民泊」の事業。この事業は今後ぐんと伸びていくビジネスだと目を光らせ始めたのがきっかけ。「この民泊は、シェアハウスの1室からスタートしたんです」
当初は外国人ゲストを対象に始めたそうですが、ホテルが足りないと騒がれている今、日本人の中でも「民泊」というスタイルは当たり前になってきている現状。
「人気アイドルのコンサートが札幌である時なんかは、日本人の利用者が一気に倍増します(笑)」
今やヨーロピアンのバックパッカーだけが利用するものではなくなってきているのです。
そしてもうひとつ...『無人ホテル』。その名の通り、スタッフが誰もいないホテルです。この無人ホテルをMASSIVE SAPPOROが始めたのは2018年12月のこと。
2019年6月末で8棟39室にまでにその数は増えました。
実際の無人ホテルのお写真。社内の敏腕設計士と、超人インテリアコーディネーター(古物商)がインテリアなど細部までこだわっています。
「民泊は180日しか営業できないという法律に比べ、無人ホテルは365日可能。だからこそ、今後無人ホテルにも集中的に動いていきたいと思っています」
また、北海道へやって来る外国人観光客の方々の特長として、複数世代の家族やグループで旅行するパターンが多い現状があります。しかし、札幌のホテルではなかなか全員が1室に宿泊できるという部屋も少ないのです。
「だからこそMASSIVE SAPPOROはそういった問題を民泊や無人ホテルを通じてサポートすることが使命だと思っています」。
このように、快適に家族で過ごせる空間のお部屋があるのがMASSIVE SAPPOROが運営する無人ホテルの魅力のひとつ。
不動産とインバウンド。
遠いようで、時代の流れと共に実はすごく近い存在だったこのふたつを軸にMASSIVE SAPPOROは北海道の盛り上げにも一役を買っています。
地方創生、という言葉も今ではよく耳にしますがMASSIVE SAPPOROもこの想いを抱き札幌だけではなくシェアハウスは余市や富良野、無人ホテルは旭川、小樽にまで進出しています。その他にも、札幌に訪れる観光客の方に楽しんでもらいたいという想いから忍者体験ができるアクティビティを生み出したり、カラオケレンタカーなんて事業も始めたり...。
ここまで読んでくださった方はすでにお気づきだと思いますが、ただの不動産会社ではないのがMASSIVE SAPPOROなんです。
オフィスにはこんなユニークなスペースも。思わず写真を撮りたくなってしまいます。
「北海道を愉快に楽しくMASSIVEに!」という理念を掲げているこの会社。そう「MASSIVE」という「大規模な」という意味が込められているのです。
北海道への揺るぎない愛、それが全ての問題意識の根底であり、原動力になっているのだとか。社員がひとりひとり輝きながら働いている様子が写真からもなんだかその想いが伝わってきます。きっとこれからも、MASSIVE SAPPOROから面白いワクワクするようなことが発信されていくこと間違いなしです!
- 株式会社 MASSIVE SAPPORO
- 住所
札幌市中央区北4条西18丁目2-2 リューズビル1F
- 電話
011-676-9718
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