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深川市

まちの笑顔をつなぎ、地域の未来をつなぐ!北空知信用金庫20241205

まちの笑顔をつなぎ、地域の未来をつなぐ!北空知信用金庫

「face to face」というCMのフレーズを耳にしたことはありますか?
これは、地域社会とのつながりを大切にしながら、お客様と顏の見えるお付き合いを大切にする、「信用金庫」のキャッチフレーズです。
そんな「顏の見えるお付き合い」を大切にしながら、地域を盛り上げようと奮闘しているのが、深川市にある北空知信用金庫さん(以下北空知信金)。
地域を盛り上げようとしている熱い人に出会いたい!と、編集部でお邪魔してきました。


バスケットボールが繋いだ北の大地

旭川市から車で西へ30分ほど走った深川市に本店がある北空知信金は、深川市、沼田町、北竜町、秩父別町、妹背牛町の1市4町の北空知広域圏と、お隣り幌加内町や滝川市、旭川市、そして札幌市にも拠点を持つ地域密着の金融機関。



本店の1階窓口に到着すると爽やかな笑顔で迎えてくれたのが、舘山佳穂さんです。


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青森県出身の舘山さんは、高校時代にバスケットボール部に所属していたことから、当時バスケットボールに力を入れていた拓殖大学北海道短期大学へ進学するため深川市へやって来ました。


「短大を卒業したら地元に帰ろうと考えていましたが、就職活動の時期はコロナの影響があって、実家の両親から青森に帰ってもねぇ...と言われ。そんな時、バスケ部の先輩も働いているから深川で就職してみては?と、大学の先生から紹介してもらったのが信金でした」



舘山さんが就職活動をスタートした2020年は、ちょうどコロナによって様々な活動が自粛された、まさにその時でした。金融機関で働くとは思っていなかった舘山さんに、入庫前の信金のイメージについて伺うと


「実は窓口のイメージがなかったんです。学生の頃はATMくらいしか利用していませんし、信金の口座も持っていなかったんです」と苦笑い。

実際に入庫してからは、
「仕事の何がわからないのか、わからない」という言葉の意味を痛感したといいます。


「きちんと研修もありますし、忙しくない日は周りの先輩に聞きながら仕事を覚えていきました。ただ、五十日(ごとうび・銀行の繁忙日)には先輩方も忙しくてなかなか聞けず...。早く仕事できるようになりたくて必死でした」

入庫当時は余裕もなかった舘山さんですが、経験を重ねたいまでは窓口でテキパキと仕事をこなして活躍しています。

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同世代の仲間と過ごす深川ライフ

現在は本店勤務の舘山さんですが、入社2年目には本店から車で10分ほど離れた隣町にある秩父別(ちっぷべつ)支店に転勤。秩父別支店では、正職員が舘山さん1人だけという環境の違いに戸惑うことも多かったそう。



「お金に関することは難しく感じられがちなので、自分がお客様になった気持ちで、『よりわかりやすく、難しい言葉を使わないで伝える』というのは、支店で仕事したことでさらに意識するようになったかもしれません」

と、常に目の前のお客様に合わせた対応を心がけ取り組んだ結果、上司はもちろん、地域の方からも頼られ愛される存在になりました。



また、プライベートでは短大時代のご縁から、深川市で社会人の女子バスケチームを立ち上げ、現在はメンバー15人。産休や育休のメンバーがいるものの、普段から10名ほどで試合に出たりしているアクティブな一面も。仕事が終わった後に練習する時間もあり、土日も休みで試合にも出れるという環境に感謝の気持ちも忘れていません。



「ありきたりかもしれないけれど、今すごくやりがいがあるんです。同期や職場の先輩との仲もいいですし、お客様から『ありがとう』という言葉いただいた時は素直に嬉しいですね。これからも地域の皆さんに愛される仕事をしていきたいです」

お金を貸すだけじゃない!金融を通して管内を盛り上げたい!

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続いて、お話を伺ったのは、営業担当の渋梨子(しぶなし) 雄也さん。周りの空気を馴染ませる、柔らかい雰囲気を持った、入社5年目の27歳です。

「中学生の頃から金融機関に入りたいって思っていたんです!」という渋梨子さんは、深川市のお隣り幌加内町の出身で、北海商科大学を卒業後、北空知信金に入庫しました。
小さい頃からそろばんを習うなど、数字を見るのが得意だった渋梨子さん、ご両親からも金融機関はいいよという後押しもあったのだとか。


「大学に入ってみて、やっぱり金融機関は面白そうだなと感じました。できることなら地域に密着して、金融を通して自分の地元を盛り上げたいと、地元にも支店がある北空知信金に就職しようと思いました」と、想いを語ります。
渋梨子さんが入庫したのは、2020年4月。
世間はコロナによって3月から道内の学校は閉鎖、4月からは飲食店などを対象としたまん延防止等重点措置で、休業や営業時間の短縮などが呼びかけられたタイミングでした。


「信金は顏を合わせて、覚えてもらう営業スタイルなんですが、いざ支店に配属されたら町のお店はどこも休業中。行き交う人もみんなマスクだし、初めて会う人は近づいちゃいけない雰囲気すらあって...。それでも自分にできることはなんだろうって模索する日々でした」



人口2800人ほどの沼田町に配属された渋梨子さんでしたが、なかなか町の人に会えない中でも出来ることを探した結果、町内の商工会青年部に仲間入りし、地元の人と少しずつ距離を縮めていったのだとか。


「金融機関なので、融資することが仕事ではあるんですが、お金を貸すだけじゃ解決できない、課題や悩みがあるんじゃないかなと思って。回数を重ねてお話していくうちに、ポロっと本音が聞けたり、課題がクリアになったり。『それいいですね!やってみます』と、お客様と通じ合えて、喜んでくれる瞬間があると僕もすごく嬉しいし、やりがいがあるんですよ」

熱く仕事に取り組む姿が、地域の人の心もとかしていきます。

地域が未来へ続いていくために、まちをつなぐ金融機関に

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北空知信金があるこの北空知地域は、全国の地方と同様に人口も減少し、高齢化率も40%になろうとしている自治体が多い中、渋梨子さんはあることに気づいたそう。

それは「人口とまちの活気は必ずしもイコールじゃない」ということ。

「コロナ2年目で、まだ各地で自粛が続いている中でも、沼田町はいち早く子どもたちのための縁日や、今までとスタイルを変えたビアガーデンを実施したり、夜高あんどん祭りをLIVE配信したり、人数が少なくてもまちを盛り上げようっていう活気があったんです。北空知の各市町に支店があるわたしたちが、まちを盛り上げたい人を繋いで、地域を活性化する。そんな関わり方ができると思うんです」といいます。



「金融という私たちの仕事を通して、北空知のそれぞれのまちが未来に続いていくために、まちを守る...なんていったら大げさかもしれませんが、北空知に骨を埋める覚悟もしているので、頑張りたいです」と、生まれ育ったまちや地域への想いを話してくれる渋梨子さんの笑顔が印象的でした。

「また一緒に働きたい!」組織づくり


こうした想いのある人が働く北空知信金は、どのような職場なのでしょうか
。
地域振興グループ長を務める田中一幸さんにお話を伺いました。


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田中さんは地元の高校を卒業後、北空知信金に入庫。現在はグループ長として「風通しがいい職場でありたいと、常に意識しています」といいます。



「自分たちが若い頃とは時代が変わっていて、昔の価値観のままでは、今の若い人にはいろいろ響かないんですよ。なので、若い人が感じていることや意見を言いやすい雰囲気づくりをすることで、世代を越えて想いを共有できるようにしています」



金融機関と言えば、十数年前までは常に人気職種にランクインしていたものの、近年は新卒採用も減少し、人材確保や人材育成が課題になっているのだとか。

人口が減少し、企業の数も減ってきている中でも、地域経済を維持していくために、地域に根差した金融機関として、北空知信金を次の世代につなげていくのも使命のひとつと話す田中さん。

聞けば、これまでは対面で実施されていた業務研修も、スマホ1つで好きなタイミングで学べる体制を整え、以前はなかった3日連続の休暇取得推進や、時間休暇の取得など、若い人の声から「より働きやすい職場」として、社内で改善を続けているそう。

ただ、実際こうして環境を整えることで、若い職員が増えているものの、家庭の事情などで退職を選択しなければいけない人もいると言います。



「嫌で辞める人ばかりではないと思うんです。そして、戻りたくても働き方を変えなければならないという声もありました。なので、一度辞めたから『はい終わり』ではなく、また一緒に働きたいという声があった時、一緒に働けるような環境づくりにも力を入れています。昔一緒に働いている分、意識や想いも共有しやすく、団結力も生まれやすいですね」
。

北空知信金が「人」を大切にする組織であることが伝わってきます。

金融機関もダイバーシティの時代に

ただ、再雇用も進めているとなると、これから入社を考える人に求める資格や条件も厳しいのでは?とたずねると

「未経験大歓迎ですね。大学の学部も問いませんよ」と意外な答えが。





「本当に必要な資格は入庫してから勉強すれば十分間に合います。また、金融機関に就職するのは経済学や商業に関する学部がメインだと思われがちですが、そんなことはありません。私たちの仕事は地域密着だからこそ、世の中に必要とされる学部で学んだことは、様々な分野でいかしていけると思います。たとえそれが美術やデザインという全く違ったジャンルであっても、必ず何かにつながりますし、私たちにとっても刺激になりますね。それに窓口業務がメインだと思われがちですが、それだけではないので、コミュニケーションが得意な人も、そうでない人にも活躍の場があります。そうした多様な働き方があることも、ぜひ若い方には知っていただきたいです」という田中さんの言葉はダイバーシティそのもの。



「この地域の経済を未来につなげていくためには、信用金庫はそれを支える存在であり続けなくてはならないと思っています。とすると、『マンパワー』が必要になってくるんですよね。地域のために、ここで働く人を育てていくことも、私たちの使命のひとつだと思っています」

人を大切にするからこそ、人が集まる。
地域の金融機関として大切にすることを受け継ぎながら、新しいスタイルも取り入れる。
簡単ではありませんが、真っ直ぐ取り組む北空知信金の姿勢は、若い人にとっても刺激になっているのは間違いありません。

地元で暮らして、地元に貢献したい!


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さて、最後にお話しを伺うのは、地域振興グループの中野正貴さん。入庫12年目になる中野さんは雨竜町のご出身。札幌の大学を卒業後、北空知信金に入庫しました。そのきっかけを尋ねると

「札幌より地元のほうが『暮らしやすい』って思ったんですよね」と、意外な答えが。



札幌は物も企業もたくさんあって、選択肢という点で不自由はないものの、生まれ育ったまちのほうが肌に合っていると感じ、中野さんはご家族や祖父母のいる地元に帰ろうと決心したそう。


「地元で働こうと思った時、大学で学んだ経営学を地元の企業に還元したいと思ったら、信金になりました」と、地元で暮らしたい、地元に貢献したいという想いが入庫のきっかけだったようです。

そんな中野さんの地元に帰りたい想いとはうらはらに、中野さんが配属されたのは、旭川、札幌など都会続き。
やっと札幌から戻って来られたのは4年前のことでした。



「正直こんなに戻れないことは想定していませんでしたが、北空知に関わりながら、外から北空知を見つめる時間になりました。都市部ですら人口が減少する中、地方はどのような戦略を持って生き残っていくのか、考えないといけないと感じました」といいます。信金職員として都会で暮らす時間は、学生時代とは違った新たな気づきを得る時間になったのだとか。



「人が減ることで、何かを縮小するだけではなく、これまで続けてきたことを辞めなければならない場面も出てくると思うんです。限られた資源の中で取捨選択する勇気というんでしょうか。それと同時に、既に地域が持っている魅力をどうやって高めていくのか...信金としてできることはなんだろうと考えますね」



中野さんが現在配属されている「地域振興グループ」は、信金の中でも地域課題に直接アプローチする部署で、事業承継や補助金支援、ビジネスマッチングやイベントのほか、他の部署との商品開発や、信金以外の団体と連携した管内企業の合同説明会の開催や、次世代雇用対策など、その業務は多岐にわたります。
これは金融機関とひとくくりにできないほどの業務量。
先ほど田中さんがお話ししていた「地域の経済を未来につなげていくためには、信用金庫はそれを支える存在であり続けなくてはならない」という言葉の本気度が伝わります。


事業継承を支援し、

まちの灯りを未来に繋ぐ

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様々な業務に携わる中野さんに一番嬉しかったことをたずねると、6年越しで実現した事業承継についてお話ししてくれました。



「普段暮らしていると、自分の生活範囲にない業種や企業の大切さってなかなか気づけないと思うんです。ただ、誰かにとっては今まさに大切な企業である場合もある。そして、今大切だと思っていない人にとっても、違うタイミングで大切だと感じる時が来ると思うんですよね」といい、言葉を続けました。


「事業をされている方の中には、『自分の代でもう畳むんだ』と事業を終えることを決めている方もいらっしゃるんです。でもその事業の灯りがまちから消えると、まちの人にとってはできなくなることが増える可能性がある。私たちがやっている事業承継は、そうしたまちの灯りを消さないための仕事かなと思っています。顏を合わせて、膝を寄せ合って話し合いながら、経営者さんと、丁寧にお話しさせてもらうんです。無事事業が受け継がれて、軌道に乗っているという連絡をいただけた時には本当に胸がいっぱいになります」と、中野さん。


まちの灯りを消さないというのは、地域が未来に続いていくためにも大切なポイントで、
渋梨子さんも、沼田町で勤務していた時の事業承継が一番嬉しかったと、教えてくれました。

商店街がシャッター街になるというのは、様々な地域で見受けられますが、こうしたまちの灯りを消さないための努力も、信金が担っていることに、地域密着を理念としている真髄を感じます。

北空知で、新しいことに挑戦できるように

そんな中野さんにも、実は仕事を辞めたくなるような時期もあったのだとか。それでも思いとどまった理由をたずねると

「生まれ育った地域だからですかね」と言い、こう続けます。



「いろんなことがあっても、最後に踏ん張れるのは、ここが地元だからというのが大きいですね。自分の生まれ育ったこの地域を残したい、この地域をもっと好きになって欲しい。その想いがあるから、頑張れるんだと思います」と、これには隣に座っている渋梨子さんも大きくうなずきます。



「だから、もっとみんなに戻って来て欲しいんです」





最後に中野さんに、北空知の未来について聞いてみました。



「北空知は複数の自治体で構成されているので、地域間で手を取り合っていけるような関係を築きたいですね。
そして、前向きに新しいことに挑戦する人があふれる地域になって欲しいと思います。そのために金融機関としてできることで応援していきます」と真っ直ぐに見つめる中野さんと、隣でうなずく渋梨子さん。

若い2人が描く未来を、私たちも一緒に応援したいです。

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生まれ育ったまちに「帰りたい場所がある」かどうか。
そして「まちのために」は、「このまちで暮らす大切な人のために」でもあります。家族という小さな単位が集まって、地域ができて、地域が集まって都市ができる。
だとすれば、まちづくりは幸せな家族を増やすことが近道なのかもしれません。

そう思うと、北空知信金のライフスタイルの変化に合わせた働き方のチェンジは、幸せな家族を増やし、巡り巡ってまちを元気にすることに繋がる、最高の取り組みですね。



「face to face」顏が見えるお付き合いの人が増えるほどに、まちに笑顔があふれていく。

北空知信金の今後にも大注目です!

北空知信用金庫
北空知信用金庫
住所

深川市4条8番16号

電話

0164-22-1212

URL

https://www.shinkin.co.jp/kitashin/

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まちの笑顔をつなぎ、地域の未来をつなぐ!北空知信用金庫

この記事は2024年11月1日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。