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別海町

自分らしく働いて生活する。別海の水道インフラを守る竹崎工業20260824

自分らしく働いて生活する。別海の水道インフラを守る竹崎工業

北海道の東部、根室半島と知床半島の間に位置する別海町。酪農が盛んなこの町で、1972年の創業以来、地域の暮らしを支えてきたのが上下水道の工事などを請け負う株式会社竹崎工業です。入社10年目の取締役兼部長の竹崎勝太さんと、入社4年目の土木配管スタッフ、岩島悠介さんに今回はインタビューします。竹崎工業の仕事を始め、別海だからできる仕事とプライベートの両立、子育てや別海限定のデジタル地域通貨「OTOMONO(オトモノ)」の活用法まで、様々なお話を伺いました。

二人とも最初は未経験から

竹崎工業の主な事業は、上下水道の工事や住宅設備、浄化槽の設置・管理など。酪農家が多い別海町ならではの仕事として、牛舎の給排水設備や空調・換気設備なども手がけています。中でも大きな割合を占めるのが、別海町から発注される上下水道の公共工事です。

この竹崎工業で働く、竹崎さんと岩島さんにお話を伺います。まずは、別海町生まれ、別海町育ちの竹崎さんです。高校卒業後は大手鉄道会社に就職し、根室で3年ほど勤務しました。竹崎工業で働くようになったのは21歳の頃。代表を務める父親から、「会社を継いでくれないか」と声をかけられたのがきっかけでした。

032__N9A0114.jpgこちらが、入社10年目・取締役兼部長の竹崎勝太さん。

「父もそれほど深刻な感じではなく、『帰ってこい』と言われたので、『わかった』というぐらいでしたね」

こうして竹崎工業に入社した竹崎さんですが、設備工事の経験はありません。最初は先輩について現場へ行き、初歩的なことから一つ一つ仕事を教わりました。
特に大変だったのは、道具や資材の名前がわからなかったことだといいます。

「先輩に『〇〇を持ってきてほしい』と言われて持っていったら、違う道具だったこともよくありましたね(笑)。自分で使ってみたり現場を経験したりするうちに覚えていきました」

また、現場によって状況が異なるため、毎回同じ作業になるとは限りません。竹崎工業で働き始めてから10年目を迎えた今も、これまでに経験のない現場に出くわすこともあるそうですが、経験を重ねるほど知識や技術が増え、それが自信やお客さんからの信頼につながっていっているといいます。

IMG_4407.JPG別海町内の地区に新しく消火栓を設置しています。まちの中に自分が手掛けたものが残っていく光景を見られることにやりがいを感じるそう!

次に伺うのは、岩島さん。別海町の隣に位置する中標津町出身です。竹崎工業に入る以前は、飲食・営業・牛の運搬・サケやマスのふ化事業など、設備工事とはまったく異なる仕事を経験してきました。

竹崎工業との出合いは、竹崎さんから「人手が足りないので手伝ってほしい」と声をかけられたこと。新築住宅の給排水工事を手伝ったことをきっかけに入社しました。

異業種からの入社ということもあり、当初は道具の使い方はもちろん、名前すらわからない状態。一つずつ仕事を覚えていきました。

047__N9A0101.jpgこちらが、入社4年目・現場の土木配管を担当する岩島悠介さん

「入社して4年たちますが、同じ現場はないので今も戸惑うことはあります(笑)でも、その都度周りの方に聞いて少しずつ覚えています」

未経験から入社し、徐々に知識をつけていった二人。忘れられない現場があるか聞いてみると。

岩島さんは、住宅などへ水を送る本管の漏水を修理した現場が忘れられないと話します。日中は周辺の家庭で水を使うため止水できず、作業を始められたのは夕方以降。ライトを照らしながら、翌朝まで夜通し作業を続けたそうです。

「作業の前半はアドレナリンが出て、テンション高く進められたんですけど。後半になると、集中力が途切れてしまい大変でした」

竹崎さんにも忘れられない現場を聞くと、別海町から発注された水道工事のことを話してくれました。

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「道路を掘削せず、その下を通して反対側まで水道管を渡す難しい工事でした。事故なく、設計で求められた数値どおりに施工できたときに、少し成長できたような気がして自信につながりました」

難しい現場で頼りになるのは、竹崎工業の仲間だけではありません。別海町には同じ水道・設備工事を手がける会社がいくつかあり、わからないことがあれば他社のベテランにも相談するそうです。

「皆さん丁寧に教えてくれます。技術的なことも安全面もそうですね。長くこの仕事をしていますが、『そんなの自分で考えろ』と言われたことは一度もないです」と竹崎さん。

もちろん仕事ではライバルになることもあります。それでも、自分たちが苦労して身につけてきた知識や経験は惜しまず伝える。わざわざ現場をのぞきに来て声をかけてくれる人もいるといいます。

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「社内、社外に限らず、みんな助けてくれます。小さな町ならではかもしれませんね」

現在、竹崎工業の社員は8人。現場では、30代をはじめ、40代から60代まで幅広い年齢の土木技術者5人が働いています。中標津町から通っている社員は岩島さんを含めて二人。車で片道30分ほどの距離を通勤しています。社内ではお互いの家族の話をするなど、普段から自然な会話が交わされています。

竹崎さんと岩島さんは、一緒に別海町内の尾岱沼(おだいとう)や床丹(とこたん)などへ釣りに出かけることが多いそうです。

尾岱沼は穏やかな野付湾に面し、北海シマエビやホタテなどの海の幸で知られる漁業の町。床丹は、オホーツク海と原野に囲まれ、美しい日の出も楽しめる自然豊かな地域です。二人はこうした場所で、アメマスやサクラマス、サケなどを狙います。

「釣った魚を一人でさばくのは大変なので、岩島君に『半分持って帰っていいから』とお願いして、二人で釣った魚を会社の倉庫の裏でさばいたこともあるんですよ」

IMG_3602.JPGトラックの荷台で魚をさばくお二人!海の幸に恵まれた別海町ならでは。

現場で経験を積みながら、土木技術者として技術を磨く

竹崎工業では、一人で現場へ向かっても作業ができるよう、必要な道具一式が一人ひとりに会社から支給されています。さらに、現在は現場スタッフ一人につき1台の社用車を用意。仕事で必要となる大型トラックや重機、クレーンなどの免許取得にかかる費用も、会社が全額負担しています。

仕事を通して身につけた技術が、プライベートで役立つこともあるそう。

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「家で何かを作ったり、ちょっと修理したりするときに、仕事で身につけたことが役立つのは便利ですね。プロのDIYというか...この仕事をしていて良かったと思います」と岩島さん。

休日は、日曜日と第2・第4土曜日。年末年始やゴールデンウィーク、お盆にも休みがあります。ただ、繁忙期や下請けとして入る現場では、元請け会社のスケジュールに合わせて休日に作業することもあるそうです。

「工程上、『今やらなければ次に進めない』という場面もあるので、休みの日にどうしても仕事になることはあります。出勤した分を、仕事が落ち着いている時期に振替休日として取れるようにしています」

竹崎工業で働く土木技術者の主な仕事は、上下水道工事などの現場作業です。重機を操作しての掘削や、掘削した場所での配管などを行います。また、住宅設備の現場では、給排水などの配管を担当することもあるそうです。

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未経験で入社した場合は、まず初歩的な作業からスタートし、現場で経験を重ねながら技術や知識を身につけていきます。入社当初は現場での仕事が中心ですが、経験を積んで現場を任されるようになると、書類や図面の作成なども担当するようになります。

「最初は勉強期間です。一人で仕事ができるようになるまでには、5年くらいかかると思いますが、現場で一緒に頑張りながら、技術と知識を身につけてもらえたらと思います」

向かない人はいない!自分の強みも弱みも生かせる仕事

入社後、仕事に必要な資格を取得していけるのも竹崎工業の特徴です。入社時点では、普通自動車免許を持っていれば専門的な資格は必要ありません。

移動式クレーンや玉掛けなどの資格は働きながら取得でき、講習などにかかる費用は会社が全額負担しています。いずれも数日間の講習を受けた後に試験があり、比較的短期間で取得できるといいます。

076__N9A0212.jpg岩島さんも、入社後に移動式クレーンと玉掛の資格を取得しました。現在は技士の資格に挑戦中です。

さらに経験を積めば、「土木施工管理技士」や「管工事施工管理技士」の取得に挑戦することも可能です。どちらも、公共工事などの現場を管理するために必要となる国家資格。竹崎工業では、これらの資格取得に向けた講習の受講費用も会社が負担しています。

「仕事をしながら勉強をすることになるので、簡単なことではありませんが、取得した資格は自分の財産になります。講習は平日ですが、会社としても仕事と両立できるようサポートするので、ぜひ挑戦してもらいたいですね」

どのような人がこの仕事に向いているのか尋ねると、竹崎さんはこう答えます。

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「特に、こういう性格の人には向いていないというのはないですね。前向きで、ポジティブな人と一緒に働きたいというのはありますが、仕事の仕方は人それぞれです。周りとコミュニケーションを取りながら進める人もいれば、寡黙でも、一つの作業に集中して取り組める人もいます」

建設の仕事では、一つのものをつくり上げていくため、几帳面で丁寧な性格の人は重宝されるそう。一方、現場にはさまざまな仕事があり、それぞれの個性に合った役割があると竹崎さんはいいます。

岩島さんは、自身の経験も踏まえて「力仕事は結構多いので、体力はあった方がいいと思いますね」と話します。

とはいえ、体格が大きく、力が強ければ有利というわけでもありません。現場では狭い場所で細かな作業をすることも多く、床下に入って配管するような場面では、小柄な体形が強みになるといいます。

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「僕はどちらかというとがっちりした体形なので、狭い場所には入れないんです。そういうときは、岩島君を呼んで入ってもらっています。彼はスリムなので、すっと入って、ちゃちゃっと仕事をして帰ってくる(笑)。そういう現場で、彼はすごく輝くんです」

手先の器用さや専門的な技術は、仕事を続けていれば身につくものだと話す竹崎さん。

「この仕事には、その人の体格や性格を生かして活躍できる場面もたくさんあるんです」

別海はワクワクする町。これからも地域のライフラインを守る

竹崎さんが思い描いている竹崎工業の未来は、別海町に根を張りながら、将来にわたって地域の暮らしを支え続けられる会社であることです。

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「会社を大きくしたいという思いはあります。でも、都会に出て大きな仕事をしたいということではありません。水道が止まったら生活できないし、冬にストーブが使えなかったり、お湯が出なかったり、トイレが流れなかったりしても困りますよね。僕たちは、そうした地域のライフラインを守る仕事をしているという意識があります」

人口が減り、働き手も少なくなっていく中でも、人が暮らしている限り、地域のライフラインを支える設備の仕事は必要です。ベテランの社員が引退した後も技術をつなぎ、会社を存続させていくためには、次の世代を担う人材が必要だと竹崎さんは考えています。

一方、岩島さんは、これからも一つずつ仕事を覚えていくことが目標だと話します。

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「入社4年目ですが、まだまだ知らないことばかりです。何年かかるかわかりませんが、徐々に覚えていって、まずは周りに迷惑をかけずに仕事ができるようになりたいと思います」

最後に、別海町の魅力について二人に尋ねてみました。

現在、2人の子どもを育てている竹崎さんが感じているのは、子育てのしやすさです。

町には出産祝い金や高校生までの医療費助成など、子育て世帯を支える制度があります。また、別海町では夕食の時間までに仕事を終えられる会社も多く、子どもと過ごす時間を取りやすいという声も聞かれます。竹崎工業でも通常は午後5時頃には仕事が終わり、平日に子どもの行事がある場合も参加できるそうです。

「僕自身、子どもの行事に『仕事だから行けない』と思ったことはないですね。平日でも行きますし、社員にも『行ってきて』という感じです。『子どもが熱を出したから迎えに行かなきゃ』というときも、『それは迎えに行ってあげて』と送り出したいですね」

さらに、別海町独自の取り組みとして、「OTOMONO(オトモノ)」と呼ばれるデジタル地域通貨があるのも魅力の一つ。一定の歩数に応じてポイントがたまり、町の加盟店で利用できる仕組みです。

052__N9A0164.jpgOTOMONOは、別海町が導入・運用しているデジタル地域通貨アプリ。健康に良いとされる1日7,100歩を超えると、翌日に100ポイントが付与され、飲食店等で使えるという画期的な取り組み!

「地元の独立リーグのプロ野球チーム『別海パイロットスピリッツ』のホームゲームでは、勝っても負けてもポイントがもらえるんです。そういうところもワクワクするというか、楽しい町だと思います」

岩島さんは、中標津町から近いところも別海町の良さだと話します。

「中標津から別海町までは、車で30分ほどの距離です。中標津町には飲食店や病院、子どもが遊べる施設がそろっていますし、空港もあります。そういう場所が近くにあるのも、暮らしやすさの一つじゃないかと思います」

竹崎さんと岩島さんの息の合ったチームワークを感じることができる取材でした。ミスや事故なく工事を行うためには、小さなことでも相談し、必ず完璧に仕上げる。そのための日々のコミュニケーションの良さが取材中にも表れていました。また、別海町には豊かな自然だけでなく、日々の暮らしが楽しくなるような取り組みがあることも知りました。新たな働き方や暮らしを考える人にとって、「別海で働く」という選択肢は魅力的ではないでしょうか。

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株式会社竹崎工業
株式会社竹崎工業
住所

北海道野付郡別海町西春別駅前錦町200番地

電話

0153-77-2144

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自分らしく働いて生活する。別海の水道インフラを守る竹崎工業

この記事は2026年8月5日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。