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和寒町のインフラを支える「近藤組」は、アットホームな雰囲気が魅力20240705

和寒町のインフラを支える「近藤組」は、アットホームな雰囲気が魅力

和寒町と書いて、「わっさむちょう」と読みます。旭川市から約35キロ、北へ向かったところに位置します。農業が盛んな町で、基幹作物は米ですが、雪が降るのが早く、降雪量が多いという特性を活かした「越冬キャベツ」や、作付面積日本一を誇るカボチャでも知られています。この町で100年以上も前に創業し、建設事業を中心とした町のインフラ整備を行ってきたのが「株式会社近藤組」。開拓期から町の発展を支えてきました。

現在は「近藤グループ」として、土木、舗装、建築事業、道路の維持を行う「近藤組」を中心に、建設機械のリースや町の施設の管理運営を指定管理者として請ける「コンドー興産」、林業やガソリンスタンド経営を行う「H&M」という会社を有し、多彩なビジネスを展開しています。今回は、「近藤組」で活躍するスタッフ2人に、その仕事ぶりや会社のことを伺いました。

kondougumi_17.jpg和寒町にある近藤組の本社。

昔からよく知っている人物からのスカウトがきっかけで、兄も一緒に転職

まず、近藤組の工事部土木課に所属する平勇志(たけし)さんにインタビュー。近藤組は和寒町内だけでなく、近隣の士別市や名寄市に支店を構え、近郊や道北エリアの現場も数多く手がけています。今回は和寒町から車で30分ほどのところにある士別市の現場におじゃましました。

現在、平さんが携わっているのは、北海道の南は函館、北は稚内までをつなぐ北海道縦貫自動車道の一部、名寄市までの高速道路を造る工事。まだ始まったばかりということで、これから本格的に稼働が始まるそう。今回はこれから整備をするという高速道路の一部を見せてもらいながら話を伺いました。

kondougumi_7.jpgこちらが平勇志さんです。

平さんは入社14年目の中堅社員。士別市出身で、21歳のときに近藤組へ転職しました。

「もともと大工になりたくて、高校を出たあと、旭川の専門学校で大工の勉強をしました。大工になったのですが、ちょっと違うかなと思い、一旦会社を辞め、友達の紹介で土木のアルバイトを2カ月ほどすることに。アルバイトが八雲町(北海道の南西部にあり、和寒町からは約350kmほど離れています)のほうで高速道路を造るというものだったんですが、ちょうど出発する前に、松本課長から『うちに来ないか』と声をかけてもらい...」

松本課長とは、近藤組の土木課長を務める松本康一さんのこと。平さんが幼い頃から知っていたそうで、「仕事を辞めたなら、うちに来ないかな」と思って声をかけたそう。ところが、アルバイトに行くことが決まっていたため、とりあえず戻ったら返事をすると八雲へ。

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もともと体を動かすこと、モノを作ることが好きだった平さん。大工とは作るものの大きさ、規模は違いますが、「土木の仕事も面白いかも」と思ったそう。八雲から戻り、「ずっとアルバイトというわけにもいかないし、せっかく声をかけてもらったので、近藤組へ入社することにしました」と平さん。

実は時期を同じくして、平さんの兄である裕輝(ゆうき)さんも近藤組への入社を決めていました。「松本課長がうちに来てくれたとき、たまたま僕が出かけていて、兄がいたんです。兄は同じ業界ですでに働いていたのですが、兄もここでスカウトされました」と笑います。現在、お兄さんは現場代理人として仕事に携わっています。

kondougumi_2.jpg大工はミリ単位の世界なので、土木との感覚の違いに最初は戸惑ったそうです。

尊敬できる先輩たちに囲まれ、重機オペレーターとして経験を積む日々

近藤組に入社した平さんは、入社してすぐに重機を動かすのに必要な免許を取りにいくよう会社から言われます。免許取得に必要な経費はすべて会社が持ってくれました。最初は機械を使う簡単な作業を任せてもらう程度でしたが、5、6年前から本格的に重機オペレーターとして仕事をこなすように。

「重機に乗りはじめたら、意外と楽しくて(笑)。そして、すごくセンスも必要なんです。だから個人差があるのですが、奥が深いんですよね。とにかく運転しないとうまくならないので、経験をもっと積みたいです」

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平さんには尊敬できる先輩たちが会社にいるそう。中でも、「重機の師匠」と慕う橋本利夫さんに関しては、「操作のスピード、正確さはずば抜けていて、細かい部分まで、すべて勉強になります。近くで勉強させてもらえるうちに、師匠の技をどんどん吸収していきたいです」と熱く語ります。

先輩たちの話が出たところで、会社の雰囲気について尋ねると、「自分はほとんどが現場にいますが、現場の雰囲気は悪くはないです。先輩たちもみんなやさしいですし、いろいろ教えてくれるので」と話します。

平さんも兄が同じ職場で働いていますが、近藤組はこのように家族や親族が一緒に働いているケースが多いそう。それだけ働きやすく、アットホームな雰囲気であるということが分かります。

今の社長は、新しいものの導入に関して柔軟に対応してくれるタイプということで、「現場の意見にも耳を傾けてくれます。年に1回、社長や専務との面談があるのですが、ICT化についても、現場にあればいいなというものがあれば提案させてもらいます」と平さん。

kondougumi_12.jpg重機の師匠の橋本さんと。

以前よりも休みや手当が充実。働きやすい環境が整っている

10年以上近藤組で働いている平さん。ここ数年で、働き方や待遇も随分変わったと言います。

「現場の繁忙期などによって変わりますが、基本的に休みが週休2日になり、土日で休めるようになりましたし、技能手当などの手当も充実したと感じています。会社が働きやすい環境整備を進めてくれていることがありがたいですね」

ちなみに休みの日は、お兄さんや友人たちとキャンプに出かけることが多く、和寒や鷹栖のキャンプ場へ足を運びます。「このエリアはいいフィールドがたくさんあるので」と平さん。たまにソロキャンプを楽しむこともあるとか。また、仕事が終わったあとのプライベートタイムは、筋トレやウォーキングをして過ごしているそうです。

kondougumi_26.jpg平さんとお兄さんをスカウトした松本課長。

仕事のやりがいや面白さについて尋ねると、「砂防ダムや道路など、地域の人たちの暮らしの安全を守るものや、日々の生活に欠かせないものを造っているという誇りはあります。そして、最終的に形となって完成したものを見ると達成感が得られます」と話してくれました。

「まず今は、一級土木施工管理技士の資格を取るために頑張りたいです。そして、将来的には師匠の橋本さんのように、みんなから頼られるような重機オペレーターになりたいですね」

あとは自分のあとに続く、少し若手が入ってくれると嬉しいと最後に話してくれました。

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家族や親族が一緒に働くのは、近藤組ではよくあること!

次に、和寒町にある近藤組の本社へ移動します。インタビューさせていただくのは、管理部管理課の松本沙織さんです。「松本」という苗字、前の平さんの取材時に登場した松本課長と同じですが、もしかして...と尋ねると、「父です」とニッコリ。

「今は叔父も2人働いていて、以前は姉もグループ会社で働いていました。もっと遡ると、祖父も働いていました」

kondougumi_19.jpgこちらが松本沙織さんです。

就職する際、家族や親族に止められることは一切なかったそうで、それだけ働きやすい会社だということをあらためて感じます。ちなみに、高校生のときは近藤グループが指定管理をしている「三笠山自然公園こどもの国」でアルバイトもしていたそう。

さて、松本さんは入社3年目の20歳。士別翔雲高等学校で学んだあと、就職か進学か悩んだそうですが、「進学しても学びたいことが特になかったので迷っていました。ちょうどそんなときに近藤組で経理の募集をしているよと父から教えてもらい、高校で学んだ簿記などが生かせるかもと思い、応募しました」と話します。

kondougumi_20.jpg三笠山自然公園こどもの国はグループ会社のコンドー興産が指定管理を受けています。

「建設ディレクター」を取得。学校の学びも役立てながら毎日楽しく仕事

現在は経理の仕事と、「建設ディレクター」として工事施工に係るデータの整理や処理、提出書類の作成やICT業務を行い、現場と事務方をつなぐ仕事を行っています。この「建設ディレクター」というのは、一般社団法人建設ディレクター協会が認定する民間の資格で、和寒のある上川管内ではまだ4人しかこの資格を持っていないそう。

「私もこの3月に取得したばかり。会社のサポートのもと、毎週金曜に講座を受けて建設ディレクターの資格を取りました。まだまだ業界用語など分からないこともあったのですが、資格取得に向けて勉強したことで、以前よりも業界知識が身に着いたと思います」

kondougumi_22.jpg建設ディレクターの資格を取得したことで、自信にも繋がっているそうです。

高校で学んだ簿記などが役立っている実感はあると話し、「経理の仕事は好きなので楽しいです」と松本さん。同じフロアには、経理担当のほか事務方のスタッフが一緒に働いています。「事務方に若い人はいませんが(笑)、皆さんとてもやさしくて、かわいがってくれます」と話します。中には親より年上の人たちもいるそうで、「世代は違いますが、話したら面白い人がたくさんいます。私、実は人見知りなのですが、入社したときから皆さんが声をかけてくれて、すぐに馴染むことができました」と振り返ります。

残業がほぼなく、土・日・祝日はしっかり休むことができるのも魅力とのこと。

「休みの日は、旭川へ友達と遊びに行ったり、あとはRPGゲームをしたり。それから、お酒を飲むのが好きなので、家で父と一緒にお酒を飲むこともあります」

父親と同じ会社ということに抵抗はないと話し、「むしろ会社のことで分からないことがあれば教えてくれますし、逆に安心感があります。あと、父はほとんど現場なので、家に帰ってから現場の話を聞かせてくれて、事務所にいると分からないことも知ることができるのがいいなと思います」と語ります。

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地域に根差したアットホームな職場。町内外から若手の入社を待っています!

これからの目標について尋ねると、「一級建設業経理士の資格を取りたいです」とキッパリ。資格取得に向けて勉強を始めるそう。「あと、自分の目標ではありませんが、これから先、もう少し若い人が増えてほしいと思います」と話します。

松本さんの高校の同級生が土木課に所属していますが、同じ会社と言っても毎日顔を合わせることはないそう。もちろんやさしい先輩たちに囲まれ、現状にも満足はしていますが、事務方にも20代、30代が入ってくれたらと願っています。

kondougumi_21.jpgプライベートでは、貯金をして、新しい車を買うのが当面の目標なんだとか!

ちなみに土木課に新卒で入社すると、最初の1年目に2級土木施工管理技士の資格を取るため、給料をもらいながら専門学校へ通わせてもらえます。「資格取得や人材育成に惜しみなく力を注いでくれるのも会社のいいところかもしれません」と松本さん。

また、生まれも育ちも和寒の松本さんは、「和寒は高い建物がなくて夕日がすごくキレイに見えるんです。自然に恵まれている地域ですが、車を少し走らせば、士別や旭川に行けるし、日常生活で不便はまったく感じません」と町の魅力を話します。自然豊かな道北エリアに暮らしてみたいと移住を検討し、仕事を探している人にとっても、地域に根差したアットホームな近藤組のような会社なら安心して働けそうですね。

近藤組の会社について、社長のインタビュー記事もあります!

「手広すぎる」のは、マチのため! (株)近藤組

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株式会社近藤組
住所

北海道上川郡和寒町字三笠99番地

電話

0165-32-2042

URL

https://kondo-group.co.jp/

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和寒町のインフラを支える「近藤組」は、アットホームな雰囲気が魅力

この記事は2024年5月31日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。