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【北海道へ移住 生活費のお話】vol.07下川町20211222

【北海道へ移住 生活費のお話】vol.07下川町

豊かな森林の恵みを生かしたさまざまな産業がある下川町。最終的に利用できない木材まで公共施設の暖房・給湯用の熱源としてエネルギー利用しながら、公共施設の燃料コスト削減分を子育て支援にあてるなど、持続可能な取り組みを実践しています。

半径約1キロメートルに主要な施設やスーパー、飲食店、金融機関がそろい、町民の8割ほどが市街地に住むコンパクトな設計も好評。

地元の人々に個性豊かな移住者が溶け込むまちに、小嶋恵実(こじま めぐみ)さんは2020年に下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部の広報・移住コーディネーターとして仲間入りしました。彼女が移住したきっかけやまちの魅力を、「生活費」のお話を交えてご紹介します。

移住をお考えの方へ

移住 生活費シミュレーション 北海道上下川町

北海道下川町に移住したら今の生活費はどうかわるの?
どのくらいの生活費がかかるのか、シミュレーターをつかって計算してみよう!

小嶋恵実さんのプロフィール

小嶋恵実さん 三重県出身(単身)
  • <移住時の年齢>
    2020年10月に移住 当時25歳
  • <移住時の不安要素>
    ・北海道の冬の寒さ
    ・前職から年収が大幅にダウンして生活が成り立つのか
    ・下川町で働くことがキャリアアップにつながるのか
  • <現在のお仕事>
    下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部の広報・移住コーディネーターとして、移住相談やイベント、各種情報発信などを担当。

移住してみての感想

  • 芯が強い素敵な人、面白い人と出会える
  • コンパクトなまちだからこそ、アイデアが実現しやすい
  • 外から入ってきた人の受け入れ体制ができている
  • 良い意味で消費行動が抑えられる
  • 収入がダウンしても全然生きていける
  • 田舎だからこそのキャリアが形成できる見込みもある

移住前と移住後の実際の生活費(月額)

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※家計調査の数字も含め、実態よりやや高めに見えますが、1年間を平均的なところでならしています。
※交際費・嗜好品等の出費は含まれていません。 移住前は横浜市内で駅まで徒歩1分のマンションに住んでいましたが、現在は住居費がグッと抑えられる公営住宅。

やはり住居費が大きく削減できたことがメリットです。外食の機会が減ったことに加え、夏は共同農園で野菜づくりに取り組んでいることもあり、食費はダウン。一方、自炊が増えたことと冬の暖房代によって光熱費は以前よりかさみました。全体的に支出が減ったため、生活水準は上がっています。

Twitterでたまたま目にした「前任者」の記事が移住のきっかけに。

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小嶋さんは三重県桑名市のご出身。
関東圏にも大阪や京都にもアクセスしやすい立地だったため、高校卒業後は「せっかくなら、今後、住むことはないであろう場所で暮らしたい」というユニークな観点で鹿児島の大学に進みました。

「就職活動の時期が迫ってくると同時に、働くということを真剣に考えました。仕事は起きている時間の半分以上を費やす...つまり人生の半分以上を過ごす場になるはず。適当に就職先を選んで、適当にアフター5を楽しむような人生にならないよう、さまざまな会社を見学したんです」

就職活動を進めるうちに、小嶋さんはどの会社も仕事内容の面白さに遜色はないと感じるようになったとか。彼女にとって就職先の決め手は、企業が手がける事業でも職種でもなく、人生の大半をともに過ごす「人」が基準になっていきました。

「お客様や同僚のために頑張れる人たちが数多く働いている、という視点から東京の広告代理店に就職しました。プロ意識が高い上司や先輩に恵まれたおかげで、仕事自体に不満はありませんでした」

一方で小嶋さんの胸にはこんな感情がフツフツと湧き上がるようになったといいます。 「株式会社である以上は仕方のないことですが、困っている人がいたとしても、対価を受け取らなければサービスが提供できないという点に少しずつジレンマを感じるようになりました。加えて、働くことと暮らしが地続きになっていないことにも違和感が生じるようになってきたんです」

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ある日、小嶋さんはTwitterで一つの記事を目にします。それは下川町で広報を務めていた「前任者」のブログ。
編集者として働いていた彼女の移住前の心境や仕事の紆余曲折、新天地で挑戦する姿を綴った内容に背中を押されて現職の選考を受けることにしました。

「公の仕事という選択肢は頭になかったのですが、考えてみるとだれにでもサービスを提供するにはうってつけの仕事だと思ったんです。実は下川町の名前は初めて聞きましたが、前任者に連絡を取ってさまざまな情報を教えてもらううちに、個性豊かな人たちと楽しく暮らし働けそうな予感も抱きました。私はまだ25歳でフットワークも軽い単身者。次の方向性が見えた気がして、エイヤッとチャレンジしてみました(笑)」

食費はダウンしたのに、食の「質」はアップ!?

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小嶋さんが下川町に移住したのは2020年10月。

町営住宅・公営住宅は、引っ越しの多い春先ではなかったこともあり、すんなりと入居することができたと振り返ります。

「横浜に住んでいた時は駅から徒歩1分の好立地でしたが、築年数が古く、1Kの部屋。大きなバスターミナルに隣接していたので、朝バスが通ると揺れました(笑)。今の公営住宅は2DKで2倍以上広くなりましたし、住居費がグンと安くなったところが生活費の大きな削減につながっています」

横浜市から東京六本木のオフィスに通っていたころは通勤に40分ほどかかり、終電で深夜1時過ぎに帰宅する日も少なくありませんでした。今は徒歩約10分で職場に着くということもあり、自炊する余裕も気力も十分だと笑います。

「東京で働いていた時は、友人とカフェに出かけたり、飲みに行ったりと、とにかく外食にお金を使っていました。下川町にもおいしいお店はたくさんありますが、自炊の頻度が圧倒的に高くなったので、食費ダウンにつながっています。それに『おいしい鹿肉が手に入ったからウチにおいで』『山菜を採ってきたからみんなで料理を作って食べよう』といったうれしいお誘いも多く、食の質も高まりました」

小嶋さんはクルマを持っていませんが、半径約1キロメートルの市街地で生活に必要なものはそろい、どうしても売っていないものはネットで購入しているといいます。

「移住前は年収がおよそ120万円ダウンしてしまうことに不安を抱いていましたが、実際の生活はとっても快適。都市部で働いている人は給与面で二の足を踏むことも多いと思いますが、下川町なら十分に暮らしていけると思います」

「顔が見える消費」は血の通ったお金の使い方。

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小嶋さんが想像していた以上に、下川町の暮らしは楽しみに満ちているそうです。人を軸に就職活動を進めていたのと同じように、「結果として下川の暮らしも『人が軸』になっています」と満面の笑みを浮かべます。

「私は仕事で下川の暮らしや移住者の情報を発信する機会が多く、出会う人がとにかく素敵なんです。インタビューを快く引き受けてくれたり、困っていることを伝えるとすぐに助けてくれたり、相手の気持ちを想像できるあたたかな町民ばかり。仕事で関わる人からプライベートで自然の遊びを教わることもあり、暮らしと『地続き』なんだと感じます」

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下川町にはやりたいことの芯を強く持っている人が多く、上手く波長が合うとアクションにつながり、みるみる輪が広がるのも面白み。例えば、コロナ禍以前には、大きなものから小さなものまで月に何度も、町民企画のイベントがあったそう。やりたいことや趣味で繋がりが出来やすいだけではなく、町内イベントを告知すると、企画に関わっていなくても情報拡散や宣伝してくれることも、気軽にイベントを企画できる理由の一つかもしれません。

「私は個人的にソフトクリームが大好きで、この夏も50個は食べました(笑)。そんな他愛もないエピソードを周囲に話したところ、町内の方がソフトクリームマシンを譲ってくれたんです。それを使って下川の牛乳でとびきりおいしいソフトクリームを作るというプロジェクトを立ち上げる夢も実現できそうな気がしています。こんなワクワク感も下川ならではです」

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下川町で人とのつながりが広く深くなるにつれ、小嶋さんは「お金を使う価値」にも思いを寄せるようになりました。なんとなくで買うことが多かった以前にくらべ、今は地域の人の「顔が見える」商品を選ぶことに意義を感じるようになったといいます。

「例えば、地元でこだわりの森のエッセンシャルオイルを作る人、おいしい卵を生産している人...そんなお金を払う相手が見えるというのは都会では得られなかった経験。私が購入した商品も『あの人の生活に役立っている』とリアルに感じられるので、血の通ったお金の使い方ができていると思うようになりました」

コンパクトなまちで、人々が支え合うように生活する...まさに仕事と暮らしが地続きになっているようです。

人々の努力が形になり、まちが変わる姿を間近で見たい。

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小嶋さんは自身が考えていた通り単身でフットワークの軽いうちに移住を果たしました。一方で家族を持っている人はそう簡単にはいかない気もしますが...。

「家族で入居できるような公営住宅も充実していますし、下川町は空き家の流動化も進んでいます。専任しているスタッフがおり、最近は中古住宅を売りたいと相談に訪れる人も増えています。購入時には町の補助金もありますし、都市部と比べるとかなりお手頃なので住む場所については確保しやすいほうだと思います。仕事についても、私たちの部署で運営しているサイト『下川人財バンク』で見つけられるので、ご家族を持っていても決してハードルは高くないはずです」

小嶋さんは下川町に移住してから約1年。まだまだ先のことは見えないと思いますが、自身のキャリア面についての不安は払拭できたのでしょうか。

「下川町に住んでみて、地域や人とのつながりの中で仕事が生まれていく場面も目にしますし、また、柔軟な働き方をしている人と話す機会も増え、キャリアの積み重ね方についても、さほど不安視しなくなりました」

取材は12月の初旬。
インタビューを終えると、太陽がすでに西へ沈み、家の明かりがポツリポツリと灯り始めました。

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そんな町並みを愛おしそうに眺めながら、小嶋さんはこう締めくくります。

「正直なところ、最初は自分に合わないまちだったり、生活面があまりに苦しかったりしたら、無理に長く暮らさなくてもいいと考えてたんです。でも、下川の方々とつながりを深めるうちに『あの人の頑張りが形になっていく過程を知りたい』『パン屋さんのお子さんが成長する姿を見たい』など、さまざまな人の取り組みや営みを間近で目の当たりにできることが、本当に楽しみになりました。今は、そんなまちの変化を見届け続けたいと心から思っています」

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移住をお考えの方へ

移住 生活費シミュレーション 北海道上下川町

北海道下川町に移住したら今の生活費はどうかわるの?
どのくらいの生活費がかかるのか、シミュレーターをつかって計算してみよう!

小嶋恵実さん(下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部)
住所

北海道上川郡下川町共栄町1番地1

電話

01655-4-3511

URL

https://shimokawa-life.info/


【北海道へ移住 生活費のお話】vol.07下川町

この記事は2021年12月1日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。