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まちおこしレポート
恵庭市

市民の94%が「住みやすいまち」と答える、恵庭市。20190121

この記事は2019年1月21日に公開した情報です。

市民の94%が「住みやすいまち」と答える、恵庭市。

豊かな自然環境と充実した都市機能を有し、道央圏の中核都市である北海道恵庭市。札幌市に隣接しており、新千歳空港へも、車で20分、JRで13分とアクセスも抜群です。平成30年度に実施した市民意識調査では「住みやすい」と回答した方が94%、今後も「住み続けたい」と回答した方が90%と、多くの市民の方が「住みよいまち」であると評価するまちです。こうした評価もあって、人口も増加の一途を辿っています。
今回は、こうした恵庭市のまちづくりを支える「恵庭市企画振興部まちづくり推進課」へ取材に伺いました。

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まちづくり推進課とは?

まずは単刀直入に「まちづくり推進課」の役割について、今野朋幸主幹にお話を聞いてみました。

「現在、まちづくり推進課は大きく分けて2つの役割があります。1つ目は、その名の通り『まちづくり』という観点で都市計画があります。恵庭市には4つのJR駅があるんですが、これらの駅を中心とした賑わいづくりを図り、コンパクトシティを目指しています。2つ目は移住・定住の推進です。こちらは、道外で北海道の移住希望の方を対象としたイベントへ参加したり、オーダーメイドツアーという市内案内ツアーを行ったりと、移住や定住に繋がるような支援を主に行っています」

eniwa02.jpg今野主幹は一級建築士の資格をお持ちで、まちづくり推進課の前身、地域整備室の時代から携わっています。

元々、この「まちづくり推進課」は「地域整備室」という名称からスタートし、移住・定住の推進に関しての役割は後から加わったんだそうです。当初から取り組んできた、都市計画に係る総合調整や土地利用に関する法規制だけに留まらず、企画や情報発信というソフト面での取り組みも増え、そうした流れに合わせるよう、部署の名前も現在の「まちづくり推進課」へ変更されたと言います。

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まちづくりを担う、ガーデンデザインプロジェクト

恵庭市は「花のまち」としても知られています。全国から多くの人が訪れる札幌市中心部にある「大通公園」、実はこの公園のシンボルとなる鮮やかな花壇に植えられている花は大半が恵庭産なんです。恵庭市内でも市民の手によるガーデニングが盛んで、オープンガーデン見学に来られる方もたくさんいらっしゃいます。平成18年に完成した道の駅も「花ロードえにわ」という名称で、恵庭そのものが、花と融合しながら発展してきた背景があります。車で市内を走ると、道の駅や公共施設などをはじめ、一般家庭の庭にも綺麗な花が並んでいるのを見ることができます。

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「恵庭市は地方版総合戦略の事業のひとつとして『ガーデンデザインプロジェクト』という取り組みを行っています。このプロジェクトでは、花やガーデニングのまちとしてのイメージを活かし、職・住・観光機能の拡充を図るため、官民が連携したまちづくりを実施しています」

こう教えてくれたのは、まちづくり推進課のメンバーの一人、屋仲めぐみ技師です。このガーデンデザインプロジェクト、取材を進めるにつれ、冒頭でもご紹介しました住みやすいまち、そして更に人口増加を辿る大きなキモであることが分かってきました。

eniwa04.jpg屋仲技師は元々、市役所の建築技術職として入庁されました。

人口増加。大事なのはまちづくり

近年、全国の各自治体が移住者支援で力を入れていることに、住まいに関する支援制度があります。例えば、賃貸住宅の家賃や住宅購入時の助成金などがあります。中には0円住宅といった支援もあるくらいです。こうした支援制度は移住先選定において、選択基準の一つとなり、移住の後押しとして、広く活用されるケースがあります。ただ、実は恵庭市ではこうした移住者をメインとした助成は行っていないと言います。それには大きな理由がありました。その理由を教えてくれたのはまちづくり推進課 東賢哉主査です。

eniwa05.jpg東主査は前職でまちづくり関係のお仕事をしていました。現在は市役所職員として、まちづくりに携わっています。

「各自治体では人口減少に歯止めをかけるべく、移住者支援に関する様々な施策を行っており、助成金を用意しているところがたくさんあります。恵庭市ではそうした取り組みよりも、市の考え方として根本にある『まちそのものを住みやすく育てていくまちづくり』、つまりガーデンデザインプロジェクトをベースとしています。移住してきてくださる方も、移住後はそこに住む市民の一人になります。そうすると、ある意味まちのファンになっていただかないと、長く住んでいただけないんですよね。『このまちに住んで良かった』と思ってもらえるように行っていることが移住にも繋がっていると思います」

市民の方々の94%が『住みやすい』と答え、今後も住み続けたいという方が大多数という調査結果も頷けます。

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住みやすいまちづくりとして、最近では市内の恵み野地区に新しい分譲地「スマートタウンふれる恵み野」の宅地分譲が開始されたりと住宅整備も計画的に行ってきました。また、子育て世代も多い恵庭市では、子ども医療費助成や乳幼児紙おむつ用ごみ袋支給事業といった子育てに関する支援が充実しています。他にも市で運営する「えにはぴ」や「えにわっこなび」というHPでは、市のサービスや施設についてなど、子育てに関する情報も発信しています。待機児童も年度替わりでは0名という、子育てしやすいまちでもある恵庭市なのです。

恵庭市子育て情報コーナー「えにはぴ」
恵庭市子育て支援サイト「えにわっこなび」

かゆいところに手が届く。オーダーメイドツアー

住めば都ならず、住んだら都の恵庭市。ここで一つ疑問をぶつけてみました。こうしたまちづくりの取り組みは、PRなどとは異なり、実際にこのまちの生活を知ってもらわないと、伝わらないのではないのでしょうか?

「そうなんです。まちのリアル、生活感を知っていただくことを私たちも大事にしています。そのために平成28年から始めたのが『恵庭市オーダーメイドツアー』という取り組みです。これは、恵庭市への移住を考えている方を対象として、私たち職員がご希望に合わせたプランを作成し、ジャンボタクシーを貸し切り、オーダーメイドの恵庭市内案内ツアーを行っています。恵庭市までお越しいただく費用はご自身でご負担いただきますが、参加料は無料となっています」

eniwa07.jpg移住関連のイベントなど、相談者の方に親身に接する茂古沼主事です。

そう教えてくださったのはまちづくり推進課 茂古沼結美主事です。これまでこのオーダーメイドツアーを利用して移住を決断された方も多数いらっしゃるんだとか。具体的にはどんなツアーがあったのでしょうか。過去の実例も教えていただきました。

「まちの雰囲気や生活面に関してなど住んだ時の情報を伝えたいと思っています。そのため、生活をする上での距離感を感じていただくため、住宅地やスーパー、病院などをなるべくツアーに組み込んでいます。また駅を中心としたコンパクトなまちですので、JR駅周辺は必ず見ていただくようにしています。こうした居住エリアプラスお客様ご希望の場所でツアーを組んでいくのが多いですね。過去には、お子さまにも自分の目で一緒に見て欲しいと保育園や小学校を巡ったツアーや、家の新築を検討している方に、工務店さんをご紹介して回ったツアーもありました」

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個別のご要望に一つ一つ丁寧に応えるのがこのオーダーメイドツアーの醍醐味。観光などで来た際にはどうしてもメインストリートや観光地を見ることが多いですが、このツアーではあえて国道を走らず市道を走ってみたりと、生活感を感じられる移住希望者の方にとっては嬉しいサービスです。徐々に認知度も高まっており、初年度は6組であった利用者が平成29年度には11組、平成30年度には13組(12月1日現在)と利用者も確実に増えていっています。

eniwa17.JPGオーダーメイドツアーの一コマ。もちろん施設の中も見ることができます。

ガーデンデザインプロジェクトを幹とした取り組み。こうしたまち全体の取り組みに関わることが総合的に市民の方の住みよいまちを支え、さらには外からこのまちに来たいという人を増やすことに繋がっていました。ただ、こうした取り組みは、これまでまちづくりに携わってきたたくさんの方の想いのおかげで現在のようにできるようになった、とまちづくり推進課のみなさんが声を揃えて仰っていたのが印象的でした。もし恵庭市への移住を考えてられている方がいましたら、まずはまちづくり推進課にご相談してみてはいかがでしょうか?

eniwa09.jpg「移住をご検討されている方はぜひ一度ご相談ください!」

恵庭市企画振興部まちづくり推進課
恵庭市企画振興部まちづくり推進課
住所

北海道恵庭市京町1番地

電話

0123-33-3131

URL

http://www.eniwan.org


市民の94%が「住みやすいまち」と答える、恵庭市。

この記事は2018年10月16日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。