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登別市

自然を介して「幸せな暮らし」を目指すモモンガくらぶ20180312

自然を介して「幸せな暮らし」を目指すモモンガくらぶ

「モモンガくらぶ」とは?

登別温泉を抱え、北海道有数の観光地とも知られる北海道登別市。そこに2002年に設立した登別ネイチャーセンター「ふぉれすと鉱山」という施設があります。1974年閉校の旧鉱山小中学校校舎と跡地を活用した自然体験学習の拠点です。


同センター立ち上げに参加した自然活動団体や山岳会などの代表たちが新に支援組織を結成し、2005年8月にNPO法人格を取得したのが今の「NPO法人モモンガくらぶ」。2007年から登別市の指定管理業者として「ふぉれすと鉱山」を運営すると同時に、子育て支援などさまざまな自主事業も展開しています。

momonga_club9.JPG取材日は2月。広い敷地内は一面の雪景色でした。見えているのは廃校となった旧鉱山小中学校の校舎。真裏に宿泊などができる新棟がある。

「登別ネイチャーセンターふぉれすと鉱山」と「NPO法人モモンガくらぶ」2つの名前が混同されがちですが、「ふぉれすと鉱山」は登別市が所有する社会教育施設。一方「モモンガくらぶ」は市から委託を受けて指定管理者として施設の管理・運営を担うと同時に、この施設を拠点に独自の事業も行っている団体です。
主に、ここ鉱山地区をフィールドとする自然体験の機会を提供し、0歳児から高齢の方まで、誰でも参加できるプログラムを展開しています。

東京での経験。そして登別へ

モモンガくらぶ事務局長であり、ふぉれすと鉱山スタッフ、富岸子育てひろばセンター長吉元美穂さんにお話をお聞きしました。


momonga_clun7.JPG館内に飾られた、鉱山町の自然を表現したフェルト製のタペストリー。創設15周年を記念してボランティアの方たちが手作りしました。

吉元さんは東京都出身。林学を大学で専攻、そこで森林政策を学びました。社会人となり企業の人材育成や組織開発にかかわる仕事を経て、2005年に当時は任意団体だった「モモンガくらぶ」と出合います。そのモモンガくらぶではNPO法人設立に携わったことを皮切りに、以来、事務局長として事務全般を担いつつ、企画、フィールドのガイド、ボランティアの育成、子育て支援事業などマルチに才能を発揮し現在も奮闘中です。

momonga_clun8.JPG表舞台からは見えませんが、デスクワークは組織運営の大切な要(かなめ)です。

吉元さんはふぉれすと鉱山についてこう話します。
「予定されたプログラムに申し込んでいなくても、ここは休館日を除けばいつでも誰でも気軽にやって来て、思い思いに過ごすことのできる場所です。何度か参加して顔なじみになった子どもたちは、一緒に来た親から離れて『何して遊ぶ?』と、子ども同士で自由に楽しみを見つけています。そうすると親は親同士で集まり、子どもたちの様子を笑顔で眺めながらくつろぐ、そうした風景が日常的に見られますし、もちろん一人で過ごしたい方も歓迎です」。

それこそが、モモンガくらぶが目指している基本の姿。人が自然に親しみ、その自然を通して学び成長し、輪を広げていく。自然を介して人々が地域でのびのびと幸せに暮らす、そうしたお手伝いを仕事としています。

「モモンガくらぶ」の主な取り組みは?

「自然体験活動」の提供はもとより、自然とのふれあいを盛り込んだ「子育て支援」「人材育成」「地域づくり」に取り組んでいます。


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人材育成においては、鉱山町の自然環境を適切かつ安全に伝える「コーザン・ネイチャーガイド」養成講座を開き、認定ガイドを毎年輩出しています。また、プロの野外教育指導者養成を目指して、「北海道アウトドアプロデューススクール」の企画・運営を行っています。こうした取り組みにより、時を経ても自然に対する知識や理解が正しく受け継がれ、さらに人から人へ広まっていくことが期待できるのです。

また、モモンガくらぶには、会員が好きな企画を発案・運営できるしくみがあります。興味のあるテーマを自ら「やってみたい」と声をあげ、現在は木工や羊毛クラフト、自然調査、森づくりなど20種類以上のチームが活動しています。

「そこでの私たちの大事な務めは、それぞれが思い描く企画の実現に向けてのサポート役です。場を提供し、必要な案件をアドバイスして見守り続けてきたことで、運営能力を無理なく身につけた人材が次々と着実に育っています」。

吉元さんのこれまで、そしてこれから

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「私は、大学では森林政策を通してNPOや市民参加について学び、卒業後は経営コンサルタント会社に就職。そこで経営にかかわる知識を身につけました」。

しかし、数年が過ぎると、自然環境の中やNPOの場で働きたいと考えるようになった吉元さん。再就職先を探し求めていた時、知人にNPO法人格取得を目指している「モモンガくらぶ」を紹介されました。

「と言っても、それまでの私は決して『アウトドア派』ではありませんでした。野外体験は、学生時代に友人に連れられ、わずかに登山や川あそびをしたくらいです。北海道に来てからは自然と暮らしの近さに驚き、またその魅力に魅せられています」。

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働き始めてからは同団体の理事長である松原さんとこのフィールドを歩くことも。歩きながら花や木の名前をぽつりぽつりと教わるうちにそれらを覚え、季節を繰り返すと、今度はその年ごと、季節ごとの変化も気付けるようになっていきました。

「『この春はこの芽吹きが早かった』とか、『今年はこの木の実が多いな』とか。自然は、その気付きがおもしろいですね」。
たとえ一人で歩いていても、植物だけでなく、日々異なる風や空の変化を見つけるごとに、そこに自然との対話が生まれます。

「アウトドア派ではなかった私ですが、沢登りやバックカントリースキーなど技術を磨き今ではガイドもこなしています。これからも質を高めたガイドをしていきたい」と、目を輝かせます。

momonga_club12.JPG館内の廊下には、みんなの手形を集めて描いた大きな木が。楽しそうに手形を合わせるお二人。

子どもたちの成長に関われることに喜び

モモンガくらぶ常勤スタッフの若手、松原昇平さんにもこちらでの仕事についてお聞きしました。横浜出身の松原さんは、もともとアウトドア好きなため大学時代は野外教育をテーマに研究。実習で訪れたのがここの施設で、そして大学卒業後は社員としてこの地へ再び戻りました。「モモンガくらぶ」勤務5年目のホープです。


momonga_club6.JPG偶然にも理事長と同じ苗字の松原さん。

「僕はここで野外活動の企画を立て、実施することを主な仕事としています。ここには子育て中や、もともとこの地区に住んでいた高齢の方がいらしたり、いろんな人がやって来るので、ちょっとした会話から新しく気付かされることの多い毎日です。僕は大学で野外教育を研究したため、自然体験活動と子どもの成長に興味を持っています。しかし、子どもも大人も関係なく、新たな気づきや成長する場を与えてくれる環境の中でワクワクしながら仕事をしています」。

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モモンガくらぶが目指すもの

理事長である松原條一さんは、登別山岳会理事、室蘭山岳協会副理事を務めていたことから「モモンガくらぶ」設立の中心人物の一人となりました。植物好きが高じて始めた花の写真撮影から登山の魅力に開眼し、北海道の山をほとんど踏破。野外活動はもちろんパソコン操作など、手を染めた分野は「なんでも一番になること」がモットー。現職を続け「若い人たちと遊べるのが幸せ」と笑う、厳しくも心優しいボスです。


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続けて松原さんはここでの想いを話します。
「互いに争うことなく、平和に日々を送れる地域や世の中であってほしい、そうした願いを込めて人材育成や地域作りを行っています。ここでは、『自然』は人に気付きを促し、人同士が結ばれていくための媒介です。大人も子どもも、丸ごと自然に身を預けて自ら考える力を育み、求めるものを実現するためのさまざまなスキルを身につけ、じっくりたくましく成長していってほしいですね」。

モモンガくらぶはそうした理想を形にするため、温めているアイデアが数多くあります。

「実現のためには私たち自身も人材を必要としています。スタッフは野外活動の経験やスキルが無くても、後から少しずつ学べます。企画・立案や運営に興味あれば、『ふぉれすと鉱山』と『モモンガくらぶ』をぜひ見に来てほしいです」と話してくださいました。

momonga_club14.JPG顔を合わせて冗談を言い合えるのは、互いに信頼関係があってこそ。

NPO法人登別自然活動支援組織 モモンガくらぶ
住所

北海道登別市鉱山町8番地3

電話

0143-85-2569

URL

http://npo-momonga.org

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自然を介して「幸せな暮らし」を目指すモモンガくらぶ

この記事は2018年2月9日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。