東神楽町の市街地から8キロほどいったところにあるアウトドアリゾート「ひがしかぐら森林公園」。旭川空港から約15分、全国区で知られる旭山動物園からも約20分という好位置にあります。人工湖の周りには美しい森が広がり、春にはたくさんの桜が花を咲かせ、町内外から花見や散策にたくさんの人が訪れます。広大な敷地内には、キャンプ場やテニスなどが楽しめる施設のほか、温泉・宿泊施設「森のゆ ホテル花神楽」もあり、こちらも老若男女問わず大人気。今回は、その「森のゆ ホテル花神楽」におじゃまし、支配人やスタッフの方にこのホテルの魅力をはじめ、その魅力を支えるスタッフの働く環境などについて伺いました。
雄大な大雪山を望む、開業25年を迎える温泉宿泊施設
大雪山を望む大人気の温泉宿「森のゆ ホテル花神楽」
「ひがしかぐら森林公園」の園内に入り、木々に囲まれた湖を眺めながら車を走らせると、少し小高いところにヨーロッパの山岳リゾートを彷彿とさせる大きな山小屋風の建物が現れます。ここが今回の目的地「森のゆ ホテル花神楽」です。
建物の中に入ると、フロントスタッフの方たちが気持ちのいい挨拶で迎えてくれます。カジュアルで親しみやすいけれど、対応がきちんとしている。そんな印象を受けます。
まずはこの施設について支配人の浦野友紀也さんにお話を伺いましょう。
こちらが、森のゆ ホテル花神楽支配人の浦野友紀也さん。
「ここは2000年にオープンし、ちょうど今年で25周年。東神楽町から委託され、私たちが指定管理者として運営を行っている官民一体の施設になります」
浦野支配人はオープンから6年ほどして着任したそうですが、この施設は東神楽町の活性化と雇用の創出という側面も持ち合わせているとのこと。今もその役割をしっかり果たし、日帰り入浴を利用する町民はもちろん、近隣の市町からもたくさんの人がくつろぎに訪れています。宿泊に関しても旭川など近場からのリピーター客が多いそう。
日帰りのリピーターさんも多いそう。
「すべてのお客様に、心から安らげるひとときを過ごしていただきたい」それが当館の想いです。「オープン時からアットホームでリーズナブルというコンセプトで運営しています。日帰り入浴のお客さまにも、宿泊でご利用されるお客さまにも、利用しやすい施設づくりを常に心がけています。リピーターの方の多くは、ここの施設と接客を含むサービス全般を気に入ってくださっているようです」
露天風呂のほか、かゆいところに手が届く数々のサービスが評判
施設で一番の人気は、大きな露天風呂。春夏秋冬、大雪山の山並みを眺めながら、手足を伸ばして存分に温泉を楽しめます。雄大な自然に抱かれながらの湯あみは格別。日頃の疲れも吹き飛び、リピートするのも納得です。

リピーターの方たちが施設以外で、どのようなサービスを気に入っているのかを尋ねると、「接客に関しては基本を忠実にやっているだけなんです。あとは、お客さまの声をとても大事にしています」と浦野支配人。施設利用後のアンケートや寄せられた意見にしっかり目を通し、直接お客さまから助言いただいたものは共有し、改善点をみんなで話し合うようにしているそう。
「ちょっとしたことだったりするんです。案内表示が分かりにくいとご指摘があれば分かりやすい表示を増やしたり、暗い場所があるというご意見があれば照明をつけたり、コンセントが足りないという声があれば延長コードを用意したり...。些細なことも真摯に受け止め、できることはすぐにやるようにしています。より良い施設運営を行っていくにはお客さまからの声にきちんと耳を傾けるのが一番だと思っているので、その声に対してスピーディーに対応するようにしています」
マネージャーの浦野さんは、自身の役割を「スタッフが最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくり」だと語ります。現場から生まれる「お客様に喜ばれるサービス」のアイデアを積極的に吸い上げ、チーム全体で形にしています。
さらに、「こういうサービスがあれば喜ばれるのでは?」と、スタッフから上がってくる意見やアイデアも皆で共有し、時代のニーズに合わせて良いものがあればどんどん取り入れています。ちなみに今シーズンから、ホテルの横にあるコテージエリアにプライベートのドッグランを設けたそう。ペット連れのコテージ利用客が増えていることもあり、ニーズに応えようということで作ったとのこと。
施設の良さプラスかゆいところに手が届く細やかなサービスや気遣いが、お客さまの快適さに繋がり、評判を呼んでいるのが分かります。
固定観念にとらわれない働きやすい環境が育む、スタッフのおもてなしの心
サービスを支えるスタッフの接客もホテル運営において大事なポイント。「森のゆ ホテル花神楽」のスタッフの方たちと接していると、堅苦しさはありませんが、おもてなしの心や丁寧さが感じられます。
一品一品に趣向を凝らしています。多くのお客様が「また食べたい」と足を運んでくださる、こだわりの味を提供しています。
施設には、レストラン、フロント、施設管理とそれぞれ部署がありますが、浦野支配人が日ごろから部署に関係なくスタッフ全員に伝えているのは、「お客さまの安心と安全を第一に考えること、そして『雰囲気』を汲み取ることです。どれもホテル業において、当たり前のことなのですが、こういう基本的なことさえきちんとできていれば、お客さまに気持ちよく過ごしていただけると思っています」と話します。
「雰囲気というのは感覚的なものなので、それに関してマニュアルとかはないのですが、接客の基本だと思うんですよね。たとえば、料理を提供するタイミングとか。こういうのは、現場で実際に経験してみないとつかめない部分もあるので、新しいスタッフが入ったら、先輩について仕事を覚えてもらいながらその雰囲気についても学んでもらうようにしています」
ホテルのコンセプトがアットホームというだけあり、スタッフの方たちも和やかな様子で仕事をしています。

「風通しもいいと思います。スタッフが気持ちよく働けないと、良い接客もできないので、働き方や労働環境に関しても工夫しています。ここ数年は、メンバーシップ型(人材主体)とジョブ型(職務主体)をミックスしたような分担制の働き方を導入し、スタッフができるだけストレスを感じることなく仕事に取り組めるようにしています」
宿泊業にとって大きな打撃を受けたコロナ禍、「ホテルの仕事は互いに協力し合わないと休みも取れない」ということをスタッフ全員に伝え、部署の垣根を超えてみんながひと通り仕事を覚え、違う部署のサポートに入れるようにしたそう。それにより、偏った残業が減り、休みもきちんと取れるように。「ほかの部署の仕事を知ることは大きかったと思います。それぞれが助け合おうという意識になるので」と浦野支配人。こうした取り組みがスタッフ間の風通しの良さにも繋がっているようです。
この春から制服がリニューアル。夏はポロシャツ、冬はパーカーと、カジュアルでアットホームなホテルの雰囲気に合わせたものに変わりました。
スタッフの優しさが、花神楽の自慢です。心地よい距離感と丁寧な言葉を心がけています。
「これまでワイシャツ着用で、ホテルにありがちなカチッとした感じだったんですけど、洗濯が大変なんです(笑)。すぐに汚れてしまう襟や袖をこすり洗いしなければならなくて...。それで、家に帰って洗濯する手間を少しでも減らせたらと思い、制服を変えることにしました。そして、ワイシャツよりもポロシャツのほうが動きやすいですし」
ホテル業はこうでなければいけないという固定観念を外し、働きやすさを整えていくことが必要と話す浦野支配人。働く側のストレスを減らすことで、これからもニーズに応じたより良いサービスを提供できると考えているそうです。

最後に、「北海道の観光業はまだまだ伸びしろがあると思っています。DX化が進んでいますが、観光サービス業は人でなければできないこともたくさんあります。うちもこの先、お客さまのニーズに沿って変容しながら、発展が続いていくと思います。だからこそ、スタッフの働く環境を整えていくことも大切にしていきたいですね」と今後について語ってくれました。
接客業を選んだ理由は「楽しそうに過ごすお客様の笑顔を見るのが好きだから」
続いてお話を伺ったのは2025年4月に入社した新人スタッフの阿久津妃菜さん。出身は旭川市。高校卒業と同時にホテル花神楽の一員になりました。
「実は入社するまで、ここには一度も来たことがなかったんです。おじ・おばが近くで飲食店をやっているので、東神楽町にはよく足を運んでいたんですが、ホテルを訪れたのは面接の時が初めてでした」
こちらが、新人スタッフの阿久津妃菜さん。
聞けば阿久津さんのおじさん、おばさんは地元で人気の焼肉店を経営。阿久津さん自身もたびたび店の手伝いをし、接客業に興味を持ったのもそれがきっかけだったそう。
「お客さんの笑顔を間近で見られるのが嬉しかったんです。楽しそうに食事をする親子連れとか、美味しかったと言ってくれる観光客の方たちとか。いろんな人とふれあう仕事が自分にあっていると考え、ここに就職することを決めました」
海外のお客様とのコミュニケーションにもチャレンジ。成長を実感できる職場。
現在はホテル内のレストランで、ホールスタッフとして勤務。時折「いっぱいいっぱいになってしまう」ことはあるものの、頼りになる先輩たちにも支えられ、日々の仕事に打ち込んでいると言います。
「高校時代は人見知りで、初対面の人と話すのはどちらかというと苦手でした。でも最近はお客様とのコミュニケーションも楽しめるようになってきて、海外からのお客様にも思い切って話しかけたりしています。自分でもすごいなと思います(笑)」
「仕事はまだ勉強中ですが、お客様からの『また来るよ』『頑張ってね』というお言葉が何よりの励みです」と語る阿久津さん。いつか当館の顔としてお客様を温かく迎えられるよう、日々笑顔で邁進しています。
ホテルには社員のレベルアップや頑張りを後押しする仕組みもあり、英検や接客マイスターなどの資格を取る際には補助が出るとのこと。有休(連休も!)も取りやすく、仲の良い姉と予定を合わせて旅行に行くことが最近の楽しみだそう。
「任された仕事をしっかりとこなせるようになることが当面の目標。そして、まだこのホテルに来たことがない家族をいつか招待したいと思っています」
そうにこやかに話す阿久津さん。職場の満足度の高さ、仕事でのやりがいなどを接客同様、丁寧に語ってくれました。
















