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北海道で暮らす人・暮らし方
札幌市

5足のわらじをはく女性。時には英語講師、時には忍者!?20190507

5足のわらじをはく女性。時には英語講師、時には忍者!?

「今、忍者とかやってるんですよね~」

とあるイベント会場でお会いして、名刺交換させてもらった女性の言葉に、
「え?忍者?しかも、忍者とか?」瞬時に頭の中が「?」だらけになりました。
とりあえず、後日取材をさせてもらいたい旨だけ伝えていたのですが、快く了承を頂きいよいよ取材の日がやってきました。
向かったのは、豊平区にあるシェアハウス。黄色い外観が目を引きます。
出迎えてくれたのは、このシェアハウスを運営・管理する「株式会社 MASSIVE SAPPORO」の清水聖子さん。さらさらの黒髪にぱっちりした目が印象的な女性です。

忍者になったわけとは

この人が忍者?さっそく、清水さんがいったいどんな経緯で忍者になったのか聞いてみました。
「きっかけは、ワーキングホリデーで行っていたニュージーランドから戻ったあと、滞在していた浦河町で、『札幌に戻って何か面白いことがしたい〜』とつぶやいたことでした」
するとある会社の社長から「忍者になってくれないか!!」という謎のメッセージが。
その社長とは、現在清水さんが所属する、株式会社 MASSIVE SAPPOROの川村社長でした。実は札幌にいたころは、自称シェアハウサーとしてシェアハウスを住み歩いていたという清水さん。その管理会社の社長である川村社長とは面識があったそうです。
札幌に戻ったらどんな面白いことしようかな〜と構想を練っていた清水さんは、計画の一つとしてバックパッカー向けのレンタカー事業を立ち上げようと考え、その相談をしていたタイミングだったそう。

「なのでてっきり、他のレンタカー会社に潜入して、ノウハウや情報を入手して来い! という意味だと思いました」とのこと。

比喩としての忍者かと思った清水さんは、深く考えずに「わかりましたー」と答えたところ、数ヶ月後には忍者装束に身を包み、本物の忍者として活動することに!

massive simizusan17.JPG忍者装束がものすごくお似合いです

比喩じゃなかったんですね。。(笑)

「そうなんです。良く良く聞くと訪日外国人観光客向けに忍者体験のできる施設を立ち上げる、ということでその立ちあげメンバーになって欲しいということだったんです。でもそれはそれで面白そうなので、そこからは実際に、全国各地の忍者体験施設を視察して回ったり、PR用のサイトを作ったり、本格的な衣装とか手裏剣とか吹き矢とかを調べてそろえたり、準備に没頭していきました。初めてのことばかりでもう大変でした」と振り返ります。

と同時に「人生の中で忍者になったことがある、という引き出しが増えるかと思うとまたとないチャンス!わくわくしました」とどこまでも前向き。

今では「HOKKAIDO NINJA DO!」サイトはこちらとしてメディアにも取り上げられ、国内外を問わずお客様に人気ですが、訪れる人の言葉で何か印象に残っているものはありますか、という質問には
ある忍者マニアのお客様からの「本場京都の忍者体験より良かった!」という言葉です、とにっこり。

きっと、大人が本気になって楽しみ、子供だましではないコンテンツを提供することが、訪れる人に高い満足感を与えるのでしょう。

清水さんをつくりあげたものとは

massive simiusann6.jpg
ところで、忍者とか、と言ってましたが、ということは他にもお仕事が?
聞けば、何とその他にも少なくとも5つの仕事が現在進行形とのこと。
「一つは株式会社 MASSIVE SAPPOROの人事・採用広報担当としての活動です。MASSIVE SAPPOROは、無人ホテルのプロデュース、シェアハウスやシェアオフィス、民泊運営代行、外国人観光客向けのレンタカーや、忍者体験など様々な事業を手がけていますが、それら各部門の情報発信などを担当しています。2つめは浦河町の赤十字病院に併設された看護学校での英語講師の仕事、3つめは子供向け英会話のレッスン、4つめは津別町のまちづくり会社との協同事業、5つめは東京のテレビ会社からの翻訳の仕事。その他にもカメラマンやら、いろいろです」

さらっとおっしゃいますが、いったい清水さん何者なのでしょう!
清水さんをつくりあげたのはどんな環境や経験だったのか聞いてみました。

「最初の原体験は、アメリカに住んでいた母の友人との簡単な英会話レッスンでした。そのときはまだ4歳くらいだったと思います」

4歳から英語にふれていたという清水さん。英語はとっても楽しいものとして身近にあったそうです。
「今から思えば、その母の友人は大学を卒業しても大学院に入って学び直したりと、常に勉強し続ける人だったので、私へのレッスンも、4歳の子が楽しいと思えるように、英語を好きでいられるようにと工夫を凝らして教えてくれたんだと思います」

何ともうらやましい環境ですが、そんな清水さんにとっては高校・大学と進学していく中、日本にいては学びきれない英語を求めてイギリス、フランスへの留学やカナダ、ニュージーランドへのワーキングホリデーを繰り返したのも自然な流れだったのかもしれません。

massive simizusan15.jpgワーキングホリデーで訪れたニュージーランドにて

ちなみに海外と日本との一番の違いについて聞くと「多様性」という言葉が返ってきました。
カナダのトロントではゲイヴィレッジと呼ばれるエリアに住んでいたそうです。ただでさえ移民が多く様々な国の人が混在するトロントで、そのエリアはさらに多様な人種が住んでいたそう。
「出会う人みんなそれぞれのルーツがあまりに多様で、自分が何人(なにじん)か、良い意味でさほど意識していないんです」と清水さんは笑います。

そういった人種や性別にこだわらない空気感が「しっくり来る」と感じる清水さんは、海外に永住するのもいいかなと思っていたそうです。永住や結婚など色々な選択肢が出てくる中、それでもいったん帰国することにしたのは、本人いわく、社会人として「修行」するため、そして昔から持っていた先生になるという希望を叶えるためでした。

北海道に戻って気づいたもの

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日本に戻り、社会人としての修行として選んだ仕事は、、、ずばり「英語教室」(笑)。先生になるという希望も叶い、それからの3年ほどはその英語講師のお仕事に没頭します。4歳児のベビーイングリッシュから、大学受験の指導までを担当し、かなり「きたえられた」そうです。

ここでまた次のステップに進みたくなった清水さん。2度目のワーキングホリデーとしてニュージーランドに渡ります。そこではカナダと違った苦労があったそうですが。。

「ニュージーランドだからというわけではなく、そのころ自分で独立や起業を検討していたタイミングだったことから、カナダにいたときと比べると、外国人としてのハンディーを感じました。例えばビジネスに関する申請や許可などのハードルが高いといったことですね」と打ち明けます。

「でも、多様性という意味では、ニュージーランドも素晴らしい国でした。人間のみでなく生物、環境の多様性・持続可能社会の実現にとても積極的に取り組んでいました。それらの国を見ているうちに、じゃあ日本は?北海道はどうなんだろう、お互いを尊重しあえる環境と言えるんだろうか?と考え始めました」

北海道で自分のやりたいことがぼんやり見えてきた清水さん。帰国してから改めて北海道を見たときの印象を聞いてみました。

「ニュージーランドは、その景色にあこがれたこともあって渡りましたが、良く良く見ると、北海道にも同じ景色が広がっていました(笑)。しかも、土地はたくさんありあまってるし、空き家含め家もたくさんある! 東京に比べれば人は少ないかもしれないけど、ハードがそろっているし、いいものをつくれば人は絶対に集まってくる。工夫次第で色んなことができる自由度の高い場所だったんだな、と気づきました。なんだ、全部ここにあったんだなって!」

5つのわらじのはき方

massive simiusann8.jpg笑顔の合間にも真剣な表情がのぞき、正確に答えようとしてくれるのが伝わってきます

5つものお仕事を同時進行して、とっても忙しそうなのにとっても楽しそうな清水さんに、こんな質問もしてみました。
「自分の属性を説明する時、会社員、学生、自営業、フリーランスなどと表現する人が多いと思いますが、清水さんは何と表現しますか」

するとこんな答えがかえってきました
「5つのわらじをはいています」と。

実は、取材陣は「どれが本業ですか」という質問を先にしたのですが、清水さんは少し考えて
「どれが本業とかの意識が無いんです。全部本業だと思っているし、割いている時間の長さとかの違いはあるけど、全部同じくらい大事なんです」とおっしゃいました。
勝手に、正社員が本業でそれ以外は副業というイメージを持って質問していたことが恥ずかしくなりました。
愚問ついでに、今の会社では他での仕事も認められるのか聞いてみると
「許すとか、許さないという感覚ではないですね。個人で事業をしている人もいますし、責任を果たした上で基本的に自由です」とのこと。

働き方がどんどん多様化し変化していることを、改めて実感した言葉でした。
一つの会社や団体に属して、一つのことを追求していくのも尊いと思います。
また、彼女のように、一つの場所だけに収まらず、社員やアルバイトというくくりにもとらわれず、人との出会いやつながりから生まれるニーズに自分の興味が重なったらチャレンジする、結果としてそれが仕事になる、そんな働き方もあるのだな、と気づかされました。

今楽しんでいること、今後やってみたいこと

massive simiusann10.jpg恐竜への愛も語ってくれた清水さん

ところで、そんな清水さんに趣味を聞いてみると。。
「実は今、恐竜のビギナー向けWEBサイトをコツコツつくってます」とまたまた驚きの発言!
何でも、たまたま聞いていたラジオの、子供向け電話相談の番組で、北大(北海道大学)の先生が恐竜について語っており、その話の面白さに引き込まれ、講演会にも行った結果その先生の大ファンに。その先生をきかっけに今では大の恐竜フリークになってしまったそう。

その他にも、「札幌壁部」なる活動や、ツリーハウスを作成する活動も。

massive simizusan19.PNG「札幌壁部」とは、札幌市内のいわゆる"映える"壁と人との写真を撮影して発信するという活動
これだけ多忙な中、その原動力はどこから来るのでしょう
清水さんは「自分がワクワクするか! それ面白そう!と思えるかで決めている」といいます。

これまでお話をうかがってきて、それは言い換えれば「その人とだったらワクワクするか」つまり、人ありきなのでは、と感じました。
今の会社に入ったのも社長の言葉がきかっけ。縁もゆかりもなかった浦河町でのお仕事は、その町に友達が引っ越したことから遊びに行くことが増え、そこで町の人との交流が生まれた結果。津別町のお仕事は移住イベントの会場で出会った方と意気投合したことから。恐竜サイトは、恐竜の専門家である先生に興味をもった結果。英語を好きになったのはその先生との会話が楽しかったから、というように。

清水さんは、様々な人と出会って世界を広げたとのことですが、その逆に清水さんから影響を受けて、何かを始める人もきっといるでしょう!そんなインフルエンサーの彼女に、最後、今後やってみたいことを聞いてみました。

massive simizusan16.jpg現在、札幌市内で仲間と制作中のツリーハウス。

「大きなツリーハウスを作って、そこに人種とか関係なく多様な人や子供が集まれる幼稚園のような場所をつくる! 40歳になったら着手するつもりです」と答えてくれました。
その光景はすぐに浮かびました。想像するだけでワクワクしてしまいますが、そんな素敵な場所であれば、それがどこにあってもきっと多くの人が集まってくるはず。
自由度の高い、ハードの充実した北海道で、彼女が次にどんなワクワクすることに出会うのか、とっても楽しみです。

株式会社 MASSIVE SAPPORO 人事・採用広報 清水聖子さん
住所

札幌市中央区北4条西18丁目2-2 リューズビル1F

電話

TEL:011-676-9718 FAX:011-213-9829

URL

https://massivesapporo.com


5足のわらじをはく女性。時には英語講師、時には忍者!?

この記事は2019年3月14日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。