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まちおこしレポート
木古内町

木古内町に観光客と活気を呼ぶ「道の駅 みそぎの郷 きこない」20180528

木古内町に観光客と活気を呼ぶ「道の駅 みそぎの郷 きこない」

近未来をイメージさせる流線型のシルエットが駅のホームに滑り込んでいきます。ここは北海道新幹線木古内駅。しかし今回スポットを当てるのはこの駅舎ではなく、その真正面にある「道の駅 みそぎの郷 きこない」。道南杉をふんだんに使った佇まいの礎にあるこの道の駅の物語をひも解きます。

北海道新幹線の開業とともにオープンした期待の施設。

「ようこそ」笑顔で迎えてくれたのは、この道の駅を拠点に道南西部9つのまちの旬広域観光情報を提供してくれる観光コンシェルジュの津山陸さん。木古内町の出身者であり、「道の駅 みそぎの郷 きこない」の運営に取り組む一般社団法人木古内公益振興社の職員の一人でもあります。
「木古内に道の駅を建立する構想が生まれたのは今から10年以上も前。北海道新幹線木古内駅の建設が本格化した2013年頃から、どのような施設にするかなどの計画が具体化していきました」

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計画策定の中心となったのは木古内町役場の『まちづくり新幹線課』。当初は木古内町地域おこし協力隊として従事していた津山さんも、まもなくこのセクションに配属となります。
「北海道新幹線や道の駅が地域に及ぼす影響や可能性を考慮し、『北海道』や『国交省』『民間企業』さらに道南西部9つのまちで構成される『9町協議会』もこのプロジェクトに参加しました」
まさに官民が一体となり、地域全体を巻き込んで進められた一大プロジェクト。多くの方々の参加と協力を得、2016年1月、北海道新幹線の開業前に『道の駅 みそぎの郷 きこない』は華々しいオープンを迎えたのです。

道南西部の9つのまちの観光情報を発信。

北海道内では116番目にオープンした「道の駅 みそぎの郷 きこない」。新幹線と在来線の駅前であり地元木古内町の中心街という特徴的なロケーションに加え、松前町や江差町・函館エリアへ向かう路線バスの発着点にも面しているという、交通の要所にもなっています。
「そのため大きな役割の一つとなっているのが、広域観光情報の収集と発信。地元木古内町をはじめ、北海道発祥のロマンを秘める道南西部(知内町・福島町・松前町・上ノ国町・江差町・厚沢部町・乙部町・奥尻町)の多彩な魅力を道内外から訪れる観光客にお伝えしています」

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なるほど、道の駅に入るとすぐに目に飛び込んでくるのが、『コンシェルジュガイドスペース』と『観光案内カウンター』。ガイドスペースには道南西部各町村の観光パンフレットや各種体験ガイドブックなどがレイアウトされ、来訪者が自由に持ち帰ることができるようになっています。また案内カウンターには津山さんら専門スタッフが常駐し、目的地へのアクセス、周遊観光の旅行プランのご案内、宿泊やレンタカーの手配などに取り組んでいます。
「当初は新幹線を利用してこの道の駅に来られる方が多かったのですが、認知度が上がるにつれ、マイカーやバスで足を運んでくれる方も増えてきました。レンタカーの予約件数が新幹線の乗客数を上回ることもありますし、木古内発の周遊ツアーを組み立てる団体客も目につきます。この道の駅が周辺観光の拠点として定着している証だと感じています」

地場の老舗や生産者を応援する施設でもありたい。

道の駅の楽しみといえば、地場の特産物との出会い。「道の駅 みそぎの郷 きこない」にも、農産物から海産物、さらに名菓やパンなど多彩なラインナップがそろう『ショッピングコーナー』が設けられています。

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「一般的な道の駅の場合、地場の特産品を集中的に取り扱うケースが多いのですが、ここは新幹線を使って道外からいらっしゃる観光客もかなりの割合を占めます。中には初めての北海道旅行という方も。なので扱う商品はかなり広範囲です」
とはいえ主体となるのは道南西部9町の逸品の数々。地元に長らく愛されてきたお菓子、個性あふれるスイーツ、がごめ昆布を初めとする海産加工品、品評会で全国NO.1の品質と評されたはこだて和牛(木古内産)や今朝採れたての野菜のほか、地元の老舗パン屋や農家から届く手づくりの品々も。さらに収穫祭やユニークなご当地グルメのイベントなども開催しています。

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「町外の人のための施設というイメージが先行しがちな道の駅ですが、私たちは地元民のための空間とも考えています。なので、少しでも地元に経済効果が波及するよう、地場産物の取り扱いには非常に前向きなんです」
道の駅中央の飲食スペースに目を向けると、宿題のノートを広げる子どもたちの姿。さらに付設するみそぎガーデンには遊具を楽しむ親子連れの姿も。どちらも地元の方々のよう。
「観光客と地元民との相互交流が自然に生まれていくのが道の駅のあるべき姿。この道の駅は一歩ずつその理想に近づいている気がします」
施設の奥には「世界の料理人1000人」に選ばれた、山形県鶴岡市「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ奥田政行氏が監修するレストランも。
「今まで函館に行かなければ、口にできなかった高いレベルの料理。それを気軽に食べれるようになったと、町民たちにも好評なんですよ」

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この道の駅が起爆剤となり、木古内全体にかつての活気が。
オープンから約2年。「道の駅 みそぎの郷 きこない」は、新幹線利用者以外にも海外からのファミリー客、全国各地からの団体ツアー客さらに出張のビジネスマンなど、四季を通じさまざまな方が利用する施設として定着しています。
「オンシーズンの週末は、平均2,000〜3,000人が利用しています。ただゴールデンウィーク中ともなると、来場者は1日1万人を超えることも。木古内は人口4,500人ほどのまちですからね、人口の二倍以上の観光客がこのまちにほぼ同時に降り立つことになります」
実は道の駅のオープン前、津山さんら職員の方々が懸念していたのは、町内の飲食店や小売店への影響。道の駅が注目を集めるあまり、木古内の食堂や喫茶店、コンビニに町民も足を運ばなくなるのではと考えたのです。
「いざふたを開けてみると、それはただの杞憂に過ぎませんでした。木古内駅に降り立った方や道の駅を訪れた人々が、まちの中を散策したり、店に足を運んでくれたり。ゴールデンウィークや夏休み時期はどこも満員になるほどの盛況になりました。以前では考えられなかったことです」

北海道新幹線の開業、新たな駅舎のオープン、そして道の駅の誕生に多くの観光客の来訪。打ち上げ花火のようなドラマティックな出来事が続いた木古内町ですが、津山さんが一番うれしいと感じるのは、やはり故郷の木古内町全体が活気づいてきたこと。あの元気だった学生時代の木古内町へ、少しずつ復活を遂げていることです。
「この可能性の灯を消したくありません。そのために大切なのは、道の駅への集客をさらに高めていくことだと思っています」
フカボリすれば、9つのまちの魅力はまだまだありそう。その発掘ために津山さんも地元の女性のネットワークに参加したり物産探しに出かけたりと、あちこち奔走する毎日を過ごしています。
「忙しそう?まだまだ平気です。もっともっと忙しくなって、もっともっと大勢の人に来てもらわないと(笑)」

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道の駅 みそぎの郷 きこない
住所

北海道上磯郡木古内町字本町338-14

電話

01392-2-3161

URL

https://kikonai.jp/


木古内町に観光客と活気を呼ぶ「道の駅 みそぎの郷 きこない」

この記事は2017年10月31日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。