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旭川市

あま〜いかぼちゃで新たな市場を!北海道AGRI FROZEN20260510

あま〜いかぼちゃで新たな市場を!北海道AGRI FROZEN

旭川市は道北エリアの中核都市。ショッピング施設や飲食店が充実し、道内各地への移動・輸送拠点としても機能しています。その一方で、市内から少し足を延ばせば広大な農地が広がり、北海道らしい雄大な自然が日常の風景として溶け込んでいます。

2025年8月、このまちにかぼちゃの冷凍加工を手がける新工場が誕生しました。運営しているのは北海道アグリフローズン株式会社。親会社は神戸市に本社を置く青果商社・MVM商事です。

北海道の農家と20年以上かけて築いてきた関係を土台に、国産冷凍かぼちゃという新市場の開拓に挑んでいます。工場責任者の大山大輔さんに、会社の成り立ちから農家との関係、旭川市というまちへの想いまで、じっくりとお話を聞きました。

「ゼロから市場をつくる」DNAを持つ青果商社。

北海道アグリフローズン株式会社の親会社・MVM商事は、創業50年を超える青果商社です。その前身は、日本で初めてカット野菜専門の工場を作った会社にさかのぼります。

「当時はカット野菜という概念自体がなかった時代。そこからスタートしている会社なので、ゼロから市場をつくるというDNAが根っこにあると思います」と大山さんはお話しします。

af_001.jpg工場責任者の大山大輔さん。関西弁の軽やかなトークで取材陣を和ませてくれます。

アメリカンチェリーを日本にいち早く導入したのもMVM商事です。1990年代にはベビーリーフの国産化に着手し、栄養価が高くやわらかいさまざまな野菜の幼葉を「ベビーリーフ」という名称で販売を始めたのも同社が初めてでした。

さらに、カットしたリンゴを変色しにくくする研究を重ね、駅や空港の自販機で販売するというユニークなビジネスも展開。コンビニやスーパーのフルーツコーナーでよく見かけるカットフルーツも、MVM商事グループが手がけている商品が数多くあるのです。

「例えば、駅や空港で小腹がすいた時、おにぎりやサンドイッチでは重すぎ、お菓子を食べるには抵抗があるというケースもあるはず。そんな時、カットされたりんごが重宝されるのではないかという発想もありました。最初は需要がないところにコンセプトを持ち込んで、少しずつ市場を育てていく。そういう仕事の仕方がこの会社の面白さだと思います」と大山さんは笑います。

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北海道のかぼちゃと向き合った、20年の積み重ね。

MVM商事が、かぼちゃの国産化にシフトし始めたのは今から約20年前のこと。当時は輸入がベースだったところ、スーパーからは「一社で年間を通じて国産かぼちゃを供給することはできないか」という要望が強くなってきたそうです。そのニーズに応えるには、国産の産地を自分たちで開拓するしかありませんでした。

「国産のかぼちゃは南に位置する九州が最も早く収穫できます。そこから産地を北上することで、少しずつ時期をズラしてリレーのように供給しなければなりません。そこで白羽の矢が立ったのが、8月ごろから収穫が始まる北海道でした」

当時、まだ何のツテもない状態で北海道に足を運び、JAや生産者を一軒一軒回って関係を築いていったといいます。

「最初は本当にゼロからのスタートだったと聞いています。それでも諦めずに産地を開拓し続けた結果、今では北海道産かぼちゃの取扱量において一定のシェアを持つまでになりました」と大山さん。

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現在はJAやホクレンとも協力関係を築き、北海道中からかぼちゃを集めています。取り組みはそれだけにとどまりません。2018年には独自に開発した光センサーを使い、糖度12度以上・水分値75%以下のかぼちゃだけを選別する「ほめられかぼちゃ」ブランドを確立。

ほくほく感があり、甘みがしっかり感じられる品質を数値で見極めているのです。甘さで品質を担保するという、それまでになかった市場を切り開きました。

「とはいえ、普通に収穫してきても甘いかぼちゃはせいぜい1割程度。おいしさを安定させるには、栽培方法や品種のアドバイス面まで踏み込まなければなりません。それを契約農家さんと一緒に積み上げてきたのが、この20年です」と大山さんは振り返ります。

「ほめられかぼちゃ」はコロナ禍のおうち需要も追い風となり、コンビニの商品にも採用されるなど、じわじわとニーズが広がっています。

af_004.jpgこちらが「ほめられかぼちゃ」の外箱。大手スーパーなどでも取り扱われています。

規格外も全部買い取り、農家とウインウインの関係を。

かぼちゃへの取り組みで印象に残ったのは、農家との向き合い方です。通常、スーパーで販売されるかぼちゃには厳しい規格があります。大きすぎるもの、小さすぎるもの、成長過程でついた傷があるもの...これらは出荷の段階で弾かれてしまい、畑に捨てるしかありませんでした。

「もったいないんですよ。小さくても傷がついていても、甘いかぼちゃはたくさんあるんです。皮をむいてしまえば傷は見えませんし、小さくてもペーストにしてしまえば一緒。だから私たちは規格外のものも全部買いますと農家さんに伝えています」と大山さんは話します。

農家にとっては、これまで捨てるしかなかったものが売れるようになります。手取りが増えれば、より丁寧にかぼちゃを育てるモチベーションにもつながるものです。

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今年はさらに一歩進めて、収量が従来の1.5倍になり、なおかつ甘くなる確率も高いオリジナル品種がデビューする予定だとか。このオリジナル品種の種を契約農家に配ることで、収量も増え、グループの取扱量も増えるという双方にとって良い循環が生まれています。

さらに、MVM商事グループは収穫部隊を組織して、一部エリアのコントラクター(農作業を請け負うこと)も担っています。畑ごとに着花日を記録して周辺の気象データと温度を照合しながら、「今が収穫どきです」というタイミングを生産者にフィードバック。熟しすぎず青すぎない最適なタイミングで収穫し、機械で一気に刈り取っていきます。

「農家さんには種をまいてお世話をしてもらい、収穫は私たちがやりますという形をとることで、農作業の負担を減らしながら品質を担保できます。お互いにとって良い関係を作っていきたいんです」と大山さんは表情を引き締めます。

種の改良から栽培支援、収穫、加工、販売まで一気通貫できる体制。これがMVM商事グループの最大の強みです。

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新工場が旭川につくられたのは「必然」。

北海道のかぼちゃの収穫期は、お盆過ぎからクリスマスごろまで。生鮮のままでは当然、その時期しか届けることができません。

けれど、多くの顧客から届いていたのは「収穫期以外でも北海道産のかぼちゃを使いたい」というリクエスト。冷凍加工すれば賞味期限を大幅に延ばせるため、冷凍加工工場を持つ北海道アグリフローズンが誕生したのです。

「新工場の場所として旭川市が選ばれたのには、明確な理由があります。もともとこのまちは当グループにとってかぼちゃの選果・物流の拠点。そこにJR貨物の路線が通っており、2024年問題でトラックドライバー不足が深刻化する中、鉄道コンテナを活用した輸送ルートが確立できることも大きな利点でした」

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昨年8月に稼働した新工場では、かぼちゃのカット・皮むき・わたとりといった各工程を、人の手と専用機械を組み合わせながら進めています。かぼちゃは一見すると丸い形をしていますが、実際には扁平で芯もずれているため、完全な自動化が難しい食材です。そのため各工程に専用の器具や機械を取り入れつつ、人の手の感覚を活かした作業で品質を保っています。

「機械でやると一律の圧力で処理するのでロスが増えます。人の手なら微妙なコントロールが効きますし、イレギュラーにも対応できるのが強み。かぼちゃの加工は、機械と人の役割分担が大事なんです」

現在、国内で流通する冷凍野菜のうち、国産はまだ6〜7%ほどにとどまっている中、品質で差別化した商品を届けることで、その市場を少しずつ広げていくことが目標です。

af_008.jpg作業自体は難しくなく、未経験から成長しているスタッフも多いとか。

働く人も「ほめられかぼちゃ」の実力を実感。

工場で働くスタッフの環境も整っています。食品製造工場でありながら、基本的に土日祝日が休みで、夜勤もないという働き方を実現。しっかりとした生産計画を立てて稼働できている一方、固定残業制ではなく、頑張った分がきちんと待遇に反映される仕組みです。

では、こうした工場で実際に働く人たちは、どんな手応えを感じているのでしょうか。2024年10月に入社したサブリーダーの高尾紗弥佳さんは、前職のコールセンターから転職してきました。

「作業自体は入社から4ヶ月ほどで一通りできるようになりました。一見単調に見えるかもしれないんですが、慣れてくると自分なりの工夫を試したくなるのが楽しくて」と話します。

af_009.jpg写真右がサブリーダーの高尾紗弥佳さん。

内向的なメンバーが多い職場ですが、干渉しすぎないからこそ居心地が良く、子育て中のスタッフも有休を取りながら働けているといいます。現在は現場のサブリーダーとして、小さな気づきを上司に伝えながら職場環境の改善にも携わっています。

販売スタッフから転職してきた山地蓮さんは「上司がコンビニで私たちの加工したかぼちゃが使われた商品を買ってきてくれて、みんなで食べたことがあるんです。自分たちが作ったものが全国の人に食べてもらえているんだと実感できた瞬間でした」と目を細めます。

「きつく言う人がいない、本当にやさしい雰囲気」と職場環境についても話してくれました。

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旭川は、どこに行くにもちょうどいいまち。

大山さんご自身は関西のご出身。旭川市に赴任して2年ほどが経ちます。「最初はどうかなと思っていたんですが、住んでみると旭川って本当に生活しやすいんですよ」と笑います。

スーパーや病院、飲食店が充実していて、生活に不自由することがない。それでいてゴミゴミしておらず、ほどよくコンパクト。ロータリーを中心にバスがどの方向にも出ていて、市内の移動も便利です。空港からは東京も神戸も日帰りで行き来できる利便性もあります。

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「朝の便で東京に飛んで、昼から仕事して夕方には旭川に戻れる。それが普通にできるのはありがたいですね。関東の栃木まで出張した時は、旭川から羽田経由で電車を乗り継いで2時間半以上かかって死にそうでしたけど(笑)」。

赴任してから始めたスキーも、旭川市ならではの楽しみになりました。「朝起きてちょっと行ってくるかと、近場のスキー場にさらっと行けるんですよ。パウダースノーだし、リフト代もそんなに高くない。こんな環境、他にないと思います」とニッコリ。

北海道の農業とともに歩んできた20年の積み重ねが、旭川の新工場で一つの形になりました。農家と消費者をつなぐ仕事の手応えを、旭川という場所で感じながら働く。そんな環境が、ここには整っています。

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北海道AGRI FROZEN株式会社
北海道AGRI FROZEN株式会社
住所

北海道旭川市工業団地3条3丁目

電話

0166-74-5136

URL

https://www.agrifrozen.co.jp/

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あま〜いかぼちゃで新たな市場を!北海道AGRI FROZEN

この記事は2026年4月13日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。