本日お邪魔したのは、北海道札幌市にある北海学園大学。実は多くの著名人を輩出している学校でもあります。
北海学園大学は、札幌市の中でも「平岸」という住宅地や飲食店などが連なるエリアに佇んでいます。1952年に設置されたこの大学は、まちの人たちに支えられながら今日まで愛されてきました。
そんな大学構内に一歩足を踏み入れると、フレッシュな学生たちが次の講義に向けて移動中。そんな中をくぐり抜け向かった先は、サークルの部室が集結する「文化棟」と呼ばれる場所。
くらしごと編集部はとある部室の扉をノックしました。
今回のくらしごとでは、北海学園大学の学生団体「Be-Harmony」を取材します。この団体はその「平岸」というエリアを中心にまちおこし活動に精を出している学生団体です。
代表してお話を聞かせてくれたのは、元代表の干潟孝輔(ひがた こうすけ)くんと、現代表の川内章弘(かわうち あきひろ)くん。
まずは彼らに、この団体について紹介していただきました。
「基本的に、ここ平岸という地域でボランティア活動などを行っています。商店街の人と何か一緒にイベントを企画運営したり、北海道の場合冬は外でお祭ができないので冬でも室内でお祭りが楽しめる『ちびっこまつり』というものを企画運営したり...」としっかりした口調で話してくれた干潟さん。
こちらが元代表の干潟さん
後輩の川内さんも言葉を継ぎます。
「おじいちゃんおばあちゃんと交流する企画運営も実施したんです。これは、高齢者と若者と、小学生を集めての多世代交流みたいなもの。みんなで昔あそびをしようと、射的やボーリング、竹とんぼや玉入れいった昔あそびを楽しみました」
こうしたイベントの数々に対する想いは「地域住民と関わる若者の人口を増やしたい」それに尽きます。
溢れんばかりの笑顔がチャームポイントの川内さん
そしてイベントが終わったあとにかけられる「ありがとう」という言葉が何よりの喜び。
「イベント楽しかったよ企画してくれてありがとう」「若者が頑張ってくれると嬉しい」という言葉をかけてもらうと心がぽっと温かくなると同時に、平岸で活動をしている若者は少ないんだな...という想いが浮かぶことも。だからこそそれが、Be-Harmonyのメンバーにとって「また頑張ろう」と思える原動力にもなっているのです。
魅力溢れるまちを応援したいから
そもそもお二人がこの団体に入ったきっかけは何だったのでしょうか。
小中高と野球一筋だった干潟さんはその理由をこう語ります。
「大学に入って野球以外のことに真剣に取り組んでみようかなと思ったんです。高校の時も野球部としてボランティアをしていたこともあって、ボランティア系の団体も視野に入れてました!」
対して卓球部だったという川内さん。ここの大学の卓球部はとても強いという情報をキャッチし、他の運動部へ今から入るのもなぁ...と新たな道を選択しようと決意。そこで目をつけたのがボランティア系の団体でした。
「他にもボランティア系の団体ってたくさんあるんですよね。でも、Be-Harmonyは『平岸』という場所一手に絞っているところが魅力的でした」
平岸のお祭りに参加した実際の様子。これはBe-Harmonyのキャラクターです。
さらに、ただボランティアサークルに入ってイベントに参加する...というだけではなく、自らがイチから企画を立てて運営することができることにも魅力を感じたのだとか。
実は川内さん、平岸はもとより札幌出身ではありません。北海道は札幌から東へ300kmほど離れた釧路市出身の川内さんにとって、当初は平岸ってよく分からないエリア。それでもこの団体のイベントを通じて、平岸の魅力をどんどん知っていきました。
「携わらないとわからないことも多いんです。実は近くを流れているあまり知られていない精進川というところではホタルを見ることができたり、もともとりんごの木がたくさんあった山は景色が良くて...」川内さんの口から平岸の魅力が止まりません。
関わることでどんどん魅力を感じさせてくれるそんな素敵な場所、平岸。
干潟さんはその魅力をもっともっと発信していってほしいと話します。
「魅力は死ぬほどあるんですけど、なかなか発信がうまくいってないのかなって。だからこそ、僕にとって平岸は『応援したくなるまち』なんです」
そんなこのまちへの想い一心で突き進むBe-Harmonyです。
企業を巻き込んだ就活イベントを企画
そして先日、少しまちおこしとは離れますが就活系のイベントを実施。ちょうど川内さん自身もこのあと控えている就職活動があるということもあり、この企画が生まれたのでした。
10月くらいからこんなことをやってみよう!と話が出て、2カ月程の準備期間で実行まで至ったそのイベントの内容は、企業と学生がピザを食べながら気兼ねなく雑談しようという企画。
情報がこれだけだと「普通じゃない?」と思われてしまいそうですが、企業はあえて自分の社名を名乗らないというルールつき。最終的には学生たちが企業名を当てるというクイズ形式を取り、どこの企業の人といった先入観を捨てて、いち社会人と話せるユニークな企画にしました。
こちらが実際の様子。お菓子もつまみながら和やかなムードです。
まもなく就活期を迎える干潟さんにとってこういう場を設けた目的のひとつとして「学生が企業と話すことで自己分析をし、就職後のイメージを掴んでもらいたい」という思いが込められていました。学生がたくさん質問ができるように、いざという時のための質問集も準備万端。
その他にも、企業や学生集めはもちろん、初めての就活系イベントの企画運営の準備に追われ、企業も自らでアポイントを取り6社集め、各々が自らに課せられた業務をこなしました。
いざ当日を迎えると、最初は緊張気味だった学生参加者も企業の方との雑談の中で次第に解れていきワイワイとした良い雰囲気が会場全体を包み込んでいきました。もちろんピザも大人気。
最後に取ったアンケートでは「満足」「ほぼ満足」にしかチェックがつかない程、参加者にとって満足のいくものとなったようです。
「このゲームはその人がどこの企業で働いているのかを当てるゲームではあるけど、社会人に対して質問して、社会人の方の話を聞くのも目的のひとつなんです」
その目的を達成できた今、次はもっとパワーアップしたものをつくってみたいと再び始動しようとしているところです。
後輩たちに願う想い
川内さん(左)と干潟さん(右)代表のバトンが手渡された今、先輩たちが守り続けてきた道を守っていきます。さて、世代交代を迎えて2018年から代表となった川内さん。今後はどういう団体にしていきたい等の野望はあるのでしょうか。
「全員が全員、ひとつの目標に向かい合っていけるような団体にしたいです。現在は46人在籍しているのですが、この全員が平岸に関して取り組みができたら絶対もっと平岸良くなると思っています。だからこそ、人をもっとしっかり動かせる代表になりたいなって思っています」
やる気を燃やしている川内さんを横目に、干潟さんは後輩たちへの想いをこう話します。
「やるべきことをやるのが一番。何事もやらなきゃ意味がない。入っているだけで満足するのではなく、目的意識を持って川内について行って欲しいな。僕が代表の時のBe-Harmonyの雰囲気ともまた変わりました。僕はがっつりついてこいタイプ、川内は『みんな頑張ろうよ〜』というタイプ。タイプが変わったのでこれからまた楽しみですね」
まちおこしを頑張る学生たちがいることを、多くの人に知ってもらえますように
- Be-Harmony(学生団体)/北海学園大学
- 住所
北海道札幌市豊平区旭町4丁目1-40
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