HOME>北海道で暮らす人・暮らし方>DJにサーフィン!?ニセコで「自分らしく生きる」働き方

北海道で暮らす人・暮らし方
ニセコ町

DJにサーフィン!?ニセコで「自分らしく生きる」働き方20220705

DJにサーフィン!?ニセコで「自分らしく生きる」働き方

日本屈指の高級ウインターリゾート地となったニセコエリア。コロナの影響で海外からのゲストは一時減ったものの、全国各地からパウダースノーを求めて多くの人が訪れています。また緑豊かな夏も、避暑で長期滞在する人やワーケーションで利用する人が増えているそう。

世界中からゲストが訪れるため、外国人スタッフのいる外資系ホテルや施設も増えました。そのため、海外留学せずともニセコにいれば働きながら使える英語が身につくとも言われています。日本の中でもこのような場所は珍しく、英語を使いたい・学びたい、世界レベルのホスピタリティーに触れたいという理由でニセコエリアでの就職を考える人も。また、豊かな自然に恵まれているので、アウトドアスポーツが好きな人、自然が好きな人も集まっており、それぞれが自分たちのスタイルで快適に暮らしながら働いています。

ニセコエリアを中心に道内各地でリゾート開発を行っている株式会社 NISEKO ALPINE DEVELOPMENTS(略称 NISADE)にも、仕事・プライベートを充実させながら働くスタッフが数多く在籍。今回は、NISADEで働いている3人にそれぞれの暮らし方・働き方、そしてニセコの魅力を語ってもらいました。

NISADE_22.jpg今年のウインターシーズンにオープン予定のintuition Niseko

価値観が大きく変わったニセコ

世界でも権威のあるトラベルアワードのひとつ「ワールド・ベスト・ニュー・スキーホテル2021」に選ばれた「The Vale Rusutsu」。吉丸義将さんは現在ここのフロントデスクの仕事を担当しています。23歳の吉丸さんは静岡県出身。高校を卒業後、地元の熱海にある宿泊施設に勤務していましたが、「たまたまニセコで働いている知人から声がかかって、違う場所で働いてみるのもいいかなと思ってニセコに来ました」と話します。北海道に憧れがあったわけでもなく、むしろ少し不安だったという吉丸さん。

「極寒の地というイメージがあって(笑)。あと、ニセコは外国人の方が多いと聞いていたので、英語ができるか心配でした」

それでも、それ以上に何か楽しいことが待っている気がしたという吉丸さんはニセコで働く決心をします。

NISADE_9.jpgこちらが吉丸義将さん

最初の配属先は、ニセコのひらふ地区にある「The Vale Niseko」のフロント。懸念の英語は、「最初は話せないので恐怖感がありましたが、実際働きはじめると意外とイケるなと思いました」と笑います。仕事で使う英語が必要最低限身につけば、あとはなんとかなると自信が持てたそう。

「お客さまはもちろん、外国人スタッフともコミュニケーションを取らなければならないので、必死だったのもあったと思いますが、ひと冬の間に英語力がアップしていました」

社員寮には外国人スタッフが多く、「最初のころは、携帯の翻訳機能をフルに使っていました」と振り返ります。

「外国人のスタッフは優しい人が多く、寮はアットホームでした。一緒に遊びに行ったり、アウトドアのことをいろいろ教えてくれたり。彼らの遊び方はスケールが大きくて、共に過ごすことで僕の価値観は変わりましたね」

以前は地元を出ることを考えたこともなかったそうですが、「思い切ってニセコに来てよかったです。地元から離れて違う世界を見るっていいなと思ったし、人生にはこんなに面白い選択肢があるのだと知りました」と吉丸さん。さらに、「日本にいながら、これだけ外国の人たちと関われる場所はほかにはないと思います。しかも給料をもらいながら、英語がマスターできる環境ってスゴイですよね。英語を話したいけれど、いきなり海外へ行くのはハードルが高い人って結構いると思うのですが、そういう人にニセコはぴったりな場所だと思います」と、ニセコで働くことの魅力についても教えてくれました。

NISADE_11.jpg明るく笑顔の吉丸さん。ニセコを、北海道を楽しんでいるのがわかりました

やったことをきちんと評価してもらえる環境

また、ウインタースポーツの経験はまったくなかった吉丸さん。ニセコにいるのに滑らないのはもったいないと、同僚たちに教えてもらってスキーを始めました。

「会社がギアの貸し出しをしてくれたり、リフトのパスを出してくれたりしたので、最初からお金をかけずとも始められたのでよかったです」

すっかりウインタースポーツにハマってしまい、今は冬の生活も楽しんでいるそう。「ナイトシフトの場合、仕事終わりに日中滑れるのが最高ですね」と話します。

会社が提供してくれるリフトパスなどの話が出たので、NISADEで働く魅力について尋ねると、「給与面も静岡時代よりいいですし、基本残業がないのも大きいですね。有休も取りやすいですし、とにかく働きやすいです!」という回答。ホテル業界の勤務経験があるからこそ、今の職場環境や待遇の良さを強く実感します。古い体質が残っているところだと、残業は当たり前で、休みも取りにくい雰囲気が漂っているそうですが、「ここは外国人スタッフが多いからか、みんな長い休みを取るのが当たり前。リフレッシュするのは当然という感じで、休みを取って旅行へ出かけることに対して『いいね、いいね』と言ってくれます。僕も3週間休んで地元へ帰り、最後の1週間は各地の温泉巡りをしながらニセコに戻ってきました」とニッコリ。

NISADE_12.jpg

「休みの取り方にしても、普段の仕事の仕方にしても、会社が縛り付けることなくのびのびさせてくれるので、お客さまにも余裕を持ってより良いサービスが提供できると思います」

NISADEの人事担当を務める森本奈央子さんは、吉丸さんのことを肯定的な意味で「成り上がりボーイ」と呼び、「英語もできないところからのスタートだったのが、あっという間にここまで成長。会社からの評価も高い人材です」と話します。森本さんの話を聞きながら笑っていた吉丸さん、「しっかり仕事をすればそれを評価してくれる職場なので、上昇志向がある人は頑張りがすぐに結果に繋がります。また、仕事はしっかりやるけどオフに力を入れたいという人も受け入れてくれる器の大きさがあります。いろいろな人がいて当たり前という多様性を認めてくれるのが会社の大きな魅力かもしれませんね」と最後に話してくれました。

NISADE_19.jpgこちらが人事担当の森本奈央子さん。ニセコ歴は10年以上といいます

1にサーフィン、2に仕事

次に登場するメンテナンス担当の高木誠さんの経歴はなかなか面白く、生活の中心は「サーフィンです!」とズバリ。石川県出身の高木さんは20代前半に東京を経て渡米し、ロスで暮らしながら東京でアパレルの店を経営していました。28歳のときにサーフィンに出合い、すっかり虜に。週5仕事、週2海という生活がいつの間にか逆転してしまい、33歳のときに店を畳みます。1年間サーフィン漬けの暮らしをしたあと、帰国。鎌倉、千葉で会社勤めをしながら毎日海にも行く生活を送っていました。ある時、「北海道の海でサーフィンがしたい」という動機で仕事探しを始め、NISADEの求人に出合います。

「僕は北海道の波が日本で一番いいと思っています。だから、日本海側にも太平洋側にも行きやすいニセコはベストな場所だったのです」

さらに、スノーボードも好きな高木さんにとって雪質が良いニセコは最高のフィールドでした。

NISADE_14.jpgこちらが高木誠さん

「面接のときはびっくりしましたけどね」と人事の森本さんはオンライン面接をしたときのことを思い出しながら笑います。面接直前までサーフィンをしていた高木さんは、ウェットスーツを着たまま画面に登場したそう。「普通ならあり得ないですよね(笑)」と森本さん。

それでも、高木さんと話をしながら、「とても正直な人で、仕事はきちんとやってくれるなと感じました」と振り返ります。「与えられた仕事、やるべき仕事はやります。ただ、僕はとにかくサーフィンとスノーボードがやりたくて北海道へ行くのでということは伝えさせてもらいました」と高木さん。実際、高木さんの言葉に嘘はなく、十分仕事をこなしてくれていると森本さんは話します。

現在の高木さんの生活スタイルは、夜に海へ行って車中泊をし、朝にたっぷりサーフィンを楽しんでから職場へ。なかなかハードな印象ですが、「自分としてはまったく苦にならないし、とにかくサーフィンができることが幸せなので」と話します。高木さんの仕事内容は、NISADEのホテルやコンドミニアムのボイラーなどの点検や修理、客室の壁や床のメンテナンスなど。冬場は温泉の浴槽掃除やポンプなど機械のメンテナンスも行います。「未経験でも真面目にやっていればすぐに覚えられる仕事ですし、残業もほとんどない。働きやすいので仕事に対してまったくストレスがないです」と話します。

NISADE_17.jpg「車にサーフボードは常備してるよ」とのことで見せていただきました!

趣味を大切に暮らしたい人にはベストな環境

とにかく毎日サーフィンを楽しんでいる高木さん。「温泉がたくさんあるのもこのエリアの魅力ですね。海のあとの温泉は最高です」と話し、「最近はパンを焼くことにもハマっています。定時で上がれるので、そういうことをしてみようという余裕があります。ニセコに来て、大好きなサーフィンができることはもちろんですが、生活リズムも整えることができ、暮らしが豊かになった気がしますね」と教えてくれました。山菜採りや畑での野菜作りなど、食に繋がる遊びや楽しみにも関心を持っているそう。

趣味や暮らしを充実させることができるのも、会社がスタッフのやりたいことや生活スタイルを認めて理解してくれているのが大きいと話します。

NISADE_15.jpg

「きちんと仕事をこなしていれば何も言われませんし、好きなことを存分に楽しんで!という雰囲気があります。僕のように趣味が大好きすぎる人にとって、うちの会社はとても働きやすい会社だと思います。都会で仕事と時間に追われながら、趣味も楽しめずにストレスを抱えるくらいなら、豊かな自然の中で存分に趣味を楽しみながら働くほうが僕には合っています」

スポーツやアウトドアが趣味という人だけでなく、植物やガーデニングが好き、音楽が好きな人なども含め、趣味を大切にした暮らしをしたい人にとっては最高の環境かもしれません。

NISADE_16.jpg趣味も仕事も全力な高木さんです

子育て、家族との時間も充実

最後は、ニセコのひらふエリアにあるレストラン「エレメンツ」で調理をはじめ店の運営を任されている開發正樹さんです。開發さんは札幌で飲食店に勤務していましたが、30歳のときにスケートボードで遊んでいた際に足を複雑骨折してしまいます。「飲食の仕事は立ち仕事なので、ある程度足の状態が良くなっても、以前のようにフルで仕事ができるか不安に思っていました」と、当時の気持ちを振り返る開發さん。そんなとき、ニセコのスキー場で1日5時間ほどの調理のアルバイトがあると声をかけてもらいます。

「札幌の店にいたときは15時間とか当たり前に仕事をしていたので、5時間ならリハビリを兼ねて自分でもできるかなと思い、ニセコへ来ました」

ニセコの環境や雰囲気が気に入り、夏も仕事がないか探していると、料理人の伝手でホテルの朝食の仕事を紹介されます。その後ダイニングバーを経て、NISADEに入社し、今年で6シーズン目を迎えます。ニセコが気に入った理由の一つに、クラブイベントが盛んだったことがあります。

NISADE_2.jpgこちらが開發正樹さん

「札幌にいるときからDJをやっていたのですが、札幌だと箱代(場所代)がかかるなどいろいろ面倒なことが多くて...。でもニセコは外国人が多いこともあって、あちこちでいつもクラブイベントをやっていて楽しそうだなと(笑)。みんなフランクな感じで仲も良いですし」

前に登場した高木さんのように趣味を楽しみたい人にとってNISADEは働きやすい会社。もちろん開發さんにとってもそうでした。さらに、NISADEに入社してすぐに子どもが生まれ、「家族との時間が取れるか心配でしたが、うちの会社はほぼ定時で上がれるので心配は無用でした」と開發さん。また、知り合いが多く、住んでいる人と人の距離が近いニセコという環境は、子育てをするのにいいと話します。

「札幌だとご近所付き合いもほとんどないですし、どこかドライな感じがしますが、ニセコはその逆でどこに行っても知っている人がいて、アットホームな感じです」

NISADE_4.jpgDJシェフ開發さんをスピーカー前でパシャリ!

料理人にとってチャレンジができる場所

プライベートな時間が確保されていることだけにとどまらず、開發さんにとってNISADEに入って「エレメンツ」を任されたことは飲食業に携わる人間として、大きなステップアップに繋がっています。

「メニューを考え、仕入れの手配をすることはもちろん、マーケティングのことも考え、チラシを用意するなど、店の運営に関わるあらゆることを経験させてもらえるのはすごく楽しいです」

NISADE_1.jpg

自分で考え、行動し、店を作り上げていく面白さを感じていると話します。人事の森本さんは、「外国人スタッフとのやり取りに最初は苦戦したこともあったようですが、うまくコミュニケーションを取りつつ、それぞれのいいところを引き出してくれています。いろいろ新しいアイデアを出し、店を盛り上げてくれています」と開發さんの頑張りを評価。開發さんも「会社がいろいろ挑戦させてくれるのはありがたいです」と話します。

さらに、「ニセコというエリアは自分の腕を試したい料理人にとってチャンスの場だと思います」と開發さん。高級リゾート地としてブランドが確立しているニセコには世界中の美味を味わい尽くしている舌の肥えたゲストが多く訪れます。ここで認められることで、次のステップへ羽ばたくことも可能に。「また、料理だけでなく、札幌にいたら出会えないような音楽業界のすごい人たちと知り合えたり、人脈ができたりするのもニセコの魅力のひとつかもしれませんね」と最後に教えてくれました。

NISADE_3.jpg

今回は、出身、経験、世代、職種も異なる3人にニセコでの暮らしと働き方について伺いましたが、それぞれのスタイルを確立し、充実した毎日を送っている3人の話はとても興味深かったです。
ニセコという唯一無二のエリアには、「自分らしく生きる」という働き方がありました。

NISADE_6.jpg

株式会社 NISEKO ALPINE DEVELOPMENTS(略称 NISADE)
株式会社 NISEKO ALPINE DEVELOPMENTS(略称 NISADE)
住所

北海道虻田郡倶知安町字山田191番地54

電話

0136-22-0038

URL

https://nisade.com/ja


DJにサーフィン!?ニセコで「自分らしく生きる」働き方

この記事は2022年6月17日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。