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海ノート
北海道

それってどんなお仕事?? シリーズ 20210310

それってどんなお仕事?? シリーズ

その1 ホタテの耳吊り

『耳吊りって?』
耳吊りとは、ホタテの養殖作業のうちのひとつです。
ホタテ貝の生産の大部分は養殖によってまかなわれていますが、大きくは「地撒き式」と「垂下式」にわけられます。このうち、海面に養殖設備を組んで稚貝をつり下げる垂下式は、さらに「カゴ式」と「耳吊り式」とにわかれます。
さて、この耳吊りの意味ですが、ホタテを扇に見立てた場合の要の部分、その左右にあるでっぱりを耳と呼びます。この部分にまるでピアスのように穴をあけて、太いロープにとりつけるためのテグスを通して行く作業を耳吊りと呼ぶのです。

『具体的な作業』
穴開け....... 文字通り、ホタテの耳に穴を開ける作業ですが、最近では専用機械も登場し、ホタテを正しくセッティングするだけなので、慣れると簡単です。

耳吊り....... 穴の開けられたホタテの耳に糸を通してロープに結びつける作業。女性や子どもも活躍しています。慣れれば慣れるほど作業が早くなるので、時給制の他、歩合制での募集もあります。

mimiduri8.jpg耳吊りは、その早さを競う大会があるほか、観光客にも体験ツアーとして楽しまれています

『耳吊りをする主な地域と時期』
北海道では、主に道央地域から道南地域に至る噴火湾沿岸地域で耳吊りが行われています。毎年3月中旬から5月末くらいまでの短期集中作業です。市町村でいうと、森町、長万部町、八雲町などです。

『どんな人にむいてるの?』
一言で言えば、どなたでも! 丁寧に作業してくれる方なら、年齢も性別も経験も関係ありません。座ってする作業ですから体力も必要ありません。もちろん経験があれば喜ばれますが、未経験でもすぐになれますよ!

その2 地撒き式ホタテ漁

mimiduri1.jpg八尺(はっしゃく)と呼ばれる桁(けた)網で海底のホタテをすくい船に引き上げる様子
『地撒きって?』
地撒きとは、ホタテの増・養殖方法のうちのひとつです。
1年育てた稚貝を、畑のように区画した海底に放流し、2〜4年かけて育ててから、八尺(はっしゃく)と呼ばれる桁(けた)網で漁獲する方法です。大抵は海底を4つに分割し、2年目、3年目と毎年違う区画に放流していきます。

『具体的な作業』
ホタテの成長にあわせて様々な作業があります。
(a)5〜6月の産卵時期には採苗器を海中に設置し、ホタテの幼生を採取。
(b)9月頃、1㎝弱に成長した稚貝を育成籠に移し替えて海中に垂下。
(c)翌年春に3〜5㎝になった稚貝を引き上げ、海底の区画に放流または、他地域に出荷。
※放流する籠の重さは、これまで30㎏くらいのものもありましたが、最近は20㎏くらいがスタンダードです
(d)3〜4年後、成長した貝を網で漁獲し船に引き上げ、ヒトデなどホタテ以外のものや、割れたホタテ・身が入っていないホタテなどをのぞいて選別し出荷。
※漁場にもよりますが、選別は船上でかがんでの作業か立ち作業が多いですが、網の引き上げは、機械で行うことがほとんどです
(e)その他、網や籠などの漁具のメンテナンスなど陸上での作業もあります。
※1隻が5名くらいの体制が多いです。
※網のメンテナンスに必要なロープワークは、先輩漁師から学びながら身につけていきます

一連の作業のうち、(d)(e)を漁獲作業と呼び、求人募集ではこの漁獲作業員を募集することがほとんどです

mimiduri2.jpg引き上げたホタテを選別する様子

『地撒きをする主な地域』
北海道では、主にオホーツク海や宗谷海峡・根室海峡で行われています。例えば、北見市、紋別市、雄武町、湧別町、稚内市、猿払村などです。

『地撒きホタテを漁獲する主な時期』
漁獲作業は、2、3月〜11月下旬にかけてが中心となります。

『漁獲作業はどんな人にむいてるの?』
船上での選別作業がメインで、長時間船上にいたり、かがんでの作業が多いので、一定の体力は必要になります。
しかし、最大9ヶ月ほどの期間で400〜500万円ほどの給与が一般的であり、そうした収入面もこの仕事の魅力の一部です

くらしごと編集部


それってどんなお仕事?? シリーズ

この記事は2021年2月22日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。