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中札内村

あの町この町で見かける和菓子を製造!株式会社とかち製菓20180522

この記事は2018年5月22日に公開した情報です。

あの町この町で見かける和菓子を製造!株式会社とかち製菓

帯広市から車で約40分。長閑な田園風景が広がる中札内村に社屋と工場を構える株式会社とかち製菓は、平成24年創業の和菓子を中心とするお菓子メーカー。十勝小豆や道産食材を使った大福や団子、白玉などの和菓子をメインに製造しており、商品は道内外のコンビニチェーンや「道の駅なかさつない」などで手にすることができます。近所のコンビニでよく見掛ける和菓子のラベルに、「株式会社とかち製菓」の名が記載されている可能性は大! そのお菓子づくりの現場にお邪魔しました。

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1日に製造する大福は、なんと2万個以上!

同社工場の製造ラインでは粉と餡を機械に入れる人、団子に葛餡をかける人、商品の重さを量る人と、皆さん慣れた手つきで作業をスピーディに進めています。「季節によって異なりますが、1日2万個以上の大福を製造することもあるんですよ」と教えてくれたのは、商品開発スタッフの飯尾竜平さん。

bear_tokachiseika_3.jpg商品開発スタッフ飯尾竜平さん。

商品開発の若きホープでもある飯尾さんも、初めは仕込みの仕事に携わっていたのだそう。「大福の生地に豆を混ぜたり、わらび餅を手掛けたり、基本的な作業を学ぶところからスタートしました。機械の扱い方をマスターするまでには苦労しましたが、商品ごとの食材の分量や火入れの時間を覚えてしまえば難しい工程はそれほどありません。おいしく仕上がるレシピや材料は整っているので、1年もあればひと通りの作業に慣れると思いますよ」

安心・安全への配慮も重要。

同社の商品はコンビニの流通に乗って、道内外の人々に楽しまれています。おいしい和菓子に仕上げることは当然ながら、安心・安全への配慮も重視。「同社の和菓子はコンビニという身近なお店で多くの人の手に取られるため、手洗いやエアシャワー、食材に触れる際のアルコール消毒などを徹底しています。また、当社は「道の駅なかさつない」と共同で、中札内産の枝豆を使った『枝まめ大福』を開発。最近ではテレビで取り上げられるほど人気が高まっています。さらに、敷地内や帯広市のアウトレットショップではコンビニで扱わなくなった商品を格安で提供。十勝に来た際には、ぜひチェックしてもらえたらと思います」

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お客様を笑顔にしたい...という思いが商品開発の原動力。

飯尾さんが和菓子の製造だけを担当していた時は、おいしさに自信がある分、お客様に味をどう受け止められているのか気に掛けたことがなかったのだそう。「商品開発の仕事をお手伝いさせてもらった際、新商品を手に取ってくださる方に本当に喜ばれるのかドキドキしたんです。それ以来、自分が手掛けた商品の先にはお客様がいるということを常に意識するようになり、さらに『僕の開発した商品で笑顔をつくってみたい』と強く思うようになったんです」と飯尾さん。

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風通しの良い社風が、飯尾さんを商品開発に導いてくれたと言います。「当社の上司は、若手の意見に対してもきちんと耳を傾けてくれる方ばかり。僕のように違うチームに移りたいという願い出や商品改良のアイデアも、可能な限り受け入れようとしてくれます。働く人の気質も共通して和やかで、忙しい持ち場を皆でフォローするような助け合いの精神も根付いているんです」。居心地が良いからか、入社から数年経ってもスタッフの顔ぶれもあまり変わっていないと言います。

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新しい商品開発にも意欲的。

商品開発の主な仕事内容についても伺いました。「例えば過去の商品をベースに改良を加える仕事があります。草大福の風味をより豊かにするためにヨモギの配分を調整したり、粉のブレンドを変えて団子の食感を柔らかくしたりしています」と飯尾さん。時にはインターネットで商品の評判を調べ、コンビニのバイヤーさんに改善案をご提案することもあるのだとか。「中札内村には当社の和菓子を扱っているコンビニがなく、生の声を聞ける機会が少ないんです(笑)。だから、ホームページやブログで『おいしい』と評価されていたら、ニヤリとしちゃいます」

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そんな飯尾さんは、新しい商品開発にも力を入れているそう。「当社には大福の生地だけでも20種近く扱っていますし、餡や豆、クリームなどを組み合わせると味わいのバリエーションは無限に広がると考えています。その中にはヒットにつながるおいしさが必ず眠っているはず。自ら手掛けた和菓子を、あの町この町へお届けできると思うとめちゃくちゃ燃えてきます」

お客様からのお手紙がモチベーション。

続いてお話を聞いたのは、生産部次長の高野政広さん。同社ではコンビニチェーンが扱う和菓子の製造をメインとしていますが、そこには苦労もあると言います。「コンビニ業界は商品の入れ替わりが早く、新商品の開発に掛けられる時間はそう多くありません。それでも妥協を許さず、評価の高い和菓子をつくれた時の喜びは格別です」と高野さん。「残念ながら中札内村にそのコンビニチェーンがないのですが(笑)、商品ラベルを見て当社に『おいしかった』とお手紙を送ってくださる方もいて、そんな時は社内の掲示板に貼って、皆に見せるようにしています」

bear_tokachiseika_8.jpg生産部次長の高野政広さん。

同社は今後、『もちとろチーズケーキ』をシリーズ展開していく予定。「チーズキャラメル味やいちごミルク味など多くのテイストをつくってナショナルブランドにしようと考えています。コンビニだけでなく、各地のスーパーや商店でも自ら手掛けた商品が棚に並び、お客様に手に取っていただける...当社のスタッフにはそんなうれしい光景と出会える楽しみが待っているはずです」

株式会社とかち製菓
株式会社とかち製菓
住所

北海道河西郡中札内村中札内西2線241‑15

URL

http://tokachiseika.com/


あの町この町で見かける和菓子を製造!株式会社とかち製菓

この記事は2014年10月24日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。