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求めていた暮らしを上士幌で実現した家族。20180122

この記事は2018年1月22日に公開した情報です。

求めていた暮らしを上士幌で実現した家族。

東京から上士幌へと一家4人で移住。

お気に入りのランニングバイク(ペダルなし自転車)で元気一杯に駆け回る長男の朝日くん。小さな三輪車でお兄ちゃんを追いかけるのは長女の日南子ちゃん。そんな二人をやさしい眼差しで見つめるのが瀬野航さんと祥子さんご夫婦です。ご一家は、2016年に東京から上士幌町へとやって来た移住組。満面の笑みからも暮らしを楽しんでいることが十分に伝わってきますが、具体的にまちのどんなところが好きなのかインタビューのマイクを向けてみました。

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子育て支援が抜群に手厚いことが移住の決め手に。

取材陣が向かった先は、瀬野さん一家が暮らす上士幌の町営住宅。西の方角を見ると一面の草原の奥にとうもろこし畑が広がり、穂先が風にゆれる様子がなんとものどかです。

「スゴいロケーションですよね。あの畑は輪作をしているので、去年は別の野菜が植えられていました」
声をかけてくれたのは祥子さん。航さんは風邪気味でお休み中とのことだったので、まずはお一人でお話を聞かせてもらうことに。いきなりですが...オシャレですね。

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「イヤイヤ(笑)。でも、ありがとうございます。私も主人も、もともと東京でアパレル関係の仕事に携わっていたんです。彼のおばあちゃんが岩見沢に住んでいるので北海道に来たことがありましたし、実はプロポーズされた場所も支笏湖。何度か訪れるうちに、いつか暮らしてみたいと話し合うようになりました」

ご夫婦が移住を本格的に考え始めたのはお子さんが生まれたころ。そもそも東京に住み続ける選択肢は頭になかったそうですが、自然たっぷりの北海道で子育てしたいという思いから首都圏の移住フェアに足を運ぶようになりました。

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「私たちは北海道の北から順に、一日につき1つのまちと決めて市町村の情報を集めました。インターネットサイトの移住ページはもちろん、ストリートビューを活用して、『まち歩き』をしてみたり(笑)。その中で気になったのが新しい家が多く、明るい印象を抱いた上士幌町。移住フェアのブースで具体的な取り組みを聞き、認定こども園の利用が無料とか、子どもが高校生まで医療費がかからないとか、子育て支援がほかのまちに比べてかなり手厚いことが決め手になりました」

北海道に暮らすならばと、自然と向き合う林業に。

実際に上士幌町に下見に来たのは航さん。移住の総合窓口の「上士幌コンシェルジュ」を訪ね、スタッフと役場職員とともに、まちをつぶさに紹介してもらいました。その時に物件も見学させてもらい、現在の住まいである町営住宅に足を運んだそうです。

「主人から部屋の様子をスマホの動画で送ってもらい、一目で気に入りました。外の風景も北国らしく広大で、ここに住みたいと二人の意見が一致したんです」

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移住の二大柱ともいえるのが住む場所と仕事。航さんは、北海道に暮らすとなれば自然と向き合いたいと、林業に興味を抱きました。まずは札幌で林業従事のための研修を受け、上士幌町内の株式会社内海林業で働くことに。このまちで暮らすための準備が万端に整ったわけです。

「アパレル業界とはまったく違った仕事で苦労も多いと思うけれど、天気や季節に合わせて毎日違う作業ができるのが楽しいと主人はやりがいを感じているみたいです。朝は早い分、帰ってくるのは夕方。子どもたちとふれ合う時間が増えたので、私もうれしく思っています」

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航さんは作業で森に入ると、季節の野菜やキノコと出会えばすかさず採ってくるのだとか。一時はウドが食べ切れずに塩漬けしていたと祥子さんは笑います。東京では味わえなかった体験の一つひとつ、目に映るすべてが新鮮で刺激に満ちているのです。

東京より人口が少ないのに、「人に囲まれている」実感。

移住当初はまだ小さかった長女の日南子ちゃんも今は1歳。祥子さんは、無料の認定こども園に二人の子どもを預け、近隣のコンビニでパートとして働くようになりました。

「シフトは朝の9時から午後1時。帰ってきたらご飯を作って、夕方にお迎えに行く毎日です。本来は週5日勤務なのですが、店長や同僚の皆さんは『子どもが急に体調を崩すこともあるから』とすごく柔軟にシフトを交代してくれます。実際は週に3〜4日くらいのペースかな。こういうことも、都会ではあり得なかったですね」

上士幌町はまちぐるみで移住者を大歓迎する雰囲気。野菜のおすそ分けは「信じられないほど」の大量で、じゃがいものストックが切れたことはないといいます。町民からは鍋をもらったり、子どものおままごとにと小さなキッチングッズを譲ってもらったり、誰もが温かなおせっかいを焼いてくれるのです。

kamishihoro_senosan_7.jpg瀬野さんの移住をお手伝いした「上士幌コンシェルジュ」の川村さんと。

「私は人口の多い東京にいたころのほうが一人だと感じました。だって、お隣に住む方の名前さえ知らないんですから。でも、上士幌ではスーパーに行けば『朝日くんの風邪は治った?』と声をかけられたり、私が体調を崩している時に子どもが熱を出したらお隣さんが病院に連れて行ってくれたり、人に囲まれて、助けられながら暮らしているという実感が持てるんです」

このまちでは「大人の目」がある中で子どもを育てられるため、一人で遊ぶようになっても安心。幼保小中高の一貫教育として中高生のお兄さん、お姉さんとふれ合う機会もあり、年上からの学びを取り入れているところもお気に入りです。

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「人との距離感やお付き合いをどう感じるかはそれぞれ。だけど、私たちにとっては知り合いが増えていくのは楽しいですし、これこそが求めていた暮らしだと思います。今は子育てにパートに手一杯だけど、お庭をいじりたいし、自分たちで家具も作ってみたいし、キャンプにも行きたいし...。でも、家庭菜園は少しずつ整えているんです」

最後に案内していただいたのはご自宅の庭。少しずつと謙遜していたものの、菜園にはとうもろこしや枝豆、ミニトマト、いちご、大根とたくさんの野菜。子どもたちもうれしそうにミニトマトを収穫しては口にほおばり、キラキラした瞳で土とふれ合っていました。

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「あれ?お客さん?」と登場したのは航さん。少し寝たら具合が良くなったそうで、撮影をお願いすると「もちろんOKですよ」とニッコリ。近くの撮影場所まで歩いていくご一家の様子を眺めていると、月並みですがとっても幸せそう。この移住は大成功だったのだと感じました。

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上士幌町 瀬野さんご家族


求めていた暮らしを上士幌で実現した家族。

この記事は2017年8月30日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。