HOME>お魚メルマガバックナンバー>Vol.69~北海道秋サケ漁業速報:厳しい状況が続く今季の定置網水揚げ~

お魚メルマガバックナンバー

Vol.69~北海道秋サケ漁業速報:厳しい状況が続く今季の定置網水揚げ~20251208

osakana_mail_900.png

こんにちは。くらしごと編集部です。
前回のメルマガ配信からしばらく期間が空いてしまいまして、久しぶりのメルマガ配信です!今回は北海道の秋の味覚の代名詞である「秋サケ」漁業について、今季(2025年漁期)の定置網漁業の最新状況をお伝えいたします。


unnamed.png
Vol.69~北海道秋サケ漁業速報:厳しい状況が続く今季の定置網水揚げ~


北海道の秋鮭漁業は、道内を代表する水産業であり、秋になると産卵のために沿岸へ戻ってくるシロザケを対象に行われます。主な漁法は定置網で、鮭の回帰ルートを読み、網に誘導して漁獲します。道東・道南を中心に各地で漁が行われ、地域経済や雇用を支える重要な産業になっています。また、秋鮭は「いくら」をはじめ、身や加工品も国内外で人気ですよね。

00001.jpg

しかし今季の秋サケ漁は、資源状況の厳しさが顕著に表れたシーズンとなった様子。漁が本格化する前に、北海道全体での秋サケの来遊予測は前年実績を大きく下回る約1,141万尾と、厳しい見通しが立てられていました。そして、実際の水揚げ推移もこの予測を裏付ける形となったようです。

漁期初期の9月前半では、前年の立ち上がりが特に不振だった反動もあり、前年同期比で一時的に増加。9月下旬に入ると、盛漁期にもかかわらず、来遊のペースが急激に鈍化し近年でも極めて低調なペースに。最終的に漁期全体を通して、漁獲量は大きく落ち込む見込みとのこと。

最大の要因は、海の環境変化に伴う「資源(サケの回帰数)そのものの減少」。稚魚放流は継続されていますが、沖合での生存率が低迷しており、計画した予測数を大きく下回るサケしか北海道の沿岸に戻ってきていないことが確認されたそうです。

00002.jpg

水揚げの減少は、市場価格上昇につながり、サケ漁に携わる漁業者や関連産業にとっては非常に厳しい状況に。今後の展望と対応として、資源管理の強化とブランド化推進はしっかりと継続していく必要があります。

私たちが食卓でいただく秋サケ一尾一尾の価値が、これまで以上に高まっているシーズン。産地では持続可能な漁業を目指して、懸命な努力が続けられています。


文・細矢隆弘(ほそやたかひろたかひろ)
くらしごと編集部メンバーとして、漁業関係を含め幅広い分野の取材と記事制作を担当。山形県出身。趣味はランニングと登山とサウナ。好きなサカナは鯖の味噌煮とワカサギの甘露煮。


おさかなメルマガ購読はコチラから!


Vol.69~北海道秋サケ漁業速報:厳しい状況が続く今季の定置網水揚げ~

この記事は2025年12月8日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。