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このまちのあの企業、あの製品
弟子屈町

弟子屈町を全国に売り込む宣伝マン。(有)大道開発。20200713

弟子屈町を全国に売り込む宣伝マン。(有)大道開発。

北海道の東側、道東と呼ばれるエリアのほぼ真ん中にある町が「弟子屈(てしかが)町」。摩周湖や屈斜路湖といった大自然に恵まれ、日本のみならず世界からたくさんの観光客がやってきます。そして、各地からの移住者もたくさんいるとのこと。

その弟子屈町にユニークな存在感を持った会社を見つけたのです。「北海道で温泉のある田舎暮らしを」というキャッチフレーズを掲げて、弟子屈町を中心とする不動産物件を扱う「大道開発」という会社です。

WEBサイトで物件情報を見ていると、温泉付き分譲地から温泉付き中古物件、かなりいい状態のログハウス、ボロボロの廃屋が残る原野、さらには広大な山林など、もし手に入れることができるならどう使ってみようかなぁと、ワクワクしてしまう物件だらけなのです。

きっとたくさんの移住希望者がこのWEBサイトを通過して行ったんだろうなと思い、弟子屈町の大道開発の辻谷英樹社長に話を伺いに行ったのです。

最初は道内向けの温泉分譲地から

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弟子屈町の中心部、釧路川の畔にウッディーで瀟洒な大道開発の社屋があります。遠方から遥々ここを訪ねてくるだけで、移住希望者は気分が盛り上がるでしょうね。

「創業ですか?昭和45年頃だと思います。そうですね、そろそろ50年にもなるんですかね。温泉付き分譲地を販売するということで始まっています。といっても最初は道内の別荘地としての分譲地です。釧路近郊のシラルトロ湖畔に作りました」と辻谷社長。

弟子屈町内に美留和地区にも、約60区画の大きな温泉付き分譲地があります。ちょうど売りに出ている中古物件まで案内していただきました。角ログで組まれた大きなログハウスは、もうすぐにでもここでの暮らしをスタートさせられそうな物件です。横には薪小屋があって、薪がたくさん積まれています。ということは、冬にはこのログハウスで薪ストーブが楽しめるということなのですね! 

daido11.jpgこちらがそのログハウス

美留和地区は鬱蒼とした森の中にある分譲地で、切り拓かれた印象は全くといっていいほどありません。自然に抱かれた田舎暮らしがリアルにイメージできる場所でした。

先にも書いたように大道開発が扱っている物件は、自社で開発した温泉付き分譲地だけではなく、その分譲地の中古住宅付き物件や、原野の中古住宅付き物件、土地のみの物件など、多岐にわたります。

不況を乗り越え、数多の移住者を弟子屈町へ

daido7.jpg大道開発を創業した辻谷守会長(右)と辻谷英樹社長(左)

原野を切り開いて区画を整理し、温泉も供給する分譲地として販売するというビジネスは、バブル崩壊やリーマンショックという危機が繰り返されたことにより厳しさを増し、徐々に新たな分譲地開発はできなくなっていきました。一級建築士として建築事務所を主宰していた辻谷社長が、2014年に父・辻谷守さん(現会長)の跡を継いだ時には、すでに新規の温泉分譲地の開発は無くなっていたそうです。

とはいえ、この地域で暮らしてみたいと思う人にとって、大道開発の扱う多様な情報は非常に貴重で魅力あふれるものであることは確かなことです。そういう人たちのほとんどが大道開発に行きついていたといっても過言でもないでしょう。町役場も情報を求めてきた移住希望者には、大道開発を紹介しているとか。ずっと移住希望者の拠り所であり続けてきたのです。

この地域への移住希望者の物件探しは、「まわりに人が住んでいないところがいいというお客さんが多いんです」とのこと。なんとなく道東の田舎暮らしに憧れる人たちの気持ちが現れてるんですね。

そして今、この地域に移住してきた人たちが年齢を重ね、家を手放す時期にもなってきました。

「ここ2、3年中古物件が動き始めています。以前、土地だけ買って家を作る人たちが多くいたんですが、その人たちが高齢化して住み続けられなくなって物件が出てきています。ちょうどいい物件が出てきているんですね」

温泉を掘って、温泉を守る、「温泉のプロフェッショナル」

大道開発は温泉付き分譲地を販売するところから始まっていますが、温泉が出ているところに分譲地を作っていたわけではありません。「温泉を掘る」ことも大道開発の仕事なのです。

温泉掘るにはどのぐらいの時間がかかるんだろうと、興味が湧いたので伺ってみました。

「掘削には3ヶ月ぐらいかかります。3人1組の2チームが12時間交代で作業します。一回掘り始めたら機械が止められないので24時間作業はノンストップです」

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そして自由勝手に掘り始められるわけではないそうです。

「温泉を掘るための許認可に何ヶ月かかかります。まず掘削申請をして、年4回開かれる温泉審議会にかけられます。それで許可が出て初めて掘削できるんです。温泉が出た後も動力申請というものを行う必要があります。ポンプでどれだけ汲み上げていいかの許可をもらいます」

さらに大道開発は、掘削した源泉の管理・メンテナンスも請け負っているということなのです。まさに「温泉のプロフェッショナル」なのですね。

これからの町の、地域の未来がみえる仕事

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この町や地域について静かに語る辻谷社長の言葉は、とても納得できるものばかりでした。

「道東はとても水が豊富です。とくに弟子屈町は屈斜路湖と摩周湖の二つのカルデラ湖という大きな水瓶を持っていますし、町全体がボウルのような形状で、地下水がたっぷりあります。なかでも南弟子屈から標茶町市街地にかけての釧路川沿いは、水井戸を掘削すると自噴します。電動のポンプがなくても水が勝手に地上に出てくるのです」

ちなみに大道開発は水井戸も掘削するのだそうです。
温泉も含め、「水」に恵まれた土地なのですね。暮らす人にとっては、観光地としての魅力よりは、こういった日常に直結する魅力が何より重要です。

たくさんの移住希望者と接する辻谷社長は、その受入にあたってのこの町の課題も感じています。

「若い人たちがやってくるには、アパートが少ないのが問題です」

確かにいきなり土地を買ったり、家を建てたりできない場合はほとんど。これから若い人たちを迎えようとする町に共通する大きな課題は、「仕事」と「家」なのですよね。

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そして、北海道やこの地域の可能性について辻谷社長はこう言います。

「今回のコロナ禍がまだ収束した訳ではありませんが、ネット上で複数の『アフター・コロナ』、『ポスト・コロナ』の記事を見かけます。それらのほとんどが主張しているのが、テレワークなどによる会社に行かない仕事の仕方が増えるだろうといくことです。過疎化の進む田舎に住む身として、やはり大都市への過度の集中は是正されるべきだと思います。実際、ネット回線さえあれば仕事が出来るとのことで、北海道に移住されてくる方がこれまでもいましたし、最近は首都圏の会社の機能を少し分散させる意味合いでこちらに拠点を作るという方もいます」

実際にペンションの中古物件が、東京の企業の社員寮として購入されたとか。その企業は徐々に弟子屈町に会社機能を移転させる予定で、その際に社員の住む場所の確保とのことなのです。これまでの個人での移住希望者に加えて、企業単位の移住も出てきているわけです。

「とにかく、『密』とは真逆の北海道です。まだまだ人を受け入れる余地は残っています!」

辻谷社長は、北海道や弟子屈町の宣伝マンです!

有限会社大道開発
有限会社大道開発
住所

北海道川上郡弟子屈町美里4-2-11

電話

015-482-1718

URL

http://www.daidou.net/


弟子屈町を全国に売り込む宣伝マン。(有)大道開発。

この記事は2020年6月17日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。