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函館市

湯の川の「岩盤浴付きビジホ」が話題。市民も通う極上の癒やし処20260316

湯の川の「岩盤浴付きビジホ」が話題。市民も通う極上の癒やし処

函館で温泉といえば、湯の川。たくさんのホテルや旅館が立ち並び、国内外からたくさんの観光客が訪れます。この湯の川エリアで20年以上営業を行っているのが、今回おじゃました「湯川温泉 ホテル かもめ館」です。ここは、函館市と北斗市で宿泊施設を運営している「ホテルかもめグループ」の1施設。かもめ館のマネージャーを務める佐藤大樹さんにホテルのことやこれからのこと、函館への想いなどを伺いました。

「安くて、きれいで、美味しい食事」がモットーのかもめグループ

「このかもめ館は、もともと別のホテルだったのをかもめグループが2004年(平成16年)から居抜きで運営しています」と話すのは、2021年に入社し、2023年からかもめ館に勤務している佐藤マネージャーです。

運営母体であるかもめグループ自体は、今年で53周年。地元出身の現社長・成田恭子さんが一代で築いたグループです。成田社長は、92歳の今も現役で社長を務めているそう。現在かもめグループは、かもめ館をはじめ、函館市と北斗市の8つのホテルとカラオケバーを2つ運営しています。

2602_kamomekann-24.jpgこちらが、「ホテル かもめ館」マネージャーの佐藤大樹さん。

「うちのグループはビジネスホテルが主なので、創業時から『安くて、きれいで、美味しい食事』をモットーに、家庭的な雰囲気で運営してきました。特に食事には力を入れていて、2食または3食付き。特に夕食は手作りにこだわっています」

宿泊のお客さまの多くは出張で利用するビジネスマン。中には長期滞在する人も多いそうで、仕事を終えてホテルに帰ってきた際、ホッとくつろいでもらえるようにと食事や雰囲気作りには配慮しているとのこと。

「湯の川にあるいろいろなホテルや旅館の中で、うちのようなアットホームなところはほかにはないと思います。これはかもめグループらしさなのかなと思っています」

余談ですけど...と佐藤さんが教えてくれたのは、地図上でかもめグループのホテルを線でつないでいくと、函館の街をグルっと囲むように立っていることが分かるそう。

「観光客が集まる宿泊エリアだけでなく、ほかのところにもホテルがあるので、ビジネスで利用される方には便利かもしれません」と話します。

食事も評判。湯の川では珍しいアットホームなビジネスホテル

さて、湯の川エリアにあるホテルの中では珍しいという家庭的なビジネスホテル・かもめ館について話を伺っていこうと思います。

「先ほどもかもめグループの食事の話を少ししましたが、もちろんかもめ館も家庭料理ベースの満足感の高いものを提供するようにしています。ビジネスホテルといえばバイキングをイメージされる方も多いかと思いますが、うちはバイキングではなく、お膳で提供。夕食は旬の食材を用い、焼魚や刺身、陶板焼き、汁物など5~6品付いています。また、朝食もお膳で、必ずイカ刺しを提供するようにしています。最近は、夕食は外で食べたいので朝食だけ付けてほしいという希望もあるので、そういうプランも用意しています」

2602_kamomekann-31.jpg「料亭のような華やかさ」よりも「毎日食べたくなる美味しさ」が魅力。気取らずにリラックスして食事を楽しめる雰囲気です。

観光バスのドライバーや建設関係者など、仕事で湯の川や函館に何度も滞在する人や長期滞在の人が多く、中には1年以上滞在するお客さまもいるそう。そうしたことも踏まえ、食事は飽きがこないように和洋中をアレンジし、工夫して提供していると話します。味はもちろん、そのボリュームも評判だそう。

「食事のほか、グループのモットーにあるように、館内や浴場を常に清潔に保つことにも力を入れています。築40年以上と建物は古いのですが、とにかく全館丁寧に細かく清掃を行っています。館内の少しレトロな感じが若い人には新鮮らしく、逆に年配の方たちは懐かしく感じるそうです」

ちなみに、かもめ館のエレベーターは定員3人の小さなエレベーター。実は、このエレベーター、道南で一番古い全自動式エレベーターと言われているそう。しっかり定期点検を行い、安全第一でお客さまを毎日上へ下へと運びます。

ジワジワ体が温まる岩盤浴。地元の人たちにジワジワ人気

さて、湯の川といえば道内屈指の温泉地です。かもめ館は源泉かけ流し。無色透明のしっとりとした肌触りの湯は、保温効果が高く湯冷めしにくいと言われています。

「温泉のほかに、うちの大きな特徴でもあるのがブラックシリカの岩盤浴。日帰り入浴に岩盤浴がセットになったプランも提供しているのですが、函館市内でも岩盤浴をやっているところは少なく、実は地元の人が岩盤浴目当てで多く通ってくださっています」

昨今はサウナブームですが、岩盤浴はサウナより温度が高くない分、長くじっくりリラックスしながら体を温められます。高温が苦手という人がサウナ代わりに利用するケースも多いそう。また、男女混合で利用ができるようになっているため、夫婦やカップル、グループなどでの利用も増えていると佐藤さん。

「岩盤浴を利用されるお客さまは20~50代と年齢層も幅広く、意外と男性にも評判なんです。男性グループで利用される方たちもいますし、週末は家族連れでいらっしゃる方たちもいますよ」

岩盤浴がきっかけでかもめ館を初めて知ったという地元のお客さまもいらっしゃるそうで、「地元の方にホテルの存在を知っていただけるはプラスだと考えています」と話します。

2602_kamomekann-46.jpgビジネス客には「お疲れ様でした」、観光客には「楽しめましたか?」。その一言に、マニュアルではない本物の実感がこもっています。佐藤さんにとってホテルは「家」であり、お客様は「家族」のような存在だそう。

コールセンター、電気工事、これまでの経験を生かし、再びホテル業界へ

さて、2021年にかもめグループに入社した佐藤さん。全国の観光地が打撃を受けたコロナ禍にホテル業界に飛び込みました。

「大変な時期であることは分かっていたのですが、もともとホテルの仕事に携わっていて、この仕事が好きだったんですよね」

函館で生まれた佐藤さんは、札幌で働いていた時期もあったそうですが、基本的に函館を拠点に働いていたそう。

2602_kamomekann-42.jpg「ホテル業務は天職」と目を輝かせる佐藤さんですが、その情熱は自分一人に向いているわけではありません。共に汗を流すスタッフ一人ひとりが、笑顔で、誇りを持って働ける環境こそが、お客さまへの最高のサービスに繋がると信じています。

かもめグループとは異なるホテルグループで10年近くフロントマンを務めていた経験があり、「そのときにホテルの仕事の面白さを感じていた」と振り返ります。

「札幌ではコールセンターで働いていました。あと、電気工事士の資格を取って電気工事の仕事をしていたこともあります。でも、結局ホテルの仕事が好きで、この業界に戻ってきました。コールセンターの経験も、電気工事の経験も、今すごく役立っているんですよ。コールセンター勤務を経験したことで、電話の対応の仕方が以前のホテルにいたときとはまったく違うと自分で実感していますし(笑)、ちょっとした電気トラブルは自分で直すこともできるので、すべての経験は無駄ではないと感じています」

コロナ禍を経た2023年10月からかもめ館へ異動した佐藤さん。

2602_kamomekann-45.jpg単なる受付ではなく、地元の美味しい店や明日の天気、湯の川の歴史まで親身に教えてくれる。「佐藤さんに会いに来たよ」というリピーターも多い。

「少しずつ出張で利用されるお客さまも戻ってきて、観光客の方も戻りつつある時期でした。でも、一番すごかったのは、(アニメの)コナンの映画が公開されたあとですね。あのときの観光客の増え方は驚きました」と話します。

海外からの宿泊者も多いのかと思いきや、「うちのホテルは日本人の方たちに安心して過ごしていただくビジネスホテルであることを前提としているので、インバウンドのお客さまの受け入れはじゃらんなどOTA(オンライントラベルエージェント)からのみ。電話での申し込みは受けていないので、基本的に海外からのお客さまは少ないです」と話します。

地元への想いはいろいろ。まずはかもめグループの地元での知名度アップ

湯の川で勤務するようになり、湯の川エリアにこんなものがあればいいのにと考えていることがいくつかあるという佐藤さん。

「小さくてもいいので水族館のようなものがあれば、喜ばれるのではないかなと思います。デジタル水族館でもいいと思うんですよね。湯の川は海のそばにあるわけだし。あと、お客さまがホテルを予約する前に、お客さまの目的や希望に合った湯の川のホテルを案内するコンシェルジュみたいな存在がいたらいいんじゃないかなと考えています。思っていたホテルと違うというミスマッチを防ぐことで、お客さまの満足感もアップするし、リピートにもつながる気がするんですよね」

また、函館で生まれ育った佐藤さんは、「なかなか注目されにくいのですが、函館は洋食の街でもあるんです。有名な洋食レストランはもちろん、洋食のおいしい昔ながらの喫茶店もたくさんあるんです。もっと函館の洋食文化を知ってもらいたい。本当にいいお店がいっぱいあるので、お客さまにおいしいところを尋ねられたときは、洋食のお店を勧めることが多いです」と笑います。

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最後に、これからのかもめ館について考えていることを尋ねると、「お金をかけずとも現状維持を続けたい」と話します。

「ビジネスホテルなので、そもそも特別なサービスはしていませんし、これからも基本的な考え方は変わりません。ただ、利用していただくお客さまに快適に過ごしていただけるよう、これまで通り清掃や食事などは手を抜かずに運営していきたいと考えています。また、地元の人たちにもっと気軽に温泉に浸かりに来ていただきたいし、岩盤浴も利用していただきたいので、敷居を高くするつもりもありません」

佐藤さんは、湯の川エリアのホテルの中ではほかとは毛色が違うと言い、「地元の人たちが気軽に体を休ませる場所があってもいいと思うんです。うちは、地元の人たちが毎日でも通えるような安心感のあるホテルでありたい」と話します。

そのためにも函館や道南の人たちに、もっとホテルの名前や存在を知ってもらいたいと考え、「ホテル単体はもちろん、できればグループ全体の地元での知名度を上げたい」と、PR動画を作ったりもしているそう。

「うちはスタッフも個性のある人がそろっていて、各自仕事に対して熱いものを持っています。それぞれのスタッフにファンが付いていたり、個性ある接客スタイルがお客さまにも喜ばれています。僕もスタッフには『自分らしい』接客をするようにと伝えています」

家庭的でお客さまとの距離の近さも魅力のかもめ館。岩盤浴人気がきっかけで、少しずつ地元客のリピーターも増えているそう。これからも地元の人たちをターゲットに湯の川エリアを盛り上げてくれそうです。

2602_kamomekann-43.jpgかもめ館は、地元函館の人々が働く場所としても大切な役割を担っています。スタッフが自分の仕事に喜びを感じ、心にゆとりを持って接客する。だからこそ、観光で訪れた方には「函館の人の温かさ」が伝わり、地元の方には「気兼ねなく立ち寄れる居場所」として愛され続けているのです。

湯の川温泉 源泉掛け流しの宿 ホテルかもめ館
湯の川温泉 源泉掛け流しの宿 ホテルかもめ館
住所

北海道函館市湯川町1丁目5-18

電話

0138-59-2020

URL

https://kamome-gp.com/index.php

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湯の川の「岩盤浴付きビジホ」が話題。市民も通う極上の癒やし処

この記事は2026年2月10日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。