私たちは、「森の魅力発信し隊」という若手林業・木材産業従事者を中心とした仲間を集い、日々情報交換をして盛り上がっています。そんな私たちの会話の一部をご紹介!
vol.5でお届けしたオンラインセミナーに続いて、オンラインで開催された「座談会」の様子をレポートいたします。セミナーとはまたひと味異なり、ゆる〜い雰囲気の中、林業で働く上で気になるあんなことやこんなことなど、ぶっちゃけトークが楽しく繰り広げられました!
当日は、林業従事者や北森カレッジ生など隊員9名と、くらしごと編集部から1名の計10名での開催となりました。 この日の座談会で、特に気になった話題をいくつかピックアップしてご紹介します!
林業という大きな括りの中で、さまざまな職種や就業形態がありますが、みなさん収入に関してはどのように感じているのでしょうか?
■前職と比較すると、半分くらいの収入になったが、地方での生活なので、そこまで生活費がかかる訳ではなく、困るという程ではなかった。
■前職と比較すると、給料の額面としてはダウンするので、入社前は不安だった。ただ、町営住宅に住むことで、月の家賃は7,500円、駐車場台無料(台数無限)、と以前よりも家賃、駐車場だけで比較しても10万円以上のプラスになった。住めば都!(笑)
転職した方は、前職と比較して給与面はダウンしたようですが、都市から地方で暮らすようになり、仕事以外の環境の変化により、生活費が抑えられているようですね。
一方で、こんな声もありました。
■最初は給料が高いわけじゃないので、自分の欲しいものが買えなかったりすることもあり、給料が上がるまでが大変。今でも大変ですが...(笑)
■収入は特に不満はない!従業員の皆も満足している。
やはり就職してすぐは、給与はあまり高くないようですが、技術手当など何種類かの手当てがあるため、技術の向上をモチベーションにされている方もいらっしゃいました。また、中には、給与に関して特に不満を持たない方がいるなど、事業体によって異なる場合もあるようです。
お話の中には、都市から地方で暮らすこと、仕事以外の環境の変化により、生活費が大きく下がったというお話があったのも興味深いところでした。
自然の中で働く林業。天候にとても左右される仕事でもあります。雨や雪が降ったので、今日は現場(山の中)には行けないので休みになる、なんてこともあるのが林業の世界。そんな休日に関しては、みなさんどのように感じているのでしょうか?
■休日は週1日が基本で、雨が降った時などは休みになる。お正月、GW、お盆は5日ほど連休がある。残業はほとんどないため、家族とゆっくり時間を過ごせている。
■有給休暇など、休みの希望は聞いてもらえるので助かっている。
■休日はもう少しあっても良いと思う。天気に左右されるので、仕方がないのだが・・・。
■仕事の効率化や機械の故障など会社の経営以外の課題を改善することで、少なくとも月に一回は連休を取れるようにできると思っている。
林業の休日は、雨が降った際には現場が休みになることが多いため、完全週休二日制の事業体は少ないようですが、残業はなく、有給休暇をとりやすい事業体があるようですね。
また、少しでも連休をとれるように仕事の効率化を図る事業体もありました。
北森カレッジの生徒にも、就職を考えるときの休日の重要性について聞いてみました!
□週休2日など、休みを重視している人は同級生の中でも、やはり多い。
□せめて隔週土曜日休みなど、休みがどれくらいあるのかは企業を選択する上でポイント。
というふうに、就職するには、休日がどれくらいあるかは、とても重要なポイントになっていることがわかりました。
■北森カレッジの生徒が言うように、今の若い人たちにとっては、働く上で休み・プライベートが重要になっているので、見直しも必要だと考えている。
■一方、日給月給の給与体系なので、休んでしまうとその分給与が減ってしまう。
北森カレッジの生徒の話を受けて、林業従事者からは若い世代を受け入れるうえで、休日の重要性を理解しているが、一方で、日給月給制の方は、休んだ分給与が減ってしまうというジレンマを抱えていることがわかりました。
その中で、今後、「安定した休みを取得できる月給制や、働きたいときに働ける日給制などを選べるようにするのはどうだろうか」という意見があり、一つの事業体の中でも、従業員がそれぞれのライフスタイルに合わせた多様な働き方を選択できるというのは、今の時代には合っているようにも感じました。
林業といえば、やはり自然の中で身体を動かして働くイメージが強く、全く経験したことがない人にとっては、体力面では不安に思うこともあるかと思います。では、実際に林業の世界で働く上での、やりがいや楽しさをズバリ聞いてみました。
■林業は奥が深く、まだまだ学んでいる身のため、一つひとつできることが増えていくことが嬉しい。
■一つの現場を終えた後の「終わったぞ!」という時。また、この現場は厳しそうだなと思ったことがうまくいった時。
■自分が手入れをした山が綺麗になっていくこと。
■山の中で見る素晴らしい景色はとても好き。
■一人で黙々と作業することも多い。その時、自然の中で頭を整理したり、色んなこと考えるのが、ある種、瞑想のようで気持ち良い。
■自分が作成した森林経営計画が達成できた時。
それぞれの林業従事者の異なる役割や、立場の中でのやりがいや楽しさがたくさんありました。頑張った分だけ、目に見える形で山の姿が変わるという点においては、やりがいを感じやすい仕事なのかもしれません。また、他の仕事でも同じかもしれませんが、大変だった分だけ、達成感も大きいようです。
■昔は、山の仕事をすると、自然破壊などのネガティブな社会的評価もあったと先人から聞いた事がある。実際に働いてみると、ネガティブなことは全くない仕事なので、個人一人では難しいが、さまざまな方の協力を得ながら、林業の魅力をもっと知り、その魅力を発信できるようになっていきたい。
□地元の友人と話した時に、林業の仕事を想像できる人はほとんどいなかった。その時、林業って自分が思っている以上にマイナーだと感じたので、方法は色々あると思うが、メジャーな職業にしていく必要がある。
□そもそも、若い人たちが林業に関しての知識や情報を仕入れる機会が少な過ぎると感じるので、もっと若い人たちが見る、WEBやSNSなどを活用した情報発信が必要かなと。いくら新聞で林業の話題などがあがっていたりしても、実際に新聞を見ている若い人は少ない。
□林業の仕事だけではなく、そのまちで暮らし、そのまちで働くということをセットで情報発信すると良いと思う。
これまでも行政と事業体が協力して行っている情報発信に関する取り組みはありますが、それでもまだまだ情報発信していく必要があります。 「森の魅力発信し隊」を活用して、もっと林業の魅力を発信していけるように、さらに連携していきたいところです。
また、情報発信以外には、職場環境の改善などについて話題が上がりました。
■担い手不足に対してだが、呼び込む前にもっとやらなきゃいけないことがたくさんあると最近感じる。危険が伴う仕事であり、自分たちが指導する立場なので、まず、教育体制をもっとしっかり整える必要がある。特に来年は、北森カレッジから初の卒業生たちが就業する年。そして、これからも続いていくことを考えると、もっと事業体としては受け入れる体制を考えていく必要があると感じる。
■担い手の観点で若い人向けで考えると、その人たちが重視する「給与」「休み」、この部分の改善が一番の近道であるとは思う。もちろん、社内の体制整備や環境整備も大事。
■やりがいだけで仕事をしていくには限界があるため、技術手当などの各種手当を充実させることや能力評価の導入などの工夫が必要ではないかと思う。
■安全な作業や効率の良い山づくりなどに関する教育が、林業に従事している人へ、もっと必要かなと思う。
担い手を確保・定着するためには、まずは、会社内の従業員に対する教育体制を充実させることや、「給与」「休日」「手当」などの職場環境を改善させることも必要であると、林業就業者の方々は考えていました。
北森カレッジの生徒の意見で印象的だったのは、情報の少なさ、発信の方法についてでした。学生ということもあり、今、林業を学び、ある意味、外と中の双方の目を持つみなさんの意見は、非常に説得力のあるものだと感じました。
また、事業体のみなさんは、課題に対して、やはり何か手を打つ必要性がある、これから変えていくことが必要ということを改めて感じているようでした。
こうして幕を閉じたオンライン座談会。なかなか事業体と学生が接する機会も少ないので、双方の色んなぶっちゃけトークが飛び交う、賑やかな会となりました。
さて、こちらのレポートをご覧いただきましたみなさん、どのような感想をお持ちになったでしょうか!?
ご意見がある方は下記連絡先まで!
vol.5でお届けしたオンラインセミナーに続いて、オンラインで開催された「座談会」の様子をレポートいたします。セミナーとはまたひと味異なり、ゆる〜い雰囲気の中、林業で働く上で気になるあんなことやこんなことなど、ぶっちゃけトークが楽しく繰り広げられました!
当日は、林業従事者や北森カレッジ生など隊員9名と、くらしごと編集部から1名の計10名での開催となりました。 この日の座談会で、特に気になった話題をいくつかピックアップしてご紹介します!
ぶっちゃけ林業は儲かるのか!?
林業という大きな括りの中で、さまざまな職種や就業形態がありますが、みなさん収入に関してはどのように感じているのでしょうか?
<林業従事者より>
■前職と比較すると、半分くらいの収入になったが、地方での生活なので、そこまで生活費がかかる訳ではなく、困るという程ではなかった。
■前職と比較すると、給料の額面としてはダウンするので、入社前は不安だった。ただ、町営住宅に住むことで、月の家賃は7,500円、駐車場台無料(台数無限)、と以前よりも家賃、駐車場だけで比較しても10万円以上のプラスになった。住めば都!(笑)
転職した方は、前職と比較して給与面はダウンしたようですが、都市から地方で暮らすようになり、仕事以外の環境の変化により、生活費が抑えられているようですね。
一方で、こんな声もありました。
■最初は給料が高いわけじゃないので、自分の欲しいものが買えなかったりすることもあり、給料が上がるまでが大変。今でも大変ですが...(笑)
■収入は特に不満はない!従業員の皆も満足している。
やはり就職してすぐは、給与はあまり高くないようですが、技術手当など何種類かの手当てがあるため、技術の向上をモチベーションにされている方もいらっしゃいました。また、中には、給与に関して特に不満を持たない方がいるなど、事業体によって異なる場合もあるようです。
お話の中には、都市から地方で暮らすこと、仕事以外の環境の変化により、生活費が大きく下がったというお話があったのも興味深いところでした。
林業の休日の実態とは!?
自然の中で働く林業。天候にとても左右される仕事でもあります。雨や雪が降ったので、今日は現場(山の中)には行けないので休みになる、なんてこともあるのが林業の世界。そんな休日に関しては、みなさんどのように感じているのでしょうか?
<林業従事者より>
■休日は週1日が基本で、雨が降った時などは休みになる。お正月、GW、お盆は5日ほど連休がある。残業はほとんどないため、家族とゆっくり時間を過ごせている。
■有給休暇など、休みの希望は聞いてもらえるので助かっている。
■休日はもう少しあっても良いと思う。天気に左右されるので、仕方がないのだが・・・。
■仕事の効率化や機械の故障など会社の経営以外の課題を改善することで、少なくとも月に一回は連休を取れるようにできると思っている。
林業の休日は、雨が降った際には現場が休みになることが多いため、完全週休二日制の事業体は少ないようですが、残業はなく、有給休暇をとりやすい事業体があるようですね。
また、少しでも連休をとれるように仕事の効率化を図る事業体もありました。
北森カレッジの生徒にも、就職を考えるときの休日の重要性について聞いてみました!
<北森カレッジ生より>
□週休2日など、休みを重視している人は同級生の中でも、やはり多い。
□せめて隔週土曜日休みなど、休みがどれくらいあるのかは企業を選択する上でポイント。
というふうに、就職するには、休日がどれくらいあるかは、とても重要なポイントになっていることがわかりました。
<林業従事者より>
■北森カレッジの生徒が言うように、今の若い人たちにとっては、働く上で休み・プライベートが重要になっているので、見直しも必要だと考えている。
■一方、日給月給の給与体系なので、休んでしまうとその分給与が減ってしまう。
北森カレッジの生徒の話を受けて、林業従事者からは若い世代を受け入れるうえで、休日の重要性を理解しているが、一方で、日給月給制の方は、休んだ分給与が減ってしまうというジレンマを抱えていることがわかりました。
その中で、今後、「安定した休みを取得できる月給制や、働きたいときに働ける日給制などを選べるようにするのはどうだろうか」という意見があり、一つの事業体の中でも、従業員がそれぞれのライフスタイルに合わせた多様な働き方を選択できるというのは、今の時代には合っているようにも感じました。
ズバリ!林業のやりがいや楽しさは!?
林業といえば、やはり自然の中で身体を動かして働くイメージが強く、全く経験したことがない人にとっては、体力面では不安に思うこともあるかと思います。では、実際に林業の世界で働く上での、やりがいや楽しさをズバリ聞いてみました。
<林業従事者より>
■林業は奥が深く、まだまだ学んでいる身のため、一つひとつできることが増えていくことが嬉しい。
■一つの現場を終えた後の「終わったぞ!」という時。また、この現場は厳しそうだなと思ったことがうまくいった時。
■自分が手入れをした山が綺麗になっていくこと。
■山の中で見る素晴らしい景色はとても好き。
■一人で黙々と作業することも多い。その時、自然の中で頭を整理したり、色んなこと考えるのが、ある種、瞑想のようで気持ち良い。
■自分が作成した森林経営計画が達成できた時。
それぞれの林業従事者の異なる役割や、立場の中でのやりがいや楽しさがたくさんありました。頑張った分だけ、目に見える形で山の姿が変わるという点においては、やりがいを感じやすい仕事なのかもしれません。また、他の仕事でも同じかもしれませんが、大変だった分だけ、達成感も大きいようです。
今後の林業業界について
最後のテーマは、今後の林業業界についてです。林業は、他産業と同様に高齢化が進んでおり、担い手不足という問題を抱えています。隊員それぞれが思うこれからの林業の担い手確保・定着に向けた考えや林業業界がどのように変わっていけばよいか?という壮大なテーマについて話し合いました。<林業従事者より>
■昔は、山の仕事をすると、自然破壊などのネガティブな社会的評価もあったと先人から聞いた事がある。実際に働いてみると、ネガティブなことは全くない仕事なので、個人一人では難しいが、さまざまな方の協力を得ながら、林業の魅力をもっと知り、その魅力を発信できるようになっていきたい。
<北森カレッジ生より>
□地元の友人と話した時に、林業の仕事を想像できる人はほとんどいなかった。その時、林業って自分が思っている以上にマイナーだと感じたので、方法は色々あると思うが、メジャーな職業にしていく必要がある。
□そもそも、若い人たちが林業に関しての知識や情報を仕入れる機会が少な過ぎると感じるので、もっと若い人たちが見る、WEBやSNSなどを活用した情報発信が必要かなと。いくら新聞で林業の話題などがあがっていたりしても、実際に新聞を見ている若い人は少ない。
□林業の仕事だけではなく、そのまちで暮らし、そのまちで働くということをセットで情報発信すると良いと思う。
これまでも行政と事業体が協力して行っている情報発信に関する取り組みはありますが、それでもまだまだ情報発信していく必要があります。 「森の魅力発信し隊」を活用して、もっと林業の魅力を発信していけるように、さらに連携していきたいところです。
また、情報発信以外には、職場環境の改善などについて話題が上がりました。
■担い手不足に対してだが、呼び込む前にもっとやらなきゃいけないことがたくさんあると最近感じる。危険が伴う仕事であり、自分たちが指導する立場なので、まず、教育体制をもっとしっかり整える必要がある。特に来年は、北森カレッジから初の卒業生たちが就業する年。そして、これからも続いていくことを考えると、もっと事業体としては受け入れる体制を考えていく必要があると感じる。
■担い手の観点で若い人向けで考えると、その人たちが重視する「給与」「休み」、この部分の改善が一番の近道であるとは思う。もちろん、社内の体制整備や環境整備も大事。
■やりがいだけで仕事をしていくには限界があるため、技術手当などの各種手当を充実させることや能力評価の導入などの工夫が必要ではないかと思う。
■安全な作業や効率の良い山づくりなどに関する教育が、林業に従事している人へ、もっと必要かなと思う。
担い手を確保・定着するためには、まずは、会社内の従業員に対する教育体制を充実させることや、「給与」「休日」「手当」などの職場環境を改善させることも必要であると、林業就業者の方々は考えていました。
北森カレッジの生徒の意見で印象的だったのは、情報の少なさ、発信の方法についてでした。学生ということもあり、今、林業を学び、ある意味、外と中の双方の目を持つみなさんの意見は、非常に説得力のあるものだと感じました。
また、事業体のみなさんは、課題に対して、やはり何か手を打つ必要性がある、これから変えていくことが必要ということを改めて感じているようでした。
こうして幕を閉じたオンライン座談会。なかなか事業体と学生が接する機会も少ないので、双方の色んなぶっちゃけトークが飛び交う、賑やかな会となりました。
さて、こちらのレポートをご覧いただきましたみなさん、どのような感想をお持ちになったでしょうか!?
ご意見がある方は下記連絡先まで!
- 森の魅力発信し隊
森の魅力発信し隊事務局メールアドレス
suirin.rinmoku11f@pref.hokkaido.lg.jp
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