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美唄でオンとオフを楽しむ暮らしと仕事。(株)高瀬工業20220509

この記事は2022年5月9日に公開した情報です。

美唄でオンとオフを楽しむ暮らしと仕事。(株)高瀬工業

春の日差しが北海道中を包み込み始めた4月頭。路肩にはまだ雪が残るものの、雲ひとつない空と、壮観な山を横目に取材陣が訪れたのは、北海道空知エリアに位置する美唄市。まっすぐ続く大きな通り沿いに、高瀬工業という会社がありました。

1949年この美唄で創業し、農家さんたちの商売道具である農地の整備や、暗きょ排水などのお仕事を担っている会社です。高瀬工業の3代目、高瀬健秀さん。代々続く家業を、「働き方改革」ならぬ新しい施策で守り、突き進む、想いのある社長です。

今回はそんな社長からは会社のお話を、そしてもうひとり、入社4年目の社員二又さんからは仕事とプライベートのお話を聞いてきました!

3代続く、地元に根付いた会社

高瀬さんのおじいさまの代から始まったこの会社。高瀬さん自身は、この地で生まれ育ったあと札幌の大学に進学し、卒業後は建設関係の営業を担当する普通のサラリーマンだったと話します。


takase02.jpgこちらが高瀬さんです。

「親からは『継げ』なんて言われたこともなかったけど、いつも小さい頃から見ていて、身近には感じていたんですよね。どうせならもったいないから継ごうかな〜とかそんな感じですよ(笑)」

ゆったりとした口調で話す姿から、なんだか高瀬さんの人柄が伝わってきます。

そして新卒で入った会社を退職し、高瀬工業に入社。そこから専務を経て、38歳の時に社長に就任し、今に至ります。

takase03.jpg社長に就任した時、プレッシャーは感じなかったですか?と問うと「うーん。そもそも俺を社長にした方が悪いでしょ〜(笑)」なんて場を和ませてくれます。

社内の改革は社長に就任する前の、専務時代から進めていました。

「まずは今いる人間の給与を引き上げました。働き方改革という時代の流れも考えて、待遇や福利厚生を良くしようとした。そういったところが手厚くなればなるほど、仕事の質も上がるっていうのがやりながら分かってきたんだよね」

もちろんそれは「投資」的な部分でもありますが、それで仕事の質があがり、受注が増えることによって社員にも還元される良い連鎖が起きます。

takase11.jpgこちらは社内の風景。なんと、社員全員に車の貸与も始めたのだとか...!

そういった社員としては嬉しい待遇もありますが、仕事の面では大変なことも多いのが現実です。

夏は農家さんの大事な商売道具である農地を整備するお仕事がメイン。農家さんが現場の作業をずっと見に来られることも...。それは時にプレッシャーを感じることもありますが、逆にしゃんとした気持ちにもなると話します。

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また、おじいさまの代からお付き合いが続いている農家さんも多く「高瀬さんだったら安心だ」と言ってくれる方も多いのだとか。

ただ、これらの仕事は雨が降ると中止となり突然の全休に。こうした天気に左右されるところが、この仕事の大変なところのひとつです。

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そして、雪で埋もれる冬は一変。除雪が仕事のメインとなります。

特に雪の多いこのエリアでは、市民から求められる大切な仕事です。深夜から除雪作業で働いて...と、ほぼ毎日休みなく出動となります。自分たちでさえ出勤するのもやっとな状況の中、市内の除雪に出動するのです。

そんな大変な冬を乗り越え、春のきざしが見えるようになった3月の下旬、9日間の大型連休が設けられています。ここで冬を乗り越えた体をリフレッシュさせるのです。

「ぼく、わんちゃん飼ってるんですけど、近隣のドッグランに行ったりして楽しんでますよ」と、高瀬さん流のリフレッシュ方法を教えてくださいました。

地域貢献への、その想い

地元に長く根付いているからこそ、地域密着型の会社であることも特徴のひとつ。


「クリスマスに、サンタの衣装を着て子どもたちに文房具を配ったり、地元の高校には教材をプレゼントしたり、市役所の駐車場を無償で除雪したりしてるんだよね」と、地域貢献についても話してくださいました。

こうした活動が巡り巡って会社に帰ってくるんだと、と高瀬さんは言います。だからこそ、こういった活動を続けているのだとか。

takase13.jpgこちらは、美唄尚栄高校の生徒会から。感謝のフラワーアレンジメントが届きました。

そんな社長に「美唄の魅力は?」と聞いてみると、まさかの間髪入れずに「ない(笑)」との即答が!!

「しいて言うなら自然がいっぱいなところかな。米どころだから、米が美味しいし。スキー場が近くにあるからウィンタースポーツも楽しめるのが良いですね。仕事終わりにナイターで滑りに行くこともあるんだけど、ぜんっぜん人がいなくて、貸し切りで楽しめるんだよ〜(笑)」

と、しっかりと美唄の良さを教えてくださいました。
都会とは言えない、「田舎」という言葉が似合う美唄。何もないからこそ、見えるもの、楽しめるものが実はたくさんあるまちなのかもしれません。

takase06.jpgこんなにキレイな景色を見ることができるのは、高い建物がないからこそ。

「正直に欲を言えば、隣の岩見沢や滝川の方が買い物とかお店がたくさんあるよ」と、本心で話してくれる社長に、私たちもなんだか居心地の良さを感じてしまいます。

それはきっと社員はもちろん、仕事で関わる方々も感じ取っているはず。だからでしょうか...ちょうど農家さんが高瀬さんに顔を出すため、事務所へと訪れる、そんなシーンに私たちも遭遇しました。

家族と過ごす時間を大切にしたいから

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生まれも育ちも札幌の二又 拓哉(ふたまた たくや)さん、28歳。24歳の時に高瀬工業に入った4年目の社員さんです。

札幌の高校を卒業後、自衛隊で4年、その後基礎打ちの会社で2年働いた後に、高瀬工業の門をくぐりました。

「前職の基礎打ちの会社は、全道出張がとっても多かったんです。妻と婚姻届を出した次の日には『4ヶ月間の釧路出張令』が出されました(笑)」

このように、常に北海道中を長期でまわっているのは体力的にも、家庭を考えても厳しく、転職を考えた時に見つけたのが高瀬工業の求人だったといいます。

takase07.jpg「高瀬工業に応募しようと思った決め手は、出張がなくて空知管内で出来る仕事だから」と話す、二又さん。

聞けば奥様のご実家が美唄にあるのだとか。

取材当時、まもなく1歳の誕生日を迎えようとしている息子さんとの子育て生活についても楽しそうにお話してくださいました。奥様にとっても、二又さんがいない時に頼れるご実家が近くにあるのは、環境的にも良いはず。美唄に中古で家も購入し、まさに順風満帆!住宅購入の際に、市からの助成もあったそうです。

札幌出身の二又さん。都会とは決して言えないこのまち美唄での生活も、心地良いと話します。

「もともと、じいちゃん、ばあちゃんが安平町で農家をやっていて、よく遊びに行ってたんです。だから、こういう田舎の方が落ち着く」と、事務所の窓から広がる壮大な山の景色を眺める二又さんでした。

美唄という場所だからこそアウトドアが楽しみやすい

高瀬工業に入ってから二又さんは「水上バイク」という新たな趣味ができた、と教えてくださいました。


「もともと泳げないので、水の上を走るなんてイヤだくらいに思ってたんですけど...(笑)。でも、ここの職場の方で水上バイクをやっている人がいて、連れて行ってもらったことがきっかけでハマっちゃいました」

気付けば水上バイクの免許も取得し、その爽快さに完全に魅了されてしまったご様子。

takase09.jpgお家の車庫には水上バイクが入り、車は家の前へと駐車しているそうです。

ちなみに、気になる泳げない問題は大丈夫なのでしょうか...?と聞いてみると「ライフジャケット着てるんで、大丈夫です(笑)」と、笑う二又さん。

社内では、ツーリングや釣りなどのアウトドアな趣味をお持ちの方も多いとのこと。美唄は、北海道の真ん中という立地もあり、アウトドアを楽しむべく道内各地に行きやすいのが、良いところなのかもしれません。

また、美唄の観光地のひとつにもなっている、アルテピアッツァ美唄。彫刻家、安田侃(やすだ かん)さんの作品が大自然の中に置かれる場所。かつて小学校として活躍していた木造校舎を利用し、美術館としての役割も果たすこの場所は、訪れた人々の心を癒やします。二又さんご家族も、ここでのんびりとしたひとときを過ごし、非日常を味わいながらリフレッシュしているとのこと。

こうして、仕事とプライベートのオンとオフ、メリハリつけて働けるのも、ここ美唄市にある高瀬工業の魅力のひとつです。

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二又さんの今の目標は、一人前になること。

入社4年目であれど、まだまだベテラン先輩についてまわっています。現場がそれぞれ違うからこそ、そこでのやり方も変わり、まだまだ4年の経験では補えていないことも多いのです。それは大変でもあり、やりがいでもある...そして、現場ごとに新たな発見がある楽しさ。それらのバランスが、きっと長く続けられる秘訣なのかもしれませんね。

株式会社高瀬工業
住所

北海道美唄市茶志内888番地

電話

0126-65-2211

URL

http://www.takasek.com/


美唄でオンとオフを楽しむ暮らしと仕事。(株)高瀬工業

この記事は2022年4月4日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。