北海道恵庭市。まちには綺麗な花が咲き乱れ「ガーデンシティ」と謳っているまちです。今日は、兵庫県からたったひとりで北海道恵庭市に移住してきた18歳がいると聞いて取材に伺いました。彼女は現在恵庭市役所で勤務中ということで、市役所に訪れてみると、眩しいくらいのフレッシュさで取材陣を迎えてくださった彼女こそが、親元を離れて恵庭市にやってきた阿部梨子さんです。
「北海道で働きたい」という想いを抱いて
2021年春、兵庫県神戸市からやってきた阿部さん。実はご両親は札幌で生まれ育ち、阿部さん自身も生後8ヶ月までは札幌で暮らしていたそうです。お父様の「消防士になりたい」という夢を叶えるべく、兵庫の消防を受けたのがきっかけで、家族で移住しました。そこからずっと兵庫で生活をしていた阿部さんでしたが、日頃ご両親から「北海道の魅力」をたくさん語られたそう。話で聞く北海道は、とても魅力に感じられ、次第に「いつか北海道で働きたい」という想いが阿部さんの中に生まれていきました。
こちらがフレッシュ感溢れる阿部さん。とっても笑顔が素敵な方です。
中学3年生が終わる頃、高校受験も一段落したこともあり、家族で念願の北海道旅行へ行きました。今まで話に聞いていた「北海道の魅力」を自分の目で見る初めての機会でした。
「この旅行中に、北海道の人たちと話す機会がたくさんありました。しゃべり方の違いに、一番びっくりしました!なんて優しく話すんだろう〜って(笑)」と笑う阿部さん。方言やイントネーションの違いの他、人々がゆったりと生活を送っているような情景に、完全に心奪われたのでした。
それとは同時に「北海道で働きたい」という夢が確固たるものとなった瞬間でもありました。
こうして夢を叶えるべく高校卒業後は進学をせず、北海道で「公務員」になろうと考えた阿部さん。とは言え、広い北海道。どこの市町村の公務員になろうか...と考えた時に、「兵庫の家族や友だちが遊びに来やすいように」と恵庭市役所の職員募集を受け、縁があり入職が決まりました。
阿部さんが働く恵庭市役所
「実は最初、補欠合格だったんです。でも、高校の卒業式の日に、正式に恵庭市役所の職員になれるっていう電話がかかってきて、とっても嬉しかったです」とその時のことを鮮明に振り返ります。
それが2021年3月のことでした。
その後お母様と一度恵庭市へ訪れ、住まいの物件探し。お家が決まったあとは一度また兵庫に戻って引っ越し準備です。3月末の引っ越しまでの間に、お母様から料理の伝授も受けました。バタバタと準備に励み、こうして3月末から恵庭市へとやって来ました。
最初のうちはお母様も一緒に泊まってくれたそうですが、いざお母様が兵庫へ戻る時は寂しかったのでは?と聞くと「確かに寂しさもありますが、それよりもいよいよ始まるひとり暮らしにワクワクの方が大きかったです!」とのこと。なんだか頼もしさを感じます。
しかし、「母のありがたみ」というものを痛感したのも事実。
「家に帰ったらごはんがあるって、すごいことだったんだなって思いました」と、「母」という大きな存在を思い浮かべます。でも、事前にお母様から教えてもらった料理スキルを活かし、朝昼晩としっかり自炊続けているそうです(お母様に届け〜!)
働く環境にも恵まれて
現在は、恵庭市役所の生活環境部市民生活課に所属。主に、市民の方々が利用する駐車場や駐輪場、エコバスなどに関わる業務を担当しています。
入職して3ヶ月。覚えることもまだまだたくさんあります。目指すは、前任者のお仕事をひとりでこなせるようになること。優しい上司、先輩方に囲まれ、働きやすい環境の中日々を過ごせているのが、阿部さんをまとうその雰囲気からも伝わってきました。
近くにはいないけれど、いつも繋がっている兵庫にいる両親や、友人の存在が、また阿部さんの力となっているようです。
「友だちとはほぼ毎日連絡を取っています。今人気のyoutuberの話とかで盛り上がったり(笑)。お母さんからも頻繁に家族の写真が送られてくるんです」と少し照れくさそうに笑みを浮かべる阿部さん。阿部さんの魅力のひとつは、このとっても天真爛漫な笑顔がひとつ挙げられること間違いなしです。
「初任給では、母にお花を贈りました!お父さんから聞いたのですが、泣いて喜んでくれたそうです」。そのエピソードを聞くだけで、思わず取材陣もウルッと来てしまいました。
今日もまだ知らぬ恵庭のまちを探検
お休みの日は家に一日中いるなんてことはありえない!というアクティブ派。最近は自転車でよく恵庭のまちを走っているそうです。「車がなくても、自転車で色んなところへ行って、用事を済ませることができるのでとても便利なまちだと思います。兵庫にいる時は、大きな買い物とかは少し遠くへ行かないと買えませんでした」
現在はまだ車の運転免許を持っていないとのことでしたが、取得後は車を手に入れて、北海道厚真町の海へ波乗りしに行きたいと...
な、波乗り!?
「両親がもともと水泳のコーチをやっていたのと、趣味で波乗りもやっていたんです。父がサーフィンで、母がボディーボード。私も物心つく前から泳いだり、波に乗っていました(笑)」とその愛くるしい笑顔からまさか「波乗り」という単語が出てくるとは思わず、ビックリでした(笑)。
厚真町は現在サーフィンのメッカとなっており、お父様も昔この海でサーフィンをしたことがあるそうです。今度は阿部さんの番ですね。恵庭市という立地も、厚真町や札幌、空港などにも近く、阿部さんにとって過ごしやすい場所となっているようです。
土日のお休みが来るのが楽しみと話す阿部さん
「恵庭に来てみて、特別不自由は感じていません。しいて言うなら、市民プールがないこと(笑)」
さすがはスイマー。しかし、お隣千歳市さんの市民プールで泳いだそうで、水泳欲も満たされたご様子!
「気温も過ごしやすい」と話す阿部さんですが、取材時の気温は31度の真夏日。生粋の道民の取材陣は、若干のヘロヘロ状態でしたが阿部さんは涼しげな顔で言葉を続けます。
「湿度が全然違います。この時期にエアコン無しでも過ごせるので、それにびっくり」と今日の暑さもなんのその!と、さわやかな笑顔を見せてくれます。
これからも、北海道で生きていく
正直、ご家族も、ずっと昔からの友人もいない状態で北海道に来たわけですが、今後も北海道にいようという思いはあるのか...ちょっと不安に思ってしまった取材陣ですが、そんな不安もかき消すほどの強い頷きを見せ、「北海道で暮らします」とその強い意思を見せてくれました。「恵庭に来て良かったと思っています」と言葉を続ける阿部さんは、きっと新たな自分の、心地の良い居場所を見つけることが出来たのでしょう。新型コロナウィルスが落ち着いたら、恵庭でも新しいお友だちをつくっていきたい、と話す阿部さんでした。
- 阿部梨子さん(恵庭市役所)
- 住所
北海道恵庭市京町1番地
- 電話
0123-33-3131
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