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上士幌町

真冬の上士幌町 満喫ツアーレポート ーPart2ー20190701

真冬の上士幌町 満喫ツアーレポート ーPart2ー

さて、Part1の記事では「上士幌ウィンターバルーンミーティング」についてお届けしましたが、次なる目的地は北海道上士幌町にある糠平湖。ここには旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁郡の中、季節によってその姿が見え隠れするため幻の橋といわれる「タウシュベツ川橋梁」があります。また、今年は例年に比べると雪が少ないこともあり、湖底から湧き上がったガスが氷の中に閉じ込められる現象「アイスバブル」がとても綺麗に見ることができ、注目を集めました。

幻の橋「タウシュベツ」&注目の「アイスバブル」

早速、温泉でも有名なぬかびら源泉郷にある「ひがし大雪自然館」で働く学芸員の乙幡康之(おっぱたやすゆき)さんにご案内いただき、いざ糠平湖へ。

balloon_26.JPG東京出身の乙幡康之さん。子供の頃から化石採取が好きで、憧れだった学芸員になるために上士幌町へ移住されました。

まずは国道273号線沿い、五の沢にある駐車帯からスタートして糠平湖へ向かいます。取材時は雪が10〜15cmほど積もっていたので、スノーシューという西洋版の「かんじき」といわれる道具を装着して、まずは湖面までの林道を抜けます。この林道もかつては旧国鉄士幌線の線路があった場所です。日本有数の極寒地帯でもあるぬかびら源泉郷、この日の最低気温は−20度で、歩くたびに「キュッ、キュッ」と乾いた摩擦音が鳴り響きます。そして、凍裂(木の内部が凍って幹が縦に割れる現象)した木も立ち並んでいます。

「さあ、そろそろですよ」と乙幡さんの後に付いて行くと、360度見渡す限り真っ白な雪で覆われた糠平湖が目の前に現れます。例年、1月には完全に結氷し、人が乗るくらいでは割れない分厚い氷で覆われている人口のダム湖。その湖面を人々がタウシュベツ川橋梁を目指して歩いているのが見えます。

balloon_30.JPG足跡がまるで道のように繋がっています。

「ここから橋までは大体20分ほど歩きます。既に圧雪された道ができているので、基本はそこを歩けば大丈夫ですが、ガス穴(※)も多く発生しています。万が一穴の上を歩いてしまうと湖に落ちてしまうので、気をつけてくださいね」と乙幡さんが説明してくれました。発見されたガス穴には竹竿や表示で注意喚起を呼び掛けていますが、その場所以外にも発生しているところはあるそうで、立ち入る際には十分に注意してくださいとのことです。

(※)湖底から噴き出しているガスによって、凍った湖面が薄くなったり穴が開く現象。

balloon_24.JPGこちらがガス穴。落ちて氷の下に行ってしまったら・・・と思うのですが、大抵防寒具が引っかかり、頭まで落ちることはないそうです。

しばらく歩いていると所々に丸く湖面の氷が見えていることに気がつきます。すると乙幡さんがこう教えてくれました。

「これが『アイスバブル』です。今は雪が積もっているので、みなさんこうして表面の雪を払って理想のアイスバブルを探しているんです。氷の厚さや気泡の数、天候によって見え方も様々で綺麗ですよ」

顔を近づけて見てみると、透き通った氷の中に無数の気泡が時が止まったかのように佇んでいます。また、気泡がいくつも折り重なっている様を上から見ると、まるで五重塔などの相輪を彷彿させるようにも感じられました。

balloon_31.JPGこちらがアイスバブル。雪が積もる前はもっと綺麗に見えたそうです。

そこからさらに歩き進め、ついにタウシュベツ川橋梁の真下に到着です。ダムの中にあるこの橋、当たり前ですが水が貯まっている時は、こんなに近くで見ることはできません。ただ、冬はこうして結氷している間であれば、いつでもこうしてすぐ近くまで来ることができます。

balloon_32.JPG冬のタウシュベツ川橋梁。

白銀の世界に突如現れるこの橋。表面はコンクリートで覆われていますが、所々欠けて中が見えている部分には大きな石やむき出しの鉄も見えます。古代ローマの遺跡を思わせ、周辺の景観に調和しているその姿は、第1回北海道遺産にも選定された「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の一つです。橋を眺める方向によっては、遠くにそびえ立つ山々と調和し、よりダイナミックな印象にも変わりました。

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帰路につく前、休憩をしていると乙幡さんがこう話してくれました。

「私は地質学を専門として研究しているんですが、十勝平野の北端に位置する平野部、そして十勝三股盆地やぬかびら源泉郷といった盆地部と2つの要素を兼ね備える上士幌町は、両方の歴史を楽しむことができる土地で好きなんです。最近では欧米系の観光客も増えて来ていますが、この土地をみなさんにもっと楽しんでもらえたら嬉しいです」

極寒の中だからこそ楽しいワカサギ釣り

最後に編集部、もう一つだけ糠平湖を満喫させていただきました。それは・・・ワカサギ釣りです。糠平湖では氷の状況にもよりますが、例年12月下旬〜3月上旬くらいまでの期間、ワカサギ釣りを体験することができます。小さな子供から大人までが一緒に楽しめるということもあって、この日もたくさんのワカサギ釣り用の色鮮やかなテントが立ち並んでいました。

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こちらでは、ウィンターバルーンミーティングでもお世話になった上士幌町役場 商工観光課の佐藤さん、幼児教育課の四戸智昭さんがレクチャーしてくださいました。

まずは、ワカサギを釣るためにアイスドリルという道具で穴を開けるのですが、今年は特に氷が分厚いようで、これがなかなか大変なんです。体験させていただくと、すぐに上腕三頭筋が悲鳴を上げました(笑)。そうして、穴が用意できた場所にテントを立てれば、ワカサギ釣り基地の完成です。暖房などの設備は一切ありませんが、外に比べるとテントの中は想像以上に温かいことに驚きました。

balloon_35.JPG体を張って頑張って穴を開けてくれる四戸さん。

こうして準備が整ったら、いよいよ本番のスタートです。一般的な釣り竿よりはぐっと小さな竿から、開けた穴に糸を垂らしてさげていきます。ワカサギは深い場所に多くいるため、湖の底が狙い目なんだそうです。約10mくらいの底まで落とし終えたら、あとはアタリ(魚がエサに食いつくこと)を待つだけ・・・と思っていたら早速竿に反応が!

「焦らないでアワセ(竿の先端を上向きに素早く動かすことで、魚に釣り針を掛けること)てください」と佐藤さんからのアドバイス。

素早くアワセを行い、ゆっくりと糸を巻き上げると・・・いました!かわいいワカサギちゃん!(興奮中です)なんと、開始1分で釣れたのです。

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そして、その後も順調にワカサギを釣り上げることができ、1時間ほど釣りを楽しんだところで、佐藤さんがその場でワカサギを調理してくれました。

「ワカサギは釣ってすぐ料理するなら天ぷらかから揚げにするのが定番ですが、今日はから揚げにしますね」と、佐藤さんが手際よくワカサギにから揚げ粉を付けて、油の中へ。すると、ピチピチと音を立てながら、テントの中には食欲をそそるなんともいい香りが立ちこめます。こんがりきつね色になったワカサギ。さっそくいただいてみると、んー美味しい!テントの中とはいえ、この寒さにから揚げの温かさが染み渡ります。自分で釣った魚をその場で調理して外で食べる、このロケーションも相まって、五感で味わうワカサギは最高でした。

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冬の寒さも吹き飛ばすまちの温かさ

こうして、上士幌町満喫ツアーは幕を閉じました。今回、ウィンターバルーンミーティング、糠平湖のタウシュベツ川橋梁&アイスバブルの散策、ワカサギ釣りと上士幌町の冬を存分に楽しませていただく取材となりました。そんな中、たくさんのまちの方々に出会って感じたことがあります。それは「まちの一体感」です。お年寄りから若者まで、みんながこのまちを楽しみ、そしてまちに訪れる人へも同じように楽しさを教えてくれます。日本の寒さランキングで常に上位の上士幌町ですが、住む人の温かさもきっと指折りのまちであることでしょう。

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ひがし大雪自然館
ひがし大雪自然館
住所

北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷48−2

電話

01564-4-2323

URL

http://www.ht-shizenkan.com


真冬の上士幌町 満喫ツアーレポート ーPart2ー

この記事は2019年2月10日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。