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美唄市

125年の歴史ある家族経営のお米農家に、新たな風が舞い込む20180906

125年の歴史ある家族経営のお米農家に、新たな風が舞い込む

札幌市と旭川市の間に位置する美唄市。このまちの特産品のひとつがお米です。そう、日本人の食卓には欠かせない食事の主役。そんなお米を、このまちで明治25年から代々受け継いできた貞広農場さんにお邪魔しました。

「こんにちは」
と、初々しい笑顔で出迎えてくれたのは、高校を卒業したばかりの荒井美穗奈さん。2018年3月にお隣岩見沢市にある岩見沢農業高校を卒業後、新卒でこの農場に入社しました。

そして、荒井さんの横でこれまた素敵な笑顔全開で出迎えてくれた貞広樹良さん。明治から続く長い歴史の中ずっと家族経営でやってきたのですが、今回はじめて新卒を採用したとのこと。

sadahiro_noujyou3.jpg笑顔が素敵な社長、貞広樹良さん

「両親も高齢になってきたし、子どももまだ小さい。農業は覚えることも多く、育てるのに時間がかかる。早い段階から若い人に来てもらって育てていきたいなと思って今回募集を出したんです」。

そうしてこの度、貞広農場にやってきた荒井さん。

もともと農業系の高校には通っていましたが、実は農作物についてではなくお花のことをメインで学んでいたのだとか。この農場はお米の他、トマトやとうもろこし、さつまいもなど他の野菜も栽培しており「今は覚えることがいっぱいなんです」と話します。

ではなぜ、貞広農場への入社を決めたのでしょう?

「体を動かすことが好きということ、そして人の役に立ったり、人の笑顔を直接見ることができる仕事がしたいということで入社を決めました。ここは、栽培した作物を直接販売しているのでお客さんの笑顔も直接見ることができるかなって思って」。

sadahiro_noujyou4.jpg入社後実際に外に出ての農作業に従事してみての感想を聞くと「正直暑いですね(笑)」なんて言葉も出てきましたが、毎日楽しくやっているご様子。

日々業務について優しく丁寧に教えてくれる皆さんに対し荒井さんは「ここで働いていなかったら、今頃私どうなっていたんだろうって思っているくらいです(笑)」なんて言って笑います。

来てもらえる農場をつくる

現在この農場を運営する社長の貞広さんは「いつかは家を継ごう」という想いを抱えつつ、大学を卒業後神奈川県の機械メーカーの会社に新卒で入社しました。仕事内容は、図面を書く設計のお仕事。社内にこもることが多く、そんな日々に「外で汗を流した方が自分には向いているのでは?」と感じ、3年働いた後美唄市へUターン。


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当時からお米の直売もやっていたため、お客さんが直接農場を訪れて購入してくれてはいたのですが、『もっともっと、多くの人に来てもらえる農場にしたい』と戻ってきた貞広さんは早速色々と仕掛けていきます。

そのひとつとして、味噌作りや、うどん作りといった体験ができる工房をつくりました。ここでの体験は、観光のひとつとして今では大人気。最近では、タイやシンガポールなどといった海外からのお客様も多く来ているそうです。

sadahiro_noujyou7.jpgこちらが体験工房

もちろん、メインはお米の販売。体験をきっかけにここを訪れ「あ、お米も売ってるんだ」と買って帰る人も多くなり、少しずつファンが増えていっているのを感じているようです。

すでに荒井さんもこうして農場を訪れる方々と関わることもあり「人の笑顔を間近で見ることができるお仕事だな、この農場に就職して良かったなって思っています」と楽しそう。

美唄で農家として生きる

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美唄は気温が温暖で、作物の量も採れるだけではなく、美唄のお米が美味しい理由のひとつとして、雪を使った冷蔵で味が落ちないようにしているのも旨みの秘訣なのです。

「常に、味はとにかく美味しいものをつくろうとしています」と力強く貞広さんは教えてくれました。

さらに、貞広さんは一度北海道から出た経験があります。外を見てきた目で見る地元美唄は、改めて自然の多さや食べ物の美味しさを感じたと話します。

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さてさて、取材した時は荒井さんもまだ入社して2カ月ほど。最近はハウスの苗に水をやる作業をチャレンジしてみたのだとか。毎日毎日、日によって作業も違い、機械や工具を覚えるのも一苦労。しかし貞広さんは、とにかくなんでも挑戦させます。

「そうそう、最近は田植機の運転もさせてみました。みほなちゃんは覚えるのが早いんですよ(笑)」

若いだけあって知識の吸収も早い荒井さん。今後はその若さを活かして、HPのブログ更新などでもお願いしたいなと話す貞広さんでした。
そんななんでも挑戦させてくれることについて、荒井さん自身も「色々挑戦させてくれるのも楽しみのひとつ」と語っていました。

sadahiro_noujyou12.jpg大きなトラクターに撮影のため乗ってもらいました!農場前にある美唄自動車学校に、今度大型トラクターの免許を取りに行く予定。いつの日か、かっこよく運転している荒井さんを見かけることができる日がやってくるかも。

誰しもが必要とするものをつくる

sadahiro_noujyou9.jpgトラクターの前で二人して満面の笑み!


荒井さんにとって、農業のやりがいとは?そんなちょっと難しい質問をなげかけてみました。

しかし、彼女は即答。
「食は誰しもが関わるもので、誰しもが必要とするもの。それに関われてやりがいは『かなり!』あります」と、喰い気味の回答です。

さらに言葉を継ぎます。
「ちょっとでも自分が関わったもので体験してもらったり、美味しい楽しいって言ってもらえると自分も笑顔になります」。

荒井さんにとっても、社会人としての生活がまだまだ始まったばかり。これまでずっと家族だけで経営していた農場に、新たな風が舞い込みました。

貞広さんも「将来的には新卒も取り入れてみほなちゃんが引っ張っていって欲しい」と優しく微笑みます。

実家が農家だったわけでもない荒井さんが、高校卒業後農家へ就職という道を選んだ荒井さん。歴史を守りながら少しずつ進化しながら成長し続けている貞広農場は、また新たな姿を見せてくれる日が来るのは近いことでしょう。そして今日も、誰かを笑顔にしていること間違いなしです。

有限会社貞広農場
有限会社貞広農場
住所

北海道美唄市進徳町2区

電話

0126-62-6236

URL

http://sadahiro-noujou.jp


125年の歴史ある家族経営のお米農家に、新たな風が舞い込む

この記事は2018年6月8日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。