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北海道で暮らす人・暮らし方
上士幌町

我が子の幸せを第一に考えるという選択。20180129

この記事は2018年1月29日に公開した情報です。

我が子の幸せを第一に考えるという選択。

15年前に上士幌に移住した一人の女性。

上士幌町の認定こども園「ほろん」に隣接する「子育て支援センター」。ここは、妊産婦さんや小さなお子さんをお持ちのお父さん・お母さんなどなど、子どもやご両親にとってのふれ合いの場です。取材陣が訪ねた火曜日の午後は、「なかよし広場」として就学前の子どもと保護者が交流を深める時間帯。その一角に、3歳の娘さんの元気な笑顔とやんちゃな遊びを愛おしそうに見守る女性がいました。まちに移住してから15年ほどが経ったという千葉礼子さん。少しだけお話を聞かせてもらえました。

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「寒い土地が好き」が移住の理由!?

千葉さんは山形県のご出身。学校を卒業した後は、東京のテレビ関係の会社でADとして働いていました。

「想像がつくかもしれませんが、当時のテレビ業界は時間が不規則でとにかく大変。朝のワイドショー番組を担当していたころは、いつ寝ればいいの?みたいな(笑)。そんな東京生活に疲れを感じて、移住を考えるようになったんです」

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上士幌町へと足を運ぶことになったきっかけは、「本当に偶然」といたずらっぽく笑います。東京で求人誌をめくっていたところ、上士幌町の牧場で住み込みの仕事が募集されていたのだとか。千葉さんは「温かいところよりも寒い地方が好きだから」と気楽に応募したというのです。

「え? 大胆ですか(笑)? う〜ん...でも、住みやすいまちだったらそのまま居着いて、自分に合わなかったら別の土地に移れば良いかなって考えていたんです。実は今でもそう思っているんですが、もう15年も暮らし続けているのは、このまちが好きなんだってことに他ならないですよね」

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千葉さんが地方のまちに抱いていたイメージはクローズド。けれど、上士幌の人々は移住者にオープンに声をかけてくれ、かといってズカズカと踏み込んでくることはまったくない印象でした。また、都会でプライベートを削ってまで忙しく働くよりも、自然のなかで牛たちとふれ合っているほうが性に合っていたと振り返ります。

「結局、住み込みの牧場では10年ほど働き、夫とも知り合えました。彼は池田町の出身で、今はフリーのカメラマンとしてスノーボードの写真や動画を中心にさまざまな仕事を請け負っています」

認定こども園が無料でも、子どもと過ごす時間を大切に。

千葉さんはいわゆる専業主婦。上士幌町は認定こども園「ほろん」が幼稚園型・保育園型ともに無料ですが、今のところ娘さんを預けて働くという選択肢は考えていないといいます。

「周りの人からは『上士幌ってこども園が無料なんでしょ?』と必ず聞かれます。つい最近も稚内の友だちから電話がかかってきて、うらやましがられました(笑)。ただ、私の場合は子どもにとってこの時期が一番大切だと考えています。収入源は夫だけだとしても、できる限り娘に寄り添って、ずっとそばにいてあげたいんです」

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だからこそ「子育て支援センター」で子ども同士で仲良く遊んだり、ママ友と知り合えたりするのは大助かり。今は様子を見ながら、娘さんが認定こども園に通いたいといえば、その願いを叶えたいと微笑みます。

「教育という面でも上士幌は安心できるまち。幼保小中高の一貫した学びもそうですし、高校卒業後の就職率も高いと聞いています。あと、高校でも給食が出るというのは意外と食いつくお母さんが多いんじゃないでしょうか。お弁当を作るのって大変ですからね(笑)」

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歩いているだけで、「大根抜いていきな!」の声。

千葉さんのお住まいはマチナカの一戸建て。ガス料金を支払いに行った際、家を探していると世間話を交わしたところ、スタッフのお母さんから中古物件を紹介してもらったそうです。それも、格安で。

「人と人とのつながりを大切にする田舎だから出会えた家。ところどころ自分たちで手直ししながら暮らすのも楽しいものですよ。もともと趣味は多いほうなんですが、最近は酵母から仕込んだパンを手づくりしたり、ミシンが得意だから子ども服を自作したり。上手く収入につなげられるようになれば良いんですが、実際はマダマダです」

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ふだんの買い物は町内のスーパーや宅配サービスで済ませられ、どうしても手に入らないものは近隣の音更まで40分ほどクルマを走らせれば購入できる環境。何より道を歩いているだけで、「ウチの菜園から大根を抜いていきな」と声をかけられるような日々が千葉さんのお気に入りです。

「東京には山ほどモノがあふれていたけれど、モノがあるから幸せというわけでもないと思います。都会暮らしを否定するつもりはまったくありませんが、我が家にとっては子どもを自然の中で育てられ、娘もこの環境が大好きというのがイチバン。それが私の幸せでもあるんです」

kamishihoro_chibasan_8.jpg「バイバイ!またね!」と手を振ってくれた娘さん。


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上士幌町 千葉礼子さん


我が子の幸せを第一に考えるという選択。

この記事は2017年8月30日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。