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このまちのあの企業、あの製品
赤平市

障がい者と健常者が共に笑顔で働く。 社会福祉法人北海道光生舎20190515

この記事は2019年5月15日に公開した情報です。

障がい者と健常者が共に笑顔で働く。 社会福祉法人北海道光生舎

障がい者支援の柱は、道内トップレベルのクリーニング事業

一般家庭の衣料品などのクリーニング(ホームクリーニング)や、ホテル等のリネンクリーニングで全道一の規模を誇る「北海道光生舎」。


創業者の髙江常男氏が幼少期に右目を失明、青年期に不慮の事故で両腕もなくしたという自身の経験をもとに、障がいがある人でもイキイキと働ける職場を作ろうとドライクリーニング工場を創業したのが始まりです。

その後、障がい者や高齢者を受け入れるケアハウス、特別養護老人ホームなど介護事業を手がけ、働く場から生活の場まで、障がいを持つ人が生きる喜びを実感できる環境づくりに生涯を尽くして取り組みました。こうして現在同法人は赤平市を中心に20以上の障がい者支援施設や老人ホームなどを運営し、700名を超す従業員が活躍しています。

ここの事業の中心でもある、就労支援施設として経営しているクリーニング工場にお邪魔してみました。

「クリーニング業務は工程が細分化されており、機械化も進んでいるので、障がいのある人でも十分に仕事を担当することができるんです」と笑顔で教えてくれたのが、赤平市にあるリネンサプライ工場で職業指導員として働く野島亮さん。ここで言う「職業指導員」とは、障がい者に対し、障がいの程度やその人の性格などを見極めながら、技術の指導や援助を行う専門職のこと。

旭川市出身の野島さんは、就職活動を通じて見つけたこの会社にこんな思いを抱きました。

kouseisha02.JPGこちらがお話をしてくださった野島さん

「大学で学んでいたのは経済学部なんですが、教員を志望していて、在学中には教職課程も取っていました。そこで福祉について学ぶ機会があり、少しずつこの業界に興味を持つようになったんです。光生舎を知ったのは就活で訪れた企業説明会がきっかけでした。社会福祉法人でありながら『企業』として自立していることや経営基盤がしっかりしていることに新鮮な驚きがあり、面白そうな会社だと感じたんです」

障がい者施設に対してどんなイメージをお持ちですか?

野島さんは、10名ほどのスタッフに対し作業スケジュールを管理したり、作業に不安があるスタッフのサポートをしながら、野島さん自身も仕分け作業に携わっています。

「札幌を中心に全道各地のホテルからタオル、シーツ、枕カバーなどのリネン品が届き、それらを洗浄する前に分類するのがこちらの部署です。職員は2名だけで、残りはすべて障がいを持つ方々なんです」

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障がいはあるものの、ほとんどの人が勤続年数も長く、この作業には慣れている現状。新しい技術等を教えることは少ないのですが、障がいがあるために時に「気持ちのムラ」が出てしまうことがあり、作業に集中してもらえるように声をかけたり、サポートすることを中心に動くのが野島さんのお仕事。

皆さんは、障がい者の方が働く施設に対し、どんなイメージをお持ちですか?正直なところ、暗いイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、ここで働いている人々は皆、障がいがあっても無くても、笑顔が溢れた明るい職場です。

「ぜひ一度、見に来ていただければイメージが変わるはずですよ!」と野島さんもニコリ。

芦別高校の卒業生も活躍する、高齢者施設も展開

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こうした障がい者向けだけではなく、高齢者福祉にも力を入れている北海道光生舎。赤平市やその周辺で複数の介護施設を運営していることは冒頭でもお話しましたが、そうした施設のひとつで、「芦別高校を卒業したばかりのフレッシュなスタッフが活躍している」と噂を聞いて訪れたのが歌志内市にある特別養護老人ホームしらかば荘です。

施設の中でひときわハツラツとした笑顔で働いていたのが、介護職員の鈴木ちなつさん。小学生の頃に、特別支援学級に通う友人と仲良くなったのが今日までのきっかけになったようで...

「その友達とよく一緒に遊んでいて、その子の笑顔を見ることが大好きだったんです」。
笑顔になってもらうためには、自分に何ができるのだろうか...と考え始め、福祉に関わる仕事に興味を持つようになったと言います。それから、高校在学中に介護福祉士初任者研修を修了。卒業と同時に光生舎の職員となりました。

配属されたしらかば荘で初めて取り組む高齢者の介護。不安や戸惑いはなかったのでしょうか?そんな疑問を投げかけてみると、やはり最初は色々と不安を抱えていたそう。

「身体介助の時には力加減がよく分からず、怪我をさせてしまうんじゃないかと不安もありました。ただ、入社から2カ月は先輩がマンツーマンで指導してくれたので、分からないことがあればすぐにその場で質問ができる環境だったのが救いでした。技術的にはまだまだですが、仕事の流れはスムーズに覚えていけたかなと思っています」

2カ月ものマンツーマン指導。鈴木さんは少しずつそこで吸収していきました。

kouseisha05.JPG「ごめ〜ん」と、愛くるしい表情も見せてくれた一コマ

今後は初任者研修より上位の「実務者研修」や「介護福祉士」の資格を目指すなど、ステップアップしていきたいと語ってくれました。

まだまだ鈴木さんにとっては始まったばかりの日々。しかし、それは新たな発見の日々のようです。

「最初はなかなか打ち解けられなかった方と会話できるようになったり、名前を覚えてもらって頼りにしてくれるようになったり、やりがいを感じられるようになってきました。利用者さんから昔話を聞かせてもらうと、面白くてつい聞き入ってしまうことも多いんです(笑)。やっぱり、大変さや難しさを感じることもあります。それでも、人と関わる仕事って、やっぱり楽しいなと実感する毎日です」とハツラツと答えてくれた鈴木さんの笑顔は、眩しいくらいに輝いていました。

社会福祉法人北海道光生舎
住所

北海道赤平市錦町2-6

電話

0125-32-3221

URL

http://www.koseisha.or.jp/

【事業内容】

障がい者支援施設、

障がい福祉サービス事業所、

特別養護老人ホーム、

軽費老人ホーム、

救護施設

ほか計14 カ所

障がい者グループホーム16 カ所


障がい者と健常者が共に笑顔で働く。 社会福祉法人北海道光生舎

この記事は2018年12月18日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。