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まちおこしレポート
神恵内村

海と故郷の再生に取り組んだ神恵内の村長。20161017

海と故郷の再生に取り組んだ神恵内の村長。

磯焼けから海を救う、藻場LANDプロジェクト

「磯焼け」という言葉をご存知でしょうか。水温や水質の変化や海水の貧栄養化などが原因となり、コンブやワカメなどの海藻類が消滅してしまう状態です。
神恵内村も、長らくこの磯焼けに悩まされ続けてきました。しかし平成22年よりスタートした『藻場LANDプロジェクト』により、多種多様な海藻が繁茂する藻場を蘇らせることに成功しています。しかも特筆すべきは、協賛金集めから実作業まで、行政や漁師、漁協などが『手弁当』で取り組んだことでしょう。
人口わずか900人余りの小さな集落に綴られた、母なる海と故郷の再生の物語。その舞台裏に迫ってみたいと思います。

藻場LANDプロジェクト

海の環境保全・美化活動として、神恵内村の沿岸一帯を舞台に企業と地域が一体となり、海の森林(藻場)づくりに取り組んだプロジェクト。企業の協賛により、第1期(平成22年度)事業では1,000平方メートル以上、第2期(平成23年度)事業も1,000平方メートル以上に達するコンブ場が形成されました。


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神恵内の将来を託すプロジェクトを。〈心熱き村長の話〉

神恵内村に『藻場LANDプロジェクト』の話が持ち上がったのは平成22年のこと。実はそれ以前にも磯焼け対策事業は導入されていました。しかしどれも長続きせず、その効果にもおのずと限界がありました。
「でも放棄しておく訳にはいかない。村の主要産業である漁業への影響はそのくらい深刻でしたから」こう答えるのは神恵内村の高橋村長。平成14年より村の最高要職に就任しているがもともとは同村の漁師の出でした。

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磯焼けは海の砂漠化とも称され、放っておくと被害は拡大の一途をたどります。すでにここ十数年、一帯の重要な水産資源であるウニやアワビの水揚げ量は激減しており、村の存続をも脅かす緊急の課題ともなっていました。
そんな折、旧知の水産コンサルタント会社から藻場造成=藻場LANDプロジェクトを実践してみませんか、という話が持ち込まれます。すでに各地でその事例が導入されており、成果も実証済み。まさに渡りに船の申し出でした。すぐにでも依頼したいところではあったけれど、村長は二の足を踏みます。その理由は...
「先立つものがなかったのさ(笑)。北海道で二番目に人のいない村だもの、予算なんて雀の涙ですしね」
しかし村長は諦めませんでした。まずは作業者。外部発注費用がないなら自分たちでやればいい。
「すぐに漁協や漁師の方々に役場に集まっていただき、プロジェクトの概要を説明しました。そしてフェンスや母藻の投入のために、みなさんに実際に海に潜って欲しいということも」
当初は反対や非難の声が上がります。曰く「今まで失敗の連続だ」曰く「なぜ俺たちが作業を?」。しかし村の将来を真剣に説く村長や部会長らの言葉に、会議の空気は次第に変わっていきます。
「同じ故郷の生まれだもの、気持ちが伝わったんだろうね。話が終わるころには、みんなで神恵内の海をもう一度蘇らせるべ!という雰囲気になっていました」

mobaland_1st_04.jpgダイビングの資格を取得した漁師の方々。

もう一つの課題は資金。プロジェクトを進めるためには1000万単位のコストが必要となります。村長や村の職員は、地場の土木企業や建設企業を訪ね歩き、自分たちの力で故郷の海に緑を植えたいと懇願しました。海の再生が村の再生を促すのだ、とも。遠く東京の企業のもとに足を運んだこともあります。
最初は訝しげな表情を見せる方もいました。しかしかつての神恵内の海の美しさや豊かさを語る村長の姿、心を動かされたのでしょう。「最後はみなさん一様に分かりましたという笑顔を見せてくれました。うれしかったなぁ」協賛を申し出てくれた企業は予想を上回る14社。初年度分の費用は十分捻出出来ました。
こうして平成23年春、村民や企業参加型の事業『藻場LANDプロジェクト』が正式に稼働したわけです。

「手弁当で故郷の海を蘇らせた神恵内の人々。」も、ぜひお読み下さい!

神恵内村役場
神恵内村役場
住所

北海道古宇郡神恵内村大字神恵内村81-4

電話

0135-76-5011

URL

http://www.vill.kamoenai.hokkaido.jp/

古宇郡漁業協同組合 神恵内支所
北海道古宇郡神恵内村大字神恵内村2122
0135-76-5021


海と故郷の再生に取り組んだ神恵内の村長。

この記事は2016年2月4日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。