北海道和寒町(わっさむちょう)は上川総合振興局管内の北部に位置し、特産の「越冬キャベツ」や「作付面積日本一のかぼちゃ」でも知られる農業のまち。この地で100年以上も前に生まれ、現在は土木、舗装、建築事業を中心に、道路の維持や建設機械のレンタル・リース、運輸業、福祉用具の取り扱い、さらには林業にガソリンスタンドといった多彩なビジネスを展開しているのが「近藤グループ」です。今回は地元・近隣の高校卒業後、新卒として各グループ会社に就職した宮澤和大さん(株式会社近藤組所属)、小原達博さん(株式会社近藤組所属)、松本晴美さん(株式会社コンドー興産所属)、斉藤柚姫さん(株式会社コンドー興産所属)の若手スタッフにインタビューのマイクを向けました。
デッカイものづくりの手応えはデッカイ!
最初にお話を伺ったのは入社から5年ほどの小原さん。ここ和寒町出身で、士別翔雲高校に通っていました。町内で安定している会社に就職しようと近藤グループを選んだそうです。ところで、地元を離れる選択肢はなかったのでしょうか?
施工管理として働く小原さん。バスケ部出身のスポーツマンで笑顔が爽やか!
「やっぱり地元が一番落ち着くんですよね。人が多いところは好きじゃないですし、和寒は静かで暮らしやすいので自分の性に合っていると思います」
小原さんは株式会社近藤組に所属し、土木工事の施工管理を行っています。上司は分からないことを尋ねると何でも教えてくれ、親身になって指導にあたってくれるとか。同社の場合は、実際に作業する職人さんも外部任せではなく自社で雇用するスタイルです。若手が入社すると現場のノウハウをやさしく伝え、危険な時には真剣に叱ってくれるといいます。
「実は、もともと土木工事と建築工事の両方を担当していました。ただ、自分のスキル不足もあり、二つを一度に覚えるのはなかなか厳しく...。当社では年に一度社長と個人面談の機会があり、困ったことは気兼ねなく相談できます。『両方を覚えるのは難しい』と素直に伝えたところ、まずは土木一本をマスターしようという方向で快諾してくれたんです。こうした会社の柔軟な姿勢にも助けられています」
小原さんが携わった砂防ダム施工中の様子。
これまで田んぼの暗渠(あんきょ:水はけを改善する)工事や地元のインフラ整備に携わる中でも、砂防ダムの施工が心に残っていると笑います。「大きな建造物が出来上がった時は、『スッゲー!』という自分の手がけた仕事への達成感が胸に込み上げるばかり。正直なところ、就職は会社の規模で選んだ部分も大きいですが、今はものづくりの醍醐味にデッカイ手応えを覚えています」
とはいえ、これまで小原さんは一人で現場を担当したことがありません。教育が手厚いことの裏返しではありますが、上司や先輩の助けを借りることに一抹のもどかしさを感じています。
「一人立ちするためにも、まずは『2級土木施工管理技士』の資格を取得するのが目標。早く自分が現場を動かすダイナミックな手応えを感じてみたいです!」
自分の「やりたい」をじっくり探していける会社。
続いてインタビューのマイクを向けたのは松本さん。出身地も高校も小原さんとまったく同じルートをたどった後輩社員で、入社から2年目を迎えました。
「和寒町は自然がキレイで本当に飽きないんです。季節によって風景が変わったり...例えば、春は菜の花が黄色い絨毯みたいに見えます」とさっそく地元愛がたっぷり。近藤グループには夫婦や親子など家族で働く社員が多く、松本さんもお父さんが株式会社近藤組で働いていることから、「人間関係が本当に良いぞって聞いて、就職したいと思いました」と笑顔を見せます。
「三笠山自然公園こどもの国」で働く松本さん。笑顔がとってもチャーミング。
「私は株式会社コンドー興産の所属です。ウチの特徴は『三笠山自然公園こどもの国』という遊園地の指定管理を受けていること。開園は夏場の土日なので、開園日は来園者の接客や遊具運行、閉園の時は草取りとか機械メンテンナンスが主な仕事です。他には建設機械のリースも行っていますから、そちらの受付事務員に早変わりすることもあります。比率としては遊園地が7割、受付事務員が3割くらいです」
松本さんは子どもが好きということもあり、夏場は遊園地でのふれ合いに癒やされているとニッコリ。一方で、入社2年目の今でも自分が何をやりたいのかハッキリと定まっていないことが悩みだと正直にお話しします。同グループではさまざまな仕事に携われるからこそ、他にもっとフィットする業務があるのではないかと考えているそうです。
「遊園地の仕事も受付事務員も楽しいんですが、年齢の近い女子社員(後ほど登場する斉藤さん)が活躍している土木事業も気になるところ。ウチの会社は社員の「やりたい」に対して積極的にトライさせてくれますし、成長を見守ってくれる社風です。これから私が輝ける場をじっくりと探していきたいと思っています」
近藤グループの名をもっと地元に!
3番目に登場してくれたのは最年長の宮澤さん。出身は名寄市で名寄産業高校を卒業しました。宮澤さんにはリアリストな一面もあり、地元の近くに就職先があるならわざわざ都会に出る必要もなく、安定性や給与・待遇面からも近藤グループを選んだといいます。
「同級生は約半数が地元を離れてしまいましたが、このエリアはクルマさえあれば生活に困ることはまったくありません。旭川も近いですし、何よりネットショッピングもできますからね」
施工管理職として活躍している宮澤さん。仕事に対する姿勢は貪欲で、会社の未来を担う人材としても期待されています。
宮澤さんは株式会社近藤組の土木工事の施工管理職。現場の調査や写真撮影、図面の作成に現場監督との打ち合わせなど、仕事内容は多岐にわたります。入社後は「車両系建設機械」や「刈払機取扱作業者」、「大型特殊免許」、「2級土木施工管理技士」といった多彩な資格を会社のサポートを受けながら取得。着実にスキルアップしています。
「給与も徐々にアップしていますし、資格手当が加算されるのもありがたいところです。働き始めてからはスポーツ用品や洋服を買うことが多くなりました。最近はカメラやバイクも買ったので、貯金を切り崩してしまいましたが、将来のことを見据えられる待遇に安心しています」
なるほど、宮澤さんはプライベートも充実しているよう。仕事面でも、地域の農家に貢献したいという思いで、田んぼの暗渠工事や灌漑(かんがい)工事を手がけています。同グループでは社長とも距離が近く、普段から「最近の現場はどう?」「休みは何をしてるの?」と気にかけてくれると表情を緩めます。時には個別面談で「お給料はどう?」と直球を投げられたことも。「僕は十分に感じている旨を伝えましたが、家族が増えた先輩方は交渉して給与アップを快諾してもらうことも多いみたいです」と笑い、こう締めくくりました。
施工管理職の小原さんと宮澤さん。技術者としての風格もバッチリ!
「ウチの会社はこのエリアのためにさまざまなビジネスを展開しているので、もっと地域行事などに参加して多くの人に僕の顔と近藤グループの名前を知ってもらいたいですね。今は若手も次々と入社してきていますから、自分が会社を引っ張っていく意気込みで働いていこうと思っています!」
土木の女性技術者として憧れの存在になりたい!
若手インタビューのラストを締めくくるのは株式会社コンドー興産の斉藤さん。和寒町の出身で両親ともに同グループの社員だといいます。やっぱり、家族が働いているから就職したのでしょうか?
「両親のつながりから、会社の人とも小さな頃から知り合いです。中でも作業員が建設機械に乗っている姿がカッコ良く映り、冬場の除雪作業では近所の方から『ありがとう』と多くの感謝を受け取る姿に憧れを抱きました」
「とにかく建設機械に乗りたい」と重機オペレーターを目指す「ドボジョ」の斉藤さん。
斉藤さんは中学生の頃から「大型の建設機械に乗りたい」と周囲にお話ししていたとか。けれど、「女性ができる仕事じゃない」という反応が大半だったそうです。
「周りの反応が否定的でも、私が建設機械に乗って土木工事の現場で活躍したら『女性でもできる仕事だ』と思ってもらえる...そう考えると、むしろやる気が湧きました」
近藤グループでは、建設機械を動かすのは株式会社コンドー興産の社員。斉藤さんはパワーショベルなどに乗ることもありますが、まずは土木工事のイロハを習得しなければならないと考え、今は現場でスコップを持って働いていると笑います。
「子どものころは遠くから見ていた仕事人としての父の背中が今では間近。同じ現場で働けるのは不思議な感覚も抱く反面、本当に嬉しいです。私は剣淵高校で農業を学んでいたので、田んぼの暗渠工事で排水性が向上し、より良いお米が実ることにもやりがいを感じます。農家さんがお客さんに喜んでもらうための一助になっているんだなって」
最後に斉藤さんの目標を尋ねると、「今は実際に土木現場で働いています。早く、この人みたいになりたいと思われるような『ドボジョ』に成長し、女性の土木技術者を増やしていきたいです!」と目を輝かせました。
地元を愛し、家族を愛し、仕事を愛し、そして会社を愛す...まだ新卒から数年程度の若い社員ではあっても、4人それぞれから感じられる自分の仕事に対する思い、将来への希望、家族への感謝、そして会社に対する愛着が近藤グループの魅力をさらに大きく写していたように思えます。「和寒に近藤グループあり」その裏には4人の若手社員をはじめ、たくさんの魅力ある社員の存在があるのです。
松本さんと斉藤さん。2人は担当する業務は違っても、年齢が近くまるで親友同士の雰囲気
- 株式会社近藤組
- 住所
北海道上川郡和寒町字三笠99番地
- 電話
0165-32-2042
- URL