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苫小牧市

見えない部分の凄いベルトを製造!株式会社シーヴイテック北海道20190803

この記事は2019年8月3日に公開した情報です。

見えない部分の凄いベルトを製造!株式会社シーヴイテック北海道

CVTってご存知ですか?あまり聞き慣れないかもしれませんが、自動車に搭載される無段変速機。
1速、2速といった変速ギアを使わずに、2対のプーリー(滑車)とそれらをつなぐ金属ベルトで構成されたトランスミッションです。歯車をかみ合わせるのではなく、プーリーの直径の変化と金属ベルトだけで変速比を調整するので、ギアチェンジしたのが分からないほど滑らかな走行を可能にします。その金属ベルトをつくるのが北海道南西部の苫小牧市にある株式会社シーヴイテック北海道です。

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自動車部品の工場といえば、「男の職場」のイメージ。同社の工場も重そうな資材やオイルの匂いに囲まれているかと思いきや...そこはまるで食品工場!大きな荷物を運ぶスタッフも見当たりません。
「ウチの会社がつくっている金属ベルトは、自動車部品といってもエレメントという小さなパーツと薄〜い金属のリングのたった2種だけで構成されているんです。完成品も軽いですし、女性も活躍していますよ」と教えてくれたのは組立係の石田茂希さんです。

bear_cvtec_3.jpg組立係の石田茂希さん

ミクロン単位の精度を確保!

エレメントやリングとはどんなものなのでしょうか?

「ごく簡単にいえば、エレメントは金属を特殊な形に打ち抜いたパーツ。リングは特殊鋼材でできた薄い金属製の輪。当社の金属ベルトは約450枚のエレメントに2列のリングを組み込んでできています。
こう言うと何気な〜く聞こえますが、エレメントもリングも最新鋭の機械でミクロン単位の精度を確保しながらつくられているんですよ。CVTの金属ベルトは、もの凄い!超精密!な製品とイメージしてもらえれば...(笑)」

bear_cvtec_4.jpgミクロンレベルの精度でクルマの変速を支える金属ベルト。そのシェア、国内No.1

もし素手でリングを触って指紋や脂がついてしまった場合は、なんとそれだけで不良品につながるのだとか。パーツを扱うのにも気をつかいそうです。

「なのでリングの溶接部にシミや傷がないかを検査するスタッフは専用の手袋をつけて作業しているんですよ。工場内の温度や湿度もパーツの精度が狂わないよういつも一定条件で管理。中にはミクロン単位の異物さえ付着しないように病院の手術室クラスの清潔さを保っている場所もあります。だから工場内はどこを取ってもクリーンなんです」

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石田さんが所属している部署ではズラリと並んだエレメントにリングをはめて製品にしていく工程を担当しています。

「私は今、班長業務を行っていますが、具体的に言うと係内での安全な職場環境、作業標準の順守、
係内メンバーの相談事や体調管理などを行っています。その他には新入社員への教育も私の担当です」

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若いスタッフも多く和気あいあいとした環境。

ところで石田さんが働かれている職場はどのような雰囲気なのでしょうか?

「ウチの会社は20代や30代のスタッフが多く、活気に満ちているのが魅力的です。実際に働いてみると部署が違っても皆が仲良しですし、上下の壁もそこまで感じません。ウチの会社は若いスタッフの意見にもきちんと耳を傾けてくれるので、向上心もわいてきます」

bear_cvtec_7.jpg工場内で綿密に打ち合わせする様子

石田さんに今後の目標を尋ねました。

「ありきたりではありますが、部下から信頼される上司になりたいです。どんなに小さなことでも親身に対応し、現場目線を忘れないよう心がけています。
今後は今まで以上に、何事も自分が率先して取り組むことによって係内のモチベーションが上がるように頑張りたいです。
また、自分がつくった金属ベルトは最終的に皆さんが乗る自動車に組み込まれるので、大げさではなく人命に関わるもの。『100%良品保証』と自信を持って言えなければならないと思っています」

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皆で会社をつくり上げるという熱意と一体感も。

続いて、管理部部長の山崎哲さんと、総務部部長の犬塚仁さんにも話をお聞きしました。

bear_cvtec_9.jpg管理部 部長 山崎哲さん(写真右)と、総務部 部長 犬塚仁さん(写真左)

「当社のつくる金属ベルトは、部品点数が少ないシンプルなベルトですがCVTの駆動の鍵を握る、まさに心臓のような役割です。
また、CVTは無段階に変速することで、変速ショックのないスムーズな走りを可能にし、無駄なエネルギーを使用することなく燃費の良い走りを可能にします。
仕事に取り組む姿勢でも同じことが言えて、管理者と従業員の隔たりをなくし、スムーズに意見を言い合える環境を作ることが効率的な業務を進めるために一番大切なことだと思っています。
私たち管理者が率先して、コミュニケーションを取り合える環境づくりを会社設立当時から心掛けてきました。その積み重ねのせいか、会社設立から6年経った今、設立時の入社メンバーから管理者も増え始め、『自分が主役となって会社を盛り上げていくんだ』という熱意と一体感が以前よりも増してきているように思えます(山崎さん)」

同社は設立時に160名ほどのスタッフを採用し、その半数は異業種からの転職組。20代や30代が大半を占めるメンバーで覚える業務が多くて大変ではあるのですが、苦労して覚えたことが成長につながる分、定着率も高いのだそうです。

「当社では重い荷物を運ぶことはありませんし、工場内もとてもクリーン。社員食堂をはじめとする福利厚生も整えていることから、女性にも働きやすい職場だと自負しています。育休制度取得者も増え、女性社員の定着率も高いことも特徴です。経験や知識がなくてもまずは飛び込んできてほしいですね(犬塚さん)」

CVTは日本車への搭載のみならず北米や中国市場の需要が拡大しています。同社の挑戦はまだまだ続きます。

株式会社シーヴイテック北海道
住所

北海道苫小牧市字勇払145-1

URL

http://www.cvtec-hokkaido.co.jp/

関連会社

株式会社シーヴイテック

株式会社シーヴイテック九州


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この記事は2014年3月7日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。