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新ひだか町

日高に来て気持ちに余裕が生まれた。期待の若手バスドライバー20261027

日高に来て気持ちに余裕が生まれた。期待の若手バスドライバー

深いグリーンカラーが目印の「道南バス」。室蘭に本社を置き、胆振・日高地方などを中心に路線バスや貸切バスの事業を行っています。新ひだか町の静内エリアには同社の静内営業所があり、この地域に暮らす人たちの大事な足としてバスを運行しています。昨年(2025年)6月、同営業所に道外からやってきたバスドライバーが新たに仲間となりました。埼玉から移住してきた土居将貴さんです。今回は、土居さんに移住までの経緯や移住してからのこと、仕事のことなどについて話を伺いました。また、土居さんの上司である、静内営業所所長の山田翔太さんにも会社のことや営業所の話を教えてもらいました。

安全に、正確に、快適に。道南バスは日高エリアの住民にとって欠かせない存在

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広大な日高山脈と太平洋に挟まれ、競走馬が放牧される牧歌的な風景が広がる日高地方。JRの日高本線が廃線となってから、地域にとって欠かせない交通手段がバスです。今回おじゃました道南バスの静内営業所は、町内の路線バスをはじめ、静内と苫小牧を結ぶ中距離路線、さらに浦河から札幌へと向かう高速バス「ペガサス号」などの運行を担う重要な拠点となっています。

「静内営業所では、地元の病院やショッピングセンターなどを巡る町内循環バスのほか、都市部を結ぶ中・長距離路線を運行しています。特に循環バスは、自家用車を持たない高齢者の方々の通院や買い物のほか、大型商業施設に勤務される方たちの通勤など、地域の皆さんの日常生活に密着した大切な移動手段です。私たちが常に大事にしているのは、お客さまを安全に、正確に、快適に輸送すること。地域に暮らす皆さんを安全にお送りすることが私たちの大事な役割です」と話すのは所長の山田翔太さんです。

801_4013.JPGこちらが、道南バス株式会社静内営業所所長の山田翔太さん(右)と、2025年春に埼玉から新ひだか町へ移住し入社した土居将貴さん(左)です

同営業所では現在14人のドライバーが勤務していますが、全国的な傾向と同様にドライバー不足や高齢化が課題となっています。「私が約20年前に入社した頃と比べると、ドライバーの人数はだいぶ減りました。平均年齢も50代半ばまで上がっています」と山田所長。職場の将来を担う若手人材の確保と育成が大きな課題となっているそうです。

そんな同営業所で、現在、最も若いドライバーが今回お話を伺う土居将貴さんです。2025年春に埼玉から新ひだか町へ移住してきました。人手不足が顕著なバス業界において、同営業所へ飛び込んできてくれた土居さんの存在は、営業所にとっても大きな活力となっています。

埼玉でバスドライバーのキャリアを積み、思い切って北海道へ

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同営業所の新しい仲間として加わった土居さんは28歳。生まれは苫小牧市で、小学生のときに埼玉へ家族と引っ越します。「幼い頃に苫小牧で過ごした記憶がかすかに残っています。あとは、祖父が新ひだか町の三石エリアにいるので、子どもの頃によく遊びにきました」と振り返ります。

子どもの頃から乗り物やクルマが好きだった土居さん。中学はバスケ部、高校は弓道部で汗を流します。高校3年になって進路について考えなければならなくなった際、「小さいときから好きだったクルマに関係がある仕事に就こう」と、地元の自動車整備の専門学校へ進学します。

専門学校を卒業したあとは、トラックやバスなど大型車両の整備を専門に行う会社に就職。現場で経験を積みますが、仕事は想像以上に肉体的にハードなものでした。2年ほどで退職し、体調を整えたあと、次の仕事探しを始めます。いろいろ考える中で浮上したのが、「運転手」という選択肢でした。

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「整備士として大型トラックやバスに関わる中で、『公道でこんなに大きな車を自分で走らせたら気持ちがいいだろうな』と思っていたことがあり、次は整備ではなく、運転するほうで乗り物と関われたらいいなと思いました」

就職する前に免許を取得したほうが有利だろうと考え、自ら大型二種免許を取得します。それから自宅から近い埼玉県内のバス会社へ転職を果たします。主に路線バスや送迎バスのドライバーとして約5年間、キャリアを積み重ねていきました。

「駅から工業団地を繋ぐ路線などを走ることが多かったですね。そんなに大きなバス会社ではなかったのですが、自分にはちょうど居心地の良い職場でした。もともと運転が好きだったのもありますが、実際にドライバーの仕事に就いて思ったのは、ハンドルを握って外に出ると1人ですから、良くも悪くも自分のペースで走れる、仕事に携われるというのが性に合っていたように感じます。もちろん時刻表は守りながらですけど(笑)」

801_4324.JPG日高管内を走るバスルート。右手には太平洋が望めます

ドライバー生活を順調に続けていた土居さんですが、あるとき、「都会の混雑した道路ではなく、もっとのんびりしたところでバスを運転したい」と思います。首都圏ではなく、地方のまちでバスを走らせてみたいと思った土居さんは、どこがいいかを探し始めます。

「土地勘のないまったく知らない場所より、何度か訪れた場所がいいなと思い、子どもの頃の思い出もあったので北海道にしようと思いました。それこそ苫小牧にいたころ、ペガサス号に乗って海を眺めながら祖父のところへ行った記憶もあったんですよね。雪が少ない日高なら雪道経験がなくても走りやすいだろうし、祖父がまだ三石にいることもあり、日高エリアでバス会社を探し、道南バスの求人を見つけました。」

まずは本社で採用面接があるということで、室蘭へ。土居さんは本社の敷地内にズラリと並んだ車両の多さに、「大きなバス会社だなと驚きました」と話します。その後、無事採用が決まり、研修を経て静内営業所への配属が決定しました。

「北海道へ来るときも正直辞めるのを迷ったくらい、埼玉の会社は人間関係が良かったんです。だから静内営業所に来てゼロから人間関係を築くことに緊張していましたが、いざ来てみたら皆さん本当にいい人ばかりで、とてもよくしてくれて、ホッとしました」

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都市部との違いは交通量と道路の幅。日高は気持ちに余裕を持って運転ができる

静内営業所のメンバーから温かく迎えられた土居さん。ドライバー経験者ということもあり、路線を覚えるなどして早い段階で独り立ちを果たしました。入社から1年半近く経ち、今では同営業所にとって欠かせないドライバーの一人です。

バスを運転する中で感じる埼玉と日高との違いについて尋ねると、「交通量が全然違いますね。こちらでは渋滞がなく、気持ちに余裕を持って走れます」とニッコリ。

土居さんがいた埼玉をはじめ都市部において、朝と夕方の通勤・通学ラッシュはつきものです。日高エリアもラッシュがないわけではありませんが、車の数、乗客の数は圧倒的に異なります。

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「安全に乗客の方たちを運ぶという使命感や責任感は、埼玉でも日高でも変わりませんが、激しい渋滞が発生すると焦りやちょっとしたストレスを感じることはありました。しかし、こちらでは渋滞がほとんどなく、自分のペースで心にゆとりを持って運転できています。あと、北海道は道路幅が広いので、大きなバスでも運転しやすいのがとてもいいなと感じています」

また、乗客との温かい触れ合いもローカル路線ならではの魅力かもしれないと土居さんは続けます。

「時間に追われている方が多かった首都圏に比べ、乗客の皆さんも心にゆとりを持って乗車されている印象があります。顔馴染みになったおじいちゃんやおばあちゃんから、乗車時に『お疲れ様』と声をかけていただいたり、缶コーヒーや飴をいただいたりしたこともあります。埼玉時代にはなかったコミュニケーションですね」

さらに、日高の美しい海岸線や競走馬が佇む牧場を眺めながらバスを走らせる時間は、土居さんが転職を考えた際に描いていた憧れそのものでした。

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「きれいな景色の中を走っていると、まるでドライブをしているような心地よさを感じることもあります。そこも埼玉で運転していたときとは全く違いますね」

懸念していた雪道運転については、先輩ドライバーたちからのアドバイスが支えになったそうです。

「雪道の経験が全くなかったので最初は緊張しました。先輩たちから『思っている以上に車間距離を取ったほうがいいよ』などのアドバイスを受け、それを徹底したおかげで、スリップしやすい路面でも慌てずに対応できました。日高エリアだけでなく、苫小牧や雪が多い札幌を結ぶ高速路線も走るため、冬場はいつも以上に気を引き締めて運転しています」

水も空気も食べ物もおいしい! 日常生活で不便はなく、暮らしは快適

仕事面での充実はもちろん、日高での暮らしも満足していると話す土居さん。移住後は、三石でおじいさんと一緒に暮らしています。一人暮らしだったおじいさんも孫が来てくれたことを喜んでくれているそう。

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「日高エリアの中でも営業所のある静内は、大きなスーパーや商業施設がひと通り揃っているので、買い物など日常の生活で不便を感じることは全くありません。少し足を伸ばせば苫小牧や札幌にも2〜3時間で行けますし、暮らしやすい環境だと思います。もともと都会のけん騒や人混みが好きではなかったので、今の生活環境は自分にとってちょうどいいんですよね」

食べ物について尋ねると、「海鮮をはじめ食べ物も本当においしいですね。あと、水もおいしいのには驚きました。そして、(北海道のコンビニ)セイコーマートのホットシェフ(店内調理)も気に入っています」 と笑います。

休日には、身近な自然を感じながらランニングをしたり、オートバイに乗って道内各地を回ったりして、アクティブに過ごしています。

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「家にじっとしているより外に出ていたいタイプなんです。休みのたびに道央や道東など、いろいろなところへ出かけています。北海道は空気もおいしいから、外に出ると気持ちがいいんですよね。次は北海道最北端の稚内まで走ってみたいです」

営業所の先輩たちからもおすすめの観光スポットやグルメ情報などを教えてもらっているそうで、「行ってみたいところがまだまだあります」と笑顔を見せます。

働きやすい環境が整っていると実感。北海道へ来て良かったと満足

土居さんの働きぶりについて、山田所長は高い評価と大きな期待を寄せています。「土居くんは本当に温厚な性格で、私たちスタッフはもちろん、お客さまにとっても接しやすいドライバーです。入社以来、お客さまからの苦情は一度もなく、埼玉でのキャリアもある分、運転技術も確かです。これからさらに経験を重ねて、将来新しい仲間が入ってきたときに優しく指導できる存在になってほしいですね」と目を細めます。

道南バスでは近年、有給休暇の取得促進に加え、夏季休暇などの「特定休暇」を拡充するなど、全社を挙げて職場環境の改善と働き方改革を推進しています。山田所長は「無理のない運行スケジュール管理に努め、しっかりと休日を取得できる体制を整えています。ベースアップなど待遇面の改善も進めており、安心して長く働ける環境づくりに力を入れています」と話します。

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また、土居さんのような本州からの移住ドライバーをはじめ、異業種からの転職においても、あらゆる不安を取り除くことができるよう万全の配慮をしています。ドライバー経験者の場合は冬道運転に関する講習を実施、未経験者の場合は免許養成制度(自動車学校の教習費用や宿泊費を会社が全額負担)を整えています。さらに入社後も手厚い研修を定期的に行っています。静内営業所でも、まずは乗客を乗せない回送状態で路線やバス停をしっかり覚えてもらい、適性や習熟度に合わせて独り立ちを目指すカリキュラムを組んでいます。毎月1回の安全講習会も行い、常に知識とスキルの向上をサポートしています。

最後に、土居さんに今後の目標と北海道でのドライバー業務に興味を持っている方へのメッセージをお願いすると、「これからも無事故無違反を徹底し、乗客の皆さんに『この運転手さんのバスに乗れて良かった』と思っていただけるようなドライバーを目指したいです。そして、もし本州でドライバーをしていて道路の混み具合にストレスを感じている方がいるならば、北海道の開けた環境でドライバーの経験が生かせる選択肢があることをぜひお伝えしたいです。人間関係も温かく、自分のペースで気持ちよく働ける環境があることを知ってほしいですね」

美しいロケーションと温かい人たちに囲まれ、地域を支えるバスドライバーの仕事に誇りを持って取り組んでいる土居さん。山田所長とのやり取りを見ていても、営業所内の風通しの良さがよく伝わってきます。「思い切って北海道に来て良かった」と話す土居さんの笑顔が印象的でした。

801_4431のコピー.JPG現在、道南バス静内営業所の「移住体験&バスルート試乗体験モニター」の参加者を募集中です。土居さんが運転するルートを体験してみたい、新ひだか町での暮らしを感じてみたいという方はぜひお申込みをお待ちしております!詳細はこちら

道南バス株式会社 静内営業所
道南バス株式会社 静内営業所
住所

北海道日高郡新ひだか町静内緑町7丁目6番37号

電話

0146-42-1231

URL

https://www.donanbus.co.jp/

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日高に来て気持ちに余裕が生まれた。期待の若手バスドライバー

この記事は2026年10月7日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。