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函館市

ソフトウェアの検証業務で、私たちの生活を支えるベリサーブ函館20250206

ソフトウェアの検証業務で、私たちの生活を支えるベリサーブ函館

今や私たちの暮らしに欠かせないスマホやパソコン。それらのアプリやウェブサイト、ゲームなどを私たちが不自由なく快適に使えているのは、プログラムされたソフトウェアのおかげ。 このソフトウェアの検証業務を専門で行っているIT企業が、株式会社ベリサーブ函館です。同社は、ソフトウェアの第三者検証機関のパイオニアでもある株式会社ベリサーブの子会社で、2023年の夏に設立されました。今回は、同社の現地責任者であり、執行役員を務める青羽隆さんと、同社に勤務する伊東篤矢さんに会社のことや仕事のこと、函館での暮らしなどについて伺いました。

開発されたシステムが安心して使えるか、不具合はないかを徹底チェック

まずは青羽さんにベリサーブ函館の業務内容などについて伺うことに。ソフトウェアの検証やテストを行うということですが、具体的にどのようなことを行うのでしょうか。

「親会社であるベリサーブの仕事を函館で請けています。IT企業と言うと、システム開発を想像される方が多いと思います。私たちは開発を行うことはありませんが、開発された製品が安心して使えるかをテスト、検証するIT企業です。新たに作られたソフトウェアはもちろん、定期的にアップデートされるソフトも都度検証しています」

例えば...と青羽さんがYouTubeなどの動画共有サービスで分かりやすく説明してくれました。

veriserve_02.jpgこちらが、執行役員の青羽隆さん。

「動画を見る際、再生ボタンを押しますよね。ほかにも一時停止ボタンや速度をはやめるボタンなど、さまざまな機能がありますが、それらが一つひとつきちんと動くかという基本的な検証はもちろん、2つのボタンを同時に押したらどうなるかなど、細かく確認作業をしていきます」

つまり、普通に使う場合の検証だけではなく、ありとあらゆる場面を想定しながら、検証作業をしていくということ。これは相当量の作業がありそうです。

「基本となる検証項目があり、それをベースに、このソフトウェアでは何を検証するかをチームで細かく設定するところから、検証業務がスタートします。この検証項目は、ものすごく膨大な量になります」

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検証するのは機能面だけでなく、非機能の部分もあるそうで、「こちらもかなりの数のチェック項目になりますね」と青羽さん。非機能というのは、画面の文字が適切に表示されるかどうかといったことから、機種ごとの動作確認、通信速度の確認など。聞いているだけですごい数のチェック項目になりそうです。

私たちが普段何気なく使っているアプリなどは、開発者の人たちはもちろん、こうした膨大な数の検証作業を行ってくれる人たちがいるからこそ、快適に満足して使えるのだと初めて知りました。

べリサーブは、身近なアプリなどだけでなく、あらゆる分野のソフトウェアの検証、テストを請け負っています。自動車や家電などに搭載されるシステムや、産業機械の制御や管理システム、デジタル化された医療機器の高度な処理システム、社会インフラに関係する情報システムやECサイトの販売システムなどチェックなど、本当に多岐に渡ります。これらの一部を函館で担っているというわけです。

veriserve_12.jpg広々とした空間で、快適に打ち合わせができるベリサーブ函館のワーキングスペース。清潔感溢れる環境で、スタッフにも好評です。

「魅力的な都市に子会社を」という考えなどから、総合的に判断して函館へ

さて、ここで気になるのが、なぜ函館に子会社を開設することになったのかということ。近年、東京本社のIT企業の中には札幌にブランチや支社を開設するところも増えていますが、函館というのが意外な気も...。

「親会社であるベリサーブが、魅力的な都市に子会社を置きたいという考えでして、実際、すでに沖縄のうるま市にも子会社を設けています。リゾート色の強い沖縄とは異なりますが、観光都市でもあり、歴史、自然、食べ物など、魅力がいろいろあるということで函館に決めた経緯があります」

もちろんそれだけが理由ではありません。子会社を設立する際、全国で5~6カ所が設置先の候補に挙がっていたそうですが、IT人材が確保できるか、地場にIT系の学校があるか、東京からの利便性はどうか、災害リスクはどうかなども条件の中に入っており、函館はそれらの条件を満たしていたそうです。

veriserve_04.jpg2023年の夏に設立した、ベリサーブ函館。年々スタッフも増え、いまでは100名近くいるそう。

埼玉出身の青羽さんは、東京にある親会社のベリサーブに20年ほど勤務。エンジニアとして現場で実績を重ね、7年ほど前からマネジメントに携わっています。

「ずっと東京にいたのですが、函館が立ち上がるときに代表から声をかけられて函館へ来ました。プライベートで3、4回北海道へ遊びに来たことはありましたが、まさか住むことになるとは思ってもみませんでした」

中学生のお子さんがいる青羽さんは単身で函館へ。月に1回は家族のもとへ帰っているそうです。

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「函館で暮らしはじめて1年半になりますが、トータルで見てとても満足しています。思っていた以上に暮らしやすい街ですね。都市でありながら、山と海がすぐそばにあって、自然豊か。常に気分転換できる環境がいいなと思います。あとは、おいしいものが多いですね。魚介とかジンギスカンとかスープカレーとか」

雪は平気か尋ねると、「最初はちょっと面くらいましたが、函館は豪雪地帯でもないですし、ちょうどいいなと思います。転ばないように歩き方だけ気を付けて過ごしています」と笑います。

「それよりも...」と青羽さんが強調するのは夏の話。「東京に比べれば確かに冬は寒いですよ。でも、建物の中は暖かいし、寒いのは外にちょっと出るときだけですから、それはまったく問題ないんです。それよりも夏です、夏」と青羽さん。

「函館は夏も雨が少ないし、梅雨がない。そして何より東京に比べると涼しいし、湿度がなくて快適です。函館にいるとそういうストレスはまったくないですね」と話します。

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20、30代が多く、IT業界未経験者が大半。それでも意欲があれば活躍できる環境

現在、ベリサーブ函館に勤務するスタッフは、エンジニア、事務方合わせて約100名。その大半が函館出身なのだそう。年齢層は、会社自体が新しいこともあり、20~30代が全社員の7割を占めています。若手社員のほとんどがIT業界未経験者で、経験者として活躍しているのは40代以上の社員なのだそう。ちなみに男女の比率は半々で、IT業界では珍しいのだとか。

「IT業界未経験で入ったスタッフもみんな活躍しています。社内は和気あいあいとした感じなので、分からないことも聞きやすい雰囲気だと思います。自分もできるだけみんなに声をかけ、困ったことがないかを聞いて、何かあれば相談にも乗るようにしています」

veriserve_07.jpgIT業界未経験者が多く集う、ベリサーブ函館。スタッフとのコミュニケーションは欠かしません。

函館の人や函館出身のスタッフの印象について尋ねると、「仕事に対して真面目な人が多いと感じます。でも、だからと言って堅苦しいわけでもなく、温かい雰囲気でみんな仲がいい」と話します。

どんなタイプがソフトウェア検証に向いているか、あるいはどんなタイプと仕事がしたいかという問いには、「エンジニアは黙々と1人で作業していると思う方もいるかもしれませんが、そんなことはなくプロジェクトごとにチームで動くのでコミュニケーション力は必要。私たちの検証の仕事は特にチームでの動きが重要。ITのことが分からなくても、とにかく元気で、きちんと自分の意見を言えるようなタイプであれば、すぐになじめると思います。仕事の仕方や環境を少しでも良くしていこうというモチベーションのある人たちと一緒に仕事をしていきたいですね」と青羽さん。

最後にこの仕事の面白さについて、「テストしているシステムやサービスはまだ世の中に出ていないものも多いので、いち早く最新のトレンドに関われるというのは面白さややりがいのひとつかもしれませんね」と話してくれました。

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日々新しいことを吸収できて楽しいと話す、入社10か月の新人社員

次に、2024年春に入社したという伊東さんにお話を伺うことにしましょう。

伊東さんは、十勝の音更町出身。札幌の大学時代は薬学の勉強をしていたそう。大学卒業後、一度は実家のある音更に戻りますが、もともとパソコンに触るのが好きだったこともあり、IT系の仕事に就きたいと考えるようになったと言います。

「ITに興味はありましたが、プログラミングはやったこともなかったので、未経験からでも入りやすいIT分野の仕事は何だろうと思っていろいろ調べていました。ソフトウェアの検証やテストは未経験でも割と入りやすいようだと分かって、道内でその仕事ができるところを探していたら、ベリサーブ函館に出合いました。これが入社の経緯ですね」

veriserve_09.jpgこちらが、入社1年目の伊東篤矢さん。

十勝から函館へ移り住むことに対して、「また1人暮らしをしたいなと思っていたところだったので、いいタイミングでした」と笑います。「札幌みたいに大きな街で都会すぎるところも苦手なので、函館の街は規模感が自分にとってはちょうどいいです」と続けます。ちなみに会社で引っ越し手当てを出してくれたので、すごく助かったそう。

入社から1ヵ月は研修期間で、ITの基礎知識や業界についての勉強。そのあと、社内やグループ会社で手掛けているプロジェクトに参加し、今は栃木にいるメンバーが中心のプロジェクトに入って、支援業務に取り組んでいるそう。

「今はまだエンジニア的な仕事というより、どちらかと言うと会議の進行をしたり、ワークショップのサポートをしたり、あとはITツールを使ったりという感じです。企業の新入社員向けに、ワークショップをやったときは、自分が説明もしなければならなくて、緊張もしたし、大変でした。でも、終わった時の達成感はありました」

veriserve_11.jpg入社して1年目でもプロジェクトに入り、支援業務に取り組んでいます。

日々新しいことを学び、吸収している最中という伊東さん。最近は、先輩たちに教えてもらいながらのITツール作りが楽しいと話します。

「ツールはプログラミングとまではいかないけれど、業務の効率化などを考えて組み立てていくのが面白いです。最初はさっぱり分からなかったのですが、少し分かるようになるとどんどん面白くなってきました。とは言っても、まだ単独で任せてもらえるほどではなく、リーダーのお手伝いという感じなので、早く自分だけでもできるようになりたいですね」

仕事の面白さも少しずつ感じている伊東さんは、「ベリサーブ函館は休みもきちんと取れるし、ほとんどのプロジェクトは残業もほぼなし。働きやすい環境が整っているのもすごく気に入っている」と話します。有休も取りやすいそうで、ワークライフバランスはバッチリ。未経験スタートですが関心のあったITの仕事に就くことができ、日々充実しているよう。これからの成長や活躍が楽しみです。

veriserve_10.jpg「IT業界って経験がないと難しいと思っている方も多いと思うのですが、研修もしっかりしているので、興味があればぜひ飛び込んで欲しいですね」と力強く語ってくれました。

株式会社ベリサーブ函館
住所

北海道函館市梁川町5-8 プライム函館WEST3F・4F

電話

050-3640-9217(採用担当)

URL

https://veriserve-hakodate.co.jp/

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ソフトウェアの検証業務で、私たちの生活を支えるベリサーブ函館

この記事は2025年1月24日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。