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このまちのあの企業、あの製品
和寒町

「手広すぎる」のは、マチのため! (株)近藤組20201130

「手広すぎる」のは、マチのため! (株)近藤組

北海道上川総合振興局管内の北部に位置する和寒町。北海道の人でも「わかん?」「わさむ?」となる人もいますが、「わっさむ」と読みます。人口3,200人ほどののどかな町です。このまちで100年以上の歴史を重ねる株式会社近藤組は、土木、舗装、建築事業を主体とする企業であり、道路の維持や福祉用具の取り扱い等も行っています。グループとしては他にも建設機械のレンタル・リース、運輸業、林業にガソリンスタンド、果ては「三笠山自然公園こどもの国」という遊園地や「東山スキー場」の指定管理を担うなど、とにかく事業内容は多種多彩です。「一体どうしてこんなに手広いの?」という疑問を代表取締役の近藤俊人さんと、専務取締役の山﨑康次さんに尋ねました。

和寒町の開拓から、ともに歩んできた会社。

「ウチの会社が創業したのは大正5年です...が、本当はもっと古くから商いを始めていると思うんですよね(笑)」

ん?思う?のっけから驚くようなセリフを切り出したのは、4代目にあたる近藤俊人さん。聞けば、会社の資料では大正5年が創業年になっていますが、外部の資料によると、そのさらに昔には現在の旭川市永山地区にあたる永山村で小学校舎や仮兵舎を建てていたという記録があります。

kondo-group_machinotame_2.jpg4代目の近藤俊人さん。同社を牽引する若き代表です。

「あまりに古いことなので確証はないのですが...。ただ、和寒の開拓とほぼ時を同じく、当社が歩みを始めたのは確かなこと。以来、建設事業を中心にこのまちのインフラを支えてきました」

こう言葉を継いだのは専務取締役の山﨑康次さん。高校卒業後に入社し、30年以上も会社を見てきた古株です。今はグループ全体で120名以上の社員を抱えていますが、入社当初はわずか15人くらいの規模だったと振り返ります。

「先代である僕の父が道内各地で受注を拡げ、会社の規模をじわりじわりと広げていきました。が、当時はモーレツに働くことが美徳とされていたこともあり、子どものころには父と過ごす時間はあまりなかったですね。そんな経緯もあり、自分は会社を継ぐつもりはなく、札幌に出ていろんな仕事を転々としました」。近藤さんはそう正直に語ります。

1.集合写真最終.JPG平成28年3月に行われた100周年記念祝賀会の様子。

仕事も私生活も都会で絶好調だった23歳のころ、和寒町にUターンすることになった近藤さん。産まれ育った和寒町で再び暮らし、働くことになります。「社長の息子」とはいえ特別扱いは一切ナシ。技術者でもありませんでしたので、イチ営業職として朝の掃除から始め、徐々に建設の事業に携わるようになり、現場を知り、会社全体のことを把握するようになっていったといいます。

まちが必要とする事業を。なくてはならない仕事を。

株式会社近藤組は、和寒町を中心に名寄市、士別市にも支店を有し、道路、河川、学校、病院、庁舎などの施工といった建設事業を母体に、名寄美深道路の維持・除雪や名寄市、和寒町の除雪、テストコースの整備、災害発生時には災害復旧対応の中心的な役割を担うなど、「地元を支え、地元になくてはならない存在」としてあらゆるビジネスを展開していると近藤さんも山﨑さんも言います。それってどういうことなのでしょう?

「僕が和寒町にUターンし、当社の仕事を知れば知るほど、地域に対する役割が大きいことを思い知らされました。それが会社を継ぎたいと思ったきっかけでもあります。例えば、『三笠山自然公園こどもの国』は、観光資源の多くはないこのまちにとっては目玉の遊園地。子どもたちも夏場の開園を楽しみに待っています。『東山スキー場』も同様です。この遊園地とスキー場の指定管理を受けることで、社員には通年雇用を約束することができるんです。地域から『近藤組にしか頼めない』という課題の受け皿になるのが使命であり、当社が普通の建設会社では考えられないような事業を複数手がける『なんでも屋』である誇りです」

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そう近藤さんが語るように、同社は和寒町が必要とする事業、なくすわけにはいかない事業に採算度外視でトライしています。平成26年には、今後ますます高齢化が進むまちを憂い、近藤さん自らが地域のお年寄りのみなさんに何度もヒアリングを重ね、福祉用具の取り扱いを行う「スマイルサポートグループ」をスタート。介護関連事業にも乗り出しました。さらに、平成27年には林業を手がける会社として新たに株式会社H&Mを設立しました。

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「当社には建設業に関する知識や機械は豊富でしたし、他の分野でも生かせることはないかと考えていたところ、林業に携わっていた若者が入社することになり、だったらそのノウハウをウチで使ってみないかと声をかけさせてもらったのが始まりでした。周りからは『そんな簡単な業界じゃない!』とご意見いただくこともありましたけど、その雰囲気をひっくり返して認めてもらいたい一心で社有林をどんどん拡げていきました。おかげさまで軌道に乗り出して、周りのみなさんにも評価いただける水準まできているのではないかと感じています。林業も地域にとってなくてはならない大切な産業なので、守っていきたいんですよね」

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そして、令和元年には株式会社近藤組の隣にあるガソリンスタンドが廃業の選択をせざるを得なくなった際に、そこで働く方々の雇用、地域へのエネルギーの供給を守るために株式会社H&Mに新たにガソリンスタンド部門を設立し、現在は森林づくりを通した環境整備と石油系エネルギーへの積極的な取り組みを通じて地域の安全で快適な生活基盤づくりに努めているほか、後継者のいない農家の耕作放棄地を取得し、山林に戻すというユニークな取り組みも行っています。農家からは感謝され、持続可能な環境づくりにもつながるこの新しいチャレンジからも目が離せません。

写真①.JPG同社が町から指定管理を受けている「三笠山自然公園こどもの国」。土日祝や夏休み期間にはたくさんの子どもたちで賑わいます。

家族経営というより、ホントのファミリーだらけ!?

ここまでお二人のお話を聞いていると、株式会社近藤組が和寒町とともにあり、町のためにもさまざまな事業や取り組みを行っていることがよく分かります。ところで、グループも含めてどんなスタッフが働いているのでしょうか?

「当社では毎年のように高卒の新卒採用で若手が入社してきています。和寒は旭川や比布、剣淵、士別からもアクセスが良く、通勤エリアが広範囲にわたるんです。最近では、剣淵高校や士別翔雲高校、名寄産業高校などの新卒社員が多数活躍しています。また、社内には親子、兄弟と家族で働かれているパターンも非常に多いのが特徴。中には三代続けて当社の社員なんてパターンも。かく言う私も、家内が事務職として働いています(笑)。家族経営というよりも、ホントのファミリーばかりなんです」と山﨑さん。家族と働くのは少し照れくさそうですが、その気持ちを上回るほどオススメしたくなる良い会社なのですね。

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同社は新入社員がクリスマスシーズンにサンタやトナカイの扮装をして地元の保育園にケーキを届けるといった活動をはじめ、さまざまな地域貢献活動を通して子どもたちに「地元和寒の近藤組」をアピールする取り組みにも積極的に力を入れています。ケーキの配布時には社員が卒園生というケースもあり、先生方も思わぬ再開に大喜びすることもあるそうです。また、「三笠山自然公園こどもの国」や「東山スキー場」を運営し、子どものころから馴染みのあるという人も多く、中には遊園地のアルバイトスタッフとして働いていた高校生が卒業後に正社員として入社するケースもあるとか。こうして地元の子どもたちがこの町で成長し、そのまま地元で働くという選択肢があることが、和寒町にとって大切な未来への循環をつくっているのでした。

「剣淵高校では生徒が育てた花を道の駅などで販売するのが毎年恒例。ただ、今年は新型コロナウイルスの影響から一時は販売先が軒並み閉じてしまって。剣淵高校の卒業生を新卒社員として受け入れているご縁もあり、当社の運営するガソリンスタンドで花を売る手はずを整えました。地域のご年配が『お花だけ買っても良い?』と訪れてくださるなど、かなり好評だったんですよ」と近藤さん。

DSCF6090.JPG卒園生がサンタに扮してケーキの恩返し。

前述の通り、近藤グループには多彩な部門があります。一言で建設業と言っても土木や舗装、建築と職種はさまざまで、さらには重機やダンプの運転手、林業にガソリンスタンド(燃料販売)、遊園地にスキー場といったように、入社後にやりたいことにズレがあったとしても社内転職のような社員の輝ける場を変えてあげることで、ここで働き続けるチャンスの創出もされています。こうしたグループ内での職場の異動希望を含めた相談を受けるべく、近藤さんは年に一度社員と面談の場を設けているとか。

「誰がどんな仕事に合うのかは分からないものです。だからこそ、面接では人柄重視で採用。事実、他社ではなかなか定着しなかった人材が、今では会社にとってなくてはならない存在として毎日のびのびと活躍しています。会社に合う合わないというのはあるのかもしれませんが、適材適所、社員が伸びていきそうな場所を提供してあげるのが企業の責任でもあると思っています。そして、地元の方が就職・転職する以外にも、色々な地域から移住してもらえるようにさまざまな福利厚生も整えています。現在は単身者の住宅は埋まっていますが、町と相談して住む場所も探しますので、興味がある方はぜひ当社にお気軽にご連絡ください。将来のためにも和寒町の人口が少しでも増えてくれたら嬉しいなぁって思います。実際、子育てにも環境がいい町ですし、都会の旭川だってすぐですから意外と便利ですよ」

写真③.JPGこどもの国の敷地内は自社社員によって毎日キレイに手入れがされています。

和寒町の大自然のように深い懐。多様性が求められるこれからの社会にピッタリの考え方。ふと周りを見渡した時に社員の皆さんがイキイキとした表情に映るのは、会社が笑顔で働けるたくさんの場所を用意してくれているから。地域周辺の高校生や、建設業主体でありながらも女子にも選ばれる会社というのは、地域のことを真剣に考え続けてきた長年の実績、そして働く社員への想いの表れなのかもしれません。

株式会社近藤組
株式会社近藤組
住所

北海道上川郡和寒町字三笠99番地

電話

0165-32-2042

URL

https://kondo-group.co.jp/


「手広すぎる」のは、マチのため! (株)近藤組

この記事は2020年7月16日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。