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まちおこしレポート
江別市

江別の街に『活気』と『笑顔』を!20180222

江別の街に『活気』と『笑顔』を!

農地の地下水位を適正な高さにする暗渠(あんきょ)排水。農業の振興に欠かせないこの技術に特化した業務に取り組んでいるのが、江別市の株式会社ナラ工業。その代表を務める奈良幸則さんは、公共事業や農家からの依頼に応えるべく全国を駆け回る一方、17年ほど前から江別に活気と笑顔を広げるためのまちづくり活動にも積極的です。

故郷の江別のために何ができるだろう。

現在の仕事に取り組む前、奈良さんが所属していたのは設計事務所。行政から委託され、さまざまな地域のまちおこしに寄与するような施設や空間の設計に取り組んでいたとか。
「そんな中でふと気づいたんです。いろんな都市の活性化を考えてきたけれど、江別の活性化については、今まで一度も考えたことがないなって(笑)」
江別は10歳から大人になるまで暮らした故郷。学生が多い、個性的な企業が活躍、豊かな自然を抱くという資質を有していますが、札幌という大都市に隣接しているからか個性や特色を打ち出しづらく、市民によるまちづくり活動も今ひとつ盛り上がらないという状況下にありました。
「私も何から手を付けていいか分からず、当初は商店街のお祭りを手伝ったり、ボランティアでゴミ拾いをしたりと、ささやかな取り組みを続けていました。ただそういう地味な活動を続ける中で、一緒にまちづくりをしたいという有志のネットワークが広がっていったんです」

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商店街の方々とともに手掛けたイベントを契機に。

まちづくりの輪が一際広がったのは平成12年。奈良さんは商店街の方々とともにユニークなイベントを開催します。名称は、『記憶のデザイン展』。その時に制作された販促物にはこんな一節が。

~人は大量消費社会をつくり出し、限られた地球資源を使い捨ててきました。これからの地域の環境を考える時、重要になるのは『モノを大切にする心』を育むこと。今回の展覧会は、そのような過去のモノたちをデザインやアートの力で蘇らせようという取り組みです~

具体的な開催内容としては、資源の有効活用をテーマとした作品を展示する『記憶のデザイン展』と、ゴミを素材としたアート作品を制作展示する『GOMI達のメッセージ展』。当時を振り返り奈良さんが話します。

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「特に記憶に残っているのは、野幌商店街の方々とともに手掛けた『GOMI達のメッセージ展』。エコ製品の開発の模様を伝えるパネル展や来場者とともにつくるアートワークショップなど開催したのですが、常日頃から商店街が地域と一体となってリサイクル運動に取り組んでいたこともあり、イベントはなかなかの盛況となりました」

まちづくりに不可欠なのは子どもたちだ。

記憶のデザイン展を契機に、奈良さんのまちづくりのネットワークはさらに大きくなります。
「大きかったのは情報大学の先生や学生たちとの出会い。さまざまな語らいや試みをする中、まちづくりに不可欠なのは子どもたちという結論にたどり着きました」
子どもたちが江別の魅力に気づけば、江別を好きになるだろう。江別を好きになれば、街のために何かしたいと考えるはず。さらに将来も江別に住み続け、自分たちと同じように次の世代に江別の魅力を伝えてくれるかもしれない。奈良さんや学校の関係者、まちづくりメンバーはそう考えたのです。

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早速奈良さんらはアイデアを持ち寄り、イベントや催しのプランを練ります。と同時に、野幌の小学校に出向き、この試みへの参加を呼びかけました。
こうして2002年5月から始まったのが、『サタデーのっぽ』。地域の子どもたちと一緒に取り組むまちづくり活動です。
「地元の牛乳でバターの製造体験をしたり、ノッポロカルタを制作したり、商店街で売り出す商品づくりに挑戦したり...。毎週土曜、趣向を凝らしたユニークなイベントを催し、子どもたちが野幌の住民や自然と、直にふれあえる機会をつくりだしました」

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最初は右も左もわからず参加していた子どももいましたが、次第に自分たちで作ること、自分たちが体験することの魅力に取りつかれ、その後は毎回常に20~30名の子どもたちが顔を出すように。もちろん指導役や案内係として奈良さんや商店街のメンバー、情報大学の学生も同行しました。
「うれしかったのは、子どもたちの変化や成長。回を重ねる中で、子どもたちの心に、地元への愛着...いうなれば、野幌愛のようなものが芽生えていったんです」
『サタデーのっぽ』は2005年3月まで約3年間、計100回ほど開催。さらに各回の取り組みや子どもたちの様子は『サタデーのっぽ通信』として保護者や地元の方々に報告されていきました。

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江別市全体に広がったまちづくりの機運。

数名の野幌のまちづくりメンバーによって始まった『記憶のデザイン展』『サタデーのっぽ』の取り組み。この活動の輪を江別全体に広めるべくメンバーは、2006年にNPO法人えべつ協働ねっとわーくを設立。そのひとつが、『江別市民活動センター・あい』の開設。江別に点在する100以上もの市民団体の活動の拠点です。

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「多くの市民団体は、情報の発信や受信に苦慮し、財政面・人材面でも多くの課題を有しているのが実情でした。このため市民団体が、市民・企業・行政と知り合う機会と場をつくることで、市民活動を活性化し、江別の地域文化や協働のまちづくりを育もうと考えたんです」
2006年のセンターオープン以来、『江別市民活動センター・あい』は、住民たちの交流促進や活動支援の場として、毎年17,000人以上の市民に活用するまちづくり活動の拠点施設に。現在は土地区画整理事業の関係でイオンタウン江別の2階に移りましたが、10年が過ぎた今なお、精力的な活動を展開しています。奈良さんは現在その二代目代表となり、さらに多彩なまちづくり活動に取り組みます。

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最後に奈良さんに、ご自身のまちづくり活動を振り返っていただきました。
「野幌を舞台にした『サタデーのっぽ』の取り組みからすでに10年以上の歳月が流れていますが、あの時小学生だった子どもたちの中には、もう二十歳を超えている人もいるはず。野幌に残って暮らしている人も大勢いるでしょう。今度はそんな人たちが主役となって、次の世代の子どもたちに何かをアプローチしてほしい。江別の郷土愛の連鎖みたいなものが続いていったら素敵だと思いますね」

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NPO法人えべつ協働ねっとわーく
住所

北海道江別市野幌町10番地1 イオンタウン江別2階 江別市民活動センター

電話

011-374-1460

URL

http://center-i.jp/

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江別の街に『活気』と『笑顔』を!

この記事は2017年9月22日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。