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「森の魅力発信し隊」便り
北海道

vol.3「現場ではたらく林業機械たち Part1」20210831

この記事は2021年8月31日に公開した情報です。

vol.3「現場ではたらく林業機械たち Part1」

私たちは、「森の魅力発信し隊」という若手林業・木材産業従事者を中心とした仲間を集い、日々情報交換をして盛り上がっています。そんな私たちの会話の一部をご紹介!

今回のテーマは「現場ではたらく林業機械たち Part1」です。

林業の現場にはさまざまな機械があるのですが、中でも1つの機械で2つ以上の作業を行える機械のことを「高性能林業機械」といいます。この機械を導入したことによって、女性でも働きやすい環境になったと言われています!

【ハーベスタ】運転席からの写真も必見!

まずご紹介していただいたのは胆振林業青年部で長尾工業株式会社に勤める平川晃教さんより届きました「ハーベスタ」!迫力あるお写真です...!

※ハーベスタとは、立木の伐倒、枝払い(枝を落とす作業)、玉切り(丸太にする作業)の各作業と玉切りした木材の集積作業を一貫して行う自走式機械。 vol3_02.jpg

  • 平川晃教さん

    自分は日本キャタピラー(以下、CAT)の316Fに、KETO社製のケトー500をつけたハーベスタに乗っています。

  • くらしごと編集部

    な、名前が難しい...!(汗

  • 
平川晃教さん

    316の3はCATの油圧ショベルに付く数字で、16は約16tという意味です。「F」はシリーズの事でC→D→E→Fと新しくなっています。

    ケトー500の500は分かりませんが、100や150もあり、それより大きいです。(※写真アームの先端青の部分です)

    今までイワフジ、ケスラー、ワラタといった会社から出ているハーベスタに乗ってきましたが、操作・性能など、ケトーが1番乗りやすいと感じています。

  •  
  • 
くらしごと編集部

    具体的にどういうところで操作、性能の良さを感じるのですか?

  •  
  • 
平川晃教さん

    実測値の誤差が少ないので、測尺精度は良いと思います。あとは...重機本体のパワーとか使い方にもよるのですが、力も強くて、故障も少なく、丈夫だなと個人的に思います。それぞれスペックが違うので比べるのも変な話なんですけど、1番長く乗り慣れているのでしっくりきてるんだと思います(笑)

平川さんはさらにこちらの重機の運転席からの目線写真も届けてくださいました! vol3_03.jpg

  • 
平川晃教さん

    パノラマで撮影したので角度が変ですが、だいたいこんな感じです!

  • くらしごと編集部

    このモニターみたいなのは何を示しているんですか?ちなみにこれを操縦できるようになるのは、どれくらい時間がかかるものなのでしょうか...?

  • 

平川晃教さん

    右のモニターが燃料や水温、油温などの情報と、バックカメラの映像で、左のモニターが材径、材長や切った本数などが表示されます。

    重機の基本的な操縦ができれば1週間も乗っていればある程度できるようになると思います!重機自体に乗ったことない人だと結構難しいと思いますが...(^_^;

全くの未経験者はまだまだ重機を操縦するのは難しそうですね...!
でも、こんな大きな機械を自分で操縦できるっていうのはとても気持ちが良さそうです!

【プロセッサ】木屑が激しく宙を舞う!

続いては、和寒町森林組合の佐藤大樹さんの現場写真のご紹介です!
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  • 佐藤大樹さん

    これはプロセッサで白樺を玉切りしているところです。
    ※プロセッサとは、運ばれてきた木材の枝払いや玉切りを連続して行う自走式機械。

  • くらしごと編集部

    迫力が写真から伝わってきます!これを使って1日どれくらい玉切りするんですか?

  • 
佐藤大樹さん

    もっと太い木を切れば木屑もバーって飛んで映えるんですけどね(笑)。 どんな形状の何の樹種を捌いているかによって変わるんですけど、ここの現場だと35㎥/日ってところですかね... ちなみに、1㎥=牛乳パック1,000本分の体積だそうです。

【フェラーバンチャザウルス】まるで恐竜のような名前!

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  • 
平川晃教さん

    自分の現場では他にもこんな機械を使っていますよ〜!アームの先にあるのがフェラーバンチャザウルスです。格納式の刃物を装備することで、伐倒作業と同時に路網作設及びグラップルの作業を1台で行うことができるハイブリッドマシンです。

    ※路網作設...「路網」は森林内にある道路の総称で、森林整備を行うためにそ不可欠なものです。
    ※グラップル...木材を掴む作業を行う機械。
    ※フェラーバンチャ...立木を伐採し、切った木をそのまま掴んで集材に便利な場所へ集積する自走式機械(これに地面を掘削する機能を追加したのがフェラーバンチャザウルスです)

  • くらしごと編集部

    もはや恐竜のような名前ですね...。このアームの先にあるピンク色の部分から下ですね!1台で色んなことが出来ちゃう機械があると、仕事の効率もぐーんとアップしそうですね...!

【グラップル】集材の様子も併せてどうぞ!

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  • 
丹羽智大さん

    アームの先にあるグラップルを使い、それを伸ばし、木材を取りに行きます。ちなみに運転席からの景色はこんな感じです↓

vol3_09.jpg

  • 
くらしごと編集部

    うおおお〜!ガシガシいってますね〜!ちゃんと木が飛んできても安全なように、こうして柵があるんですよね。それにしてもこの距離から操縦して木を取りに行くの...む、難しそう〜!

こうした高性能な林業機械のおかげで現場の作業効率だけでなく、安全面も良くなってきているのではないでしょうか!林業機械の外側だけでなく、貴重な運転席も見ることができて、くらしごと編集部も勉強になりました。

ちなみに、全国的にこうした高性能林業機械を持っているのは47都道府県の内北海道がぶっちぎりの1位なんです。(令和元年度調査によると)こうした機械を積極的に取り入れることによって、ある種の『働き方改革』にもなり、林業の働き手が増えていくきっかけのひとつになっているのかもしれませんね。

森の魅力発信し隊

なお、林業機械などに関する情報は林野庁のHPからも閲覧できるので気になる方要チェック!!↓
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/kikai/kikai.html
※過去の森の魅力発信し隊便りはこちら


vol.3「現場ではたらく林業機械たち Part1」

この記事は2021年8月19日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。