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北海道で暮らす人・暮らし方
大樹町

地方だって多彩な働き方ができるんです!20161226

地方だって多彩な働き方ができるんです!

大樹町史上初!600人が集った「宇宙の森フェス」。

平成28年9月、大樹町史上初の野外音楽フェスが開催されました。その名も「宇宙の森フェス」。まちの若者や近隣の人々を中心に600人が集まり、音楽や食、アート、そして星空観察や森の散策を楽しみました。企画や広報を担当したのが地域おこし協力隊の中神美佳さん。思春期のころは大樹町のことが好きではなく、都会で暮らし始めたとか。なぜ、このまちへUターンしたのでしょうか?その理由からひも解いていきます。

何のために、誰のために働いているのだろう?

中神さんは大樹町の中でも郡部の生まれ。同学年もわずか2人だけだったため、例えば中学校の部活もバドミントンか美術しか選べないという「できないことの多さ」にフラストレーションを抱えていたといいます。
「雑誌やテレビでは渋谷でショッピングを楽しむ子が紹介されているのに、私はスクールバスの通学だったので帰り道の買い食いすらできないんです(笑)。ありきたりだけれど都会に憧れを持ち、大学進学を機に上京しました」

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東京暮らしは見るものすべてが新しく、流行のお店で食事をしたり、話題のファッションを手に入れるなど、しばらくは夢にまで見た都会の楽しさを満喫していました。就職先は大手自動車メーカーの花形ともいえる商品企画のマーケティングリサーチ部門。車のデザインやCM作りに携わり、果てはグローバルに展開する戦略を練るなどキャリアも重ねていきます。
「斜に構えたいい方ですが、ある時から流行モノへの消費をむなしく感じちゃって...。仕事にしても、海外の会ったこともない人に車を売るために頭をひねっているのがどうにも腑に落ちなくなってきました(笑)。私は何のために、誰のために仕事をしているんだろうって疑問が胸中に湧き上がってきたんです」

東京での出会いが故郷に寄せる思いを強めて。

このまま東京で暮らし働いていていいのだろうか。悩んでいた中神さんの背中を押したのが、実は地域おこし協力隊として一緒に働いている神宮司亜沙美さん(彼女の記事も掲載中!)。在京の道産子が集うイベントで出会い、たちまち意気投合しました。

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「神宮司さんは出会ったころには大樹町に帰ることを決めていて、あれよあれよという間に故郷に戻っちゃったんです(笑)。そんな彼女に影響を受けたものの、収入面や今後の人生設計に不安を覚えて私は一歩を踏み出せずの状態。当時はもう結婚していたので、相談の意味も含めて夫に大樹町に行かない?というと、あっさりとOKを出してくれたんです。彼は熊本の田舎の出身で、将来は自然豊かな土地で子育てしたいという思いもあったみたい」

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大樹町に戻った中神さんは地域おこし協力隊の仕事に取り組み、まずはふるさと納税のWebサイトをリニューアル。つくり手一人ひとりの思いを伝えようと生産者とふれ合うたび、雑談から派生した相談にのるたび、昔は好きではなかったこのまちへの愛着がみるみる強まってきたと笑顔を見せます。

大樹の身近なものこそが、まちの資源。

地域おこし協力隊に課せられるミッションは「地域に定住するためのナリワイ作り」、サブミッションは「自分のまちを好きな人を増やすこと」。取り組む内容は自由に考えてよいことから、中神さんは農家の声を吸い上げて道の駅に売場を作ったり、ふるさと納税の生産者の発信を手伝うなど、地域の困りごとの解決に乗り出します。
「平成27年の冬、まちでやってみたいことを話し合うワークショップを開いたら、役場の若い女性職員が『大樹でフェスをやってみたい』ってポツリとつぶやいたんです。その一言から実行委員会が立ち上がり、翌年の開催に向けて9人の実行委員を中心にまちの若者が一気に動き出しました」

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テーマは大樹町ならではの「宇宙」と手つかずの自然を連想させる「森」。アーティストへの交渉や会場の飾りつけ、アクティビティやアートの企画、それらほとんどがまちの人の手弁当でした。準備は苦難の連続でしたが、「自分たちのまちは、自分たちの手で楽しくしよう」という若者の一致団結した気持ちが「宇宙の森フェス」開催の道を開いたのです。

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「フェスの当日は運良く晴天。夜の満天の星を天然プラネタリウムに見立てた星空案内では『星空を見上げていると宇宙にいるみたい』とか『大樹町はどこからでも星が見える』とか、うれしい言葉が飛び交いました。このまちの身近なものこそが、このまちの資源なんだって確信した瞬間です」
大樹町という小さなまちでも、若者が楽しめる場をいくらでも作れる。中神さんはもちろん、実行委員やまちの人も大樹町のポテンシャルに誇りを持ったといいます。

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物々交換サイト「肉ラウドソーシング」!?

中神さんは地域おこし協力隊の仕事以外にも、十勝の暮らしや仕事、イベントを発信するポータルサイト「トカチアーズ」を運営。最近はワークステイを応援したり、十勝のお肉と技術の物々交換ができる「肉ラウドソーシング」を立ち上げるなど、多彩でユニークな活動を行っています。

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「私が今後伝えていきたいのは地域における多様な働き方。副業で収入を増やすのも手ですし、例えばデザインやWebの仕事なら、ココでも十分できますよね。子どもたちや次世代の若者に、地方でもアイデア次第で働くチャンスや収入を得るためのいろんな選択肢があるんだということを知ってほしいんです」

大樹町地域おこし協力隊
住所

北海道広尾郡大樹町東本通33 大樹町役場 企画商工課

電話

01558-6-2114

URL

http://www.town.taiki.hokkaido.jp/

トカチアーズ https://tokacheers.com/
肉ラウドソーシング https://www.facebook.com/nicrowd/
宇宙の森フェス http://www.uchunomori-fes.com/
大樹町ワークステイ https://taiki-workstay.amebaownd.com/


地方だって多彩な働き方ができるんです!

この記事は2016年10月19日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。