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安平町

自動車などの高品質な部品を製造するホクダイ株式会社20230118

自動車などの高品質な部品を製造するホクダイ株式会社

陸、空、海の物流アクセスの良い安平町には、全道、全国へ出荷する優れたものづくりを行っている工場がそろっています。1994年創業の「ホクダイ株式会社」もそのひとつ。アルミダイカストの鋳造やアルミ合金を用いた加工品の製造を手掛けています。

今回は、同社の社長である谷川年啓さんに事業内容のほか、会社の歩みやこれからのことを伺いました。

また、将来を期待されている若手社員の一人、板谷真禎さんに仕事の面白さや働き方などについて語ってもらいました。柔軟な考え方による経営方針で、働き方改革もどんどん進められており、次世代を担う社員も夢を描ける環境であることがよく分かるインタビューとなりました。

hokudai_itaya2.JPG若手が活躍できる職場、ホクダイ!

身近なものの「部品」をつくる工場。その数は50種類ほど

ホクダイの事業内容にある「アルミダイカスト」という言葉。製造業に携わっていない人間にとっては耳慣れないものです。「なじみがない人にとっては意味が分からないよね」と谷川社長。次のように分かりやすく説明してくれました。


hokudai_itaya3.JPGとってもお話が面白い谷川社長。

「精密な金型に、溶かしたアルミニウムを流し込んで圧力をかけて固める鋳造方法の一つで、たい焼きの型を想像してもらったら分かりやすいかな。たい焼きの場合、型に流し込むのは小麦粉を水で溶いたものですが、うちの場合は型に流し込むのがアルミニウムというわけです」

同社で製造しているのは、大手自動車メーカーのブレーキの部品や大手事務機器メーカーのイスの部品など。大きいものから小さなものまで、さまざまな「部品」を約50品目手がけています。中でも、ガソリンスタンドの給油計量機のガソリン量を量る器に関しては全国の7割近くがここで作られたものだそう。

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「ダイカストで作られた部品はあらゆる分野の製品に用いられています。数ある中でも、うちは強度が強く、品質の高い耐圧部品をメインで製造しており、技術力の高さは誇るべきものがあります。うちがつくっているものは部品なので、表面的には見えないものがほとんどです。しかし、身近なあらゆる製品に用いられており、その製品を見ると、自分たちのつくった部品がそれを支えているのだと誇りに思いますね」

生まれ故郷の北海道に貢献したいという創業者の想い

群馬に親会社「グンダイ」とグループ会社の「グンケイ」があり、そちらの専務も兼務している谷川社長。基本は群馬にいるそうですが、毎月必ず安平も訪れ、社員とコミュニケーションを取るようにしています。

「2015年に亡くなった創業者の細木栄は釧路出身。東京の大学でダイカストについて学び、卒業後はカメラメーカーでダイカストの技術を使ってカメラフレームをつくっていました。独立し、奥さんの実家があった群馬で創業したのですが、高度経済成長期で業績が伸びる中、生まれ故郷に恩返しをということで北海道にも会社を立ち上げました」

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海外進出の話もあったそうですが、地域社会に貢献する「貢献福祉」という社是のひとつを形とするべく北海道を選んだそう。道内でもいくつか候補地はありましたが、隣の苫小牧市に自動車メーカーの工場があることや物流アクセスの良さが決め手となり、安平に工場を建てました。

ちなみに同社の社是は、「和衷協同(全員が心を同じくして力を合わせて働くこと)」「永代経営(会社の経営が永遠に続くことを希い働くこと)」「貢献福祉(会社は地域社会に貢献するとともにお互いの福祉向上のために働くこと)」の3つ。この社是をベースにした企業風土が社内には根付いています。

頑張りを認め、若い社員たちに夢とチャンスを

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「僕も創業者の細木と同じ釧路出身。高校も同じで、卒業後に縁あってまずはグンダイに入社しました。親族でもなく、高卒の僕が、グンダイの役員になり、ホクダイの社長にまでなれたのは創業者の夢があったからなんです」

その夢とは、生え抜きの若者の中から社長を誕生させたいというもの。

サラリーマンであっても、その気があれば社長に上り詰めることができるチャンスを与えたいと細木さんは考えていたそうです。

「僕は30代で部長職、40代で役員にまで引き上げてもらうことができました。あとに続く人たちにも、頑張った分だけチャンスがあるということ、若い人たちが活躍できる会社だということを伝えていきたいです」 谷川社長の努力や実力が認められた結果ではありますが、親族が跡を継ぐケースが多い中小企業において生え抜きの社員が社長に就任するのは珍しいかもしれません。また、若い人たちにチャンスをというだけあり、毎年新入社員を採用。平均年齢も33歳と若めです。

社員の幸せを考えた働き方改革を推進し、未来へバトンを

「僕はもともと現場でものづくりをしていた人間。ものづくりが楽しくて、自分のつくったものが世に出ていくことが喜びでした。今でも現場は好きですが、経営側に回った現在は現場経験や雇用されていた経験があるからこそ分かる改善点を検討し、社員の幸せを考えた改革を進めています」

残業をなくし、家族手当てを増やし、2022年からは業績連動型の賞与をスタート。頑張って得た利益を社員にきちんと還元していこうという考えです。ほかにも日々、役員間で改善すべき点やこれからの会社のことについて話し合っているそう。

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「自動車業界も変化のときにきており、各メーカーは新しいことにチャレンジしています。部品を製造している僕ら中小企業も新しいことにチャレンジしていくときだと思います。自分たちの技術や経験を生かした新分野を開拓し、みんなで夢を持ち、次世代へバトンを繋いでいきたいと考えています」

「和衷協同」「永代経営」の社是が、谷川社長のビジョンのベースとなっているのがよく伝わってきました。

入社から4年で管理者に昇進。頑張りを認めてくれる会社

次に話を伺った板谷さんは24歳。24時間稼働している工場で、現在は夜勤の管理者を務めています。16時30分から仕事をはじめ、深夜1時10分に仕事を終えます。


hokudai_itaya6.JPGこちらが板谷さん。

安平の早来で生まれ育ち、高校も隣の厚真町に通っていた板谷さんは、中学時代からホクダイのことを知っていて興味を持っていたそうです。

「もともと車が好きだったこともあって、車に関係ある仕事に携わりたいと思っていました。高校時代に工場見学をさせてもらう機会があり、ものづくりも好きだったので車の部品をつくってみたいなと思うようになりました」

入社してすぐは、工場の現場で加工や製造のライン作業を担当。仕事をひと通り覚えた4年目から現場全体を見る管理の仕事を担っています。20代前半であっても、頑張りや実力に応じてキャリアアップできるのが会社の良さでもあります。

程よいプレッシャーを感じながら、責任者の役割を果たす

「入社したばかりの頃はシフト制で夜勤もあれば、日勤もあり、慣れるまで大変でしたが、今は夕方からのこのシフトが固定になっているので体も慣れました」


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とはいえ、体調管理は重要。普段から趣味のロードバイクやランニングで体を動かし、体力をつけるようにしているそうです。

「夕方からはだいたい10人のスタッフが工場で仕事をしており、それをまとめるのが自分の仕事。その時間に製造している全製品を把握し、チェックしなければならないので、それはそれでなかなかのプレッシャー(笑)。気が引き締まります」

24時間フル稼働しているため、機械が途中で故障することもあるそう。業者を呼べる時間でもないため、それらの対応も自分たちでできる範囲で行います。

若手社員が多く、コミュニケーションも◎。雰囲気のいい職場

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職場のいいところを聞くと、「とにかく雰囲気がいいところ」と即答。風通しが良く、コミュニケーションもしっかり取れているそう。若い社員も多く、みんな明るいので楽しく仕事ができると話します。

「やさしい人が多いんです。入社してすぐのころ、先輩や上司がとにかく仕事ができるようになるまで丁寧に教えてくれました。今は僕も教えるほうの立場になって、自分がしてもらったように分かりやすく伝えられたらと思っています」

また、会社が仕事ぶりを見て評価してくれるのもモチベーションアップにつながっているそう。「チャンスがたくさん用意されている会社だと思います。覚えることもまだまだたくさんありますが、もっと上の役職を目指して頑張りたいです」と最後に力強く話してくれました。

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ホクダイ株式会社
住所

北海道勇払郡安平町早来富岡257

電話

0145-22-3501

URL

http://www.hokudai-jp.com/index.html


自動車などの高品質な部品を製造するホクダイ株式会社

この記事は2022年12月27日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。