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Vol.13〜うらやましい!70年前の浜の子どもの「おやつ」〜20221206

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こんにちは。くらしごと編集部です。
皆さん、子どもの頃はおやつになにを食べていましたか?
昭和の時代、浜の子ども達はおやつにも海の恵みを堪能していたようです。
いまでは驚くほど贅沢な「浜のおやつ」とは...?


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Vol.13〜うらやましい!70年前の浜の子どもの「おやつ」〜


くらしごと編集部の珍味係長・手島です。
72歳になる私の母は、北海道の西側にある島牧村の出身。母の父である私の祖父は漁師で、春はコンブ、夏はウニ・アワビ・ヒラメ・カレイやイカなどを獲っていたそう。母はよく祖父のことを「村のなかでも一番魚を捕ってきた凄腕の漁師だった」と自慢げに話し、浜での幼少時代のことを教えてくれます。今日はそんな母が食べていた「おやつ」の話です。

今から70年ほど前、チョコレートもポテトチップスもなかった時代。島牧村に暮らす母とその兄弟たちが「おやつ」にしていたのが、なんとアワビ!塩でさっと茹でたアワビを貝から外し、数日干したあとにソフトキャンディくらいの堅さになったアワビを手に持ってかじりながら遊んでいたそうです。まるで浜の子どものエナジーバーです。

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冬には、荒波にもまれて打ち上げられたゴッコ(※)を洗って内臓を取り除き、軒下に数日間干して半分くらいの大きさに縮んだ身を薪ストーブの上の網で焼いて食べたそう。味付けなんかしなくても、日本海の荒波にもまれたゴッコには既に塩味がついていて、まさに自然が創り出した海の味だったといいます。

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▲これが北海道で「ゴッコ」と呼ばれるホテイウオ。ブルブルとしたゼラチン質が美味!

「おやつなんてあめ玉くらいしかなかったからね」と話す母ですが、どこか自慢げです。だってアワビもゴッコも「言葉で言い表せないくらい、美味しかった」というのですから。

海洋汚染や温暖化などで海の環境が変化し、水揚げ量が減ったり、昔みたいに気軽に食べられなくなっている魚種が出てきていることは、アワビをおやつ代わりにしていた母だけでなく、いち魚好きである私も実感しています。
私が70歳になるころもアワビやゴッコを味わうことができるのか。自分より若い世代に「昔はアワビっていうすごく美味しい貝があってね...ゴッコっていう美味しい魚があってね...」なんて語ることになるのか。母の話を聞く度に、大好きなお刺身を眺めながら魚の未来をぼんやり考える今日この頃なのでした。

文・てじま あいか
くらしごと編集部メンバーとして、主にデザインワークを担当。漁業を含め幅広い制作物に携わっているほか、「珍味係長」として酒に合うつまみを探求。好きな魚介はナマコ。

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Vol.13〜うらやましい!70年前の浜の子どもの「おやつ」〜

この記事は2022年12月6日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。