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美幌町

安心の子育てライフと、いい職場に出会えた美幌という選択。20221219

安心の子育てライフと、いい職場に出会えた美幌という選択。

美幌町は、北海道オホーツクエリアに位置する人口1万9,000人弱のまち。中心市街地にはスーパーやドラッグストア、飲食店、金融機関、病院といった暮らしに必要な機能がまとまり、人口の約8割がその半径2km以内に住んでいるというコンパクトシティのスタイルが特徴です。一方、クルマを20分も走らせると、日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖を眼下に望む景勝地「美幌峠」があるなど、雄大な自然の息吹をすぐそばに感じられます。
このまちに30年ほど前に移住してきたのが村上聖志さん、宮子さんご夫婦。聖志さんは町内の建設会社「芙蓉建設株式会社」、宮子さんは「美幌町立国民健康保険病院」で働いています。美幌町の子育て支援や暮らし方に加え、聖志さんからは職場の魅力もインタビューしました。

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田舎でも都会でもない「ちょうどいい」塩梅に心惹かれて。

聖志さんのご出身は北海道オホーツクエリアの清里町、宮子さんの生まれは斜里町。別々のまちで育ったお二人は、斜里高校で出会ったと振り返ります。
「妻とは高校の同級生なんです。僕らは進学に伴って一度は札幌に出ましたが、卒業後は結婚を視野に入れた上で、どこで就職するのが良いのか話し合うようになりました」
聖志さんのお話に宮子さんがこう言葉を継ぎます。
「私の地元は商業施設もあまりないので、将来的に家族とともに暮らすには不便すぎるように感じました。かといって二人とも都会に住みたいタイプではないんですよね。美幌には縁もゆかりもなかったのですが、何となくまちの規模や利便性が『ちょうどいい』気がして、このまちで就職しようと決めました」

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当初、ご夫婦に職場の同僚以外の知り合いはいませんでしたが、お子さんが生まれたことをきっかけに宮子さんのママ友が増えていったとか。美幌町には大企業の工場や自衛隊の駐屯地があり、女満別空港もクルマで約15分と驚くほど近いため、仕事でまちに出入りする人も多く、外から来る人にやさしい町民性だと宮子さんは笑います。
「大阪から移住してきた私の友人も、町民のウェルカムな姿勢を感じてすぐに溶け込んでいましたね。やっぱり女満別空港が近いのもメリットのようで、『帰省がラクだし、札幌に住んでいるおばあちゃんにもすぐに会いに行ける』と聞き、なるほどな...と(笑)。確かに職場の後輩もコロナ禍の前は東京で好きなアーティストのコンサートがあると迷わず飛んでいましたね」

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イマドキの子育て世代が安心して暮らせる支援と環境。

村上さんご夫婦の間には4人のお子さんがいて、3人はすでに独立しています。末のお子さんはまだ小学4年生ということで、宮子さんに子育て環境について聞いてみました。
「上の3人のころは、まだまだ子育て支援が整っていませんでしたが、今はかなり手厚い優遇制度が用意されています。例えば、交通費も含めた妊婦健診の助成だったり、0歳から中学校3年生までの医療費助成だったり、それから第三子以降の給食費無償化もあるんですよ」
他にも妊娠や出産、子育てに関する悩みに対応する総合窓口「美幌町子育て世代包括支援センターはぐのんの」や「子育て支援センターぽかぽか」など、行政側でママやパパを支援する体制を整備。絵本のプレゼントや木育への取り組みといった教育環境も進んでいます。

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「美幌には認定こども園が2カ所、保育園が4カ所あり、もちろん待機児童もゼロです。私自身が働く総合病院にも小児科がありますから、共働きが多いイマドキの子育て世代には安心して暮らせる環境がバッチリ整っていると思います」
町内に小中高校がそろっていることから、認定こども園や保育園の卒園後の教育面でも不安はありません。美幌博物館を活用した年間プログラムや田植え体験などの美幌町ならではのカリキュラムも少なくないそうです。
「美幌は小さなまちですが、『全員が顔見知り』というほどの田舎ではありません(笑)。ただ、妊婦健診は一カ所に集中しますから同級生の親御さんはお互いに知っていることが多いですし、コンパクトなまちなのでどのエリアに住んでも学校が近いのも安心できます」

bihoro_fuyokensetsu_5.jpg小児科も配置している総合病院「美幌町立国民健康保険病院」。

美幌は各地へつながる起点。自然を楽しむ拠点にもピッタリ。

今度は美幌町の暮らし方についてインタビュー。宮子さんはコンパクトシティのスタイルが本当にお気に入りだと切り出します。
「例えば、他の過疎地域では買い物に行くにも都会に出ると聞きますが、美幌に関しては『ちょっと買い物に行く』の『ちょっと』が本当にちょっとなんですよね(笑)。メインストリートには金融機関や専門店があり、郊外...といってもクルマで10分の場所にスーパーやドラッグストア、ホームセンターがあるので普段のショッピングには困ったことがありません。都会より便利といっても過言じゃないと思います」

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村上さんご夫婦は自然豊かな土地を満喫しようと、3年ほど前から趣味として山登りを楽しむようになりました。実はアウトドア派には美幌の立地がプラスに働くそうです。
「美幌って各地にアクセスするための中間地点に位置しているんです。このまちを起点に北見方面、網走方面、弟子屈方面、阿寒方面へと道が枝分かれしています。海、山、湖、川...こうした自然のアクティビティを楽しみたい人にとっては良い立地です」とは聖志さん。
コロナ禍で町内の大きなイベントは激減したものの、ストリートピアノを子どもたちに開放したり、商店街独自の小さなお祭りを開いたり、まちの中で楽しめる取り組みも少しずつ増えていると教えてくれました。

bihoro_fuyokensetsu_7.jpg美幌町はスポーツにも力を入れ、少年団も数多くあるとか。ここは、野球場・少年球場と4種公認の陸上競技場がある「柏ヶ丘公園」。

「住む場所に関しては公営住宅もありますが、20〜30代の子育て世代は家を建てたり、買ったりするケースが大半。町内には空き家も多いので、安く住宅を手に入れて自分たちの好きなようにリフォーム・リノベーションする人もかなり見かけます。ちなみに、我が家は16年ほど前に建て、家庭菜園やガーデニングを楽しんでいますよ」
美幌町では新築住宅やリフォームの費用にまつわる支援もあるのだとか。こうした制度を活用し、移住先となるこのまちで理想の住まいを作るのも魅力的です。

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U・I・Jターンの未経験者に最適な聖志さんの会社。

美幌町の子育てや暮らし、住まいの環境が分かったところで、気になるのは仕事の面。聖志さんは芙蓉建設株式会社の常務取締役で、採用担当も兼ねています。聞けば、同社では未経験スタートの希望者には、会社の費用負担で1年間札幌工科専門学校に通ってもらい、知識を身に付けながら給与も受け取れる破格の研修を用意しているそうです。
「かつて入社から数年が経っても周りの先輩がやっていることを理解できず、苦労している社員がいました。学業と現場の仕事は必ずしも一致することばかりではありませんが、教える専門家に知識のベースを築いてもらうのは後々に役立ちます。分からないことが一番の不安であるなら、それを取り除くのも会社の役割。専門学校に通うコストを払う度量もなければ、ご家族にも安心してもらえないですしね」

bihoro_fuyokensetsu_9.jpg聖志さんの職場「芙蓉建設」でもインタビューをさせてもらいました。

さらに、同社では最新の測量機器やタブレット、施工管理に最適化されたソフトウェアなどのICT化を急ピッチで促進。社員が村上さんをはじめとする上司に設備投資を持ちかけ、導入をチャレンジさせたといいます。
「ざっくばらんに相談できる風通しの良さが自慢です。それに、最新技術で一人ひとりの労働時間を短縮できるなら、コストに替えられないほどのメリットがありますからね。おかげで土木業界でも年間休日は120日を超えていますし、有給消化率も高いほうです...僕が社員に休め休めと口を酸っぱくしていっているからかもしれませんが(笑)」

bihoro_fuyokensetsu_10.jpg施工管理技術者はPCやスマホを駆使し、3Dデータを扱うなどITエンジニアさながら。

奥様も「主人の会社はいい会社」と太鼓判!?

村上さんは若い人材を積極的に役職者に登用しているとか。ずっと部下として働いていると自主性が育たないため、将来を考えてマネジメント能力を伸ばしたいという親心にも似た感覚が働いています。ところで、どうしてそこまで社員さんを大切にしているのでしょう。

「10数年前のこと、公共工事が激減した時代に人を採用することができず、苦難を乗り切った先には人手不足に悩まされました。安定経営には人材が重要だと痛感した出来事です。働き方改革によって休みが増えても収益性を維持する仕組みは経営層が考えます。社員の暮らしをバックアップし、充実した日々を過ごしてもらうことが僕の使命です。ウチの会社はU・I・Jターンを考える人の引っ越しサポートなども用意しています。美幌町への移住を検討中で仕事について悩んでいるなら相談してほしいですね。道路や橋を作って将来お子さんに『ココ、俺が作ったんだ』って胸を張って誇れる仕事でもありますよ」

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そういって笑う聖志さんの横で最後に宮子さんが一言。
「主人の職場は本当に良い会社。だって、同僚の奥さんも専業主婦が大半なくらい給与も良いんですから(笑)。私は60歳で病院を定年退職後、この家を拠点にあのまち、このまちで短期間だけ暮らし、医療従事者の経験を役立てるために働くという夢のためにも仕事を頑張っているんですが...。あ、主人の定年退職は65歳なので、タイムラグがある間は一人であちこちに行っちゃおうかな(笑)」

そういたずらっぽく笑う宮子さんに、「え?一人で行くの?」と聖志さん。美幌町の暮らしと仕事に心から満足する仲睦まじいご夫婦のやり取りに、胸の内側からじんわりとあたためてもらった気がしました。

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芙蓉建設株式会社
芙蓉建設株式会社
住所

北海道網走郡美幌町字東2条北1丁目12番地

電話

0152-73-4314


安心の子育てライフと、いい職場に出会えた美幌という選択。

この記事は2022年11月10日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。