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旭川市

人柄が自然に笑顔に表れる。融雪槽やエクステリアの道北建装20230808

人柄が自然に笑顔に表れる。融雪槽やエクステリアの道北建装

旭川で創業して40年以上の株式会社道北建装は、エクステリアやリフォームの工事、融雪槽の販売設置などを行っている会社。通信土木工事や除雪作業も請け負うなど、建設土木の施工会社といってもその守備範囲がとても広いことに驚きます。今回は、2年前に代表取締役に就任した澤山功一さんと営業課長の高原史朋さんに会社のことや、同社ならではの商品「アートコンクリートシステム」のことなどを伺いました。社員のみなさんがとにかくニコニコしているのが印象的。その笑顔の理由は会社の企業風土にあるようです...。

dohokukenso_18.JPGこちらは同社が手掛けているアートコンクリートシステム

エクステリアや融雪槽のほか、業務内容は「いろいろ」? 

「話すことなんてそんなにないよー」と笑いながら、取材陣に席を勧めてくれたのは澤山社長。まず事業内容から伺うと、「融雪槽関係を中心に、エクステリア、車庫、ガーデニング、それからリフォーム、最近は雪庇(せっぴ)防止もやっています。うん、とにかくいろいろ!」と話します。初めはその「いろいろ」がどれほど「いろいろ」なのか見当もつきませんでしたが、話していくうちに本当に「いろいろ」なのだなと分かってきます...。

気を取り直して、澤山社長のことを伺うことに。社長が入社したのは8年ほど前。もともとは通信設備事業や電気設備事業の大手企業に勤務されていました。道北建装の創業者である現会長の阿部裕一さんとは現場などで以前から面識はあったそうです。

「僕はもともと、前の会社で通信土木の仕事をしていたんです。電柱の電線はもちろん、景観のことを考えて最近は地下だったり、橋の裏側に電線を這わせたりするような、つまり情報通信のインフラを整備する仕事ですね」

澤山社長が道北建装へ移る際、当時一緒に仕事をしていたスタッフ数名も共に移籍。東鷹栖にある事務所では、通信土木に特化したチームが通信土木の仕事を回しているそうです。

dohokukenso_11.JPG代表取締役の澤山功一さん

一方、高原さんは入社4年目。営業課長という肩書きですが、建築士の資格も持っており、3DCADを使って図面を引くこともできます。「従来から家のリフォームも手掛けていたけど、新築住宅へも幅を広げて手掛けるようになったんだよね」と澤山社長。

徐々に、冒頭の「いろいろ」の意味が分かってきた気がします。

「配管のことができる人材もいるし、以前に家具職人をしていた人も、現在部長として活躍しています」と澤山社長。さらに続けて、「そうですね。うちの会社は、それぞれが持っている経験やスキル、特性を生かした仕事ができるというか、そういう仕事が次々とやってくる会社なんです」と高原さんが話します。

実は、阿部会長が「なんでもできる人」なのだそう。「何か分からないことがあれば、会長に聞けばだいたいのことが解決します」と澤山社長は笑います。

dohokukenso_12.JPG営業課長の高原史朋さん

除雪に木の伐採も。営業と言っても現場でバリバリ仕事もこなす

「外に重機が置いてあるの見た? 冬はね、除雪もやっているんだよね」と澤山社長。建設系の仕事は夏が忙しいイメージですが、除雪があるため、夏だけでなく冬もかなり多忙だとか。しかも、よくよく話を聞いてみると、除雪作業を担当しているのは澤山社長と高原さんの2人なのだそう。ええっ!と驚く取材チームに、「僕らね、上手なの、タイヤショベルの運転(笑)」と澤山社長。

「除雪に関しては、雪が降ったら出動しなければならないので、年末年始も関係なく、冬は毎日夜中の3時ころに必ず一度起きて、雪が積もっていないか確認しています。だから、冬は夜にお酒が飲めない」と高原さんは苦笑します。「でも、旭川は雪が多いし、除雪しないとみんなが困るからね」と続けます。

これで「いろいろ」は終わりかと思いきや、「僕ね、子どもたちに『お父さんの仕事は木こり』と思われていたことがあって」と澤山社長。

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木こりとは?と不思議に思っていると、通信土木の仕事で電気通信設備の保護のために木の伐採を行うことがあるそう。社長自ら、道北エリアを順に回って木を伐っていたとのこと。そのときにお子さんから木こりと思われていたと笑います。人手が足りない時には、高原さんも「木こり」として駆り出されることがあるんだとか!

本当に「いろいろ」な仕事を手がけているのだなと思いつつ、「もう一度確認しますが、お2人とも営業なんですよね?」と尋ねると、「そうだよ、営業だよ。でもね、僕たちは現場主義。自分が営業を担当した案件の現場は必ず見に行くし、人手が足りなければ自分たちも現場で作業する。単純に現場が好きというのもあるけどね」と澤山社長。仕事に対する責任感、丁寧な仕事ぶりが十分伝わってきます。

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人と自然を大事に。その想いがしっかり社員に浸透している

お話を伺いながら、澤山社長はよく笑う方なのだなと思っていると、「僕ね、営業先で絶対にお客さまを笑わせる自信がある」と社長。何より本人が楽しそうなのでこちらもつられて笑ってしまいます。「営業の方は皆さんそうなのですか?」という問いに、「社長だけですから(笑)。僕はお客さまのご希望を丁寧に聞き取り、それ以上のものを提案するようにしています」と高原さん。それぞれ営業の仕方は違いますが、お客さまや仕事に対して誠実に向き合っているのは分かります。

それは、年間に扱う案件の数からも伺えます。融雪槽とエクステリア工事を合わせて300件以上になるそう。ノルマもなく、飛び込み営業を一切しないのにこれだけの数の依頼があるというのは、その大半がこれまで施工を担当したお客さまからの紹介や長年付き合いのある取引先からの紹介だから。最近は、噂を聞き、ホームページを見てから問い合わせをしてくれる方もいるそう。長年の実績と信頼が次の依頼につながっているのだなと感じます。

dohokukenso_8.JPG取材の間、本当に皆さん笑顔でご対応してくださり、ほっこりした気持ちになりました

「融雪槽やエクステリア、リフォームの仕事で、僕たち営業が直接お会いするのは個人のお客さま。そして、それらの工事はお客さまにとって一生に一度のことがほとんど。その一生に一度に携わらせていただいているという気持ちで寄り添うことを大事にしています。提案の仕方も、丁寧な仕事も、結局は『人』ですから」と澤山社長。そして、どんな小さな仕事にも対応する「仕事は断らない」主義であると続けます。高原さんは、「ホームページを見て直接電話をくださるお客さまの中には、塀が倒れたなど急を要する案件もあります。そういうときも困っている人のためにすぐに動こうという姿勢でいます」と話します。

こうした姿勢や考えは、創業時から実績と信頼を積み上げてきた一番の立役者である阿部会長が大切にしてきたことなのだそう。会長が掲げた会社のコンセプトは、「人と自然を大事に」。シンプルですが、それがしっかり社内に浸透し、企業風土となっているようです。

その会長、取材がはじまったときは社内にいらっしゃいましたが、途中でおでかけに。カメラマンがどちらへ?と尋ねると、「今日は暑いから近くの現場に飲み物の差し入れに」と満面の笑顔で出かけられました。そこに会長の人柄が表れている気がします。高原さんは、「転職する際、求人サイトに出ていた会長の笑顔を見て、この会社いいなと思ったんですよ」とニッコリ。

dohokukenso_7.JPGこちらの最高の笑顔の方こそ、会長の阿部裕一さんです

人を大事にするというのは、お客さまもですが、社員に対しても同じです。「会長も僕も、社員には悩みを抱えずに何でも相談してねと言っています」と澤山社長。個々の特性や長所を生かすことも大切だと考え、常にコミュニケーションが取りやすい環境作りを心掛けているそうです。

取材のあと、実際に近くの現場を見せていただきましたが、工務を担当している方たちも皆さんとってもいい笑顔。現場の風通しの良さも感じました。

dohokukenso_20.JPG現場の技術職社員さんも楽しそうです!

画期的な工法「アートコンクリートシステム」をアメリカから導入

道北建装は、アートコンクリートシステムという工法を用いることができる数少ない会社。道内のほとんどは同社が手がけています。このアートコンクリートシステムとは、床や壁のコンクリートやモルタルの表面にレンガや石、木材の風合いを再現するというもの。30年以上前にアメリカで開発された工法で、有名なテーマパークや公園、ホテルなどで取り入れられています。「この工法を日本に導入したのが、福岡にあるトミナガコーポレーションとうちの会長なんですよ」と澤山社長。道内の大型アウトレットモールの床なども手掛けたそうです。

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最近は一般住宅でもエクステリアで取り入れたいというお客さまが増えているそう。まるでレンガや石を積み上げたように見える壁、木材や石を敷き詰めたような床など、一見しただけでは本物かどうか見分けがつきません。アートコンクリートシステムの中でも、床と壁でそれぞれやり方があるそう。床の中でもスタンプコンクリート工法やスプレーデッキ工法などがあり、壁でもスタンプウォール工法、カービング工法と分けられています。いずれも「色やデザインのバリエーションも豊富ですし、見た目の良さはもちろんですが、機能性の高さも魅力です。専用のトップコートを塗るので耐久性、強度もしっかりしています」と高原さん。

dohokukenso_19.JPG建物の雰囲気を表現するアクセントにもぴったりです

旭川のまちで次世代を育て、100年企業を目指したい

ものづくりの町である旭川市は、ユネスコデザイン都市に認定され、毎年「あさひかわデザインウィーク」を開催しています。今年も6月に行われたばかり。「アートコンクリートはまちの景観にも関係している部分があるのでまったく無関係というわけではないというのと、旭川のまちが活性化するならと思って協賛をさせてもらっています」と澤山社長。

旭川のまちで地域の方や企業に頼られ、40年以上続いてきた道北建装。澤山社長は、「自分の代になってまだ2年。高原くんも同世代なので、一緒にあと20年くらいは続けていけるかなと考えていますが、その先、創業100年を目指し、技術の継承も含めて次世代を育てていきたいですね」と最後に話してくれました。

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株式会社道北建装
株式会社道北建装
住所

北海道旭川市忠和4条3丁目4番25号

電話

0166-62-7159

URL

https://dohokukenso.co.jp/


人柄が自然に笑顔に表れる。融雪槽やエクステリアの道北建装

この記事は2023年6月27日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。