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【 北海道へ移住 生活費のお話し 】 Vol.01 上士幌町20190401

【 北海道へ移住 生活費のお話し 】 Vol.01 上士幌町

北海道へ移住したい!でも、本当に生活していけるの?不安で移住に踏み出せない!そんな課題を解消するための「北海道へ移住 生活費のお話しシリーズ」です。

北海道上士幌町へ移住を実現した、小嶋さんご夫妻に、移住までの道のりと、お金に関するお話しを取材しました。

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小嶋さんご家族 基本データ


  • <ご家族構成>
    ご夫妻、小学校6年生の男の子、小学校3年生の男の子、保育園の6歳の女の子の5人家族
    (※取材時の年次)

  • <移住情報>
    埼玉県川越市から北海道上士幌町へ2018年移住

  • <移住時の年齢>
    40歳手前で移住について検討を始め、ご主人が41歳の時に移住

  • <移住前の不安要素>
    仕事と収入のこと。
    すでに購入した自宅のこと。
    子どもたちが移住先の地元になじめるか。
    冬の寒さに耐えられるか。


移住してみての感想

  • 移住してご夫婦合わせてのお給料は、旦那さんの前職1人分よりも下がった。

  • 旦那さんの通勤時間が、往復2時間40分から、往復徒歩10分になった!

  • 家族との時間が格段に増えて、旦那さんが育児に関わることや、ご夫婦の時間も増えた!

  • なんだかカラダがとても楽になった!花粉症に苦しめられなくなった!

  • 子どもたちがアクティブになった!

  • 引っ越し代は結構かかった。

  • うん、やっぱり冬は寒い!

  • 家族全員が、新しい人生をスタートできて、楽しみでいっぱい!


移住前の生活費と移住後の実際の生活費(月額)

kamishihoro_data_20190226.png

※左側は移住前の家計調査による平均的な数字、右が小嶋さんの実際の生活費。
※家計調査の数字も含め、実態よりやや高めに見えますが、賞与等も勘案して1年間を平均的なところでならしています。
※左側の住居の項目は、移住前の小嶋さん世帯のローン支払い額に差し替えています。
※交際費・嗜好品等の出費は含まれていません。

小嶋さんの家計簿を見せていただくと、注目すべき点は住宅費ですね。また、かけるべきところにかけつつも全体をおさえていることもわかります。そもそもの左側の数字は、お子さんが1人の場合も含まれて平均化していますので、お子さんが3人いらっしゃる小嶋さんご家族の場合、もう少し高くなっていたことも予測できます。その他の支出や、町独自の助成金にまつわるお話し、移住についての想いや実情は、インタビュー記事にてご紹介していきます。


小嶋さんご夫婦のこれまで

kojimaasan shuusei.jpg取材中のおふたり。上士幌町役場内にて取材しました。

結婚14年目になったという小嶋さんご夫婦。ご主人である小嶋 則之さんがお生まれになったのは新潟県上越市。「僕の地元も結構な田舎具合でしたよ!」と笑います。高校まで新潟で暮らし、大学進学と共に上京。多くの人がそうであるように、そのまま東京で就職する人生を歩んできました。

一方、奥様は埼玉県川越市出身。ご主人の則之さんとは趣味の音楽を通じて出会うという素敵な始まり。お互い好きな音楽のジャンルが一致していたことから意気投合したそうです。

その後、順調に交際を深め、めでたくご結婚。結婚してすぐのころは東京都練馬区にお住まいでした。北海道以外で暮らしたことのない、くらしごと編集部は、図々しくも家賃を聞いてみます。

「たしか、築20年弱くらいの物件で、3階建ての2階2LDKの部屋でした。駅からは徒歩7分くらいの距離で、家賃が月11万円。駐車場代が別で、合わせると当時でも月13万円くらいでしたよ。この金額でも安い方だったんじゃないかな。そこには1年半くらい住んでいました」と則之さん。

おそらく、この数字には北海道民は驚くに違いありません。家と駐車場だけで月々13万円というのは、本当に苦しい数字です。東京の駐車場料金で北海道なら住宅を借りられる金額だったりします。

その後、奥様がご懐妊ということもあり、奥様のご実家の近く、埼玉県川越市に居を移します。その当時のことを則之さんは「東京で子育てをするというイメージがどうしてもわかなかったんですよね。僕の通勤が少し大変になるのを我慢すればいいんだってその時は思っていました。当時は東京の飯田橋が勤務先だったのですが、通勤は片道1時間20分。だから1日のなかで2時間40分は移動時間になりました」と説明されます。

またしても図々しい編集部。住宅費を聞いてみます。

「川越に転居した際も賃貸だったのですが、月9万円で駐車場代込みになりました。新築の3階建てで最寄り駅から徒歩25分くらい。2LDKの間取りでここには3年ほど住みました」。東京に比べると随分と抑えられ、暮らしの環境もかなりよくなったと思う反面、1日のウチ、3時間近くを通勤のために使わなくていけないというのは、これも北海道の人からするとアリエナイ!って声が聞こえてきそうです。

その後、またお引っ越しすることになるのですが、奥様が2番目のお子さんを身籠もったことがキッカケです。「妊娠中、もう3階の住宅は無理〜!階段きっつい〜!ってなったんですよね〜(笑)。エレベーターのない物件だったので、お腹が大きくなるにつれて買い物とかがだんだんしんどくなっちゃって。それでマイホームを購入しよう!という話になりました。川越という街の生活がとても気に入っていましたので、迷いなくそのまま地元で購入しました」と奥様。これも一般の人が選択する35年ローンを組み、月々78,000円ほどのローンを払い続ける人生を選択されました。

とても素敵な人生。幸せな人生。そう言って差し支えない過去のお話しですが、それがなぜ北海道に移住することになったのでしょうか。

大自然の景色を見ていた妻が思わず...

kamishihoro_kojimasan21.JPG冬の空から見た上士幌町の風景

通勤は大変だったものの、幸せな家庭とマイホームを持った則之さんに、北海道に移住することになったキッカケを聞いてみます。

「2016年に家族で帯広に旅行に来たときの出来事なのですが、大自然の広がる十勝の風景を見ていた妻がふっと涙を流したんですよね。彼女はもともと北海道が大好きだったのですが、それを見て直感で『北海道に住みたい気持ちがあるんだな』って思ったんです」と則之さん。

それを聞いて奥様。「実は母親が上士幌の出身ということもあって、子どものころからよく遊びにきていました。北海道は大好きだったので、十勝の大自然を見て、ぶわーってその思いが急に蘇ったんでしょうね(笑)。でも子どもたちもいるし、マイホームも買ってしまったし、移住は現実的ではないと思っていました。そうしたら主人が、まずは北海道の移住イベントでも行ってみようか?って」。

kamishihoro_kojimasan24.jpg上士幌町北部にある糠平湖

そこからは様々な移住イベントやツアーに参加するようになり、観光なしで北海道の企業をまわるガチなツアーにも参加したりもしたそうです。

でも本心はものすごく迷いや不安のあった則之さん「最終的に移住してもいいかもって思えるようになったのは人とのつながりでしたね。移住イベントや現地で知り合った多くの方々に後押ししてもらったというのが踏ん切りついたところだと思います。一番の不安は『仕事』でしたが、知り合いがやってみないか?と上士幌町での仕事を紹介してくれたことも大きな要素でした」

kamishihoro_kojimasan08.JPG則之さんの職場「まちづくり会社 生涯活躍のまち かみしほろ」にて撮影

kojimasan shuusei 2.jpg子どもたちの夢も貼り出されていて、娘さんの夢は「おはなやさん」

奥様も「長男が小学校6年生になるタイミングで、このまま中学校に進学したらもう絶対無理だろうっていうリミットも感じてました。さらに子どもが成長したら今度は親の介護が...なんてことにもなるかもしれないし、逆に動くなら今しかないのでは?とも思うようになっていましたね」と説明してくださいます。

kamishihoro_kojimasan23.JPG「熱気球のふるさと」と呼ばれる上士幌町。夏と冬にバルーンの大会があります。

それでも、ご夫婦の不安は尽きません。そもそも大人であるご夫婦ですら生活環境の変化に不安があるのに、人の少ない田舎町に子どもたちは馴染めるのだろうか。冬の寒さや雪に耐えられるのだろうか。などなど、移住を決めてからも心配事は消えなかったと言います。

則之さん「移住という選択を考え出してから、2年近く悩んでいましたけど、40歳が見えてきて、先の人生を考えるようになったし、これまでと違う生き方みたいなこともぼんやり考えるようにもなりました。最終的には、ダメだったら戻ればいいか!っていう開き直りの新境地に至ったっていうのもありましたけどね(笑)」。

案ずるより産むが易しという最後は勢いも大事!という結論でした。

kamishihoro_kojimasan06.JPG奥様の職場は上士幌町役場内に。偶然求人を見つけたそうです。

ただ、一番気になったことは「持ち家をどうするか」でした。そこをたずねてみます。

「家は賃貸住宅として貸し出すことにしました。住宅として貸すために壁紙をリフォームしたりクリーニングを入れる費用はかかりましたけど、おかげさまで、家賃収入が入ることになりましたので、売らなくても回していけるようになったんです。実際は家賃収入があるといっても、ローンと固定資産税の支払いで相殺されていますよ。そして、もしかしたら北海道に移住して暮らしたさらに先の将来に、戻ってくるかもしれない選択肢を残したことが、移住する上での安心感...というか保険というか、『戻れる場所』をつくったことも気持ちの面で大きな支えとなりました」。

これは非常に参考になるお話しでした。持ち家があって動けない、と悩んでいる方は解決方法のひとつとして検討してもいいと思います。

ついに北海道に移住! 引っ越し代は? 移住して実際にどう!?

kamishihoro_kojimasan13.JPG小嶋さんがお住まいの町営住宅。しっかりしたつくりで開放感があります。

2018年3月。不安と期待をいっぱいに、ついに小嶋さんご家族は北海道上士幌町へ移住します。まずは気になるお金のお話し。引っ越し代について聞いてみます。

「43万円かかりました」

衝撃の金額です。ただこれにはワケもあったそう。「貨物列車を借りて家財を移動することになったのですが、ちょうど引っ越しシーズンにまるかぶり...。それでも荷物の量を考えたら、比較的安く済ませたほうだと思います。なので、移住の先輩としてアドバイスするなら、引っ越しシーズンは避けろ!と言いたいですね(笑)。他の季節に同じ関東から移住されたご家族に聞くと20万円くらいで済んだ〜なんてお話しもでてましたね。そして、自家用車に家族で乗って、フェリーを使って、移住地となる上士幌町にやってきました」。

移住に関わる引っ越しにもテクニックがありそうですね。

kamishihoro_kojimasan22.JPG上士幌町の「幻の橋」と呼ばれるタウシュベツ川橋梁の冬景色

そしてさらに優しい小嶋さんご夫妻であることをいいことにさらに突っ込んだ質問を投げてみます。現在の収入はどうなんでしょう?と。

「下がりましたね、がっつりと!(笑)」とご夫婦で顔を見合わせて笑います。

「今は僕と役場で働く妻の収入を合わせても、前の僕の収入1人分にも届かないくらいかな。でもそれはわかっていたことですね。転職したらそもそも給料は下がるものだと思っていたので、移住したからとか、北海道だからじゃなくて、収入が下がるのは当然と捉えていました」

慎重に検討を進めていた則之さん。そこも事前に調査済みでした。ただ、自分だけではなくて奥様の仕事や収入も考えて、それを合算することも考えていたプランのひとつだったため、「なんとかなる」という結論も導き出していたそうです。その背景には上士幌町独自の助成制度や生活費の安さなどがありました。

kamishihoro_kojimasan10.JPG「けん玉」にはまったという息子さんたち。

kamishihoro_kojimasan19.JPG世の中のオールド世代のみなさま!「けん玉」は今や世界的にCoolなスポーツなんです!

移住してみて、率直な感想をうかがいました。

「来て良かったって本当に思ってます。いろんな不安がありましたけど、住んでみたらなんとでもなるなって(笑)。まず通勤ですが、家を出たら歩いて5分で職場につきます。近すぎ(笑)。なので、今までは朝しか子どもたちに会えなかったのが、夜もちゃんと時間を取れるようになって家族と過ごす時間がものすごく増えました。これってお金では買えない価値だと思います。あるいは、収入は減ったけどその差を埋めるのに充分な価値だと思います」と則之さん。

奥様にも聞いてみます。「まず主人が子育てに関わってくれる時間がものすごく増えましたのでとても助かっています。こちらに来てから長男は『けん玉』に出合って変わりましたね。『けん玉』を通じて他の町にも行くようになったり、友だちと外に出る時間が増えて、前の生活では考えられないくらいにアクティブになりました。家でゲームする時間も減ったし。いろんなことに興味を持つようになったんですよね。次男も娘もすぐに友だちができて、子どもたちのための移住といういう点においても大成功だと思います」

お子さん視点においては大成功の移住だったようです。奥様御自身はどうなんでしょう?

「私としても引っ越してきてすぐに『花粉のない生活』を感じられて、それは本当に快適ですよね。天国です(笑)。友人・知人も学校のお母さんたちや職場の繋がりですぐにできて、心細くなることもありませんでした。やっぱり北海道の大自然は最高です。肉眼で天の川を見れるなんて本当にすごいことですよ」

kamishihoro_kojimasan12.JPG学校だけでなく、こういった外とのつながりも子どもたちには大切で、それが活発なのが上士幌町の特徴でもあります。

逆にネガティブなことも聞いてみます。

則之さん「うーん、なんだろう。1人の時間が減ったかな(笑)。あとこちらは車移動が中心の生活になるので、日常的に歩く距離が減りましたね。食べ物も何でも美味しいから、太りました(笑)。運動する習慣をつけなきゃいけないと思っています」。

奥様からも「こっちにきてわかったことがあるんです。すっごい残念なこと。北海道物産展とか北海道フェアのイベントがないんです(笑)。東京だったらいっぱいあるのに! 大好きでよく行ってたのに!って。でもよく考えたら当然ですよね、北海道に暮らしてるんですから(笑)。あとは、そうですね、冬の車の運転は絶対に練習しないとダメ!ってくらいですかね。初めてアイスバーンの道を運転したときはものすごく緊張しました」。

則之さん「冬は道が凍るので歩くにも注意が必要です。それと空気がすごく乾燥していて、東京以上かも。こういうのは実際に生活をしてみないとわからないことですね。十勝の冬は本当に晴天が多くて驚いたのですが、やっぱり寒い(笑)。暖房費はそれなりにかかって、真冬で灯油代が月2万円弱くらいでした」。

kamishihoro_kojimasan03.JPG人口の多い街ではありませんが、子どもたちの賑やかな笑い声が響くのは素敵な街の証拠。

暖房費の話が出たところで、これをお読みになってるみなさんも気になる生活費についても教えてもらいました。

「まず住宅費はものすごく安いです。これは町営住宅に住むことができたからですね。3LDKで築15年くらいの物件で快適です。それから、一番下の娘はこども園に入っているのですが、上士幌町の場合は完全に無料。これだけで月3万円くらいは助かっていると思います。学習面で言えば、細かなことですが英検や漢検などの受験料を町が負担してくれるのもいいですね。小学校の教材費なども補助が出ていますし。地元の上士幌高校も制服購入の補助があったり、進学の際には奨学金が出るそうで、助成制度が充実しているなあ〜と思います」と奥様。

子育て支援にものすごく力を入れている上士幌町だからこそのメリットもあるようです。

kamishihoro_kojimasan25.JPGとある日の認定こども園の給食

則之さんからも補足です。「まず、教育費としてかかっているのは、学校給食や学童、自宅学習で利用している通信教材くらいですかね。ただ、食費は今、子どもの成長でどんどん増えてます。めっちゃ食べるんですよね(笑)。地元の商店で魚を買ったり、夏場は農家の直売所に行って朝採れの野菜を買ったりもしてます。近所の人や知り合いが、結構、これも持ってけ!みたいにいろいろくれたりもしますね〜。子どもたちは鹿肉が好きになっちゃって。そんな僕は職場と家が近いので昼は家に帰って食べることが多いです。お昼代が掛かってないので、お小遣いから出さなくてOK(笑)」

十勝産の美味しい食材が身近にあるのは、子育てにおいてもとても重要なポイントですね。それ以外にも、上士幌町で足りないものは、近くの都市の帯広市まで行くそうなので、ガソリン代などはこれまでよりも高くなったということも教えてくれました。

kamishihoro_kojimasan11.JPG

いかがでしたでしょうか。お金の面もそうですが、そこには出てこないメリットや人生の選択みたいなものがとても伝わったのではないでしょうか。

最後に、小嶋さんご家族の移住成功の秘密をまとめてみました。


小嶋さんご家族の北海道への移住成功ポイント

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上士幌町 小嶋さんご家族


【 北海道へ移住 生活費のお話し 】 Vol.01 上士幌町

この記事は2018年12月18日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。