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北広島市

大事なのはドライバーさん。食を支えるコンビニ配送の日晶運輸20260720

大事なのはドライバーさん。食を支えるコンビニ配送の日晶運輸

日本の物流は91.7%がトラック輸送。北海道内で見ると97%がトラックを使った輸送に頼っているそう。ご存知でしたか?この数字から見ると、トラックがなければ物流は機能せず、私たちの暮らしは成り立たないのかと痛感します。実はこの数字を教えてくれたのは北広島に本社を置く「日晶運輸株式会社」のインスタグラム。同社のインスタグラムやTikTokは、物流業界の豆知識など真面目なものから、会社紹介や従業員アンケート、思わず笑ってしまう従業員の楽しそうな投稿など、さまざまなものがアップされています。今回は同社へ訪問し、SNSの運用などを通じて、業界のイメージを少しずつ変えていこうと挑戦している主任の川邊さんと、神奈川から移住しドライバーとして活躍中のまっさん(ニックネーム)に会社のこと、仕事のことなどを伺いました。

歴史ある物流企業。コロナにも負けなかった安定性が強み

まずは、昭和44(1969)年に創業した日晶運輸がどのような会社なのかを川邊さんに伺っていこうと思います。

nishounnyu72.jpgこちらが、日晶運輸株式会社本社主任の川邊恭平さん

「最初は日糧製パンの商品の配送からスタートしました。その後、先代のころからセイコーマート(セコマ)のお仕事をいただけるようになり、それが会社として大きな転機となったと聞いています。今はセイコーマートを中心に日糧製パンやタカラスタンダード・三井倉庫などの配送も行うトラック輸送の物流企業です」

現在、同社は北広島の本社のほかに、今回お話を伺った大谷地営業所をはじめ、旭川、釧路、函館、帯広に営業所を構えています。社員数は396名(2026年6月時点)で、そのうち9割がドライバー。道内資本の中小企業の同業者の中では規模も大きいほうに入ります。

「うちの強みは、『仕事の安定性』かなと思います。セコマの配送がメインですから、景気に左右されることがほとんどありません。たとえば数年前のコロナ禍や、北海道を襲った大きな地震のとき、世の中では多くの方が失業したり、休業を余儀なくされたりしましたよね。同じ物流でも建材などは荷動きがストップしていましたが、コンビニの配送だけは一日たりとも止まりませんでした。あのとき、食に関する輸送の重要性をあらためて感じたとともに、ドライバーたちの給料を減らすことなく安定して支払いを続けられて、僕自身も安定性を実感しました」


特にコロナ禍は、外出自粛で大打撃を受けた業界からの転職者が次々と同社へやってきたと振り返ります。

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「うちの仕事は、あらかじめ決まったルートを走る『固定ルート配送』が基本です。同じ物流でも運ぶものによっては、毎日行く場所が違うという会社もあると思いますが、うちの場合はイレギュラーがない限り、毎日同じ時間に出勤して、同じ場所に荷物を届け、同じ時間に帰ってくるというのが基本。この時間の安定と収入の安定が特徴だと思います。だから未経験でも安心して飛び込み、働き続けることができるのだと思います」

SNSで会社のリアルを発信。中型免許の取得サポートなど、手厚い人材育成

業界全体で「ドライバー不足」が深刻とされる中、同社も決して人手が潤沢というわけではないと川邊さん。

「どうしても『大変そうな仕事』と思われがちなので、ドライバーを募集すると同時に、業界のイメージ、会社のイメージを変えていくことも大事かなと考えています。それで、本当にちょっとずつですけどSNSでいろいろなことを発信しながら、少しでも多くの人に興味を持ってもらえたらと思っています。最初は、スマホが普及した今の時代、ホームページをきれいに整えるのはもちろんですが、求人の募集要項だけでは会社のことって分からないこともいっぱいあるので、SNSを使ってもっと気軽に会社のリアルを発信したいと思ったのがきっかけでした。載せているのは、他愛もないものが多いんですけど...(笑)。ただ、ウソだけは絶対に載せないと決めています」

nishounnyu177.jpgスタッフの誕生月にプレゼント!嬉しそうなスタッフさんの笑顔

ミーティングの様子を早回しで撮ったものや、ドライバーさんの早口リズムゲームなど、会社の中の雰囲気や風通しの良さが伝わってくるものを見ると、「この会社、面白そう」と感じます。実際、求職者からの問い合わせなどは増えており、面接の際に「SNSを見て雰囲気が分かったので応募した」という人も多いそう。

当初は川邊さんが写真を撮ったり、画像の編集を行ったりしていたそうですが、「最近は事務所の女性スタッフが、それじゃダメですよと、上手に編集してアップしてくれています」と話します。

また、同社は未経験で入ってきても安心して働けるよう人材育成にも力を入れています。

「新しく入社してくる従業員の8〜9割が、普通免許しか持っていない状態でスタートしています。30代以下の若い世代は、普通免許だけだと小さなトラックすら乗れないんですよね。だから、面接の時点で『普通免許しか持っていないんですけど...』という人がほとんど。でも、それでいいんです。免許がないなら、会社に入って取ってもらえばいいだけですから。意欲さえあれば十分です。だから長い目で見てドライバーとして活躍できるよう中型や大型の免許取得にかかる費用は会社で負担し、大事に育てるようにしています。人とトラックはうちの大事な財産ですから」

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ドライバーとして必要となる中型、大型、さらにはトレーラーの免許までを個人で取得しようとすると、トータルで100万円近い費用がかかる場合もあるそう。同社ではドライバー育成の必要経費と考え、それを全額会社負担しているのです。

「ドライバーは体一つで始められる仕事ではないからこそ、最初のハードルは会社のほうで払拭しようと考えています。未経験で免許がない方の場合、入社をしたら、まずはドライバーの助手作業や、ハイエースなど普通免許で乗れる車での配達、倉庫内での作業といった免許のいらない仕事からスタートして会社に慣れてもらいます。その後、作業の流れが身についてきたタイミングで、教習所に通って中型免許を取ってもらうようにしています」

中型免許を取得した後は、先輩の助手席に乗ってルートや運転のコツを覚え、だいたい3カ月ほどで晴れてプロのドライバーとして独り立ちというのが大体の流れ。その後、本人の希望や適性を見極めながら、さらに大型免許へのステップアップも支援しています。

もともとの風通しの良さはそのままに、働き方を改革

今は事務方の川邊さんですが、もともとは自身も未経験のドライバーだったそう。

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「最初は普通免許しかなかったので、ハイエースの運転から始めました。やっぱり現場の苦労やドライバーの気持ちが分からないとまともに話ができないので、ドライバースタートで良かったと思います」

その後、中型免許を取ってセイコーマートのルート配送や、キッチンの住宅設備を運ぶ仕事を5〜6年経験し、事務方へ。

「実は今、トレーラーの練習中なんです。やっぱり現場を知っていないと、採用のときも仕事内容の説明がきちんとできないし、そもそもトレーラーも乗れないのに偉そうなこと言うなってドライバーさんたちに言われちゃいますしね(笑)。そして、何かあったときに事務方の人間も運転できた方がいいですから」

今から約15年前、川邊さんがドライバーとして入社したとき、「正直、当時は今よりも労働時間が長く、休日も少なくて厳しい環境でしたよ。当時は業界全体がそんな感じでしたから」と笑います。

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「でも、うちは5、6年前に社内改革を思い切って行いました。2024年の働き方改革よりも前に着手し、休みも就業時間も見直しました。まずは、徹底的に人を増やすことから始め、地方の営業所から助っ人を呼び寄せながら、新しい人員をどんどん採用し、一人ひとりの負担を減らしていったんです。そうして労働時間を短縮し、今では4週8休を徹底しています。しっかり2連休が取れる運送会社なんて、昔を知っている僕からすれば信じられない環境です(笑)。今新しく入ってくる若い人たちは『週休2日なんて当たり前でしょ』と思っているかもしれませんが、10年以上うちで働いているベテランドライバーは、みんな口を揃えて『働きやすくなった』と言ってくれています」

もともと社員同士の仲は良く、人間味あふれるドライバーも多く、協力体制も自然と出来上がっていたそう。「昔から会社の雰囲気自体は、和気あいあいとしていましたね」と振り返ります。

「うちの管理職や所長たちは、今は特に本当にドライバーの声をよく聞いてくれます。トラブルが起きそうなら『じゃあ自分が荷主さんと交渉して調整するわ』と、常にドライバーの味方に立って交渉をしたり...。そういう『ドライバーを一番に大事にする』という風土だけは、労働環境が変わっても脈々と受け継がれている強みだと思います。荷主さんもドライバーのためにいろいろと相談にのってくれるので、こちらも協力しようと思える良い関係性を築けていると思います」

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同社の雰囲気の良さが分かるエピソードが、社員の紹介制度。地方の営業所を中心に、ドライバーが自分の友達を「いい会社だから来いよ」と引っ張ってきてくれるケースが多いそう。「大切な友達に紹介したくなる会社であること、そして紹介されて入った人が誰も辞めずに続けてくれていることが大きな誇りです」と川邊さん。

神奈川から移住。同じドライバーでも働きやすい環境は「自分基準で超ホワイト」

ここからは、昨年(2025年)の春に入社した「まっさん」に話を伺いたいと思います(今回はニックネームで登場しています!)。まっさんはアメリカ人と日本人のハーフで生まれはハワイですが、赤ちゃんのころから神奈川県で暮らしていたそう。車が好きで、自動車の整備を学ぶ専門学校へ進み、整備の仕事に就きますが、「車をいじるより、運転するほうが楽しい」と、自ら中型免許を取得してから大手の宅配会社へドライバーとして転職します。

nishounnyu113.jpg昨年神奈川県から移住し、日晶運輸に入社しました。

「運転は楽しいけど、1日に15〜16時間働くのが当たり前の過酷な日々でしたね」と苦笑し、「ドライバーは運転して運ぶだけではなく、大型トラックに荷物を延々と一人で積んでいくんです。2〜3時間かけてひたすら荷物をキレイにトラックに埋めていく作業は、『消えないテトリス』をずっとやっているような感覚でした」と振り返ります。

もう少し良い環境で仕事をしたいと別の運送会社へ転職したものの、「平日の渋谷や、大混雑する東京都心の狭い下道を10トントラックで走る仕事を任され、一日中、極限の緊張感の中でハンドルを握っているから、体は大丈夫でも、脳の疲労が凄まじくて...。このまま東京で運転を続けるのは無理だと、心がポキッと折れてしまったんです」と話します。

そんな転職の失敗で嫌気が差していたタイミングで、家族と一緒に北海道へ旅行に訪れます。まっさんも家族も馬が好きで、この旅も「競馬と牧場巡り」がテーマでした。

620879803536376291.jpg日高旅行へ行ったときに撮影した牧場風景の写真

「日高の美しい景色やひたすら広くて真っ直ぐな北海道の道路を車で走ったとき、『なんて走りやすい環境なんだろう。大好きな運転をするなら、北海道だ』と思って、移住を心に決めました」

その後、就職先も決めず、とりあえずマイカーに荷物を積んで北海道へ。当初は牧場で働くことも考え、十勝のほうで仕事探しをしていたそう。

「4月という時期も悪かったみたいで、なかなかいいところが見つからず...。たまたま、神奈川の車の保険屋さんが北海道出身の人で、日晶運輸の武野専務と知り合いだったという縁から、中型も大型も持っていたし、経験を活かして働けるということで入社しました」

住む場所も決めていなかったので、社宅があったのも助かったと言います。同社にはもともと社宅はなかったそうですが、川邊さんが上層部と交渉してマンスリーマンションを社宅として準備。さらに「家賃も3カ月分は会社が負担する」というドライバーを大事にする会社の方針がここでも伺えます。

晴れて日晶運輸に転職。一番驚いたというのが、荷物の積み込み作業だったそう。前職で過酷な手積みを経験してきたまっさんにとって、ここでのコンビニ配送はカルチャーショックだったと言います。

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「荷物が最初から台車に載っている(カゴ台車輸送)というだけで、信じられないくらい楽なんです。あのテトリスのような手積みはなく、カゴ台車を押してそのままトラックに載せるだけなんですから。今の僕の担当ルートは、札幌を出発して日高方面の店舗へ配送して、戻ってきたら札幌市東区や伏古の店舗を回って終わるという固定ルートです。時間がきっちり安定しているので、東京にいた頃に比べて、心身ともにゆとりが持てて、人間らしい健康的な生活を送れている実感があります。自分はイレギュラーが苦手なので、固定ルートがとても合っています」

もちろん、北海道ならではの「冬の厳しさ」がないわけではありません。大雪の日に重い台車を雪上でコントロールするには大きな労力も必要ですし、雪道でトラックがスタックすることもあります。

「人生で初めてトラックが雪にハマったときは、どうしよう!となりました。でも、すぐに近所のおばちゃんたちが家からスコップを持ってゾロゾロと出てきてくれて、奇跡的に通りかかったレスキュー隊も一緒になって、みんなでトラックを助けてくれたんです。雪国の人って、お互いに助け合わないと生きていけないことを知っているからか、温かくて優しいんですよね」

そして、仕事をしていて嬉しいと感じるのは、配送先の店舗の人たちからの「ありがとう」なのだそう。

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「店舗に行くと、オーナーさんや店員さんが『いつもお疲れ様!』『ありがとう』と声をかけてくれて、缶コーヒーをくれたりするんです。ほかの地方に通っているドライバーさんの話だと、わざわざ魚やスイカを用意して待っていてくれることまであるらしいです。ただ荷物を運んで終わりじゃない、人と人との繋がりを感じられるのも、ここに転職してから感じる面白さですね」

休みがきちんと取れるので、休日は好きな馬を見るためにドライブをしたり、好きなお酒を飲みに出かけたりするそう。「自分基準で言えば、超ホワイトな会社ですよ」とニッコリ。

まっさんのように本州から移住してきたドライバーはほかにもいるそうで、「面接もオンラインで対応しますし、本州の方も歓迎です」と川邊さん。「とにかくやってみたいという気持ちがある方なら、会社としては全力でサポートします!」と最後に笑顔で話す様子からも、ドライバーファーストな会社であるとよく分かりました。

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日晶運輸株式会社
日晶運輸株式会社
住所

北海道北広島市大曲工業団地2丁目1番地2

電話

011-376-3802

URL

https://www.nissyounyu.jp/

日晶運輸株式会社のInstagramアカウント

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大事なのはドライバーさん。食を支えるコンビニ配送の日晶運輸

この記事は2026年6月15日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。