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札幌市

旨さもデザイン性もハイレベル! 株式会社札幌大成20171123

この記事は2017年11月23日に公開した情報です。

旨さもデザイン性もハイレベル! 株式会社札幌大成

7年あまりでスタッフの人数が7倍以上に大成長!

平成22年、わずか3名からスタートした株式会社札幌大成。若い企業ながら、おいしさづくりに取り組む真面目な姿勢が評価され、7年あまりで従業員数が7倍以上になるほど成長しました。その原動力が「ボイルタラバシュリンク(鮮度を維持できるフィルムパックの手法)」や「おさしみたらこ」、「おさしみ明太子」。同社は食材の仕入れから化粧箱の装飾など細部まで手間ひまかけて商品を生み出しています。例えば、タラバガニは一つひとつ品質をしっかり確かめて、自らがおいしいと感じたものだけを厳選。そんな努力が実り、今や全国に拠点を持つスーパーのバイヤーや本州の市場からも大注目されているのです。

自由にアレンジを楽しめる独創的な新商品。

同社の工場を訪ねると、代表取締役社長の作間健太郎さんがハツラツとした笑顔で迎えてくれました。スタッフ数の増加もさることながら、会社の立ち上げから売上も順調に推移しているのだとか。おいしさ以外にも躍進の要因はあるのでしょうか?

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「僕らにとって味が確かであるということは大前提。ただ、それだけでは他社の商品に埋もれてしまいます。なので、当社はおいしさに加えて『思わず手に取りたくなる』ようなデザイン性の高い化粧箱やパッケージに仕上げているんです。最近では、スピード感を持って販促活動に取り組むために、食品製造業には珍しく専属デザイナーを採用しました」

同社の代表商品はボイルタラバシュリンク。高級感あふれるデザインの箱は贈答用にもぴったりで、道内はもちろん道外の市場や仲買業者、通販、量販店などからも高い評価を受けています。

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「当社は独創性の高い商品づくりにも積極的で、昨年には『北海道海鮮ねばねばぶっかけ爆弾』をリリースしました。マグロやサーモンといった5種の海鮮と、がごめ昆布、長いも、オクラの3種のネバネバをさいの目にカットした新商品です。あえて味つけは控えめにしているので、納豆を混ぜたり、麺にからめたり、自由にアレンジして楽しんでいただけるのもヒットにつながっていると思います」

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「こんな商品はどう?」「つくってみよう!」までが早いところも同社の面白み。アイデアがひらめいたら、トップの作間さんや工場長に直接提案できる環境です。

「当社はスタッフの平均年齢が30代と若く、とにかくチャレンジ精神にあふれています。その分キビキビと働き、キッチリ休むというメリハリは必要です。頑張ってくれているスタッフに報いるためにも、福利厚生というワケではありませんが、月に2〜3回ほど僕が昼食を振る舞うことも(笑)。コミュニケーションを深めるのも一つの目的ですが、パートさんのお弁当をつくる手間を省きたいという思いもあります」

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素材の吟味にとことん手間ひまをかけるスタイル。

「せっかくだから工場を見てみませんか?」と作間さんに案内していただき、製造現場にお邪魔しました。取材に応じてくれたのは工場長兼営業部長の近江勝洋さん。すると「工場長、取材されるの〜?」「男前に写真を撮ってもらわないと」など、パートスタッフさんたちの黄色い声。近江さん、すごい人気者ですね!

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「いやいや、上下の壁を感じることがないよう、和気あいあいと仕事をするのがウチの社風なんですよ」とほがらかに笑います。近江さんはもともとは鉄骨のとび職。その会社が不況のあおりを受けて傾いたことから、18年ほど前に食品製造の工場に転職しました。そこではたらこ部門の立ち上げに携わったそうです。

「当時、僕はたらこが嫌いだったんです。自分だったら生臭くなく、もっとおいしく仕上げるのに...と思いながらもレシピに従っていました。生意気ですよね(笑)。でも、自分の味をいつかつくり上げるんだという気持ちがモチベーションになりましたよ」

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なんとも率直なご意見。近江さんは札幌大成の初期メンバーとして会社を立ち上げ、かつて思い描いていたたらこの味も完成に導きました。

「昆布エキスや柚子でたらこ特有の生臭さを消し、旨みを引き出しました。当社は味つけもさることながら、素材の吟味にとことん時間をかけるのがこだわり。例えば製品に使用する原料のタラバガニは必ず全解凍し、製品化してから味を確かめます。そうしなければ、身がどれだけつまっているか、甘みはあるのか、分かりませんからね。お客様からは身入り、味ともに最高!とよく評価していただいています」

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「札幌大成」のブランド力を全国の市場へ!

ここ最近、近江さんはレシピの見直しや市場の視察、営業活動に追われて工場全体の管理で精一杯なのだとか。実際の作業については「ウチの品質管理責任者に聞いたほうがいいかな?」と、高木良子さんを紹介してくれました。

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「ボイルタラバシュリンクづくりは脚を一本一本まっすぐに伸ばして成形したり、グラム数を正確に計ったり、難しくはないけれど繊細さが必要です。仕事のやりがいですか? そうですね、私はバイヤーさんに試食いただくサンプル品を手がけることもあるので、取り引きが決まった時はもっと質のいいものをつくろうって気持ちが沸きます!」

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高木さん、すてきなコメントをありがとうございました! それにしても女性が生き生き働いているのが伝わってくる職場です。

「工場には女性のパートさんが多く、その細やかさに本当に助けられています。清掃にしろ、整理整頓にしろ、女性ならではの視点で作業を効率化してくれるんです。僕は、パートさんたちが働きたいと思えるような職場づくりが高い品質につながると思っています。朝起きた時に仕事がイヤだと思ったら味は落ちちゃいますよね。だから、今日もおいしいものをつくるぞ! と食材に心を込めてもらえるよう、声がけや工程の改善などでサポートするように努めています」

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近江さんの夢は札幌大成というブランドを全国区に広めること。同社の商品は味にもパッケージにも手間をかけているだけあり、価格帯が少しだけ高いそうですが、品質重視という札幌大成イズムが徐々に浸透している手応えを感じています。

「でも、ウチはまだまだ全国区ではありません。いずれ東京の築地はもちろん、どこの市場に行っても『やあ札幌大成さん!』に『毎度どうも!』なあんて、威勢よく返事するのが夢なんです!」

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株式会社札幌大成(札幌西工場)
住所

北海道札幌市手稲区曙2条3丁目2番48号

電話

011-624-6185

URL

http://sapporo-taisei.co.jp/


旨さもデザイン性もハイレベル! 株式会社札幌大成

この記事は2017年9月1日時点(取材時)の情報に基づいて構成されています。自治体や取材先の事情により、記事の内容が現在の状況と異なる場合もございますので予めご了承ください。