「富良野といえば『北の国から』やラベンダーが有名ですが、実はマウンテンバイクやラフティングも楽しいと多くの人に知ってもらいたい!」と話すのは、愛用しているマウンテンバイクと共に札幌から北海道富良野市に移住してきた千田文子(せんだ あやこ)さん。
現在千田さんが勤める「スポートピアふらの事務所」は、富良野の大自然を舞台にしたネイチャーツアーやスキースクール、用具レンタルなどを行っているアウトドア会社です。
スキー場ふもとの北の峰ゴンドラターミナルにある職場からは、富良野の街並み越しに、冠雪した美しい山々が一望できる美しい場所。ここで千田さんは現在、夏はネイチャーツアーのガイド、冬はスキーレッスンの講師と、アウトドア三昧の日々を送っています。
そんな千田さん、学生時代はバスケットボール一筋で、アウトドアとはほぼ無縁の生活だったそう。しかし24歳の時、富良野への移住そして富良野での就職を決意させるにいたる、人生の大きな転機が訪れました。
ワーホリでカナダへ。そこで出会った大自然
子どもの頃から海外生活に興味を持っていたという千田さんは、短大卒業後、事務員などの仕事に就きつつも、いつかは外国へという夢を忘れずに抱き続けていました。そして、念願叶いついに24歳で、ボランティアの日本語教師アシスタントとしてカナダへ渡ります。
1年カナダで暮らした後一度帰国。その後、お金を貯めて再びワーキングホリデーでカナダへ向かいます。カナダでは自然の中で遊ぶ機会が多く、そこでアウトドア、なかでもマウンテンバイクに出会い、その楽しさに魅了されてしまったそうです。
「車では気づけないその場所の風や匂いを感じられ、歩くよりはラクに遠くへ行ける。ダウンヒルのスリルも楽しいし、すっかりハマってしまいました」
そんな千田さんは1年半のワーホリ期間を終えて、カナダで手に入れたマウンテンバイクと共に帰国。計2年半のカナダ生活の影響で、帰国後はすっかりアウトドア派に。
休みともなれば、マウンテンバイクを輪行バッグに詰めて、ニセコなどの自然の中へ。「そんな中で徐々に、自然に囲まれて暮らしたいと思うようになったんです」と千田さん。
ふと思い立って訪れただけの富良野
ある日の休日、愛用のマウンテンバイクと一緒に初めて富良野に訪れました。「富良野駅に降り立った時、感覚的にまちの空気感がしっくりきたんです。言葉ではうまく表現できないんですけど、のんびりしていて、自分に合っているなーって」。
その足で富良野を巡ってみると、山に川、森と自然が豊かで、千田さんが求めていた遊び場所がたくさんありました。
「住むならこんなまちがいいかも・・・」
富良野に想いを馳せる千田さん
そんな思いが千田さんの心に生まれます。とはいえ、知り合いもいないし、右も左も分からない土地・・・。
それでは試しにと、地元のカフェで1週間ヘルパーとして働き、富良野暮らしを疑似体験してみることに。
富良野への決め手
カフェで働いた仕事帰り、空知側河畔をマウンテンバイクで走った千田さんの目に留まったタマネギの収穫風景。そんなのんびりとした風景を横目に、誰もいない道を走って地べたに寝そべって、空を見上げて・・・。その時の感覚、気持ち良さが、移住を決める大きなきっかけになったと千田さんは話します。
その後ご両親に富良野移住への想いを伝えるも、反対の意見が。それでも諦めることが出来ず、親を説得するため現在の仕事を見つけ、最終的に移住を許してもらいます。32歳で「新天地への移住」そして「アウトドアガイド」という新たな仕事への挑戦が始まったというわけです。
「移住を考え始めてから、3〜4年はかかりました。一生のことなので、焦らずじっくり考えた方がいいです」と千田さん。
「移住となるともちろん遊びに行くわけではないので、生活環境や仕事の有無など、事前にしっかり調べました。私のように、1週間くらい滞在してみるといいですよ。そこで人との繋がりが出来たおかげで、色々な情報が入ってくるようになりました。まちの雰囲気も、肌で感じてみることは大事なことだと思います」
カナダでの生活をきっかけに、アウトドアに目覚めた千田文子さん。富良野に住んで8年。今も尚、季節の移ろいを自然の色や空気の匂いで感じるとき、とても幸せを感じると言います。そんな千田さんは、今日もアウトドアガイドとして道内外の訪れた方々に富良野の魅力を伝え、またプラベートでもマウンテンバイクを楽しむ日々を送っているのです。
- スポートピアふらの事務所 千田文子さん
- 住所
北海道富良野市北の峰町18 北の峰ターミナル1F
- 電話
0167-22-1935
- URL