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このまちのあの企業、あの製品
厚真町

ゆったり、気張らず、のんびりと。厚真町社会福祉協議会20210715

この記事は2021年7月15日に公開した情報です。

ゆったり、気張らず、のんびりと。厚真町社会福祉協議会

(※撮影時のみマスクをはずして頂いています)

以前、くらしごとでは厚真町の社会福祉への取り組みをご紹介いたしました。

そんな独自の取り組みを行う厚真町内で欠かせない存在のひとつが「厚真町社会福祉協議会」です。町民のさまざまな相談や困りごとを受け止め、「高齢者グループホーム」や「小規模多機能ホーム」「指定訪問介護事業所」の運営を通して社会福祉サービスを町民に提供する役割を担っています。

地域に根ざし、地域とともに福祉をつくっていく

厚真町社会福祉協議会

今回お話を聞いた厚真町社会福祉協議会(以下、社協)の福祉施設管理職である山野下誠さんは、厚真町生まれの厚真町育ち。平成8年から社協職員として働いています。

atsumasyakaihukushikyogikai_01.JPG終始おだやかな雰囲気の厚真町社会福祉協議会 福祉施設管理職 山野下誠さん

「社協は昭和26年に任意の団体として厚真町で発足しました。時代に応じた活動をしながら昭和53年に法人格になり、平成5年くらいからヘルパー事業などを大きくするなど規模が拡大していきました。それでも私が入職した平成8年ごろは、まだ社協のメンバーはヘルパーさん3人、事務所スタッフ4人の全7人だったんです。ヘルパーさんや地域の方々とまちをまわって、何か困りごとはないか地道にヒアリングをしながら対応してきました。介護保険がスタートしてからは、さらに様々なサービスが地域に求められるようになりまして、ここ20年くらいで、社協も大きく変わり、今では50名を超える大きな組織となっています」

全国の市町村に法律に基づいて設置されている社協は、それぞれの地域によってカタチも内容も違います。民間企業と役割を分担しながらやっている社協もある中、厚真町は社会福祉法人格をもち、介護サービスも含めて、地域に足りないサービスの提供を直接担ってます。

atsumasyakaihukushikyogikai_02.JPG左側の青い建物が高齢者グループホーム「やわらぎ」。右側の建物には小規模多機能ホーム「ほんごう」と入居型生活支援ハウス「ともいき荘」が併設されています。

「まちには高齢者グループホーム『やわらぎ』と小規模多機能ホーム『ほんごう』、入居型生活支援ハウス『ともいき荘』の3つの施設が併設された『ともいきの里』という施設があります。平成13年に建てられたこのともいきの里は、『高齢者になっても、いつまでも地域の人たちとともに共に生きていこう』という運営理念を持っています。地域とともに福祉を創り、地域に根ざした運営を目指す私たち社協ともこの理念が合致していることから、現在まちの指定を頂いて私たちが運営しています」

「ゆったり、気張らず、のんびりと」介護に携わる。

高齢者グループホーム「やわらぎ」

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高齢者グループホーム「やわらぎ」は、定員9名で1ユニットの認知症対応型共同生活介護施設。こちらでは現在、20代から60代まで幅広い年齢層のスタッフさん11名が働いています。
ここで利用者さんはそれぞれのペースにあわせてゆっくりと、自分の機能を活かしながら暮らしているそう。一から十までスタッフさんにお世話されるのではなく、洗濯物を畳むお手伝いをしたり、料理の下ごしらえを一緒にしたりと、利用者さんそれぞれにできることをスタッフさんと一緒にしながら共同生活を送っているようです。

「他のグループホームを見てきたスタッフが言っていたのですが、やわらぎは非常に落ち着いていてのんびりとした雰囲気だそうです。私から見ても、ここ1年くらいは利用者さんが急変することもなく本当に落ち着いていて、のんびりとしていますし、スタッフさんもゆっくり落ち着いて対応できる施設といえます。とてもアットホームですよ」と山野下さん。

施設の「ゆったり、気張らず、のんびりと」という理念にひかれたスタッフさんたちが働く「やわらぎ」では、利用者さん一人ひとりに丁寧に携わりながら、生活そのものを通して自己実現のお手伝いができる環境のようです。

顔なじみの利用者さんを立体的に支え、自らも幅広い経験を積める。

小規模多機能ホーム「ほんごう」

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小規模多機能ホーム「ほんごう」は、通いサービス(デイサービス)を中心に、泊まりサービス(ショートステイ)や訪問サービス(ホームヘルプ)を組み合わせ、利用者さんの状況によって臨機応変にサービスを提供する施設。
施設で入浴やお食事、庭や畑いじりや、体操、ゲームなどの利用者さんの好きなレクリエーションや活動を通して健康管理と自己実現にむけたサポートをしながら、必要であれば家に訪問してお薬をセットしたり、お部屋の環境整備や洗濯などの家事援助も含めてサポートします。また、夜間の介護が必要であれば泊まりサービスを提供してご家族の息抜きをはかったりすることもあります。

「小規模多機能ホームの事業所はまだまだ少ないので、きっとどういうものなのか分からない方も多いと思います。私たちもまだまだ勉強の途中ではあるのですが、『ほんごう』では、馴染みのスタッフが馴染みの利用者さんを通いから訪問、泊まりまでサポートするので、双方にとって安心できる環境だと思います。例えば、訪問サービスでいうと、一人で訪問して一人で介護するという面で不安に感じる方もいるかもしれません。でも小規模多機能の中での訪問や泊まりサービスであれば、通いなどで日常的に利用者さんの様子も見られているし、関係性もできていますから、働きやすい環境下で多様な経験を積んでいくことができるという面で無理なく成長していきやすい環境だと思います」と山野下さん。

小規模という名がついている通り、小さなコミュニティの中で顔なじみの利用者さんを立体的に支えられ、自らも幅広い介護経験を積んでいくことができるのは、小規模多機能ホームならではと言えそうです。

「私」を頼りにしてくれるのが何よりのやりがい。

指定訪問介護事業所(ホームヘルパー)

atsumasyakaihukushikyogikai_14.JPG指定訪問介護事業所 サービス提供責任者 宮坂真知子さん(左)と、一緒に撮影に協力してくださったホームヘルパーの佐々木多恵子さん(右)。

利用者さんの自宅にお伺いして、家事援助や入浴介助などをするホームヘルパーのお仕事。指定訪問介護事業所 サービス提供責任者の宮坂真知子さんに、このお仕事について聞いてみました。

「介護のお仕事に就く前は、事務の仕事をしていたんです。結婚して子どもが手を離れ、また働き始めようとしたときに、事務員として働いていたときの同僚が介護の資格を取ったのを聞いて、自分もチャレンジしてみよう!と思ったのが、介護の世界に飛び込んだきっかけです。現在の小規模多機能ホームの前身であるデイサービスでパートスタッフとして6年働いたあと、ヘルパーとして転身し10年になります」

まったくの異業種から介護職に就いた宮坂さん。16年も続けてこられた理由は何だったのでしょうか?

「ホームヘルパーならではの、マンツーマンでサービスを提供できるというのが私には合っていると思います。利用者さんの自宅に訪問するので、利用者さんの日常の生活の様子もわかりますし、『今日はどんなお料理つくりましょうか?』とか、デイサービスにいくなら『どんなお洋服きていきましょうか?』とか、二人で相談したり決めたり、マンツーマンだからこそ深く寄り添うことができると思っています。デイサービスやグループホームでにぎやかに過ごしたい方もいれば、住み慣れた自分の家でゆっくりと過ごしたい方もいらっしゃいますから、そういった利用者さんの生活を支えられていることはやりがいにも繋がりますし、何より『宮坂さんが来るの待ってたよ!』と言われるととっても嬉しくなりますね」

また、施設勤務ではないホームヘルパーだからこその働きやすさについても教えてくれました。

「厚真町内の方であれば、ヘルパーの仕事の合間合間に、少し自宅にかえって洗濯干してこようとか、お昼の準備してこようとか自分の用足しに戻ることもできます。自分の時間を確保しながら働けるのはヘルパーの良さ。極端な話し、1日1件の訪問だけっていうのも可能だったりするので、私がかつてそうだったように子育てが一段落してまた働きたいと思っている方もパートから少しずつ始めるなど活躍できる職場だと思いますよ」

四季の移り変わりを感じながらゆったりとした時間が流れるまちで。

これまで紹介してきた施設やお仕事に従事しているスタッフさんの中には、安平町や苫小牧市、むかわ町など近隣のまちから通っている方もいるそう。いずれも車で片道約20〜30分くらいの通勤距離だそうです。
社協で総務を担当している國安秀行さんもそんな町外から厚真町に通うひとり。

「厚真町は都会のような混雑した感じがなくて、時間がゆったり流れているっていうのがすごく魅力的なところかなと思います。このまちの町民に対する福祉のサービスもそうですが、働く職員に対しても環境を整えてくれているなと感じます。どんな仕事でも大変さはもちろんあると思いますが、こういう田舎まちで自分のやりたいことを活かしてみるというのもいいと思いますよ」

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また、宮坂さんは
「生まれも育ちも厚真町ですが、このまちの水田風景が大好きです。植えられたばかりの弱々しい苗が、季節とともにどんどん緑も濃くなっていって、秋になると黄金色になる。そういった美しい四季の移り変わりや自然を肌で感じながら職場に通ったり、仕事ができるというのはここで働く良さだと思います。地震のあとも、今までと変わらない水田風景を見て農業をやめないで頑張っている人がいるんだって勇気づけられました」

atsumasyakaihukushikyogikai_19.JPG施設内には地元の農家さんから寄付されたハスカップの木が植えらていたり、建設会社さんから寄付された立派なピザ釜があったり、地域の方に畑をおこしてもらったりすることもあるそう。普段から地域の方々とのかかわり合いがあります。

「各施設は厚真町の財産として大切に運営されています。また、私の小さい頃を知っている方が利用者さんだったり、またその逆もあることで、地域の方々にもとても大切に思ってもらっているなと感じます。長く働いてくれているスタッフが多いのはその証拠だとも思っています」と山野下さん。

勤務する施設やお仕事の内容に違いはあれど、いずれも何か分からないことや困ったことがあってもすぐに聞ける先輩職員がいて、丁寧に教えてもらえる環境が整っている厚真町社会福祉協議会。年に2〜3回は、定期的な面談を通して仕事に対する不安や課題、万が一自身の健康やご家庭のことなどで不安が生じた時も相談できるフォロー体制や、将来的なスキルアップやモチベーションアップのためのサポート、子育てや両親の介護をされている方も無理せず働けるような環境づくりに取り組んでいます。
さまざまな理由で介護福祉のお仕事を一度離職してしまった方も、経験はないけどやってみたいと思っている方も、まずは都会の喧騒から離れて、このゆったりとした時間が流れる厚真町で介護福祉に携わってみるのはいかがでしょうか。

社会福祉法人 厚真町社会福祉協議会
社会福祉法人 厚真町社会福祉協議会
住所

〒059-1601 北海道勇払郡厚真町京町158

電話

0145-26-7501


ゆったり、気張らず、のんびりと。厚真町社会福祉協議会

この記事は2021年6月2日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。